
| . |
七 月 句 会 (互選) 3 その草にその草なりの草いきれ 小山田柏泡 2 畦道は草いきれして田水落つ 1 束ね来し刈草解けば草いきれ 1 草いきれのこる荒野の昏れ初めし 1 草いきれ川面はるかやむせかえる 1 草いきれして休耕田の草の丈 1 堤防は草いきれして水澄めり 4 廃線の鉄路はさびて草いきれ 横手 季 2 草いきれ散歩の犬の長き舌 1 鯖を買ふ湯の香海の香通う町 1 海へ向く千体仏や草いきれ 1 雲一だ動かぬ夕べ草いきれ 1 浜茶屋に鯖定食の美味なりし 2 老農の顔になりわい草いきれ 三浦 政子 2 鯖半身その半分で食足りし 2 新都心ビルをはるかに草いきれ 1 草いきれ土埃あげ車くる 1 青鯖の灯に美くしき光りもつ 1 草いきれ古墳の道に迷ひ入る 3 草いきれしてはてしなき曇りかな 花岡上尾亭 1 一点の日陰もあらず草いきれ 1 草いきれ山国の空ごつごつと 1 ねんごろに牛が尾を振る草いきれ 1 峠の名過ぎて忘るる草いきれ 3 しめ鯖の縞目浮立つ夕餉かな 三浦 秀水 2 草いきれ草の中なる道祖神 1 競走馬人のいきれと草いきれ 1 廃屋に猫の住みつく草いきれ 2 風鈴の音の違いを吊す路地 薄井 逸走 2 草いきれ石垣だけが残る城 1 近道を後悔したり草いきれ 1 草いきれ走り測量旗立てる 1 鯖街道機上にありて越しにけり 杉山佐都子 1 関鯖のシール誇らし他を圧す 1 ひとり居の旬鯖一尾思案せり 1 居酒屋の鯖煮のメニュー売り切れし 3 駆けたがる犬を押さへて草いきれ 坂井 翠波 2 暁光や小舟繰り出す鯖の海 1 釣られたる鯖の走れり波の上 1 草いきれ戦場の後なまなまし 中村 如水 1 〆鯖を酒肴とするは老二人 2 出刃の背をも一度叩き鯖料理 松原 利恵 席 題 茗荷の子(出題 翠波さん) 3 浅漬の味もことさら茗荷の子 坂井 翠波 2 持込みし句座に香るや茗荷の子 松原 利恵 1 朝採りの百円売場茗荷の子 三浦 政子 1 もくもくと大葉にかくれ茗荷の子 三浦 秀水 1 路地奥の踏まざるところ茗荷の子 薄井 逸走 句 評 (みんなで先生) ねんごろに牛が尾を振る草いきれ 花岡上尾亭 草原の中で牛がゆったり、情景が浮かぶ(季) 「ねんごろ」・・・このな場面で使う言葉でしょうか?(逸走) 草いきれ草の中なる道祖神 三浦 秀水 草の丈が感じられる(季) 関鯖のシール誇らし他を圧す 杉山佐都子 他を圧す、を何とかしたいと思う(政子) おそらく、スーパーの魚売場のことでしょう。ですが、「シール誇らし」は俳句的表現でないと思います(逸走) 浜茶屋に鯖定食の美味なりし 横手 季 浜茶屋ならではの味さぞやと思う(政子) 居酒屋の鯖煮のメニュー売り切れし 杉山佐都子 案外庶民的な味が好まれるのか、同じ思いをしたことがある(政子) メニューが売り切れるのですか? 最初にそう思いました。(逸走) ひとり居の旬鯖一尾思案せり 杉山佐都子 ふたり居でも手に余るほど、大家族がうらやましい(政子) ひとり居と旬鯖と、どちらが主体なのでしょう?(逸走) 釣られたる鯖の走れり波の上 坂井 翠波 情景がさわやかに感じられとてもよい(政子) 鯖街道機上にありて越しにけり 杉山佐都子 そうなんだーの一言(利恵) 鯖街道って何ですか? 分かりません。 飛行機で越すことに何か、意味があるのでしょうか? (逸走) 堤防は草いきれして水澄めり 小山田柏泡 さぱりした佳い句と思いいただきました(利恵) 掘割なら分かりますが、草いきれのする堤防にいたら、川の水が澄んでいるのは見えないと思うのですが?(逸走) 廃線の鉄路はさびて草いきれ 横手 季 淋しい田舎の情景が浮かびます(佐都子) 草いきれ走り測量旗立てる 薄井 逸走 道路工事でよく見た風景です(佐都子) 出刃の背をも一度叩き鯖料理 松原 利恵 私も同じことをしています(佐都子) 鯖と出刃包丁とどんな関係があるのでしょうか?(逸走) 路地奥の踏まざるところ茗荷の子 薄井 逸走 普段足を踏み入れないところに茗荷畑があり、実感ですのでいただきました。(佐都子) 廃屋に猫の住みつく草いきれ 三浦 秀水 廃屋に猫の住みをり草いきれ では?(逸走) 鯖半身その半分で食足りし 三浦 政子 鯖半身その半分で足りし膳 では?(逸走) 競走馬人のいきれと草いきれ 三浦 秀水 競走馬草のいきれと人いきれ では?(逸走) 一点の日陰もあらず草いきれ 花岡上尾亭 日陰は夏の季語。「日陰も」と「日陰の」使い分けが必要と思います。 ここで「も」を使う必要はないと思います。(逸走) 埼 玉 俳 壇 星野紗一先生選 草いきれ一人であればなほさらに 薄井 逸走 句会ではまったく人気のない句でした。草いきれの中に入り込んでしまった孤独感、一人では耐え難いものがあります。 阿部完市先生選 白靴を買おうか試し履きをする 薄井 逸走 これも句会では人気のなかった句です。 (男が)白い靴を履いて仕事をするには勇気がいります。 試し履きをしてみたのですが、買うことはできませんでした。 編 集 雑 感 薄井 逸走 今月はお休みの方が多く、静かな句会でした。 「みんなで先生」の意見も少なく、「けやき」の紙面に余裕があります。そのためか・・・・いえ、そのためです、足して付けたような逸走の意見があります。ご容赦下さいませ。 今月の兼題の「鯖」ですが、季語としての「鯖」には食卓に載っている鯖まで含まれるのでしょうか? 疑問を感じました。 席題の「茗荷の子」も同じ様に感じました。茗荷の子は、土に生えているまま、あるいは掘られてもそのままの形にあるものを指すのではないでしょうか? 茗荷の子を食材にした場合には、「茗荷汁」とか「茗荷漬け」という別の季語になると思うのですが? |

| . |
八 月 句 会 (互選) 5 空蝉の四肢ふんばって吹かれをり 三浦 政子 3 エプロンを替へて初秋の厨ごと 2 空蝉や地上に百の穴あけて 1 峰渡る風は初秋濁り出湯 1 忘れぐせつきしこの頃蝉の殻 1 初秋の孫の手温しやはらかし 4 空蝉の爪に力の残りゐる 薄井 逸走 4 空蝉にまだ登りたき力あり 2 空蝉や戦争責任問わぬまゝ 2 片陰の続かぬ道に立ち止まる 1 空蝉の落ちて吹かれて水たまり 4 新涼や鉄塔こと更高くして 小山田柏泡 2 蝉の殻爪立てたまま転げおり 2 初秋や今朝の連山近かりし 1 空蝉の爪りんとして岩つかむ 1 立食いのそばに風あり秋の口 3 空蝉の塵と掃かるる哀れさよ 横手 季 2 新秋の風老犬の足かろし 1 空蝉のしっかとすがる病葉に 1 落ちてきし空蝉天を拝みけり 1 空蝉のふんばりしまま落ちてきし 2 新秋や一舟大川流し行く 坂井 翠波 2 神木にすがる空蝉剥がしけり 2 新秋や朝の玻璃戸を磨き上ぐ 2 空蝉の生きたる如く木にすがる 1 空蝉の城址の森を見つめをり 4 新秋やまさぐり被る薄布団 中村 如水 2 新秋やふと目覚めては夜具被ぶる 2 石の橋埋めつくして蓮咲きぬ 1 栃大樹空蝉しかとしがみつき 4 けふ脱ぎてまだ柔らかき蝉の殻 花岡上尾亭 2 空蝉の身にまとうもの風ばかり 2 空蝉の孤独の手足葉にすがる 1 雨が打ち一寸動きし蝉の殻 2 空蝉や葉おも引裂く爪強し 松原 利恵 2 ひるがへる葉裏にじっと蝉の殻 1 新秋や花嫁徐々に太り来し 1 空蝉を子はかりそめにもて遊ぶ 3 空蝉の梁にとりつく長屋門 三浦 秀水 2 走り根に空蝉ころがる出羽の山 1 初秋や瀬音に旅愁夜もすがら 3 初秋の新色紅を勧められ 杉山佐都子 1 しみじみと初秋の旅や友笑顔 席 題 木槿(ムクゲ)(出題 翠波さん) 4 白木槿日の移ろいを花に見せ 坂井 翠波 3 木槿垣だけ残されて家壊す 中村 如水 2 路地奥の木槿乱れる空家かな 杉山佐都子 2 耳鳴りのいつか消えゐて花木槿 薄井 逸走 1 この家の犬も老いたり花木槿 三浦 政子 1 人影の短く炎えて花木槿 松原 利恵 句 評 (みんなで先生) 新涼や鉄塔こと更高くして 小山田柏泡 秋が来たことに実感(如水) 空蝉にまだ登りたき力あり 薄井 逸走 空蝉にまだ登りたき力みゆ では(政子) 力残している様であるが、登り「たき」がどうか(柏泡) 空蝉にまだ登りたき容あり(逸走・再考) 初秋の新色紅を勧められ 杉山佐都子 目の付けどころが若々しい(政子) 新秋やまさぐり被る薄布団 中村 如水 急に涼しさが寒さまで感じる(季) 夜明け頃布団を被ったことだろう(柏泡) けふ脱ぎてまだ柔らかき蝉の殻 花岡上尾亭 小学生の様な新鮮な目(政子) 片陰の続かぬ道に立ち止まる 薄井 逸走 止まる・・・・惑う、にしたら(政子) 新秋や一舟大川流し行く 坂井 翠波 初秋の感じがよく出ている(季) 空蝉を子はかりそめにもて遊ぶ 松原 利恵 恐がりもせず男の子なのか(季) 白木槿日の移ろいを花に見せ 坂井 翠波 木槿の生態をよくつかんでいる(季) 白木槿に日射し強くこと更白さをみせる様 空蝉や戦争責任問わぬまゝ 薄井 逸走 二十年八月十五日あの時は蝉時雨とでも云いましょう 「何くわぬ蝉の鳴声うっとうし」でしたね空蝉さん(利恵) 空蝉や葉おも引裂く爪強し 松原 利恵 空蝉の爪葉をつきさしている様 空蝉や爪葉おもまでつきさして では(柏泡) 空蝉のしっかとすがる病葉に 横手 季 空蝉と病葉の哀れさをからませた句(柏泡) 空蝉の爪に力の残りゐる 薄井 逸走 力強い足の爪の様が判る(柏泡) 「力の残りゐる」に空蝉の感じが出ている(翠波) 空蝉の孤独の手足葉にすがる 花岡上尾亭 孤独の手足はどうですか?(柏泡) 路地奥の木槿乱れる空家かな 杉山佐都子 空家に木槿だけ残して(柏泡) エプロンを替へて初秋の厨ごと 三浦 政子 初秋の感じがよくでている(翠波) ひるがへる葉裏にじっと蝉の殻 松原 利恵 ひるがへる葉裏にしかと蝉の殻 では(逸走) 新秋や朝の玻璃戸を磨き上ぐ 坂井 翠波 「上ぐ」・・・「上げ」では(逸走) この家の犬も老いたり花木槿 三浦 政子 どうせなら「この家も」にしますか(逸走) 埼 玉 俳 壇 星 野 紗 一 先 生 選 緞帳の降りて白靴消えにけり 杉山佐都子 近道を後悔したり草いきれ 薄井 逸走 虹の橋くぐりて終わる船の宴 薄井 逸走 |

| . |
九 月 句 会 (互選) 3 花束の脇役なれど吾亦紅 横手 季 3 抜きんでて咲けどわびしき吾亦紅 2 野良一人蟷螂(トウロウ)肩にすがりきし 2 小蟷螂真向えば斧振り上げし 2 草原の仔牛頬よす吾亦紅 1 吾亦紅控えめなれど影伸びて 1 湿原の微風こよなく吾亦紅 4 束ねても揺れのやまざる吾亦紅(ワレモコウ) 坂井 翠波 3 身構へて怒りとけざり大蟷螂 2 草原の風に暮れゆく吾亦紅 2 手折り来て風ごと挿しぬ吾亦紅 2 遠富士の紫紺に染まる吾亦紅 1 蟷螂の乗りて小枝のしずく散る 4 吾亦紅谷川岳の耳ふたつ 三浦 政子 3 吾亦紅万葉古歌をたどるみち 2 蟷螂にいなご喰わせている児かな 1 吾亦紅昔のままよふるさとは 1 吾亦紅潮すじ凪ぐや佐渡の島 1 かまきりの斧ふりかざす日本海 4 摘んでみしこれが花かよ吾亦紅 小山田柏泡 3 雄食って孕む蟷螂貌変えず 2 蟷螂のかき登り来る茅の先 2 分け入れば背丈を越えて吾亦紅 2 かまきりの腰筋掴み捕らえきし 3 闘ひて蟷螂翅を畳みえず 薄井 逸走 3 枯れ色となり蟷螂の動かざる 2 雑草の丈超してより吾亦紅 2 蟷螂や小枝の先をたゆませて 2 参道といえぬ長さや吾亦紅 4 蟷螂の空に届かぬ斧ふりし 杉山佐都子 1 蟷螂や身がまえて待つその刻を 1 燈台へ行く道嶮し吾亦紅 1 杣の道細くなりけり吾亦紅 2 蟷螂の怒る仕草を子は真似る 松原 利恵 2 盛りとてひそやかなりし吾亦紅 1 のどかなる畦に蟷螂翅たたむ 1 力瘤みせて蟷螂児をにらむ 2 山小屋は榾を積みあり吾亦紅 三浦 秀水 1 揺れやまずシャッター切れぬ吾亦紅 1 指先をかすめて蟷螂帽庇 2 よくみれば蟷螂の貌きつね似か 中村 如水 1 風なくも少しゆれいる吾亦紅 席 題 今年米(出題 季さん) 4 いく度も水たしかめて今年米 松原 利恵 4 水加減添えて新米子に送る 小山田柏泡 3 今年米納めて鐘を三つ撞く 薄井 逸走 1 新米は不出来と農家なげきをり 中村 如水 1 ふるさとの新米来ぬと妻漏らす 坂井 翠波 1 新米の白く流れる俵づめ 三浦 秀水 句 評 (みんなで先生) 今年米納めて鐘を三つ撞く 薄井 逸走 「鐘三つ」が?(如水) 新米を納め感謝の祈りの鐘でしょうか(佐都子) 納米したのはお寺又はお宮 農の生活がかいま見える(翠波) 束ねても揺れのやまざる吾亦紅 坂井 翠波 揺れも花の風情か(政子) 束ねてもまだ風にゆれてゐる様子 吾亦紅の高さがそしてぽつんと先の方に咲いてゐる様が佳く出てゐますね(利恵) ゆらゆら揺れている様子が感じます(佐都子) かまきりの腰筋掴み捕らえきし 小山田柏泡 覚えのある光景。掴まれながら斧をふりあげてくることも(政子) ・・・腰筋掴みしの表現がよいと思う(翠波) いく度も水たしかめて今年米 松原 利恵 水加減には気を使ひます(政子) 女性ならではの句(季) 新米の水加減は古米と異いまだ水分が多い米(柏泡) 水加減添えて新米子に送る 小山田柏泡 添えて・・・教へとしたらどうでせうか(政子) 子供がいくつになってもその生活を案ずる母親の気持ちが出ている(翠波) 吾亦紅万葉古歌をたどるみち 三浦 政子 寺の万葉花苑などに植えてある(季) 闘ひて蟷螂翅を畳みえず 薄井 逸走 蟷螂の生態をよくとらえていると思った(季) 手折り来て風ごと挿しぬ吾亦紅 坂井 翠波 「風ごと挿しぬ」が良い(季) 枯れ色となり蟷螂の動かざる 薄井 逸走 この句も蟷螂の生態をとらえている(季) 雑草の丈超してより吾亦紅 薄井 逸走 吾亦紅は地味な花だが他の花より抜きんでて咲く(季) 蟷螂の怒る仕草を子は真似る 松原 利恵 子供の真似る仕草が目に浮かぶ(季) 孫が真似たことゝ思う(柏泡) 抜きんでて咲けどわびしき吾亦紅 横手 季 抜きんでてが吾亦紅の背の高さを出していて佳いと思いました(利恵) よくみれば蟷螂の貌きつね似か 中村 如水 たしかにきつねに似ています(佐都子) 花束の脇役なれど吾亦紅 横手 季 とても感じが出ていると思いました(佐都子) 野良一人蟷螂肩にすがりきし 横手 季 昔よく見た状態ですね(佐都子) 小蟷螂真向えば斧振り上げし 横手 季 小蟷螂なれど向かえば斧あげし は(柏泡) 蟷螂の空に届かぬ斧ふりし 杉山佐都子 空に届かんばかり斧をかざしたらしい、スケールが大きい(柏泡) 枯れ色となり蟷螂の動かざる 薄井 逸走 深まる秋と蟷螂の枯れ色、枯蟷螂か(柏泡) 抜きんでて咲けどわびしき吾亦紅 横手 季 吾亦紅には淋しさがある(柏泡) 蟷螂や小枝の先をたゆませて 薄井 逸走 かまきりは、なかなか飛ばないものだ(柏泡) 雄食って孕む蟷螂貌変えず 小山田柏泡 平然と孕み蟷螂雄を食ふ では?(翠波) 吾亦紅潮すじ凪ぐや佐渡の島 三浦 政子 「潮すじ凪ぐや」が見事である佐渡島に吾亦紅が育っているかどうかは知らないが・・・。(翠波) 杣の道細くなりけり吾亦紅 杉山佐都子 杣の道細くなりたり吾亦紅 では(逸走) 身構へて怒りとけざり大蟷螂 坂井 翠波 身構へて怒りとかざり大蟷螂 では(逸走) |