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五 月 句 会 (互選) 3 花桐や散りても色香失わず 横手 時 2 豆飯の豆を選びて幼き子 2 豆飯や古希を迎へし祝膳 1 桐の花散り敷く中の一花吸う 1 削られし武甲嶺癒す桐の花 1 山宿の庇はふかし桐の花 3 合宿の子笑ひころげて豆の飯 松原 利恵 2 花桐や観光バスの曲る角 2 彩どりのたしかなるかな豆の飯 1 豆飯の彩鮮やかに盛られけり 1 誇らかに再度山盛る豆の飯 1 豆飯をお替りする子はにかむ児 3 桐咲いて盆地の空の抜けてをり 薄井 逸走 2 嫁ぐ気のなき娘たち桐の花 2 桐の花札所の導となる日和 1 定まらぬ今日の天気や桐の花 1 豆飯の豆を掘りゐて無言なり 1 桐の花集めて色を掌の中に 4 花桐ややがてはダムに沈む村 三浦 政子 2 変形に熟れて初なり苺かな 1 恙なき食欲満たす豆の飯 1 花桐や墓を濡らして峡の雨 1 たっぷりの器たっぷり豆の飯 3 桐の花なんとひっそり道がない 花岡上尾亭 2 山鴉あんなに鳴いて桐の花 2 またと来れまい桐の花遠ざかる 1 濡れるだけ濡れてひっそり桐の花 3 豆飯の炊ける香りや雨籠り 坂井 翠波 2 蒼天に一花零さず桐咲きし 2 桐の花灯台遙か島岬 1 野畑の朝の花桐雫して 3 手入なき古墳に残る桐の花 三浦 秀水 2 下駄の台高く積まれて桐の花 1 眼に触れる二階住まいや桐の花 1 桐の花匠の里の民具店 3 花桐やいつもの鴉来て止まる 中村 如水 1 豆飯と莢むくわれの手は老し 1 何時きても箱根は楽し桐の花 1 滔々と夏川の流れはげしかり 2 駅弁を開けて豆飯野を走る 杉山佐都子 1 桐の花匂う源氏の顔よぎる 1 初孫にうれしさ溢る若葉雨 1 豆飯を炊いて手抜きの厨かな 2 うちの娘も素直に育ち桐の花 小山田柏泡 1 見上げれば同じ空みる桐の花 1 五月雨に村静まりて洗はれし 席題=噴水 (出題 時さん) 4 噴水の形を変える時の息 薄井 逸走 3 噴水の天をつらぬき踊りけり 横手 時 2 噴水や美術の森に弧を描き 三浦 秀水 1 噴水や返す風ある歩道橋 松原 利恵 1 噴水や日がさんさんと大伽藍 花岡上尾亭 1 噴水のいただき淡き月乗せて 坂井 翠波 1 噴水を記憶の中に旅の街 杉山佐都子 句 評 (みんなで先生) 恙なき食欲満たす豆の飯 三浦 政子 今はしあわせですねえ(如水) 下駄の台高く積まれて桐の花 三浦 秀水 会津路を思い出しました(如水) 高く積まれた下駄の台が印象的(上尾亭) 噴水の形を変える時の息 薄井 逸走 「時の息」実にうまい表現だ(如水) 形を変える間を(時の息)と表現したのは巧です(時) 桐の花匂う源氏の顔よぎる 杉山佐都子 源氏の君とは優雅なり(上尾亭) 花桐やいつもの鴉来て止まる 中村 如水 いつもの鴉を作者は憶えていました(上尾亭) 現実(秀水) 豆飯の炊ける香りや雨籠り 坂井 翠波 雨籠りにしみじみとしたものあり(上尾亭) 豆飯の炊き上がる香や雨籠り(政子) 雨の日は殊更よく香るでしょう(時) 合宿の子笑ひころげて豆の飯 松原 利恵 笑ひころげて豆飯を食べる子が目に浮かぶ(上尾亭) 花桐ややがてはダムに沈む村 三浦 政子 ダムに沈む運命の村が桐の花で明るい(上尾亭) 桐の木脱都会(秀水) たっぷりの器たっぷり豆の飯 三浦 政子 たっぷりに俳諧を感じる(上尾亭) 桐の花札所の導となる日和 薄井 逸走 桐の花さぞ美しかったのか、札所の導となる(上尾亭) 変形に熟れて初なり苺かな 三浦 政子 初なりが変形とはそういうこともあろう(上尾亭) 噴水を記憶の中に旅の街 杉山佐都子 記憶に残る噴水 旅情をなぐさめしや(上尾亭) 桐の花集めて色を掌の中に 薄井 逸走 ふと拾いたくなる色と型(政子) またと来れまい桐の花遠ざかる 花岡上尾亭 後髪をひかれる様な思いがこめられている(政子) 何となく余韻のあると思ひ選びました(時) 何時きても箱根は楽し桐の花 中村 如水 透明な空気に花の色がすがすがしい(政子) 噴水のいただき淡き月乗せて 坂井 翠波 噴水のいただき淡き昼の月(政子) 噴水の天をつらぬき踊りけり 横手 時 思い切った云いまはしが面白い(政子) 五月雨に村静まりて洗はれし 小山田柏泡 一茶調(秀水) 滔々と夏川の流れはげしかり 中村 如水 一茶調(秀水) 蒼天に一花零さず桐咲きし 坂井 翠波 美しい(秀水) 花桐や観光バスの曲る角 松原 利恵 田舎径を曲がるとき手を伸ばせば折れそう(時) 山鴉あんなに鳴いて桐の花 花岡上尾亭 鴉の仲間に何かあったのでしょうか吉か凶か(時) 豆飯をお替りする子はにかむ児 松原 利恵 子の使い方は兄弟を表はしたのでしょうか?(時) 豆飯や古希を迎へし祝膳 横手 時 この豆はお赤飯でしょう。おめでとうございます(利恵) 豆飯の豆を選びて幼き子 横手 時 豆飯の豆を選びてよろこんでいる子又は、豆がいやで拾い出している子どちらかな・・・・(利恵) 豆飯の豆をよろこぶ幼き子(利恵) 豆飯の豆拾い出す幼き子(利恵) 編 集 雑 感 薄井逸走 桐の花散り敷く中の一花吸う 横手 時 散っている桐の花の中から、一つの花を拾い上げて吸ってみたのですね。 帰宅して読み直して、やっと分かりました。 彩どりのたしかなるかな豆の飯 松原 利恵 その通りなのでしょうが、当たり前すぎる様に思います。 「彩り」と「たしか」を取ると「豆の飯」しか残りません。十七文字がもったいないです。 豆飯をお替りする子はにかむ児 松原 利恵 この場合の「おかわり」は「お代わり」です。くどいですけど、辞書を引きましょう。 眼に触れる二階住まいや桐の花 三浦 秀水 二階の窓から桐の花が直ぐそこに見えるということなのでしょう。 でも、語順か何かに無理が有る様に思います。 豆飯と莢むくわれの手は老し 中村 如水 豆飯にしようと、莢をむいた時の様子ですが、「と」に違和を感じます。 豆飯や莢むくわれの手は老し・・・・でしょうか、それとも 豆飯や莢をむく手に老いを見し・・・かしら? |
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六 月 句 会 (互選) 2 降りそうに見えし一日よ夏至の空 薄井 逸走 2 十薬を引きたるままに路地に干す 1 十薬を引けば裏庭皆匂ふ 1 十薬の路地深ければ匂い濃し 1 十薬を踏んだと分かる匂いして 1 夏至の土手入り日は遙かかなたなり 3 半夏生咲きて田水の溢れけり 横手 時 3 十薬の咲きて明るし無縁墓 2 十薬や手入れおこたる老の庭 1 夏至の旅湿原にあうにはか雨 1 はまゆうや旅人祈る殉難碑 3 十薬の茂るに任せ厨口 坂井 翠波 3 パソコンを叩きて机上の薔薇崩す 1 十薬や白き十字の闇に浮く 1 夏至の午後バッハ流れる喫茶店 1 十薬を刈りて指の香もて余す 3 からっぽの厩に十薬干してあり 松原 利恵 2 十薬や凛と山辺の白十字 1 渋滞の車に夏至の波寄する 1 十薬の干されてありし老護園 1 昃れば尚どくだみの十字濃し 2 ゆったりと刻を過ごせり夏至夕べ 杉山佐都子 2 あっけなく晴れてしまいし夏至の雨 1 十薬に心ひかれる年波に 1 けふ夏至とメール送りて鯖弁当 1 陽あたりに咲きてどくだみ十字切り 4 どくだみや道のふさがる荒れ御堂 花岡上尾亭 3 どくだみに赤い自転車置き場なく 2 どくだみに白日蝶の羽の風 1 夏至の明け柳の動く匂いかな 4 十薬の犇めき咲いて庭の隅 三浦 政子 2 夕どきをなほ余念なき夏至の庭 1 駅に向く村道夏至の水走る 1 ほつほつと遅き芽吹きに夏至の雨 4 海女の笛桶がただよう夏至の海 三浦 秀水 2 十薬をゆらし蜥蜴のとどまれり 1 十薬や細くて白き谷戸の径 1 夏至の雨移植庭木の蘇えり 2 近径はどくだみ匂う畦の径 小山田柏泡 2 素足には今朝の冷たき夏至の雨 1 病葉の落ちて淀みに流れざる 1 十薬のここぞと匂う木下かな 2 師は語る脱臭剤に十薬を 中村 如水 1 十薬の白きわだてり闇の中 1 夏椿落ちても色香失わず 1 肌寒き一と日迎えて夏至となり 席題=蛍 (出題 政子さん) 3 身丈こす箒振る子の蛍狩 三浦 秀水 2 音もせず光りはなちて蛍かな 杉山佐都子 2 運ばれて蛍はビルの庭を飛ぶ 薄井 逸走 1 死ぬ迄にもう一度蛍見たきかな 中村 如水 1 蛍火に浮かぶ男の子の真顔かな 三浦 政子 1 蛍火や結界の森闇深し 坂井 翠波 句 評 (みんなで先生) どくだみに赤い自転車置き場なく 花岡上尾亭 赤い自転車に引かれました(利恵) パソコンを叩きて机上の薔薇崩す 坂井 翠波 薔薇の崩れる音まで聞こえるような句に感動(利恵) 二一世紀むけの俳句と思います(秀水) ゆったりと刻を過ごせり夏至夕べ 杉山佐都子 夏至の頃はついつい夜更かしをします同感(秀水) 駅に向く村道夏至の水走る 三浦 政子 村の道は駅や役場に向いているのでしょうね(時) どくだみに白日蝶の羽の風 花岡上尾亭 羽の風に詩情があると思った(時) 半夏生咲きて田水の溢れけり 横手 時 半夏生が咲いた、田水が溢れた、美しい(上尾亭) 師は語る脱臭剤に十薬を 中村 如水 十薬と脱臭剤の取合が面白い(上尾亭) 十薬をゆらし蜥蜴のとどまれり 三浦 秀水 蜥蜴が目に浮かぶ(上尾亭) からっぽの厩に十薬干してあり 松原 利恵 干場の厩が珍しい(上尾亭) パソコンを叩きて机上の薔薇崩す 坂井 翠波 パソコンと薔薇ぴったりします(上尾亭) 夏至の雨移植庭木の蘇えり 三浦 秀水 蘇った庭木を見たい(上尾亭) けふ夏至とメール送りて鯖弁当 杉山佐都子 夏至の日の鯖弁当がよろしい(上尾亭) 海女の笛桶がただよう夏至の海 三浦 秀水 海女と夏至の海いきいきとしている(上尾亭) 十薬のここぞと匂う木下かな 小山田柏泡 木下の十薬が美しい(上尾亭) 死ぬ迄にもう一度蛍見たきかな 中村 如水 同感同感(上尾亭) 十薬の茂るに任せ厨口 坂井 翠波 十薬の茂るにまかせ厨口(逸走) 十薬や手入れおこたる老の庭 横手 時 十薬の手入れおこたるところから(逸走) どくだみや道のふさがる荒れ御堂 花岡上尾亭 どくだみに道をふさがれ荒れ御堂(逸走) 身丈こす箒振る子の蛍狩 三浦 秀水 身丈こす箒を振をふりて蛍狩(逸走) 編 集 雑 感 薄井逸走 夏至の旅湿原にあうにはか雨 横手 時 「湿原に遭う」なのか「似合う」なのか、読み直しました。 十薬の茂るに任せ厨口 坂井 翠波 「茂にまかせ」「茂にまかす」例会でも同じ事を申し上げましたが、やはり、 「茂にまかす」だと思います。「茂にまかす」 は監督権のようなものが人間側にあり、茂り過ぎたら刈り取るからね、という姿勢があり、 「茂にまかせ」は、刈り取る意思 がない様子と思います。 昃れば尚どくだみの十字濃し 松原 利恵 「昃」・・・「ひかげ」とヨミがふられていましたが、私の辞書には載っていない読みです。 日が西に傾くという意味の字で、日が陰るという意味はないようです。 何かの小説に出てきた読みなのでしょうか? 辞書を買いましょうね。 あっけなく晴れてしまいし夏至の雨 杉山佐都子 言葉に釣られて選びました。選びたくなる句です。 夏至の雨があっけなく晴れていいのか、よく分かりません。 夏至の明け柳の動く匂いかな 花岡上尾亭 柳の動く匂いとは? これも言葉に釣られる句ではないかと思います。 夕どきをなほ余念なき夏至の庭 三浦 政子 夏至の庭を夕時になっても手入れしていたという事と思いますが、情景が浮かびません。 「余念なき」が余計なのでしょうか? 十薬をゆらし蜥蜴のとどまれり 三浦 秀水 十薬と蜥蜴にどんな結びつきがあるのでしょうか? 十薬を揺らす意味はないと思います。 素足には今朝の冷たき夏至の雨 小山田柏泡 利恵さんから季重ねについて指摘がありました。 私も気になっていたところです。 季重ねをしないという事は、俳句の基本ルールの一つと思います。 季節の違う言葉はもちろんのこと、同じ季節の語でも、主と従・・・・ いえ、主と添えがはっきりしないのは気になります。 どくだみに白日蝶の羽の風 ほつほつと遅き芽吹きに夏至の雨 海女の笛桶がただよう夏至の海 十薬をゆらし蜥蜴のとどまれり 素足には今朝の冷たき夏至の雨 音もせず光りはなちて蛍かな 杉山佐都子 席題の句は限られた時間で作りますので、これに異論を挟むのは潔しとしないのですが、二点句ですので、一言。 「音もせず」・・・遠いところを走る夜汽車や遠花火は音が聞こえないことがあります。ですが、蛍は当たり前すぎます。 そして「も」・・・「音もせず、姿も見えず」、という意味であれば、「も」を使ってその裏のことを想像させてはいけないと思います。「夏休みも終わって」という書き方の「も」であるなら最悪。 「音もせず光りはなちて」・・・蛍そのものです。不要です。 (厳しい書き方ですが、ご理解下さい) 埼玉俳壇 星野紗一先生 選 雀の子はしゃぎ合ふこと覚えたり 薄井逸走 松本 旭先生 選 桐咲いて盆地の空の抜けてをり 薄井逸走 嫁ぐ気のなき娘たち桐の花 薄井逸走 桐の花札所の導となる日和 薄井逸走 |