|
乳牛を志す獣医師は、まず大規模農場で働こう!
|
|
・牛漬けの毎日! |
| ・数によって洗練された優れたマネージメント方法。 獣医師は、牛が病気の時に呼ばれます。正常でない牛を、主に見ることになります。こちらの入口から入ると、ともすれば、正しく多く生産している乳牛というのがどんなものであるかを、見失ってしまうことにもなりかねません。酪農場で働けば、相手にするほとんどは元気な牛たちです。そしてその健康を支える、より良い管理方法(適切なエサ、搾乳、牛舎環境など)を身をもって経験することができます。大規模農場における動物の管理は、頭数の多さによって日々洗練されるので、省コストで省力的で、しかもよい成績を出せるような、酪農科学に基づいた優れた方法を採用しているはずです。 ・個体の治療もたくさんやります。 いやむしろ、日本の、生産者の高齢化や労働力不足、資金不足、モチベーションの低下といった様々な理由で、劣悪な飼養状況に置かれているおかしな牛にばかり、新卒の獣医師が変に慣れ合ってしまうことの方がかえって害であると思います。このような農家さんに対しても、正しく飼養すれば、牛はより正しく多く生産してくれるのだということを、説得力を持ってアドバイスできる力の方が重要なのではないかと思います。 |
|
・治療もPMも臨床である。 |
| 話が横にそれたので戻します。大規模農場で働くと何がいいのか?の続きです。
・事件は現場で起こっている! ・生き物としての牛を知ることができる。 ・しかし、本当に大事なのは哲学。 それは、「酪農」を、理解して尊敬する気持ちです。 酪農家や農場職員が、日々どんな作業をし、それにどんな意味があるのか。日々どのようなことを考え、何に頭を悩ませながら働いているのか。どのようなことに注目し、興味を持っているのか。産業としての酪農は社会の中でどのような位置づけなのか。・・・大学では教えてくれません。 酪農産業、農場における日々の作業、酪農家の気持ち、これらに対する深い「理解」と「尊敬」を持っていれば、同じ価値観で相談に乗ることができます。農場で働けば、こんな事は当たり前に身に付くことなのですが、新米の獣医師は、いくら白衣を着て首から聴診器を下げていても、酪農産業はおろか乳牛のことさえまだ良く理解できていませんので、農家の相談相手とはなり得ません。また、ベテランの獣医師でも、農家より上に立つ「先生」となってしまっては同じ土俵で相談に乗ることはできません。産業や経営としての酪農を理解して、農家さんと楽しくお話しして元気づけることができるか? このような資質が、これからの獣医師には必要です。 もっと言うと、「農」の理念、すなわち、 |
| 以上の理由から、乳牛を志す獣医師は、大学を卒業したらすぐ、大規模農場に就職することを強力にお奨めします。体力的には大変ですが、実力がつきます。治療もたくさんできます。ぜひ、たくさんの牛を見て、優れた管理を経験し、現場を知り、臨床魂を身につけ、哲学も構築して、明日の酪農を支える獣医師の仲間になって下さい。
蛇足。
|