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正 月 句 会 (互選) 4 橋いくつ架かる花町枯柳 三浦 政子 3 寒紅や昔小町といふ色気 3 寒紅や母の身丈の古袷 3 寒紅や油沁みして古鏡台 2 枯柳大川端を欲しいまま 2 高塀のつづく裏町枯柳 4 寒紅や素顔の母の記憶のみ 横手 季 3 枯柳堰の流れの細まりて 1 枯柳ひとりつぶやく古郷言葉 2 近づくや生きる匂ひの枯柳 2 寒紅を刷くや小指の紅消えず 1 枯柳池畔にふぐ塚包丁塚 2 吹きつのり池面を掃ける枯柳 三浦 秀水 2 宮参りおちょぼの口に寒の紅 2 捨小舟むかし宿場の枯柳 2 木橋に細き影おく枯柳 1 そゝくさと湯桶かゝえて枯柳 1 老い初めし顔を鏡に寒の紅 2 寒紅をぬぐいきれずにゐる夜かな 薄井 逸走 2 寒紅の付きし盃返されて 1 寒紅の付きしグラスを指で拭く 1 寒紅や言わねばならぬことのあり 1 寒紅の濃き口元へ細き指 1 寒紅のうなづく程には聞いてなく 2 寒紅を引きて齢を隠しけり 坂井 翠波 2 寒紅や矍鑠として物売女 2 枯柳影を揺らして城址の碑 1 枯柳透かし遠峯陽の翳る 1 四阿の屋根を打ちをり枯柳 2 枯柳風しなやかに昨日今日 松原 利恵 2 寒紅をさしてひと日の心足る 1 寒紅をつねより濃くし同行す 1 手庇の水面にゆらぐ枯柳 1 応援歌ひびく公園枯柳 3 寒紅を引けばメールの来る予感 杉山佐都子 2 何事も静かに見てる枯れ柳 1 寒紅を引いて句会の席につき 1 枯れ柳時折り肩にふれて過ぎ 2 耳朶にそっと寒紅つけてみる 中村 如水 1 湖沿いにそうて楊柳枯れしまま 1 牛紅を自作人形の口にさし 3 寒紅を刷きなけなしの元気かな 花岡上尾亭 1 大枯野小川に鷺の降りにけり 席 題=竹馬 (逸走 出題) 4 竹馬で客を見下す猿の芸 坂井 翠波 2 竹馬の竹もろともに転がりぬ 三浦 政子 2 竹馬を立て掛けしまゝ三輪車 薄井 逸走 1 竹馬に青年教師乗れぬとか 中村 如水 1 竹馬や友とあゆみし旧街道 花岡上尾亭 句 評 (みんなで先生) 宮参りおちょぼの口に寒の紅 中村 如水 口紅の可愛い女の子かな?(利恵) 可愛げにつけたれた寒紅か目に浮ぶ(政子) 寒紅を引けばメールの来る予感 杉山佐都子 紅をつけて浮き浮きする女心(政子) 「メ−ル来る予感」に斬新さを覚えます(上尾亭) 寒紅の付きしグラスを指で拭く 薄井 逸走 さりげない仕草ながら細やかな心使い(政子) 竹馬を立て掛けしまゝ三輪車 薄井 逸走 放られた様に立て掛けられている竹馬。 三輪車に気が傾いている様子(政子) 昔よく見かけたものでした(佐都子) 寒紅の付きし盃返されて 薄井 逸走 返された盃がうれしかったのか、又は戸惑ったのかしら(政子) 男性の句と思います。多分うれしかったことでしょう(利恵 寒紅のうなづく程には聞いてなく 薄井 逸走 現代女性の様子なのかな(政子) 寒紅の濃き口元へ細き指 薄井 逸走 「指細き」にしたい(政子) 寒紅や素顔の母の記憶のみ 横手 季 同じ思いが私の母にもありよく表現されている(政子) 「素顔の母」いつまでも懐い出すなつかしさが素晴らしい(上尾亭) 寒紅を刷きなけなしの元気かな 花岡上尾亭 吾が身を云い当てられれいるような気がする(政子) 寒紅をぬぐいきれずにゐる夜かな 薄井 逸走 多忙な一日であったように思われる(季) そっとぬぐった女心のやさしさに引かれます(秀水) 竹馬で客を見下す猿の芸 坂井 翠波 ほほえましい情景が浮かんでくる(季) 四阿の屋根を打ちをり枯柳 坂井 翠波 風の吹いている様子がわかる佳い句と思いました(利恵) 寒紅や矍鑠として物売女 坂井 翠波 気の強そうな感じが浮かびます(佐都子) 寒紅に何の説明もせず物売女を配したのが抜群です(上尾亭) 寒紅や言わねばならぬことのあり 薄井 逸走 女の気持ちが良く出ています(佐都子) 近づくや生きる匂ひの枯柳 横手 季 芽をふく春の感じで生きる匂ひに感動です(佐都子) 観察の効いた句と思いました(上尾亭) 寒紅を刷くや小指の紅消えず 横手 季 薬指にほんのり残る印象がよい(秀水) 寒紅を引きて齢を隠しけり 坂井 翠波 老いを隠す女の願(秀水) 竹馬の竹もろともに転がりぬ 三浦 政子 単純明快(秀水) 橋いくつ架かる花町枯柳 三浦 政子 故郷の新潟の堀と橋そして柳(秀水) 若い頃住んでいた新潟市に古町という有名な花柳界があったのを思い出した。見事な句である。(翠波) 寒紅や昔小町といふ色気 三浦 政子 ずばり言ひ切ると?(秀水) 高塀のつづく裏町枯柳 三浦 政子 料亭の黒塀の内より三味の音(秀水) 枯柳大川端を欲しいまま 三浦 政子 川端一ぱいの柳 故郷新潟の街(秀水) 「欲しいまま」にするのは、枯柳でなく晩春の柳の方では? 枯柳には枯柳に合う別の風景があると思います(逸走) 枯柳堰の流れの細まりて 横手 季 「細まり」が一寸違和感?(秀水) 枯れ柳時折り肩にふれて過ぎ 杉山佐都子 川端に並ぶ一杯飲屋(屋台)は柳に触れながらの情景あり(秀水) 枯柳ひとりつぶやく古郷言葉 横手 季 「ひとりつぶやく古郷言葉」にしみじみとしたものを感じます(上尾亭) 寒紅や母の身丈の古袷 三浦 政子 「母の身丈の古袷」母をしのぶ作者が見えます(上尾亭) 枯柳透かし遠峯陽の翳る 坂井 翠波 「陽の翳る遠い峰」近と遠の対応がすばらしい(上尾亭) そゝくさと湯桶かゝえて枯柳 三浦 秀水 省略の効いた佳さに感心しました(上尾亭) 応援歌ひびく公園枯柳 松原 利恵 枯柳と応援歌の取り合わせがすばらしい(上尾亭) 竹馬に青年教師乗れぬとか 中村 如水 ユーモアを感じます(上尾亭) 寒紅や油沁みして古鏡台 三浦 政子 若い頃から使っていた鏡台 何度その鏡台で化粧したものか。 女人の化粧に対する思いが伝わる(翠波) 老い初めし顔を鏡に寒の紅 三浦 秀水 少しでも若さをとどめていたいとの思いが分かる(翠波) 枯柳池畔にふぐ塚包丁塚 横手 季 ふぐ塚包丁塚の表現がよい(翠波) 牛紅を自作人形の口にさし 中村 如水 牛紅をさして人形仕上がりし(逸走) 木橋に細き影おく枯柳 三浦 秀水 木の橋に細き影おく枯柳(逸走) 吹きつのり池面を掃ける枯柳 三浦 秀水 枯柳より、青く垂れ下がった柳の方が似合うのでは(逸走) 埼玉俳壇(星野紗一先生選) 寒紅で言いたき事を封じをり 薄井 逸走 色濃い寒紅をつけると、ちょっと気取ってすまして見たくなる女性心。 今回は「寒紅」だけを作りました。 正月休みの間、アメリカ往復の機内で、ああでもないこうでもないと、寒紅をひねくり回していました。楽しかったです。 |

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二 月 句 会 (互選) 4 薄氷の消えて轍の緩みけり 薄井 逸走 4 薄氷のつまみどこなく解けにけり 3 潮騒の緩みし日和海苔を掻く 2 薄氷のすでに割られている朝 1 薄氷の緩む日溜まり辻地蔵 1 手のひらにすくえば消える薄氷 1 薄氷の池面突き出しゐる小枝 4 岩に乗る試し踏みして海苔掻き女 坂井 翠波 2 薄氷の浮く御手洗に手を清む 2 松籟やうすらい残る城址池 1 暁光のあまねき磯に海苔をとる 1 汁の実の岩海苔朝餉香り立つ 1 薄氷を溶かさぬほどの雨となる 4 踏んでゆく路地に薄氷ある音を 三浦 秀水 2 渡し板踏めば薄氷岸はなれ 2 波の嵩海苔掻く老女の頬被り 1 海苔を掻く指先こたへる波しぶき 1 海苔を採る出船せわしき凪の湾 1 薄氷の塵をとじこめ手洗鉢 4 つくばいの薄氷小枝噛みてをり 横手 季 3 薄氷に動くものあり神の池 3 海苔あぶる母の教えのこまやかに 1 岩海苔を一途に掻けど掌にわずか 1 海遠き浅草海苔といふがあり 4 陽の匂い分け合うように薄氷解け 杉山佐都子 3 薄氷の残りし桶の香を出し 2 薄氷を踏みたき心空見上げ 1 迷いての金の帯ある海苔を買う 1 薄氷を踏みて子育て若き母 2 薄氷に影届きいる祠かな 花岡上尾亭 1 薄氷や轍くひこむ田圃道 1 指一本出してつつきぬ薄氷 1 薄氷に空は青みてありにけり 1 薄氷の透けてきらめく今朝の晴 三浦 政子 1 観潮の船一点に動かざる 1 若布刈舟ゆり動かして手繰り上ぐ 1 若布刈る鳴門大橋その真下 2 海苔干場今は埋められ影もなし 中村 如水 2 小指にて触れば動く春氷 1 薄氷を踏めば空っぽ神の庭 松原 利恵 1 薄氷やかすかに光り風渡る 1 冬ざれの原野駆けめぐる子等の声 中沢 和夫 席 題=君子蘭 (翠波さん 出題) 3 君子蘭赤子抱くかに鉢移す 松原 利恵 2 眠りたるうちの貯え君子蘭 横手 季 2 君子蘭届く初日の書道展 薄井 逸走 1 君子蘭嬰抱くごとに窓の辺に 坂井 翠波 1 部屋部屋に明るさもどり君子蘭 花岡上尾亭 句 評 (みんなで先生) 踏んでゆく路地に薄氷ある音を 三浦 秀水 薄氷を踏み出勤の音でしょうか(季) 岩に乗る試し踏みして海苔掻き女 坂井 翠波 実際に見なければ作れない句と思いました(季) 「試し踏み」の写生がよろしい(上尾亭) 君子蘭赤子抱くかに鉢移す 松原 利恵 同じような句がありましたが、鉢移すを選びました(季) 迷いての金の帯ある海苔を買う 杉山佐都子 金の帯に迷いましたが、封の帯なのですね(季) 薄氷の消えて轍の緩みけり 薄井 逸走 ぬかるみの道も今はなつかしい(政子) 薄氷を踏みて子育て若き母 杉山佐都子 嬰育ての日々薄氷を踏むごとし(政子) 小指にて触れば動く春氷 中村 如水 春らしい薄氷の様子が良く出ていますね 可愛らしい小指が良いと特に思いなした(利恵) 薄氷のつまみどこなく解けにけり 薄井 逸走 確かにそのものだと思います(佐都子) 手のひらにすくえば消える薄氷 薄井 逸走 大変きれいに読みました(佐都子) 薄氷の残りし桶の香を出し 杉山佐都子 昔の台所の寒さを思い出します(秀水) 薄氷いし漬物桶の石はずす(逸走) 若布刈舟ゆり動かして手繰り上ぐ 三浦 政子 さぞや豊作なんでせう(秀水) 薄氷のすでに割られている朝 薄井 逸走 通学時間を過ぎると薄氷の残骸のみ(秀水) つくばいの薄氷小枝噛みてをり 横手 季 このような実景を何度か目にしたような気がします(翠波) 波の嵩海苔掻く老女の頬被り 三浦 秀水 しぶく高波の中で老女が一心に海苔掻きをしている様子が目に浮かぶ(翠波) 部屋部屋に明るさもどり君子蘭 花岡上尾亭 部屋ごとに君子蘭の鉢植えが置かれているのか、明るさが目に浮かぶ(翠波) 海遠き浅草海苔といふがあり 横手 季 「浅草海苔」をなつかしむ気持に関心(上尾亭) 観潮の船一点に動かざる 三浦 政子 「一点に動かざる」が美事です(上尾亭) 海苔を掻く指先こたへる波しぶき 三浦 秀水 「指先にあたる波しぶき」に実感あり(上尾亭) 若布刈る鳴門大橋その真下 三浦 政子 「その真下」が美事です(上尾亭) 岩海苔を一途に掻けど掌にわずか 横手 季 「一途に掻けど」の写生が美事(上尾亭) 君子蘭届く初日の書道展 薄井 逸走 「書道展」が利いています(上尾亭) 海苔あぶる母の教えのこまやかに 横手 季 「母の教え」に美事(上尾亭) 薄氷に動くものあり神の池 横手 季 「動くものあり」の写生が美事(上尾亭) 薄氷に棲むもの動く神の池(逸走) 松籟やうすらい残る城址池 坂井 翠波 「松籟」が効いています(上尾亭) 埼 玉 俳 壇 松本旭先生選 手のひらに掬えば消ゆる薄氷 薄井 逸走 星野紗一先生選 枯柳土塀に触れることもなく 薄井 逸走 |

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三 月 句 会 (互選) 1 春一番一日葉裏を見せて揺れ 杉山佐都子 1 春一番ハリーポッター襲来す 1 散歩道犬もくるりと春一番 1 菜の花を活けて主の待つ机 1 路地奥の店満員や春一番 1 若者の茶髪逆立ち春一番 1 夕暮れの花屋明るし春一番 3 テーブルが私の机黄水仙 横手 季 3 ものの芽や生涯学習小机で 2 窓際に寄せし小机花明り 2 春一番テラスの鉢を薙倒し 1 春一番舫へるボート犇めきぬ 1 春の塵主なき机未完の稿 2 苦しんで苦しんだ句春一番 中村 如水 2 春一番去って空には星光る 2 春愁や傷ある机なでて見る 2 払い下げられし木机春埃 1 卒業式思いは母校の古机 1 春一番弔花ゆすぶり去りにけり 2 文机椿一花を壺に挿す 坂井 翠波 1 パソコンを叩く机に花一枝 1 日矢の射す机に春の埃たつ 1 春埃拭きて机に向かいけり 1 春一番巻き上げて行く鯨幕 1 春日充つ机上に聖書婚儀果つ 2 暫くは言葉もとぎれ春一番 松原 利恵 2 なみなみの田水押し合ふ春一番 2 春一番まといて路地のゴミ拾ふ 2 春一番道路標識見えかくれ 1 夕なずむ春一番の去りどころ 5 春一番袋小路を吹き抜けり 薄井 逸走 3 鶏の羽根逆立てて春一番 2 ゆれるものみんなゆらして春一番 1 春一番柱時計のネジを巻く 3 野の牛のふんばってゐる春一番 花岡上尾亭 2 花冷や机の下の若き膝 2 ラブレターぽんと机に春うらら 1 蠅生まれ机上の反古を這ひにけり 1 春の灯使い込まれし文机 三浦 秀水 2 春一番竿の干物片寄りて 4 まだありぬ父の古机鳥雲に 三浦 政子 席 題=桜 (逸走 出題) 3 持ちくれし花より団子花の句座 横手 季 2 廃校の人恋しさに桜咲く 松原 利恵 1 友好のさくら便りは先に着き 杉山佐都子 1 夜桜や投光まぶし天守閣 三浦 秀水 1 昼凪や野に一本の桜かな 薄井 逸走 句 評 (みんなで先生) 春一番竿の干物片寄りて 三浦 秀水 よく見てますねー(如水) 風が強いとよくある。観察がきいている(季) ラブレターぽんと机に春うらら 花岡上尾亭 ラブレターなつかしい言葉ですね(如水) 花冷や机の下の若き膝 花岡上尾亭 机下の若き膝をよく見ていましたね(如水) 日矢の射す机に春の埃たつ 坂井 翠波 日矢に見える春埃が実感(政子) 野の牛のふんばってゐる春一番 花岡上尾亭 野の牛の存在感が春一番にバッチリ(政子) 春一番まといて路地のゴミ拾ふ 松原 利恵 春一番まといつ拾う路地のゴミ(政子) テーブルが私の机黄水仙 横手 季 ちゃぶ台が私の机黄水仙(政子) 「テーブルがわたしの机」なんと可愛らしいこと(上尾亭) 春一番袋小路を吹き抜けり 薄井 逸走 袋小路を吹き抜ける春一番の騒々しさ(政子) 袋小路を吹き抜けるのがよい(季) 持ちくれし花より団子花の句座 横手 季 あれこれと悩むより、先ず目先の情景を句にとらへてさすがと思う(政子) まだありぬ父の古机鳥雲に 三浦 政子 鳥雲の季語が、父を偲ばれると思った(季) 私も父を思い出しました「まだありぬ五銭で買ったバイオリン」 明治生まれの父のバイオリンが私の生家に眠っています(利恵) 鳥雲とは父との別れの深い思いか淋しさか(上尾亭) 夜桜や投光まぶし天守閣 三浦 秀水 「まぶし」まで言はず、 (夜桜やライトアップの天守閣)では?(季) 菜の花を活けて主の待つ机 杉山佐都子 菜の花を活けて主を待つ机 の方が良いと思います(利恵) 昼凪や野に一本の桜かな 薄井 逸走 美しい風景が目に浮かびました(佐都子) ものの芽や生涯学習小机で 横手 季 やる気十分の姿が見えます(秀水) 散歩道犬もくるりと春一番 杉山佐都子 雨風に弱い動物の一面が面白い(秀水) 鶏の羽根逆立てて春一番 薄井 逸走 伊藤若冲の世界を彷彿とさせます(秀水) 夕暮れの花屋明るし春一番 杉山佐都子 春一番の過ぎた町の夕暮れの景が作者を明るくしている(上尾亭) 春愁や傷ある机なでて見る 中村 如水 傷ある机をなでる・・・正に春愁の情深し(上尾亭) 路地奥の店満員や春一番 杉山佐都子 春一番の説明はなく満員の店を描き居る正に俳句だ(上尾亭) 春一番ハリーポッター襲来す 杉山佐都子 ハリーポッターと春一番の配合誠に美事(上尾亭) 春の塵主なき机未完の稿 横手 季 未完の稿に過ぎ去った日を想いゐる作者(上尾亭) 苦しんで苦しんだ句春一番 中村 如水 面白い、苦しんで苦しんで絶妙の味を出した(上尾亭) パソコンを叩く机に花一枝 坂井 翠波 パソコンを叩く作者若々しい句となった。(上尾亭) 廃校の人恋しさに桜咲く 松原 利恵 廃校の桜咲きけり影を踏む 廃校の桜を惜しんでいる気持が十分にあふれています(上尾亭) 廃校の人恋しさか桜咲く・・又は・・廃校の人恋しさよ桜咲く(逸走) 春一番舫へるボート犇めきぬ 横手 季 春一番舫ゐしボー軋めかす(逸走) 春一番去って空には星光る 中村 如水 春一番夜空に星を吹き残す(逸走) 夕なずむ春一番の去りどころ 松原 利恵 「去りどころ」を何とかしたい(逸走) 政子さんへ 花岡上尾亭 「雨の降る日は天気が悪い」因果応報式の俳句は作らないでください。 春一番→強く吹く→物が飛ぶ、物をゆすぶる、物をとぎれさす、物を薙ぎ倒した、波を立てた。 そうゆう世の常識は句に詠んではならないのです、詩にならないのです。 そうゆう句は、それっきりのもの、それがどうしたと言われて終わるだけです。 政子さんが嘆いていました「どうして私はスランプなんでしょう、作り方を替えたい」と、 たしかに三月の例会の句は「雨が降る日は天気が悪い」式の俳句でよくありません。 ものの蓋吹っ飛んでくる春一番 春一番熟年ともにあおわれて 白服に春一番の砂ほこり 俳句は五音と十二音で成立しています、 「雨が降る日は天気が悪い」式の俳句は先ず五音(季題)を作ってから十二音を作っています、 それが根本的に悪いのです、俳句は先ず十二音を作ってそれから五音を配せばいゝのです、 そして十二音を作る時五音(季題)に従順な、意志を通じた、 五音(季題)と理屈が通った十二音は絶対に作ってはいけません、 正に五音(季題)にノータッチの十二音を先ず作ることです。 作句方法を百八十度転換しましょう。私が三月句会で推薦しました 夕暮れの花屋明るし春一番 佐都子 路地奥の店満員や春一番 佐都子 この一見季題に何の関係のない作り方が俳句を膨らませて読み手を愉しませ、喜ばせ、 面白がらせているのです。読み手は鑑賞しこの俳句の豊かさに気がつかなくてはならないのです、 この俳句は「それがどうした」「それきっりなの」、を脱した本当の詩となった素敵な俳句なのです。 夏草や兵どもが夢の跡 古池や蛙とびこむ水の音 芭蕉は十二音を作ってその後五音を配したのは歴史的事実です。 白服に春一番の砂ほこり この句ではむざむざ白服がドブに捨てられました。 実は白服は貴重な宝でした、それなのに「雨の降る日は天気が悪い」 式の句にしたばっかりに駄句となりました。 私が政子さんのように白服を発見していたならばこんな句を作ったでしょう。 白服の胸みづみづし春一番 白服に老ひても執し春一番 白服も橋も朦朧春一番 政子さん俳句の作り方を百八十度転換しましょう、きっとすばらしい句が出来ますよ。 俳句は点数を取るために作るのではないのです、 一番大切なこ事は読み手の記憶にのこる句を作ることです、 点数を取ってもそれっきり人の記憶に残らなければ作った甲斐がありません。 私の記憶に残る政子さんの句 梅雨明けの葬送へゆく橋長き いつも思ひだします。 埼 玉 俳 壇 松本旭先生選 薄氷の緩む日溜まり辻地蔵 薄井 逸走 春一番柱時計のネジを巻く 薄井 逸走 自句自解 薄井逸走 春一番袋小路を吹き抜けり 今回は春一番に集中して作りました。最初に思ったのは、春一番が吹いている状況なのか、 風が収まって静かになった状況なのかをはっきりさせる必要があるのではないか、ということでした。 そして、行き止まりの袋小路を吹き抜ければ、動きが見えるかと思ったのです。 ゆれるものみんなゆらして春一番 上五と中七を平仮名にしてみました。揺れる感じが目に見えるかと思ったのです。 でも、今思いますと、「陽炎」の句でこの方法を取った方が効果がありそうです。 春一番は平仮名のようには揺らしませんから。 |