バウチャー

NEWS

99.12 米最高裁、宗教学校へのバウチャー適用の上告を却下
 米連邦最高裁は12月13日、子どもを宗教学校に通わせているバーモント州の親たちの上告を却下した。
 同州では、宗教系でない私立学校に子どもを通わせる親に対して、公的資金による教育バウチャーが支給されている。今回の訴えは、宗教学校も「非公立」という点では変わりないとして、ふつうの私立校と同じ扱いを求めたもの。

 親たちはバーモント州最高裁で訴えを認められなかったことから、連邦最高裁に上告していた。
 同じような上告は先頃、メーン州の親からも出されていたが、連邦最高裁は同じように却下の決定を下している。
 今回のバーモント州の親たちにの場合も、メーン州の親の場合と同様、連邦最高裁としては上告を却下することで、教育バウチャーの宗教学校に適用する問題の合憲性について判断を回避した。これにより、この問題は州レベルの政治的な問題として、当面、処理される。

 教育バウチャー問題は、これ以外にも全米各地の下級裁判所で審議がなお継続しており、社会的な争点のひとつとなっている。大統領選の焦点にもなっており、民主党(ゴア、ブラッドレー氏)は反対、共和党(ブッシュ、マッケイン氏)は賛成の態度をとっている。

99.5 米国フロリダ州が州規模のバウチャー制度、導入
 米国フロリダ州議会で4月30日、州規模で教育バウチャー(公的資金で私立学校への通学を援助する)制度を実施する法案が成立した。米国でのバウチャー制度導入は、これまで一部の大都市(ミルウォーキー、クリーブランド)に限られており、今回の同州議会の決定は、全米初の州を挙げての取り組みとなる。市場主義、教育自由化による公教育にたいする揺さぶりは激しさをましているかたちだ。
 導入される新制度では、同州の全公立学校に対し、5段階評価A,B,C,D,F)が行なわれる。最悪のF(落第)評価を得た公立学校の子どもたちに対し、一人あたり年3000ドルから25000ドルの公的資金(税金)を支給、私立学校や宗教学校に転校する道を切り拓く仕組み。
 この学校評価制度によって、Fランクとされそうな公立学校はフロリダ3000の公立校のうち170校にも達する見とおしだ。
 これに対して公教育支持派は、フロリダ州議会の決定を憲法違反だとして、提訴する方針。
 この州規模教育バウチャー制度は、ブッシュ知事の選挙公約であり、法案は州下院では70−48、上院では25−15で可決された。


98.10 米テキサスで大規模バウチャー実験、開始
 米国テキサス州サンアントニオのエッジウッド学区を舞台に、「教育バウチャー」の大規模な実験が始まった。新保守主義系の財団(「こども機会教育財団」)が98年9月の新学期から開始したもので、学区内の幼稚園から第12学年までのほぼ全員に、年額3600ドルから4000ドルのバウチャー(金券、あるいは教育クーポン)を支給する。
 新しく開設される学校の児童生徒に対しても適用される。  
 さらに、学区外へ通学する子どもたちには、さらに2000ドルから3500ドル、加算される。それでもって、私立学校の学費をまかなってもらう狙いだ。
 同学区は貧困の学区で、1万4000人の子どもたちが地元の公立学校に通っている。同財団は、この教育バウチャー支給によって、貧しい子どもたちが教育レベルの高い、私立学校に通えるようになる、としている。
 「地平線プロジェクト」と名づけられたこの民間資金によるバウチャー事業は、年間5億ドル規模で今後10年間、続けられる。
 同財団は、教育に市場原理の導入を求める新保守主義の立場に立っており、このプロジェクトによって、教育バウチャーの優位性を実地に証明する方針だ。

TopPage