チャータースクール

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Topics  湘南小学校・夢便りはこちら(2001年9月まで)
チャータースクールに関する米ハドソン研究所の報告書を、西村香介さんが翻訳し、当センター寄せてくれました。→ここをクリックして下さい


 NEWS 

ジョー・ネイサン来日記念特別講演会開催!

「チャータースクールが教育を変える」

2002年 3月24日(日)開場13:00 開演13:30 終了17:00予定
 
問合・申込 21世紀教育研究所 03-5919-3155



チャータースクール、1700校に迫る
 米国のチャータースクールがこの秋、1684校に達したことが、ワシントンの教育改革センターの調べで分った。全米で、約35万人の子どもたちがチャータースクールに籍を置いているという。
 州別で多いのは、アリゾナ348校、カリフォルニア234校、ミシガン175校、テキサス168校、フロリダ115校などの順。




日本型チャータースクール「研究開発学校」、自民党・最終提言まとまる

 自民党教育改革実施本部・チャータースクール構想等研究グループの「新しい研究開発学校制度」に関する最終提言が8月10日付けでまとまりました。学習指導要領を離れた、自在な教育に道を開くものとして注目されています。自民党ではこの「最終提言」をもとに実施要綱をまとめ、2000年4月から制度をスタートさせる考えです。この構想は文部省も支援の構えを見せており、わが国の教育を活性化するものとして期待が高まっています。(エディター:大沼)

概 要

「学校教育の個性化・活性化に向けた方策について」

(教育改革実施本部チャータースクール構想等研究グループ報告要旨)

 我が国が21世紀に想像的で活力ある国家として発展していくためには、自立性と自己責任を基本とした社会の構築と国民の意識改革が必要であり、国民の多様で自由な発想や創意工夫を大切にした国づくりを進めなければならない。

 「チャータースクール構想等研究グループ」は、このような観点から、米国の「チャータースクール」制度を参考に、教育関係者や有識者からのヒアリングなども行い、検討した結果、我が国の学校教育が抱えている諸問題を解決するとともに、学校教育全体を個性化・活性化させるため、別紙のような新しい試みを実施する必要があるとの結論に達した。

 その概要は次の通りである。

1 学校教育における新しい試みの必要性

 不登校、いじめ、学習障害児など現在の教育システムで十分に対応できていない諸問題について、教育現場の創意工夫を結集して解決を図るとともに、学校教育全体を個性化・活性化させるため、国の教育課程の基準に特例を設けて新しい試みを実施する。

2 現行制度の運用の改善による新しい試みの内容

 文部省が課題を定める下校の研究開発学校制度を改め、設置者である市町村教育委員会等が主体的に設定した課題について文部大臣の指定を受けて研究開発を行うボトムアップ型の研究開発学校制度を導入する。研究開発に要する経費については、必要な場合は国が助成する。

 また、新しい研究開発学校においては、通学区域を弾力化する。

 なお、国民教育としての基礎基本や受験競争の激化防止等が確保されるよう、指定審査のガイドラインを設ける。


本 文

「学校教育の個性化・活性化に向けた方策について」

(自由民主党チャータースクール構想等研究グループ報告)

 わが国が今後国際社会の中で発展していくためには、何よりも日本人としてのアイデンティティーを確立し、自律性と自己責任を基本とした社会の構想と国民の意識改革を実行し、独創的で活力のある国づくりを進める必要があり、その基礎となる教育改革を断行することが焦眉の急となっている。このような観点から、我が党は先に「教育改革推進の提言」を発表し、各般の改革方針を示したところであるが、特に義務教育については、基礎基本を徹底するとともに、画一化されている制度の改革を図るため選択の拡大を進める必要がある。この点については、「教育改革実施本部義務教育研究グループ」が本年4月に報告をまとめたところである。

 平成10年3月に発足した「教育改革実施本部チャータースクール構想等研究グループ」は、米国のチャータースクール(参考1)を参考に、教育関係者や有識者のヒアリング等を行い、我が国の学校教育制度との関連などについて研究を行った(参考2)。その結果、我が国の学校教育が抱えている諸問題の解決を図るとともに、学校教育全体を個性化、活性化させるためには、以下のような新しい試みを積極的に学校教育に取り入れる必要があると考える。

1 学校教育における新しい試みの必要性

 2002年度から完全学校週5日制の下で新しい教育課程が実施されようとしている。新教育課程は基礎・基本を重視した思い切った内容の精選を行い、各学校が創意工夫を生かし特色ある教育・特色ある学校づくりを目指すものとなっている。

 我々は、このような政府の完全学校週5日制の実施に向けた取り組みを是としつつも、それぞれの地域の特性やニーズをふまえて、さらに一層多様な試みを展開し、思い切った改革に取り組むことが必要と考える。

 特に次のような分野については、現在の教育システムで十分対応できていない諸問題について解決を図る新しい教育内容・方法を開発するため、国の教育課程の基準に特例を設けて新しい試みを実施する必要がある。これは次期学習指導要領がめざす特色ある教育の展開、特色ある学校づくりの動きを刺激し、なお一層促進する意義を併せ有する。

 まず、不登校・いじめなどの問題が以前として深刻な状況が続いており、教育現場の創意工夫も含め関係者の総力を結集して解決を図る必要があるため、特に公立学校において、最優先の課題として、不登校の傾向をもつ児童生徒、いじめにあった児童生徒、学習障害児などに対して、その児童生徒の心身の状況等を考慮した専門的観点からも適当な指導方法による教育に取り組むことが必要である。

 次の地域の人材を積極的に活用して、児童生徒に町づくり、職業体験などの地域や社会の活動に参加する機会を与える、いわゆるプロジェクト学習を中心とした実体験重視の教育、じっくりと時間をかけて基礎・基本の着実な修得をめざす教育、児童生徒の興味・関心にこたえて発展的な学習内容に及ぶ教育、あるいは以上の組合せにるものなども工夫の余地がある。学習集団の編成や学年別カリキュラムの弾力的な運用について研究することも意義がある。

 このほか、特に私立学校では、それぞれの教育理念に応じ、全人的教育にも配慮しつつ、科学・芸術・スポーツ等の特定分野の才能を伸ばす教育を行うものもあってよいと考える。

 また、幼・小・中・高の学校間の教育の系統性を強化し、例えば幼稚園と小学校低学年、小学校高学年と中学校等の教育課程の一体的編成を行うことも、新しい試みの対象として検討に値する。

2 現行制度の運用の改善による新しい試みの内容

新しい研究開発学校制度の活用による教育課程の特例
 現在、学校の教育課程については、研究開発学校制度により、文部省の指定を受けて、学習指導要領によらない教育課程による研究開発を行うことが可能となっている。

 しかしその仕組みは、文部省が課題を定め、都道府県及び国立大学の推薦を得たものの中から委嘱する方式であった。

 今後、地域の特性や学校のニーズを踏まえた一層特色ある教育活動を促すため、市町村教育委員会、国立大学及び学校法人(以下「市町村教育委員会等」)が主体的に設定した課題について文部大臣の指定を受けて研究開発を行う新しいタイプの研究開発学校を導入し、新しい教育課程の研究開発を活発に行う必要がある。

 新しいタイプの研究開発学校の実施に当たっては、保護者や地域住民等の要望等を反映した特色ある教育課程の研究を行う観点から、市町村教育委員会の責任の下に、制度の趣旨を踏まえ、関係者の創意工夫を生かせるよう研究開発課題や実施計画を定めるものとする。

 この際、国民の知恵と工夫による提案が積極的になされるよう促すため、モデル的提案を広く情報提供するなど制度の運用において工夫したり、研究開発の実施に伴う経費について、原則として市町村教育委員会等で措置するものとするが、研究開発の趣旨を生かし、適切な提案が生まれるよう、十分検討の上、必要な援助を行うなど配慮することが必要である。

 なお、研究開発の選定に当たっては、選定のための委員会の設置など選定手続きの透明化、自己評価の提案を含めた成果の公平な評価、他の教育関係機関との連携、地域の人材の非常勤講師等としての積極的な活用に留意するとともに、空き教室などの利用や、分校・分教室等の設置形態を含め、実施可能な創意工夫をつくすものとする。

 現行の研究開発学校は指定期間を原則として3年としているが、新しい研究開発学校についても、一定期間内の評価を基に、研究開発の存続について適正に判断し、結果責任を明確にする必要がある。

公立学校の通学区域の弾力的運用
 公立学校の通学区域については、我が党の前回提言もあり、相当に弾力的な運用が行われるようになったが、新しい研究開発学校においては、地域の創意を生かした特色ある教育を行う趣旨を生かすため、一層その弾力的運用を進める。

 具体的には、教育委員会の判断で、研究開発学校の特性に応じて、これに就学を希望する保護者や生徒の希望を尊重して、市町村の全域など広域の通学区域を設定できることとする。

公立学校については、市町村が自らの判断で、上述した、新しい研究開発学校を活用するとともに、通学区域の弾力化を組み合わせることにより、創意を生かした教育課程による教育を行う学校を、既存の学校と選択可能なかたちで設置することが可能となる。

 国立、私立学校についても、新しい研究開発学校を活用することにより、一層主体的な教育課程の展開が可能になる。私立学校については、従来新しい教育の展開について先導的役割を担ってきた経緯を踏まえ、新制度によりその役割をさらに追求できる余地を与え、私学の使命のさらに意義ある進展を期待する。

 このような新しい試みが進むことにより、学校教育全体に刺激を与え、次期学習指導要領がめざす教育の趣旨の実現をも促進し、両者が相俟って新しい学校教育の動きを創り出していくものである。

 国においても両者の実施状況を踏まえ、現行の研究開発学校制度について、更なる充実を図る必要がある。

 新しいタイプの研究開発にあたっても、国民教育の基礎・基本を確保することは大前提であり、さらに、受験競争の激化を招かないよう配慮することや、政治的中立について確保することは当然のことである。このような留意事項については、文部省における指定審査にあたってのガイドラインとして明確にしておく必要がある。なお、新制度の名称については、国民に親しまれる名称を検討するものとする。

3 おわりに

 以上に提言した方策は、我が国の現行学校教育制度を前提として可能な限りその弾力的な運用を追求することにより、特色ある学校教育を実施することをめざすものである。これにより、新しい発想の学校教育の試みが各地で行われ、学校教育の活性化に大きく貢献することを期待したい。

 なお、今後、米国のチャータースクールの実状等について調査を深めるとともに、新しい研究開発学校の実施状況や成果等を見極め、必要に応じ、学校教育の個性化、活性化に向けたさらなる措置について検討すべきである。


(参考1)チャータースクールとは

 「チャータースクール」は近時米国において広まりつつある新たな公立初等中等教育学校である。教員・保護者等の提案により、学区等の特別の認可(チャーター)を受けて設立され、独自の理念に基づく教育を行うことが認められている反面、チャーター交付者との契約に定める教育成果を契約期間内に達成しないとチャーター取消により閉校となる。教員・保護者等の創意工夫を公立学校教育に導入し、その活性化を図る試みとして注目されている。

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(参考2)研究会の開催記録

 第1回 平成11年2月10日 教育ジャーナリスト大沼安史氏からヒアリング

 第2回 平成11年2月24日 フリートーキング

 第3回 平成11年3月2日  「湘南に新しい公立学校を創り出す会」からヒアリング

 第4回 平成11年6月18日 座長試案について協議

 第5回 平成11年7月7日  小野日本教職員連盟事務局長、橋爪生産性本部社会政策特別委員会専門委員他からヒアリング

 第6回 平成11年7月8日  石井日本教職員組合教育分化部長他からヒアリング

 第7回 平成11年7月13日 安斎日本中学校長会会長、村越全国連合小学校長会調査研究部長他からヒアリング

 第8回 平成11年7月22日 佐々木「湘南に新しい公立学校を創り出す会」会長、教育ジャーナリスト大沼安史氏からヒアリング

 第9回 平成11年7月27日 桐川都道府県教育長協議会幹事、佐々木全国都市教育長協議会会長、本間指定都市教育委員会教育長協議会会長代理、田島全国町村教育長会会長他からヒアリング

 第10回平成11年8月4日  長谷川日本私立小学校連合会会長、田村日本私立中学高等学校連合会常任理事他からヒアリング

 第12回平成11年8月5日  早川NHK解説委員、朝日新聞社会部教育班高橋氏からヒアリング

 この他、議員有志による勉強会を行い、平成11年7月29日には吉崎ライナス教育研究所(学習障害児のフリースクール)所長からヒアリングを行った。

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米チャータースクール、1500校を突破
 米国のチャータースクール認可校が1500校を突破したことが、ワシントンの教育改革センターの調べで分った。うちわけは開校済みが1205校で、開校準備中が308校の合計1513校。
 州別ではアリゾナ州が最も多く296校。以下、テキサス180校(うち開校済み114校)、カリフォルニア164校(同158校)、ミシガン147校(138校)、フロリダ121校(76校)、ノースカロライナ85校(56校)、ニュージャジー54校(31校)、オハイオ52校(15校)、ペンシルバニア48校(31校)、ミネソタ42校(38校)、ウィスコンシン42校(40校)、マサチューセッツ37校(34校)――などとなっている。


日本型チャータースクール、公募型の研究開発校方式で
 読売新聞が6月18日付け朝刊で報じたところによると、自民党の教育改革実施本部(本部長・森山真弓元文相)の検討チームは、学習指導要領にとらわれずに新しい教育課程に取り組める文部省の研究開発学校指定を、学校や教員グループなど現場の発案で認める座長試案をまとめた。
 文部省も前向きな姿勢をみせており、同本部では来年度、2000年4月からの実施を要請する。
 これは、文部省がテーマを決めて、いわば“上意下達”で指定してきた従来の方式を180度転換で、現場のイニシアチブによる“下からの学校づくり”に道を拓lくもの。
 同紙は、「米国では、現場の教員らの発案で作れる公立学校『チャータースクール』(特別認可学校)が急増しているが、新しい研究校は日本版チャータースクールの試みと言える」としている。

 読売によれば、新タイプの研究開発学校は、国としてテーマを明示せず、各学校や教職員グループなどの発案で、市町村教委がまとめ役となり、都道府県を経て申請、最終的に文部省が指定する現場主導型。父母や地域住民などの要望も反映しながら教育課程の研究を行なう狙いがある。
 この研究開発学校には、市町村全域など、広い範囲からの通学を認め、公立学校での学校選択の試行も目指す。
 既存の学校の空き教室などを活用した「学校内学校」方式をとれるようにし、従来にはなかった私立学校や大学からの指定申請も認める。
 さらに幼稚園と小学校低学年、同高学年と中学校といった、現行の633制の枠を超えた教育課程の編成についても検討できるという。
 同本部検討チームの保岡興治座長は「現場が熱意と責任感を持って臨めば、地域に根付いたきちっとした教育ができると確信する。成果は21世紀の公教育に生かしたい」としている。

《エディター解説》 この読売新聞のスクープ報道は、裏取りも万全で、満をじしての報道だっとと聞く。紙面の都合上、内容的に報道されなかった部分も多いらしい。
いずれにせよ、現場からのイニシアチブによる学校づくりを、研究開発の枠をあてはめつつも、文部省が認めた意味は大きい。
 21世紀を見据えた、公教育改革の画期的な第1歩がしるされたといっていい。


ミネソタ州でチャータースクール法を改正強化
 チャータースクール運動のふるさと、米国ミネソタ州の州議会はこのほど、チャータースクール法を改正・強化した。
 改正新法は開校資金(1校あたり5万ドル)として300万ドルを追加計上する一方、建物のリース料など教室にかかわる経費に対する補助金として600万ドル、支出するとしている。
 また、チャータースクールの認可推薦者として新たに協同組合が認められた。
 同州ではこれまで、地元学区の教育委員会、公立の高等教育期間、私立大学にチャータースクールの認可推薦権が与えられていた。それを最終的に州当局が正式認可する仕組み。
 同州では97年にチャータースクール法を改正しており、今回は2回目の改正・強化。


チャータースクール法、37の州に。新たにオレゴン、オクラホマで成立
 米国のオレゴン州知事は5月27日、同州の州議会で成立したチャータースクール法に署名した。翌28日にはオクラホマ州の州議会でチャータースクール法が可決・成立した。
 これにより、チャータースクール法を備える州は37州(ほかにワシントンDC)となった。
 オクラホマ州のチャータースクール法は、@学区の教育委員会と職業コミュニティーカレッジにチャーター認可権を付与A生徒が5000人以上いる学区にのみ、チャータースクールを設置Bチャータースクールは学区の労使間団体交渉に加わるかどうかの選択権を持つ−−が柱。


「虹の学校」がチャータースクールの新アドレス
メーリングリストも開設

 「虹の学校」の定者吉人さんが、チャータースクールの新しいアドレスをまもなく開設する予定です。新しいアドレスは、http://www.kk-net.com/~yjosha/cs/です。
また、日本でチャータースクール制度を実現するための意見交換の場として、チャータースクール・メーリングリストが設置されました。どうぞご参加下さい。

☆リストに登録する場合
  メールの題名にjoinと入力し、本文には何も入力せずに
  jcharter@ml.cup.comへ送ってください。
  メーリングリストに自動登録されます。
☆リストに登録すると、記事がメールで自動的に送られてきます。
☆自分で記事を送る場合は、jcharter@ml.cup.com宛にメールを送ってください。
 リストに登録された方全員に同じ内容のメールが送られます。


『チャータースクール報告書』日本語版が発刊
 アメリカ連邦教育省が98年7月に刊行した『チャータースクール全国調査・第2年度報告書/1998』の邦訳が、東京・八王子の「子ども劇場全国センター」から刊行された。A4判200頁、4000円。チャータースクールの展望、特色、生徒、運営上の課題などについて詳しく触れられている。購入希望者は、同センター(電話0426-42-9208,ファックス45-9539)へ。


ミネソタで波及効果
 米国ミネソタ大学・学校改革センターのディレクター、ジョー・ネイサン氏によると、ミネソタ州ではチャータースクールの余波で、新たな公立学校づくりに乗り出す、学区の教育委員会が増えている。
 「コア・ノレッジ(核知識)」方式による学校を開設する学区が出て来たり、モッテッソーリ校を開校するところも出ている。セントポール市では、より小規模な中学づくりを始めている。
 いずれも、チャータースクールを意識した公教育システム内での自主的な改革の試み。これはもとより、チャータースクール推進派の望むところだ。


NYの教会がチャータースクール法活用を検討
 米国ニューヨーク州議会がチャータースクール法を成立させたのを受け(NEWS参照)、ニューヨーク市内の黒人・ヒスパニック教会の指導者たちが、同法を活用し、教会の施設内にチャータースクールを開設する方向で検討を始めた。
 ニューヨークタイムズ紙が98年12月29日付けの紙面で報じたもので、教会指導者たちは宗教活動を「開校時間内」に行なわなければ、公立学校の必要条件である「政教分離」のハードルを超えられる、としている。
 これが認められば、チャータースクールが事実上、宗教学校としても存在できることになるわけで、今後の動きが注目されている。
 ニューヨークでは黒人・ヒスパニック系のキリスト教会が、貧困地域の子どもたちの救済活動を続けている。


ニューヨーク州でチャータースクール法、成立
 米国ニューヨーク州の州議会は98年12月18日、チャータースクール法案を可決した。
 ワシントンの「教育改革センター」によると、同州のチャータースクール法は、チャータースクールの開設を推し進める“強いチャータースクール法”で、評価できるとしている。
 その内容は、
1 開設枠100校のうち、50校については、地元教育委員会ではなく、ニューヨーク州立大学が推薦する。
2 カリキュラム編成で完全な自主権を持つ。
3 チャーター期間は5年。
4 教員免許に関して弾力性を持つ。
――などとなっている。
 ニューヨーク州での成立により、チャータースクールを持つ州は全米で35(ワシントンDCを含む)となった。

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リベラルも保守もなく−−急速に広がるチャータースクール運動
「朝日新聞」が報道

 全米に広がる「チャータースクール」について、朝日新聞のアメリカ総局長、高成田亨氏が、その出現の意味をコラム「アメリカの風」(98年12月30日朝刊)で解説している。
 それによると、チャータースクール運動とは「独自のカリキュラムを持った公立学校をつくり、地域の実情や時代の要請に合った教育をしようという運動」だ。
 米国社会で強まる「身近な問題は、リベラルも保守もなく、自分たちで取り組んでいこう、という動き」のひとつだという。
 この動きに注目した高成田氏は、駐在先のワシントンにある「スタジオスクール」を訪ねた。
 「3歳から7歳まで児童約80人が7つのクラスに分かれ、学んでいた」
 「14人の教師の多くは、画家、写真、舞踊家、建築家、音楽家だ。算数や読み書きも教えるが、芸術家とのふれあいのなかで多角的な思考や創造性を身につけさせるのがねらいだという」
 「ある教室では、子どもたちが粘土などで作った町を素材に、どんな町にするのか、建築家の先生のもとで、わいわいがやがや話し合っていた」
 「『図工』でもあり、物語をつくり発表する『国語』」でもあり、町というコミュニティーを考える『社会』のようでもある。決められたカリキュラムにとらわれない教育のありかたを実感した」
 「『うちは7歳と3歳の男の子を通わせています。ここで、深く考えることを学んでほしいと思っています。これからの時代に必要なのは、創造的に考える能力ですからね。子どもたちには、大統領や上院議員や医者や教師など立派な指導者になってほしいのです』と、そこに居合わせた母親のカルロス・ロマスさんは語った」
 こうした学校スケッチのあと、高成田氏は、こう続ける。

 「こうしたチャータースクールに対して、ひと昔前なら、リベラルな側からは、公立学校の制度に風穴をあけるものだと批判が起き、保守の側からは、私立学校に通える支援制度を充実すべきだという反発が生まれただろう」と。
 先に氏が述べた「リベラルも保守もなく」とは、こういう意味だったのである。
 なぜ、こういう新しいタイプの学校が米国に生まれたか?
 それについて、高成田氏は、新しい市民勢力、「穏健派」の出現による、と指摘する。
  「『穏健派』の台頭抜きには、この新しい制度(大沼注・チャータースクールのこと)の急速な増加は考えられない」
 「『穏健派』は、米国の政治に根付いてきた2つの思想(同・リベラルと保守)に、ほどほどという妥協を求めるだけでなく、いまや政治の主流(メーンストリーム)として、チャータースクールのような新しい制度を培う力をつけてきた」
 −−と。
 高成田氏はテレビ朝日の「ニュースステーション」で解説者を務めていた国際派ジャーナリストだ。
  

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「広島虹の学校」が「公的資金で新しい学校を!」と呼びかけ

「広島虹の学校」は、ホームページで「日本版チャータースクール法の実現」を呼びかけています。
「今後、日本で、教育の多様化、自由化をほんとうに実現していくためには、新しい学校を作って、運営しようとする人々(学校)のために、一定の手続きのもとで、公的資金を支出するシステムがつくられるべき」と。
米国のチャータースクール関係のリンクも張られています。
同学校のアドレスは、http://www.kk-net.com/~yjosha/cs/です。


カリフォルニアがチャータースクール法を改正

米国カリフォルニア州は98年5月、チャータースクール法を改正し、州内におけるチャータースクール開設の道を大きく広げた。同州ではこれまで、開設を許可するチャータースクールの数を100校以内としていたが、改正の結果、@1998−99年度に開設の上限を250校に拡大Aその後、毎年、100校以内の新規開設枠を設ける――ことになり、同州におけるチャータースクール開設が一段と容易になった。


チャータースクールの計画づくりと開設を支援するため、今後5年間にわたって、毎年、最高1億ドルを支出する法案が98年10月、米連邦議会で成立した。


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◆チャータースクールとは

 チャータースクールは、アメリカのミネソタ州で生まれた、まったく新しいタイプの公立学校(システム)です。州の法律ができたのは1991年。ミネソタ・チャータースクール法にもとづく、1号校・シティーアカデミーがセントポールの街に誕生したのは翌92年。それが6年後のでは98年秋現在、全米34の州でチャータースクール法が制定され、合わせて1285校が開校するまでに発展しています。

 チャータースクールを一口で言えば、「手づくりの公立学校」ということになります。たとえば、教師や父母のグループが、「こんな学校をつくりたい」と青写真を描いたとします。そしたら、たとえば地元の教育委員会に認可を申請します。公立学校にふさわしいか審査され、承認されたら学校開設の特別許可(これをチャーターといいます)が下ります。そして、その新設チャータースクールを選んで入って来た、子どもたちの数に応じて、公的資金が投入される。

 チャータースクールは、ふつうの公立学校のように画一的な規制に縛れることはありません。ですから、たとえばシュタイナー教育をしたって構いません。現に米国では、シュタイナーのチャータースクールが各地に開設されています。そういうかたちで「教える自由」が実現しているのです。子どもたちも、自分で選んで入学してくるわけですから、その意味で「学ぶ自由」も保障された、といえるのではないでしょうか。

 規制から逃れる代わりに、チャータースクールは「結果責任」を負わねばなりません。約束通り、子どもたちを教育できなかったら、閉校になってしまうのです。既存の公立学校が負わなくて済んでいる教育責任を、チャータースクールは自ら引き受けているわけです。 公的資金を受けて運営される公立学校である以上、結果に責任を持つのは当然、という考え方です。

 チャータースクールは教師や父母の市民運動のなかから生まれた、公教育改革の希望です。一日も早い、日本での誕生を願って、今後とも情報を集積していきたいと思います。

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◆チャータースクールの現在

 ちょっと古い話になるが、96年10月初め、ワシントンポスト紙に、こんな記事が掲載された。「新教育 アメリカで花盛り 公立学校を拒否しはじめた父母たち」――これが見出しである。
 米国の公立学校もまた、基本的には日本と同じ画一的管理統制学校である。そうした既存タイプの公立学校に背を向ける親たちが増え、いまや「新教育」の花が咲き誇っているというのだ。ここで「新教育」と訳した「新」とは、英語の「オルタナティブ」である。《alternative》――古いものに取って代わる、との響きを持つ、未来志向の言葉だ。


 百花繚乱のオルタナティブ教育

そんな「オルタナティブ」が、教育のフィールドで百花繚乱の秋を迎えている、という。
 そんな記事が、米国を代表する新聞に載ったのだ。米国は9月が新学期。タイミングを見計らっての報道といえる。
 記事では、公立学校に見切りをつけた「脱学校」のホームスクーリングの子が全米で100万人を突破したことなど、「新教育」に関するさまざまな実態が報じられているが、なかでも目を引くのが「チャータースクール」をめぐる記述である。

 直訳すれば、チャータースクールはいまや「首の骨をへし折るような」勢いで、全米に広がっていて、「1992年にこの国では、たった一つのチャータースクールしかなかった。それが今日、800校を超えている」と。
 おかげでミシガン州では、新たに開校したチャータースクールに、ふつうの公立学校が生徒を数百人も奪われる深刻な事態(あくまで、既存の公立学校にとっての話だが)に。アリゾナ州のメサというところでは、地元の教育委員会が地元紙に全面広告を出して、ふつうの公立学校をPR、「チャータースクールに行かないで」と呼びかける非常事態になったそうだ。黙っていても自動的に入学してきた生徒が来なくなる。公教育の「独占」が破られてしまったのである。

 同紙の記事によれば、事態は「いまや革命に似たかたちをとりつつある」……。つまり、教育革命が進行中だというのだ。この表現は、よほどのことである。既得権によりかかって自ら改革に乗り出そうとしない日本の教育関係者が聞いたら腰を抜かしてしまうだろう。
 ウォーターゲート事件で自国の大統領にクビにした、あのワシントンポスト紙がそう書いているのである。
 しかし、これはあくまで2年前の話。現在はどうなっているのか?
 ワシントンにある非営利団体「教育改革センター」が98年10月現在でまとめたところでは、全米で開校中のチャータースクールは1128校。認可が終わって開校するばかりのところが他に157校。ということはつまり、合わせて1285校のチャータースクールが認可されていることになる。

 2年前のワシントンポスト紙の記事では、「800校」……。「首の骨をへし折る」勢いは、強まるばかりと言える。
 1991年にミネソタ州で「チャータースクール法」が成立し、翌年、セントポールの街に全米初のチャータースクール、「シティー・アカデミー」が誕生してから、6、7年経っただけなのに、このありさま。これはもう、「チャータースクール」のシステム的、教育的な優位性を証明するものと言ってよかろう。


 「自由」と「責任」の基本原理

 言うまでもなく、チャータースクールは、チャーター(特別許可)に基づき開設される「手づくりの公立学校」である。既存の公立学校のように規制に縛られず、独自の教育を行なうことができる、新しいタイプの学校だ。けれど、規制に縛られる代わりに結果責任を問われることのない既存タイプの公立学校と違って、自分たちの教育の結果について責任を持つ。チャーター申請の際、約束した通りの教育成果を残せなければ、潔く「閉校」しなければならない。そうした「責任」と「自由」が、チャータースクール運動をここまで発展させたのである。

 米国の全国紙「USAツデー」によれば、全米でこれまで「閉校」した(チャーター更新されなかった)チャータースクールは19校。うち10校は自らすすんで閉校を決めたものだ。チャーター契約に違反したとされたケースは4校のみ。それも、子どもたちの成績面に問題があったのではなく、公的資金の管理面に不手際があったケースである。
 こうした「自己淘汰」のシステムを内臓している点が、運動としてのチャータースクールの強みであろう。惰性に陥らない、陥ってはならない仕組みになっているのだ。

 公的資金で運営するのだから、結果責任を引き受けることを当然とする倫理観……。生徒が学ぼうと学ばまいと我れ関せず、厚顔にも「学校」の看板を掲げ続ける、既存タイプの公立学校とは大違いなのである。
 規制にとらわれない「自由」は、実に多彩なチャータースクールの誕生を促している。

 先に引用したワシントンの「教育改革センター」が96−97年時点で、全米300のチャータースクールに対して行なった調査(重複回答)によると、「テーマ学習」で教育していると答えたところが96校(37%)で最も多く、以下、「数学・科学・テクノロジー」に特化している、が67校(26%)、「基礎学力に戻る(Back-to-Basics)」が63校(24%)――の順。このほか、「芸術」が30校(11%)、「ホームスクーリング/独自の学習支援」が29校(11%)など、さまざまなタイプの学校が生まれていることが分る。


 シュタイナーもモンテッソーリも

 シュタイナー教育の「ヴァルドルフ」も6校(2%)、モッテッソーリも14校(5%)あるなど、まさに百花繚乱。画一的な規制で押さえ込まない「自由」さが、これだけの多様性を産み出しているのである。
 このように、「自由」と「責任」を基本原理として、多様に展開するチャータースクール運動だが、一律的に運動が広がっているわけでは決してない。各州のチャータースクール法の内容によって、チャータースクールの開校ペースに違いが出ているのだ。
 一般に法律は政治的妥協の産物であり、賛成派と反対派の力関係によって内容が変わり得る。これはチャータースクール法についても同じで、チャータースクールに反対する既得権護持派が強い州では、どうしても開設認可数を押さえ込むような条項が盛られがちだ。
 チャータースクールの開設を促進する州法と、開設を抑制する州法とがあって、ひとまとめに議論できない状況が生まれているのである。
 98年10月現在、全米34の州でチャータースクール法が制定されているが、アリゾナ州ではすでに268校を認可しているのに、ロードアイランド州などではたった1、2校というありさま。州によって濃淡の違いが出ているのだ。


 アリゾナの希望

 それでは、なぜアリゾナ州では、チャータースクールがどんどん認可されているか?
 その理由は、チャーター申請を審査する窓口が4種類もあるからである。地元の学区の教育委員会(州法ができても、チャータースクールが誕生しにくい州は、地元学区にのみ、チャータースクールの認可権を与えているところが多い。地元学区としては、自分たちのコントロールを離れたチャータースクールを認めたくないから、申請を却下しがちだ)はもちろん、州(それも2ヵ所)、公立大学にも認可権を与えている。
 申請する側からすれば、その何処に申請してもよく、可能性がそれだけ広がるわけだ。
 チャータースクールを推進する人々が今、運動の第二段階として求めているのは、アリゾナ州のような「強い」チャータースクール法の制定であり、その方向への法改正である。

 そのアリゾナ州のツーソン。その町には「エッジ・チャータースクール」というのがある。ほかの公立高校をドロップアウトしたり、落ちこぼれかかっていり生徒たちを救うチャータースクールである。95年の開校、在籍数(昨年)175人(ほかに入学希望者が50人待機)。
 昨年6月、「USAツデー」紙に掲載された同校の特集記事によれば、NPO(非政府団体)のこの学校では、学年の枠がなく(無学年制)、生徒一人ひとりが自分のペースで進む学習が行なわれているという。生徒個々人の学力を高める「ゲリラ戦法」の教育。月2回以上、遅刻したら停学になる厳しさだそうだ。一度、挫折した(しかかった)生徒たちばかりなのに、きちんと通い、きちんと学んでいる。
 同紙の記者は、同校の卒業式を取材し、卒業生らの輝くばかりの表情を真正面からカメラに収めている。晴れの卒業証書を手にしたのは35人。「エッジ・チャータースクール」がなければ、たぶん救われなかった生徒たちである。
 その生徒たちにとっても、あるいはまた海のこちら側の日本の子どもたちにとっても、「チャータースクール」は希望であり、可能性であるといって間違いない。

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REPORT

米ハドソン研究所チャータースクール報告書
チャータースクールに関する米ハドソン研究所の報告書を、西村香介さんが翻訳し、当センターにメールで寄せてくれました。ここをクリックして下さい(120Kほどあります)

「訳者のコメント」
チャータースクール制度、コンセプトが、実際教育現場でどの程度有効に機能しているのかについていろいろな研究機関が調査を行っています。
初期段階での総括的な調査報告書の一つとしてHudson Instituteが1997年度にまとめた報告書を訳しましたので参考にしてください。


博物館にチャータースクール!
兵庫教育大学大学院の渡部親司さんが98年4月、米国ワシントンのチャータースクール(OPTIONS PUBLIC CHARTER SCHOOL)を視察し、レポートをインターネットで公開しています。 報告によれば、同校はワシントンDC(首都ワシントン)初のチャータースクールで、子ども博物館のなかに開かれているそうです。

渡部さんは、こう書いています。「おもしろかったのは、この科学の実験室や、アニメーションの製作の部屋は、博物館の施設であると同時に、チャータースクールで学ぶ子どもたちの教室や職員の研修施設にもなっているという点です」。 詳しい内容を見たい方は、渡部さんのページhttp://www.ceser.hyogo-u.ac.jp/master/watanabe/home2/charter1.html参照。

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 成果

 米ワシントンの「教育改革センター(CER)」がまとめた「チャータースクール達成報告」によると、チャータースクールは全米各地で着実に成果を挙げている。
 そのうちのいくつかを紹介すると、

アリゾナ州の「ヴィラ・モンテッソーリ・スクール(Villa Montessori School)」の67,8年生は、州内で実施された、98年の算数・数学の標準テストで、同州トップの成績を収めた。
また、「読み」の標準テストを受けた同州60校のチャータースクールのうち、4割が学年レベルを50%以上、上回る成績を収めた。

カリフォルニア州サクラメントの「ボウリング・グリーン小学校(The Bowling Green Elementary School)」――。以前、学区内でも最低クラスだったこの小学校は、1993年にチャータースクールへと転換した。以来、標準テストによる成績評価は着実に上昇。学区内でトップの伸びを示している。この小学校の子どもたちが住む地域は貧困地域で、児童の41%が無料のランチを食べている。

ミネソタ州ミネアポリスの「ニュービジョン校(New Vision School)」は、行動面に問題ある子どもたちなど180人に教えている。チャータースクールとしての過去5年間、子どもたちは毎年、一学年を上回る成績を残している。

ニューメキシコ州アルバカーキーの「テイラー中等学校(Taylor Middle School)」は、95−96年度の全米優秀校(National Blue Ribbon School)に、州内でただ1校、選ばれた。
ミシガン州グランラピッヅの「エクセル・チャータースクール(EXCEL Charter Academy)」の5年生のうち93%までが、「書き」の面で「熟達(proficiency)」のレベルに達した。

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統計

 米国ワシントンの「教育改革センター(CER)」が98年10月24日現在でまとめたところによると、
1 全米34の州で、チャータースクール法が制定されている。
2 このうち27の州(ワシントンDCを含む)で、チャータースクールが開校し、運営されている。
3 全米で開校中のチャータースクールは、1128校。認可済みは、157校。
4 州別に見ると、アリゾナが最も多く、現在271校を開校している。以下、カリフォルニア156校、ミシガン139校(ほかに13校が認可済み)、フロリダ75校(同5 7校)、コロラド61校、ノースカロライナ59校(同6 5校)、ミネソタ34校(同7 2校)、マサチューセッツ34校(同8 3校)……の順。
9 在籍する子どもたちの数は、25万10 人以上に達している。

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◆チャータースクール法(モデル)案
  以下に紹介するのは、米国ミネソタ州でチャータースクール法制定運動の先頭に立った市民運動家、テッド・コルデリー氏による、チャータースクール制度化のためのモデル法案である。教師の権利を保障しながら、多彩な教育プログラムの実現に道を拓く、理想の条項が盛り込まれている。  米国の各州向けに書かれたものだが、今後、わが国において同様な制度を条例等で具体化していくうえで参考になると思われる。コメンタールは、コルデリー氏による。



チャータースクール法(モデル)案

セクション1:背景
 本セクションはチャータースクールの創設を許可するものである。チャータースクールはいまや、州の公教育プログラムの一部を構成するものとして宣言された。  
コメンタール:チャータースクールの立法化において、州当局は本質的に公教育を提供する機関は地域社会に複数あってもよいと明言すべきである。換言すれば、地元の教育委員会以外の機関が公立学校を運営してもよい、と明言するものだ)


セクション2:目的
 この法律の目的は、以下の目標を達成することである。

   1. 生徒の学習を伸ばす。
   2. 異なった革新的な学習・教授法の採用を促す。
   3. 生徒の学習機会に関する選択の幅を広げる。
   4. 公立学校における新たな結果責任のかたちを確立する。
   5. 学習評価のより効果的かつ革新的な測定・評価法をつくり出す。
   6. チャータースクールを、進歩のひとつの単位とする。
   7. 教師に対し、学校現場での研修プログラムを含む、新たな職業的機会を創出する。
 (コメンタール:チャータースクール運動は、チャータースクール個別内容それ自体のものではない。それは制度の変革をもたらすものである。システムが自己を進化させるシステムを創出する、変化に関するものである)


セクション3:新しい学校・既存の学校
  1. チャータースクールは以下のいずれかの方法で組織化される。

  (a) 新しい学校をつくる。新しいチャータースクールの開校提案は、個人によって行われることもあれば、何人かのグループ、あるいは団体によって行われることもある。その場合の個人とは、教師あるいは父母であることが最も一般的である。団体は、たとえば地域社会のグループ、大学、コミュニティーカレッジ、病院、動物園、美術館でもあり得る。

 (b) 既存の学校を変える。ある公立学校をチャータースクールに変える提案者は、校長、教師、そして/あるいは父母ということになろう。
 (
コメンタール:チャータースクール法は、新しい学校づくりと既存の学校改革の双方を取り扱うプロセスとなるだろう。既存の学校を転換する場合、次の二つの問題に答えなければならない。開設認可者は、当該校の教師、父母の間に、認可を下せるだけの十分な支持があるかどうか確かめることがひとつ。〔チャータースクール法は、この判断を認可する側に委ねなければならない〕二つ目は、公立学校校の転換である以上、地元学区としては、転換後、当該校への在籍を希望しない生徒や教師のための救済規定を設けなくてはならない。また、学校転換の場合、公立学校でない学校からの転換でチャータースクールを創設すべきかどうか、という問題が出てくる。これに対する答えは、州によって違っている。禁止しているところもあれば、逆にミネソタ州のように、生徒も学校も、私立から公立に移行して構わないとする州もある)

  2. 教育委員会は自らの動機に基づき、学区内のすべて、あるいは一部の学校をチャータースクール化することができる。


セクション4:認可者
チャータースクールの組織者は、次のいかなる認可者に対しても、開校を申請することができ、認可を受けることができる。
    1. 学区の教育委員会
    2. 州の教育委員会(州の教委がないときは州の教育長)
    3. 高等教育機関の委員会
    4. 市や郡など地方政府団体の委員会
    5. チャータースクールの認可や監視のために特別に組織された州機関
    6. 議会の立法で設立された責任ある公共機関
コメンタール:チャータースクールの認可申請者が、地元の教育委員会以外の公的機関で手続きできることは、議会が望む法律のダイナミズムを確保するうえで、最も重要である。これは地元教育委員会をバイパスするなかで、改革と進歩を希望し、新しい学校に関心を示す教師や父母に対して〔チャータースクール法が制定されている州の学区がいまやそうしているように〕「チャーター(特別許可)は我々のもの」と言えるように、より前向きな対応を励ますものである。チャータースクールを創設ための複数の申請ルートを持つ州は、どんどん増えている)


セクション5:学校数
チャータースクールの数は制限されてはならない。
コメンタール:州は、州内すべての人々の進歩を望むものである。したがって、チャータースクール法は、州内のすべての学区に対し、地元にチャータースクールを生み出す可能性を与えるべきである。わずかな数のチャータースクールを“パイロット”プログラムとして認可することは、試み自体を台無しにしてしまう。いくつかの州では、認可する頭数を一定期間、制限し、その後、枠を広げる方式をとっている。しかし、改革と進歩への最大限の刺激を求める州は、チャータースクールの出現の機会に制限を加えてはならない。


セクション6:生徒
 1.チャータースクールは、州内に住むあらゆる生徒に開かれていなければならない。
コメンタール:チャータースクールは、互いに異なったタイプの学校である。したがって、どの学校に行くかは生徒の選択によらなければならない)  
 2.チャータースクールは、入学希望者数が教育プログラム、クラス、学年、校舎などの許容の限度を超えない限りにおいて、入学申請を適時に行った生徒の入学を許可しなければならない。限度を上回る生徒の応募があった場合には、応募者に同等の入学の機会を与えなければならない〔即ち、くじ引きで入学を許可する〕。

 3. チャータースクールは、次に掲げたものに特殊化して創設することができる。
    (a) 一定の年齢グループ、学年の生徒たち
    (b) “危機”に立つと考えられる子どもたち
    (c) ある特別な人口区域の住民たち。ある人種の人口構成が他の人種を超えている人口区域を、下院議員の選挙区ごとに洗い出す。ただし、そうして創設されたチャータースクールの生徒の人種構成は、地元の人口構成比を反映したものでなければならない。
コメンタール:このアイデアは、一定の人口区域に照準を定めたもので〔これまでのシステムでは、しばしば失敗に終わった〕、公立学校全般に求められている要求に応えるものである) 4. チャータースクールは、知的能力や学力の測定、あるいは適性、運動能力によって入学申請を制限してはならない。 5. チャータースクールに転換した私立学校は、前の在校生を優先して入学させてはならない。


セクション7:法的な主体
チャータースクールは、新設であれ既存のものであれ、州法下の機関のひとつとして組織されなければならない。非営利団体、協同組合、契約組合、公共団体のような法的な主体である。あるいはまた、チャータースクールのために、まったく別個のものを創ってもよい。
コメンタール:チャータースクール法は、チャータースクールが法的な主体となることを要求するか、法的主体になる段階を踏むよう要求することができる。また、チャータースクール法は、チャータースクールが学区の一部として留まることを要求してはならない。この独立性は、チャータースクールの成功にとって重要なことである)


セクション8:公教育としての要件
  1. チャータースクールは、非公共の宗派学校や宗教団体と関係してはならない。その教育プログラム、生徒受け入れ政策、雇用その他、あらゆる学校運営において非宗派的でなければならない。
  2. チャータースクールは、セクション6の条件に従い、生徒を受け入れなければならない。
  3. チャータースクールは、セクション9の条件に従い、公的な権威に成果を示す責任を持つ。
  4. チャータースクールは、授業料を取ることができない。
  5. チャータースクールは、州や地方自治体の衛生、安全、公民権基準にすべて合致しなければならない。
  6. チャータースクールは、差別を行ってはならない。
  7. チャータースクールは学区と同8. 様に、会計検査を受け入れなければならない。
コメンタール:本セクションとセクション6は、チャータースクールとバウチャー・プログラム、公教育と私学を区分する条項を含む。私学においては、学校は生徒を選別・選択し、宗教を教え、授業料を取ることができる。しかし、生徒の成績について公的権威に対する結果責任を負うことはない。チャータースクールへの会計監査のアイデアは、監査委員制度の考え方を基本的に変えるものである。手続き面から、成果に基づく監査へと移行するものである)


セクション9:チャーター文書
州当局は、チャータースクールの運営面における主要な問題についてあらかじめ検討し、学校組織者と認可者の両者が著名する文書に記録しなければならない。
コメンタール:チャータースクールと認可者が答えなければならない問題をリストアップし、それに対する答えをオープンにすることはよいことである〔たとえばカリフォルニア州のアプローチにような〕。これに対し、いくつかの州では、チャータースクール側の裁量を狭め、免許を持った教師を要求し、合意の条件を細かく定めている)

  1. チャータースクールと認可者は、次の諸点について文書で合意しなければならない。
    (a) 教育プログラム:チャータースクールの使命、受け入れる生徒、年齢、学年、カリキュラムの焦点
    (b) 達成されるべき成果、州が求めている達成基準を満たす方法など評価法。
    (c) 州法による入学手続き、退学手続き。
    (d) 地域社会の人口構成を反映して人種的・民族的なバランスをとる方法。
    (e) 教育内容、会計への監査方法。
    (f) 学校保険 (g) 合意の期限
コメンタール:合意の期限を設定することは、チャータースクールが生徒の成績、そして財政運営の健全さを示すかぎりにおいて存続が許されるという観点から、重要である。期間の限定は、チャータースクールに公的な性格を付与するものである)
    (h) 学校の施設と場所。
    (i) 教師に対し、資格として要求するもの
    (j) 教師やスタッフへの健康保険、年金その他各種保障の措置。

  2. チャータースクールの認可者は、合意文書への付属文書として、以下の事項に関する計画を、申請者に要求しなければならない。ただし、その時点で、認可者と申請者が細部の合意に達している必要はない。
    (a) 学校の統治構造。
    (b) 学校経営と運営。
    (c) 既存校がチャータースクール化した場合、参加を選択しない生徒、教師への代替措置。
    (d) 学習の方法。
    (e) 学習の技術。
    (f) 学校財政のコントール。


セクション10:閉校条項
 
 1. チャータースクール認可者は、合意期限が終了する時点で、チャーター合意の更新を、次の理由で行わないことができる。
    (a) 合意基準に記された通りの成績基準を生徒が満たさなかった学校側の失敗。
    (b) 財政的な合意基準を満たさなかった学校側の失敗。
   (c) 法律違反。
    (d) その他の妥当な理由。

 2. チャーター期限が終了する以前においても、上記の理由に基づき、合意の終結に向けて動き出すことができる。合意を更新しなかったり、合意を廃止するときは、その60日以前に、文書でその旨を、当該チャータースクールの教育委員会に通告しなければならない。その文書主は、妥当な詳細さがなければならない。また、チャータースクール側は、通知を受けてから14日以内に、非公式聴聞会を認可者の前で開くことを要求することができる。閉校は、学年の終わりにのみ有効である。
 
 3. チャータースクール側は認可者の決定について、州の教育委員会に控訴することができる。

 4. チャーター合意が更新されなかったり、廃止される場合、そのチャータースクールは、合意文書に盛られた条項
 
 5. その場合、生徒たちは、他の公立学校への入学を申請することができ、入学できるものとする。入学申請の一般締め切りは、この場合、適用されない。


セクション11:法令・規則の免除

チャータースクールは、本法令に規定されているものを除き、教育委員会あるいは学区に適用される全ての法令、規則から免除される。ただし、自ら法令、規則のいくつかに従うと決めることもできる。
コメンタール:チャータースクールは、自ら背負わされた結果責任と引き換えに、チャーター契約を一定期間ごとに更新し、地域社会の生徒、父母の支持を取り付けるために、他の公立学校が最初から放棄した“ルール”を保持する。いわば“スーパー免除条項”ともいうべきこのルールは、必要な免除を求めていちいち申請するよりよい〔そして公正でもある〕。


セクション12:教師

 1. チャータースクールは自分たちの教師を選び、教師もまたチャータースクールを選ぶ。
(コメンタール:独自の特色を志向するチャータースクールは、教師グループの結集を維持する必要がある。チャータースクールのアイデアとは、教師が学校を選び取ることであり、同時にまた学校が自分たちの教師を選び取ることである。
 2. チャータースクールで働くことを選んだ教師は、組織し団体交渉を行うという、公教育における教師の権利を保持する。ただし、チャータースクールにおける交渉単位は、学区といった他の交渉単位とは切り離される。

 3. 教師たちはまた、学校側との合意に基づき、ある教育プログラムを運営する、プロフェッショナルなグループの一員となる道を選ぶことができる。各自がパートナーシップや協同組合を形成することも可能である。
コメンタール:チャータースクール法のモデル法案は、教員として採用されなければ、教師になることはできないという長年の常識から訣別するものである。それは、教師たちに新たな選択の幅を広げるものである。合意に基づいてのことだが、ある学習プログラムを提供する教師グループを自ら結成することができるのだ。これは教師たちに、被雇用者者としての立場に立った交渉では得られない、プロフェッショナルな事項への完全な支配権を与えるものである)
 
 4. 学区の教職を離れ、チャータースクールで教える教師は、長期休職のステータスを得ることができる。休職期間中も勤続年数は加算され、学区での各種厚生福利はそのまま維持される。
 
 5. 以前、公立学校で教えていなかった教師は、州の教師向け年金プログラムが加入することができる。あるいは州当局として、チャータースクールが独自の年金プログラムを設立できるよう、他の公立学校の教師と同額の雇用者分担金を支出することもできる。


セクション13:財政収入
州は、チャータースクールに対し、在籍生徒がふつうの公立学校にいた時と同額の財政支出を行う。

  1. 州はチャータースクールに対し、州内の公立学校運営に支出されている額の平均額に、その他の特別な支出を加えた額を、生徒の頭数に応じて、直接、支給する。
コメンタール:幼稚園〜12学年の教育支出は、州によってかなり違う。しかし、共通して言えることは、チャータースクールのアイデアとは、既存の公立学校で生徒一人一人が受けているのと同額の支出を受けることであり、なおかつ州から直接、支出を受けることである。このことについては、以下のように考えるとよい。州は現在、それぞれの自治体に対して、歳入の一定部分を子どもたちの教育に充てるよう求めている。つまり、自治体側はその支出でまかなえる人数分の子どもの教育を行っていることになる。まかなえない分は、州の負担だ。いま、ここに、ゴールド、緑の2層に色分けされた箱いっぱい分の子どもたちがいるとしよう。下の緑の部分(たとえば60%)は、地元の自治体によって支払われている分。その上の、この場合40%のゴールドの層は、州が全額負担する分だ。こう考えると、子ども一人の教育費を“自治体”と“州”部分に分けることができない。つまり、チャータースクールへ移行した子どもは、州全額負担分の天井からさらに溢れ出した子どもたちとみなすべきである。そうした子どもたちが在籍しているチャータースクールに、たとえば生徒一人あたり年額4000ドル全額を、州が支払うだけのことなのだ。その生徒がもはや在籍していない学区に対して支払う代わりに……。こうした考え方は、州が歳入の一部を州内の自治体に支出するという、州創設のシステムに合致したものだ。大半の州は、この種の仕組みを持っている。しかしながら、学区側は常に、チャータースクールは“われわれの金”を持っていくと言って、チャータースクール法に反対している。これは、お門違いである。学校財政は、子どもたちに対して向けられたものなのだ。在籍する子どもたちが増えれば、学区はより多くの財政支出を受ける。逆に、減れば、受け取る額も減る。子どもたちがチャータースクールへ移行するのは、そうした在籍数の変化のひとつなのである。 学区外、あるいは他州へ転出する子どもが出てくれば、学区として再調整が迫られるのは当然である)
 
  2. チャータースクールは、州や連邦政府の援助や交付金を、学区と同3. じように受けることができる。 (コメンタール:セクション11が、ここにも適用できる) 4. チャータースクールは、学区と同5. 様に、寄付の品や寄付金を受けることができる。 6. 障害を持つ子どもたちへの教育も、地域住民の義務である。チャータースクールもまた、学区と同7. 様、障害を持った子どもたちに関する法律の要件を満たすものでなければならない。


セクション14:免責

 1. チャータースクールは訴訟することができる。また、訴訟を受けることがある。
コメンタール:事故は起きるもの、裁判はつきものである。そのために保険に入る必要 があるだろう。それが学校なのだ)

 2. チャータースクールの認可者、認可機関の公的メンバー、認可機関の被雇用者は、認可チャータースクールのすべての行為に関して免責される。


セクション15:学年の長さ
チャータースクールは、少なくとも、州法で定められた開校日数について、教育を行わなければならない。州法で禁止されなければ、それ以上の日数について教育を行うことができる。


セクション16:校舎のリース
学区はチャータースクールに対し、校舎スペースをリースしたり、サービスを販売することができる。一方、チャータースクールは、他の公的機関、非営利団体、民間団体、個人からスペースを借り受け、サービスを受けることができる。 (コメンタール:学区はチャータースクールに対し、運営コストに見合った家賃でスペースをリースすることもできよう)


セクション17:通学
チャータースクールに通学する生徒の足は、生徒が住む学区が供給する。学区外からの通学者については、境界線から/まで送り迎えする。学区は、非居住中の生徒に対しても、通学の足を提供して構わない。
コメンタール:大半のチャータースクール法は、チャータースクールが開設されている学区が提供すると、単純に定めている。これだと他の学区から通学して来る生徒は、チャータースクールのある学区の境界まで、自分で通って来なければならない。境界で拾ってもらえるかなど、それから先は、スクールバスドライバーの創意工夫の世界である)


セクション18:開設経費
チャータースクール認可申請者が、開設資本を集めるうえで予め認可を得ることが必要と判断した場合、認可者は申請者がチャータースクールのスペース、教師などを確保する以前の段階で、認可することができる。 セクション19:情報提供 州の教育省は公衆に対し、直接または認可者を通じ、チャータースクールの開設・運営法や入学の仕方などについて情報を提供しなければならない。


セクション20チャータースクールは、税を徴収することはできない。また、税金によって保証される学校債を発行することもできない。
                                 

 以


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