このホームページに掲載した俳句(映像)の著作権はそれぞれの作者にあります。転載引用には十分注意下さい。


. 十 二 月 句 会  (互選)
                     
4 例会は赤絨毯の部屋を得て           薄井 逸走
4 しぐるゝや走り出す人出さぬ人
2 絨毯の深さに背筋伸ばしたる
1 駅までの道を時雨に追われたり
1 しぐるゝや帰りそびれた鳩なのか
1 絨毯の柄の捲かれて売られをり
1 遅れ来て時雨をかわしゐたといふ


2 ガジュマルの気根垂るるや町時雨        三浦 政子
2 絨毯を敷くたてよこの間合見て
2 捨てる気の絨毯なれど又敷きて
1 雑踏の街しぐるるや異人吾れ
1 絨毯の毛並つぶれて主座脇座
1 香煙や五体投地の寺しぐるる
1 旅三日南国で買う時雨傘


4 片時雨どろぼう橋てふ渡りきて         横手  時
3 初時雨駄菓子屋横町小走りに
3 絨毯に日がな眠りて留守居猫
3 絨毯に入り込む日差し眠気さす
2 蓑虫の歩むは秘めしことなりし


3 日差しさす赤絨毯の部屋に訪ふ         小山田柏泡
2 松の峯西日めぐりて時雨けり 
2 西の空時雨れて虹の薄き影 
1 里山に戻る鴉や夕時雨
1 冬枯の木の間に覗く坊灯り 
1 貯蔵庫の蔦枯れ眠る洋酒樽  


3 落葉路フランスパンの似合うひと        杉山佐都子
2 絨毯の先に新郎待っており                
1 絨毯の下に隠せり宝くじ            
1 携帯にメールが届く冬日和      
1 絨毯を踏みて目線はシャンデリア
1 引越の置き残したり古絨毯


2 絨毯や宿題ほうり寝ころぶ子          松原 利恵
2 まのあたり千曲の流れ走り蕎麦  
1 玻璃越しの浅間山荘夕時雨
1 湯けむりの深き山荘小夜時雨
1 絨毯に眠る子供をのぞき見る
1 赤絨毯天井高く京の宿  


4 放牧も終り台地に秋時雨            三浦 秀水
2 山頭火たどりし径とや秋時雨             
2 絨緞に猫の毛玉の光りおり               
1 敷きつめる絨緞家具の重さかな             


2 夜もすがら木の実しぐれや湯治宿        坂井 翠波
2 時雨して朝の灯消へず泊り船               
2 細竿の一閃寒鮒陽に躍る                 
1 神の森寒満月を掲げけり                 


2 藁くべて焚火の種絶やさざり          花岡上尾亭
1 鴨泳ぎ水の日輪めざしをり                
1 鶏は落葉の上にはらばえり                


1 時雨なか奈良の窯元尋ねけり          中村 如水
1 絨毯に座しお手玉遊びに興じけり




   席題=枯芒   (柏泡さん出題)   

6 さまよへる風もありげや枯芒          花岡上尾亭
4 光陰のかくもやわらか枯尾花          松原 利恵 
1 廃道に朽ちし路標や枯尾花           小山田柏泡
1 野仏に丈の生まれし枯芒            薄井 逸走





   句  評  (みんなで先生)
   
  絨毯を敷くたてよこの間合見て         三浦 政子
    絨毯を敷くたてよこを合わせみて(柏泡)

  捨てる気の絨毯なれど又敷きて         三浦 政子
    捨てる気の絨毯なれどおしみ敷く(柏泡)

  落葉路フランスパンの似合うひと        杉山佐都子
    落葉降るフランスパンの似合う街(逸走)

  日差しさす赤絨毯の部屋に訪ふ         小山田柏泡
    日差しくる赤絨毯の部屋に訪ふ(逸走)

  絨毯に眠る子供をのぞき見る          松原 利恵
    絨毯に眠る子供をそのままに(逸走)  
  
  絨毯や宿題ほうり寝ころぶ子          松原 利恵
    絨毯へ宿題ほうり寝ころべり(逸走)

  夜もすがら木の実しぐれや湯治宿        坂井 翠波
    木の実時雨にひかれた(時)

  落葉路フランスパンの似合うひと        杉山佐都子
    現代風で良いと思う 初老の品のよい女性像が浮かぶ(時)

  絨緞に猫の毛玉の光りおり           三浦 秀水
    観察がすぐれている(時)

  絨毯の深さに背筋伸ばしたる          薄井 逸走
    深さに新しい絨毯と見受けました(利恵)
    先日ウエスティンホテルに伺って絨毯がフカフカなのでヒールがめり込みそうになり、
    自然に背筋を伸ばし足元に気を使いましたので、実感いたしました。(佐都子)

  絨毯の先に新郎待っており           杉山佐都子
    嫁の仕度は時間がかかり、新郎があっけらかんとしている    
    様子が出ていますね。絨毯は緋の絨毯でしょうね。子供達の結婚式を想い出しました。(利恵)

  駅までの道を時雨に追われたり         薄井 逸走
    追われたりが良いと思いました。(利恵)

  しぐるゝや走り出す人出さぬ人         薄井 逸走
    大変様子が目に浮かびました。男女の姿が良く判ります佐都子)
 



  難解な用語について      坂 井 翠 波
 
 過日、BS放送での、俳句を見ていたら、ーー風葬ーーという言葉が出席者からでた。その時講師は、このような難しい言葉は、あまり使うべきではないと言っていた。それを聞いて私は、ふと疑問を持った。風葬という程度の言葉は、それほど難解な言葉とも思われないのではないかということである。仮にこの言葉を他の言葉で言い換えるとすれはどのように表現すれば良いのか言葉の数が制限されている俳句では大変難しいのではないかと思う。  私は、俳句雑誌等を読んでいて耳新しい(あるいは目新しい)言葉があった時には、なるべくメモをしておいて、それを、以後の俳句作りの参考にするように心掛けている。  俳句は、言葉の遊びともいわれるが、それと共に、新しい言葉を覚えることは、脳の活性化にもなると思うからである。



   編集雑感           薄 井 逸 走

      玻璃越しの浅間山荘夕時雨  

 玻璃戸越しであることに意味はないと思います。なぜ浅間山荘なのか、分かりません。
 作者が「見た通り」なのでしょうが、それを読む人に分からせるのは難しいです。

      冬枯の木の間に覗く坊灯り 

 作者は坊灯りを覗いたのでしょうか。そうであったとして、「木の間に見える」くらいがいいように思います。

      放牧も終り台地に秋時雨 

 「夏休みも終わって」「確定申告も終わって」というように「も」を多用している現代用語の結果の「放牧も」ではないでしょうか。 放牧を終へし台地に初時雨・・・・でしたら、一票を投じました。

      時雨して朝の灯消へず泊り船 

 上五が「時雨して」ですので、時雨のために船が出港できずに泊まっているのかと思いましたが、そうではないようですね。「しぐるるや」とか「時雨中」の方がいいのでしょうか。

そして「朝の灯消さず」とか「朝の灯点す」の方が俳句らしいと思います。

    初時雨駄菓子屋横町小走りに    横手  時

 初時雨に駄菓子屋横町はよく似合うと思います。「なぜこれらが似合うんだ」と言われても・・・・・それは、私の好みかと思います・・・
ですが、俳句の面白さはここにあると思います。「初時雨」と「駄菓子屋」には共通した何かがあるのです。作者はその共通したものを捉えているのです。

    絨毯を踏みて目線はシャンデリア  杉山佐都子

 絨毯は季節感のない季語とのことですが、冷房の効いた部屋に絨毯は似合わないのではないでしょうか。この句では、毛皮のコートを纏ったご婦人が目に浮かびます。


「彷彿(ほうふつ)」 行人偏なので分からなかった、との声がありましたが、「彷佛」ではありません、行人偏の「彷彿」です。

「主座脇座」  この場合は「首座」ではないでしょか。


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このホームページに掲載した俳句(映像)の著作権はそれぞれの作者にあります。転載引用には十分注意下さい。


.   正 月 句 会  (互選)

4 福笹を掲げて行くや初詣            薄井 逸走
2 風呂吹の厚さを味噌の垂れにけり
1 風呂吹の白きに味噌を拡げたり   
1 初詣せずに仕事の日々となり  
1 神籤結ふ所に迷ふ初詣           
1 寒卵二つ載せある朝の膳     


2 風呂吹や夫がぽつりと亡母のこと        三浦 政子
2 風呂吹の先ずはふたつに箸入るる             
2 初詣ひとつひとつの句碑に佇ち             
2 七種のひとつは何ぞほろ苦し               
1 風呂吹の甘みそ仕立母ゆずり   
1 人波に押され押されて初詣             


4 初詣ウロコのように絵馬重さね         杉山佐都子
3 ハガキ絵の鯛に目を入れ初便り      
1 旅人になりて初日を拝みけり  
1 待ち合いに一鉢なごむ福寿草     
1 松取れてひとり居元の静寂に       


3 風呂吹やひとりいなれば明日もまた       田中 久子
3 賽銭が頭上かすめる初詣       
2 持ちくれし大根今夜の風呂吹に   
1 初詣ついぞみかけぬ晴着の娘   
1 初詣おされていつか神前に          


2 初詣蛇行の中の一車なり            松原 利恵
2 元朝や鮮明なりし赤城山   
1 ちゃん呼びの叔父百才や初電話  
1 なるがままどの道ゆくも恵方なり   
1 神奈備の静けさまとう初詣       


2 あぶなげに水飲む鳥や冬の川          花岡上尾亭
2 橋の上声のかさなる寒雀                 
1 雪に画く長く淋しき風の筋           
1 冬菜抱く女に日差す幸あれと     
1 青空や白き手帳に冬木影    


2 初詣護摩の火はぜる朱の伽藍          三浦 秀水
1 初詣禰宜足早に奥の院      
1 肩の子と拍手揃う初詣  
1 初詣香煙よどむ大香爐   
1 門前の寅さん団子初詣     
             

3 闇に浮く狛犬阿吽初篝             坂井 翠波
2 参道の雑踏遠し初神楽                
2 おみくじを鎧ふ神木初詣                
2 扁額の白蛇なまめく初詣               


3 神杉に篝の火の粉初詣             横手  時
1 風呂吹や終生姑に及ばざる                
1 新世紀邪心はらひて初詣                 
1 野州太鼓闇にひびきぬ初詣                


2 初詣村社三ヶ所巡りけり            中村 如水
1 初釜の花びら餅の大きくて                
1 香焚いて部屋の寒さやわらげり              
1 風呂吹の味噌だれ色よく出来あがり

  
  
   席題=雪    (翠波さん出題)   




3 雪受けて両手広げる子の叫び          杉山佐都子
2 雪霏霏と老の出足を阻みけり          横手  時
2 風に背を向けて吹雪の田舎径          三浦 秀水
2 自転車の雪をかむりしまゝの路地        薄井 逸走
1 犬の顔とがりて啼きぬ夜の雪          花岡上尾亭




    句  評  (みんなで先生)   

  初詣ウロコのように絵馬重さね         杉山佐都子
    絵馬の重なりをウロコと表現したのが新しいと思った(時)

  旅人になりて初日を拝みけり          杉山佐都子
    私も体験したが素直に表現できなかった(時)

  風呂吹やひとりいなれば明日もまた       田中 久子
    身につまされていただきました(時)

  風に背を向けて吹雪の田舎径          三浦 秀水
    田舎径が吹雪と良く合っていて良いと思いました(利恵)

  寒卵二つ載せある朝の膳            薄井 逸走
    夫婦の仲の良いところが出ていて良いと思いました(利恵)

  雪に画く長く淋しき風の筋           花岡上尾亭
    雪の風紋というのでしょうか、とても気に入りました。
    「画く」がなじめないのが残念です(逸走)

  冬菜抱く女に日差す幸あれと          花岡上尾亭
    何とも言えずいいです。冬菜と女と日差し(逸走)

  風呂吹や夫がぽつりと亡母のこと        三浦 政子
    私の母は健在ですが、私も食卓で同じようなことを口にします(逸走)

  参道の雑踏遠し初神楽             坂井 翠波
    参道の雑踏遠く初神楽(逸走)                
                 


  難解な俳句について      坂 井 翠 波

 例えば、次のような俳句はどのように、理解すべきだらうか。
      鼻くそほどのセンチメンタルと冬へ
      山奥は岩の匂いの無常感
      安堵は眠りへ夢に重なる蛸の頭

 実は、この俳句は、有名な、金子兜太先生の作句である。
     (俳句朝日2001年1月号86ページ〜)
 金子兜太先生は、従来から、難解な俳句を作ることで、夙に有名であるが、この句なども、その一例であると思う。  かって、稲畑汀子先生が、テレビで放映された句会で、「人の理解できないような俳句は駄目ですね」と咆吼していた。(ご両人は、句会で一緒になると、必ず意見を異にするので、或いは、金子先生の事を指したのかも知れない?)  ということで、上記について、理解できる方は、次回の句会で、教えてほしいと、思っている。
 また、今後も、このように、難解と思われる句があった時は、句会の席上で、議論するのも作句力を高める一助になるのではないだろうかと、考えている。



   編集雑感           薄 井 逸 走

    神奈備の静けさまとう初詣     松原 利恵

 広辞苑によりますと、神名備、神南備、とあります。神の鎮座する山や森、という意味なのですね。すると「まとう」でいいのでしょうか?

    初詣禰宜足早に奥の院        

 「七五三」の方が似合うような気がします。なぜ足早なのでしょうか? なぜ奥の院なのでしょうか?

    初詣ウロコのように絵馬重さね 
     
 俳句で、○○のように、と直接言ってはいけないと思います。絵のように、夢のように・・・・読んだ人に想像させるのが俳句と思います。「絵馬重さね」・・・ウロコのように重ねたのは作者ではないはずで、なじめません。さらに言わせていただくと、「ウロコ」のカタカナもなじめません。

    初詣ひとつひとつの句碑に佇ち  

 初詣と句碑は合わないのではないでしょうか。「春うらら」「小春日や」の方が合うように思います。

    福笹を掲げて行くや初詣       薄井 逸走

 福笹を頭上に上げて初詣・福笹を掲げて帰る初詣・福笹のふれあう人出初戎
いろいろやってみたのですが、結果的にこうなりました。






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.   二 月 句 会  (互選)

4 水嵩の増えし小川や日脚伸ぶ          薄井 逸走
4 日脚伸ぶ路地に一灯点したる
2 植木鉢並び変えたし日脚伸ぶ
2 梅が香に通勤の径振り返る
2 盆梅に屈み香りを確かむる
1 盆梅の向きを変えれば香り増す
  

3 梅林や順路の筵湿りおり            三浦 秀水
2 背伸びして果樹の剪定日脚伸ぶ 
2 日脚伸ぶ指先ぬくし機を織る
1 梅林や床几の端に眠る猫
1 日脚伸ぶ埃まみれの葱畑
1 祈願札胸にしっかと梅の宮
       

3 盆梅の路地に向かせて咲かせをり        杉山佐都子
1 梅の枝一直線の花やさん
1 幼き日盆梅眺む父の膝
1 大石に腰おろしての梅見かな
1 日脚伸ぶいつの間にやら仕事延び
1 白梅の香りてこその華やかさ


2 日脚伸び猫縁に来て毛づくろい         中村 如水
2 日脚伸ぶ汚れ目立ちぬ割烹着     
1 室の梅はや盛りすぐハウス内    
1 昨日より今日僅かなり日が伸びて   
1 眼鏡拭き日脚伸びしを実感す         
1 床の間の竹花入れに梅一枝  


2 黒づんで積まれし雪に日脚のぶ         三浦 政子
1 白梅のためらひがちに開きそむ    
1 仮植えの土にもなじみ梅ふふむ     
1 登りきて今が見頃の梅日和          
1 立春の梢に大いなる夕日        
1 焼芋屋火色ものせて車曳く


2 日脚伸ぶ我が影追ひて坂登る          横手  時
1 日脚伸ぶ鉢の植替えはじめけり  
1 日脚伸ぶ八頭身の影連れて  
1 裏山をそびらに早梅咲き競う
1 紅梅や我家の歴史秘めており   
1 日脚伸ぶ路地の鉢植陽を浴びて


4 盆梅の鉢を余して床に散る           小山田柏泡
3 日脚伸ぶようやくここに日差しあり          
1 花咲いてもてはやされし海の鉢             
1 窓越しに老梅のぞく居間暗し             
1 紅梅の奢らぬ紅に惹かれけり


3 針箱に針老ゆるなり日脚伸ぶ          花岡上尾亭
3 今日生まれ今日とぶ雲や梅の花              
2 春待つや陶の火鉢に灰たまる               
2 日がさせば土あらあらし春を待つ     
1 憂いなく日々あり梅の暮れんとす       
    

2 四阿に爪弾く音色梅まつり           松原 利恵
1 日脚伸ぶまだまだ余生ある生活              
1 日脚伸ぶかたくなに趣味とりもどす           
1 老樹なほ穏やかなりし臥龍梅   


3 日脚伸ぶ女同志の立ち話            田中 久子
1 ぽつぽつと夕の買い物日脚伸ぶ      
1 花終えしフリージアなお捨て難し     


1 白梅や絵馬堂に満つ祈願札           坂井 翠波
1 紅梅や山峡抜けて私鉄駅    

  
  

   席題=麗らか  (出題 逸走)
   
3 麗らかや路地に出したる三輪車         薄井 逸走
2 行き合えば声も弾める辻うらら         三浦 政子
2 麗らかや猫にも声をかけており         杉山佐都子
2 麗らかや犬を曳きつつ曳かれつつ        坂井 翠波
1 麗日や花嫁街道てふ峠越ゆ           横手  時
1 麗らかや銀輪連ね散策す            田中 久子
1 うらゝかやSL煙る禿げ武甲          松原 利恵
1 愛慾し詩を口ずさむ日うらゝ          花岡上尾亭



    句  評  (みんなで先生)
   
  今日生まれ今日とぶ雲や梅の花         花岡上尾亭
    雲の動きが目に浮かぶ句と思います(久子)  

  昨日より今日僅かなり日が伸びて        中村 如
    本当に僅かずつ伸びていますネ(久子)

  日脚伸ぶ路地に一灯点したる          薄井 逸走
    非常によい句だと思いました(如水)

  麗らかや猫にも声をかけており         杉山佐都子
    優しい人ですね(如水)   
    私も犬や猫に声をかけます うららかなれば尚更(時)

  盆梅の路地に向かせて咲かせをり        杉山佐都子
    路地に向かせてが作者の心情が出ている(時)

  紅梅や山峡抜けて私鉄駅            坂井 翠波
    紅梅や山峡にある私鉄駅(政子)    
 
  日脚伸び猫縁に来て毛づくろい         中村 如水
    日脚伸び毛づくろいする猫の縁(政子)

  白梅や絵馬堂に満つ祈願札           坂井 翠波
    白梅や祈願の絵馬がびっしりと(政子)

  眼鏡拭き日脚伸びしを実感す          中村 如水
    日脚伸ぶ窓に眼鏡を拭きなおす(政子)     

  憂いなく日々あり梅の暮れんとす        花岡上尾亭
    憂いなき日々あり梅の暮れ残り(政子) 

  愛慾し詩を口ずさむ日うらゝ          花岡上尾亭
    愛慾しと口ずさむ詩麗らかに(政子)  

  背伸びして果樹の剪定日脚伸ぶ         三浦 秀水
    背伸びと、日脚伸ぶの伸び伸ぶの合言葉にひかれました(利恵)

  盆梅の路地に向かせて咲かせをり        杉山佐都子
    盆梅を路地に向かせて咲かせをり(利恵) 

  日脚伸ぶ汚れ目立ちぬ割烹着          中村 如水
    日脚伸ぶ汚れの目立つ割烹着(逸走)

  仮植えの土にもなじみ梅ふふむ         三浦 政子
    仮植えの土になじみて梅ふふむ(逸走)          
 

   編集雑感           薄 井 逸 走

  麗らかや路地に出したる三輪車         薄井 逸走
    広辞苑によりますと、「麗ら」ですので、全句そのように記載しました。
    きちんと調べるべきでした。すみません。

  日脚伸ぶ女同志の立ち話            田中 久子
    女同志・・・同士ですね。
    同士と漢字で書くと堅い感じになりますね。

  梅林や順路の筵湿りおり            三浦 秀水
    順路の筵、がよく分かりません。梅林に敷いてあった筵と思いますが、「順路」がなじめません。

  幼き日盆梅眺む父の膝             杉山佐都子
    その通りなのでしょうが、読み手は「子供を膝に乗せる年代の父は盆梅を眺める余裕はない」
    と思ってしまいます。嘘でもいいから、祖父の方が納得します。 

  立春の梢に大いなる夕日            三浦 政子
    立春と夕日は合わないと思うのですが・・・・
    夕日は、秋とか真冬に合うように思うのは私だけかしら?

  窓越しに老梅のぞく居間暗し          小山田柏泡
    居間が暗いことの意味が分からないのですが。  

  春待つや陶の火鉢に灰たまる          花岡上尾亭
    火鉢が陶であることの意味が見えません。灰がたまることでなく、陶の火鉢の方に重心がある
    ように思います。

  室の梅はや盛りすぐハウス内          中村 如水
    室とハウスは同じものですよね。どうしてもそこが気になってしまいます。



   埼玉俳壇           薄 井 逸 走

 「晴居」が廃刊になりましたので、最近は埼玉新聞に投稿しています。 選者が一月ごとに変わるのですが、選者に関係なく投稿しています。 選ばれる率が高いので、投稿する元気が出ます。
 最近選ばれた句を披露します。

   金子兜太先生 選
      しぐるるや帰りそびれた鳩なのか

   松本 旭先生 選
      水嵩の増えし小川や日脚伸ぶ

   星野紗一先生 選
      植木鉢並び変えたし日脚伸ぶ

   梅が香に通勤の径振り返る   ・・・・・・これを
   梅の香に通勤の道振り返る   と直して出したのですが、    ボツでした。





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