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1 月 句 会 (互選) (特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)
6 双六の折り目に采の目が止まる(特・上尾亭・柏泡) 薄井 逸走 4 象の目に小さな涙冬の月 3 小正月鏡の中の無精髭 3 目鼻立ちよくて可笑しき福笑ひ 2 路地晴れて目より溶け出す雪だるま 2 カーテンの隙間明かりや小正月(特・佐都子) 1 小正月話し上手は聞き上手 1 耳と目を付ければ生れる雪うさぎ 4 旧姓ではずむ話や女正月 横手 季 3 野芹摘む目ざとき人を誘ひきて 2 小正月古里料理持ち寄りて 2 目の手術済ませ気になる春埃 1 女正月孫の自慢で果てにけり 1 年用意目をこらし拭く古格子 4 目は点で賀状俳画の未かな(特・翠波) 三浦 秀水 3 お札焚く火柱ほてる小正月 2 冠雪の秘湯で癒す目の病 1 粥を焚く妻は普段着小正月 1 どんど焼き大河に落ちる火の粉かな 1 祝い粥喉元熱き小正月 2 破魔弓を抱く振袖のあでやかに 三浦 政子 2 孫に気をそがれしままの初写真 1 目も耳も萎えゆく犬と老の春(特・季) 1 結髪の孫の春着は母ゆづり 1 いま風の目元にシャドー春着の娘 1 口紅を引くるんるんの女正月 4 度忘れの日毎に多し女正月 松原 利恵 3 お年玉やる眼貰ふ目ほころびぬ(特・如水) 3 犬の目の輝いてをり雪の朝 2 筆始め人と云ふ字と目といふ字(特・逸走) 2 相寄りて目から火の出る寒稽古 3 犬の目がもの云う今朝の寒さかな(特・秀水) 小山田柏泡 1 小正月今は昔を偲ぶのみ 1 小正月今年も達磨届きけり 1 目を閉じて春の息吹を知る夜かな 1 女正月なれど変わらぬ今朝の膳 3 大絵馬の羊の眼恵方見し 坂井 翠波 1 剥製の熊の眼光冬の闇(特・政子) 1 冬帽を眼深に風を押して来し 1 冬の鯉水面に大き眼出す 1 碧眼もまじる喚声参賀果つ 2 猫肥えて雑巾色や餅焼ける 花岡上尾亭 1 水仙や青い敷布を竿に干す(特・利恵) 1 噛んでのむコップの水や初雀 1 懐にドス呑む顔や鏡餅 4 涙目を拭きて落語の初笑い 中村 如水 2 男衆出払いし後は女正月 1 初詣円らな瞳にみせられて 3 初便り古稀といふ文字目で追いし 杉山佐都子 1 ひとり居の静かな厨女正月 1 冬日向まなこ閉じおり園の獅子 |

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2 月 句 会 (互選) (特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)
2 風邪に臥しぼそぼそ声のうとましき 池田 京華 2 個性なきパソコン文字春便り 2 冬枯や燃える夕日の落ちどころ 2 風邪っ子にパートの母は留守たのみ 2 風邪の床一椀の粥盆にあり(特・秀水) 1 風邪もよしジャズと落語で三日臥し(特・佐都子) 1 風邪薬総ざらへする医者嫌ひ 5 懐手文の投函忘れたり(特・季) 薄井 逸走 4 路地帰る風邪の予感を膝にして 4 懐手しては解いて古文書展(特・翠波) 3 町医者の下足乱雑風邪癒えず 1 風邪熱を抑え患者の熱測る 1 通夜の列咳をこらえし二三人 5 やる外はなかりし風邪の厨妻 三浦 政子 3 寝るほどもなき風邪なれど月半ば 2 恋文の一語忘るる宵の春(特・利恵) 1 風邪らしき人さけて座す風邪の吾 1 梅白し母失なひし友へ文 1 風邪ひいてくっきりのびし白髪かな 4 出欠を取る先生も風邪の声(特・柏泡) 三浦 秀水 3 風邪の子に熱みる母の荒れたる手 1 春の風邪父だけ飲んでる卵酒 1 風邪籠り鏡に写る無精ひげ 1 大口を開けてむせりし風邪薬 1 合格の文待つ孫や春近し 4 みちのくの冬を重荷と老いの文字(特・如水・京華) 杉山佐都子 4 風邪気味と紅茶に落すブランデー 3 早春の合格祈願絵馬の文字 2 寒見舞孫の手形と文届き 1 風邪三日厨あふれる洗い物 4 歩み初む幼児の一歩四温かな 横手 季 4 絵手紙の文簡単に温かし 2 風邪なれど晴天に鍬振り上げし 2 長びきし風邪に花粉のおそひきし 2 古稀過ぎの風邪に籠りて無精髭(特・政子) 3 紅梅に文結びある神の庭 松原 利恵 2 風邪引いて肩いからせる変声期 1 卒業の子に長々と文綴る 1 風邪の子に学級閉鎖の文届く 1 風邪の神去るにこじれて長びけり 2 総身の毛穴開かせ咳込みし(特・逸走) 坂井 翠波 2 蕗の薹大学文科は森の中(特・上尾亭) 2 二月尽文学人形声嗄らす 1 春めくや文鳥の声艶めきし 1 文芸誌倦みて投げ出す風邪の夜 3 春立つ日ポストに投ず文の音 中村 如水 2 あなどりてついに私も春の風邪 1 テレビ見てアナウンサーも風邪の声 1 風邪薬持参で友はカルチャーへ 1 ふと家鴨片足あげる二月かな 花岡上尾亭 1 落葉松や帽子の鍔に春の雪 1 春遅し閉じては開く花の本 1 春寒く金環かじる鸚鵡かな み ん な で 先 生 みちのくの冬を重荷と老いの文字 杉山佐都子 東北の冬は大変で雪おろしは重荷(如水) 「冬は」の方が重荷の実感がある(政子)(逸走) 恋文の一語忘るる宵の春 三浦 政子 宵春と恋文が気に入りました(利恵) 「一語なつかし」では?(逸走) あなどりてついに私も春の風邪 中村 如水 「あなどりて」と「ついに」の配合が実によい(利恵) 蕗の薹大学文科は森の中 坂井 翠波 「大学文科森の中」、「は」はいらないのでは(京華) 落葉松や帽子の鍔に春の雪 花岡上尾亭 「帽子に落つる」では(京華) ふと家鴨片足あげる二月かな 花岡上尾亭 面白い句ですね。犬は片足を上げますが、家鴨のおかしさ、こっけいさが面白い(秀水) 風邪の床一椀の粥盆にあり 池田 京華 地味な句です。一家団欒より離れ一人淋しく床にある主人公のかたわらに盆に粥、 一粒の梅干しと食欲のなさがうかがえる句(秀水) 個性なきパソコン文字春便り 池田 京華 「パソコンの文字」では(多数) 私のことかと思うと恥ずかしい(秀水) 風邪っ子にパートの母は留守たのみ 池田 京華 母に風を引いているから外へ出てはだめだと言はれたことが思ひ出されます(秀水) テレビ見てアナウンサーも風邪の声 中村 如水 風邪声のアナウンサーにテレビ消す(逸走) 寒見舞孫の手形と文届き 杉山佐都子 「孫の手紙は手形のみ」では(逸走) 風邪の子に熱みる母の荒れたる手 三浦 秀水 この句はどこに主体があるのでしょう? 風邪の子、母・・・それとも二人を見ている第三者?(逸走) |

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3 月 句 会 (互選) (特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)
4 一片の雲を抱いて山笑ふ 薄井 逸走 3 腕相撲野に腹這へば山笑ふ(特・季) 3 グライダー肩に浮かせて山笑ふ 3 打ち直す牧場の柵山笑ふ(特・秀水) 2 せせらぎの輝き初めて山笑ふ(特・佐都子) 2 三輪車くるくる漕いで山笑ふ(特・利恵) 1 飛行雲一直線に山笑ふ 3 隣の子仔豚の散歩山笑ふ 横手 季 3 お開帳孔雀は羽根を全開に(特・上尾亭) 2 筑波嶺に懐かる札所お開帳 1 老犬の頭にリボン山笑ふ 1 お開帳お茶のふるまい里訛 1 お開帳掌に乗るほどの秘仏かな 1 これよりは車通れぬお開帳 4 山笑う秩父一揆の墓どころ 三浦 政子 2 山笑う老人だけの集会所 2 息災でめぐりし今日やご開帳(特・如水) 1 祖母による由来の仏ご開帳 1 氷川丸画帳に修め春うらら 1 笑う山淡彩いろを重ねけり 6 吊橋の眼下丈余や山笑う(特・翠波) 松原 利恵 2 春愁やおろかなる夢追うてをり 1 御開帳今在ることに感謝して 1 ホクホクと生きて古稀なり山笑う 1 湯の宿の煙真っすぐ山笑う 4 山笑う沢また沢の水増せり 小山田柏泡 4 開帳や牛も役する善光寺 2 開帳や秘仏の御姿奥深く 1 鴉翔ち畑黒々と山笑う 1 山笑ふゴルフコースの芝笑みて 4 山笑ふ巨船転蛇のドラ鳴らす(特・京華) 坂井 翠波 2 山笑ふ酒蔵に杜氏仕舞唄 2 ふるさとの笑へる山を仰ぎけり(特・政子) 2 一揆秘史とどむる名刹開帳す 1 開帳や修復成りし仁王門 3 開帳や願いを託す法の綱 池田 京華 2 参道に湯気立つおやき御開帳 1 御開帳佛の縁出会ひけり 1 出し入れも粗略になりし古雛 1 山笑ふ浜の駅伝赤煉瓦 5 耕せるうねりの波に山笑う(特・柏泡) 杉山佐都子 2 自然界水面に写し山笑う 2 ゴンドラに響く歓声山笑う 1 渋滞の車窓遠目に山笑う 3 傾きし道標繕い山笑う 三浦 秀水 3 層塔そ宝珠くっきり山笑う 2 谺する六根清浄山笑う 2 開帳法要済んで門前そば処 3 御開帳暗き堂内秘仏笑む 中村 如水 1 御開帳滋賀の三寺めぐりけり 1 伝説の多き島なり笑う山(特・逸走) 1 春の海海上タクシー疾駆せり 1 戸を引けば春の光りの辷入る 花岡上尾亭 1 石の下父と母在り御開帳 み ん な で 先 生 お開帳お茶のふるまい里訛 横手 季 山里の小さな寺の開帳の様が(柏泡) ふるさとの笑へる山を仰ぎけり 坂井 翠波 「ふるさとの山ありがたきかな」を実感(政子) 一片の雲を抱いて山笑ふ 薄井 逸走 春の浮雲、のどかな様子が目に浮かぶ(政子) グライダー肩に浮かせて山笑ふ 薄井 逸走 雄大な眺めが目に見える様(政子) 耕せるうねりの波に山笑う 杉山佐都子 素人が耕しているのが伝わってくる(季) 畦の立てられた畑・・・向こうの山の様子が目に浮かぶ(柏泡) 谺する六根清浄山笑う 三浦 秀水 信心深い人達にお山もうれしそう(季) 山笑う沢また沢の水増せり 小山田柏泡 雪解水で沢の水も増しているのがわかる(季) 腕相撲野に腹這へば山笑ふ 薄井 逸走 ほほえましい(季) 三輪車くるくる漕いで山笑ふ 薄井 逸走 いかにも春らしい(利恵) 開帳や牛も役する善光寺 小山田柏泡 開帳や牛の役する善光寺(利恵) 「牛に引かれて善光寺」を踏まえての句と思う、おもしろい(翠波) 隣の子仔豚の散歩山笑ふ 横手 季 隣の子仔豚と散歩山笑ふ 本当なら面白い句と思った(京華) 息災でめぐりし今日やご開帳 三浦 政子 年をとると息災が一番、寺の開帳にあたって御利益がありますよ(如水) 吊橋の眼下丈余や山笑う 松原 利恵 大景をみごとに描写している(翠波) 打ち直す牧場の柵山笑ふ 薄井 逸走 春は放牧の始まり、山なくして放牧なし(秀水) 山笑ふ巨船転蛇のドラ鳴らす 坂井 翠波 山に船にスケールの大きさに感激(秀水) 山笑ふ酒蔵に杜氏仕舞唄 坂井 翠波 山笑ふ蔵に杜氏の仕舞唄 傾きし道標繕い山笑う 三浦 秀水 道標の傾きしまゝ山笑う では?(逸走) 独 り 言 薄井逸走 今月は「山笑ふ」だけを作りました。いろいろ巡らして「開帳」を考えたのですが、どうしても季節感が持てませんでした。 開帳に出会ったことがほとんどなく、開帳の様子が浮かばなかったのです。 その結果は選外の句も含めて、全句が「山笑ふ」。しかも下五に「山笑ふ」が揃いました。 これは意識してそうしたのではありませが、体言止めにしたがる私の体質が表れたものと思います。 ですが、同じ体言止めでも、 飛行雲一直線に山笑ふ は 山笑ふ一直線に飛行雲 の方が滑らかでより飛行雲の感じが出ると思い直しています。 年中行事のように「人材募集」をしているのですが、最近は説教型の面接をしています。 「この歳で転職を繰り返していると人生も家庭もダメにする」 「自分に合った仕事を探すような立場じゃないだろう」 「取りあえず就職して金を稼ごうという考えではだめ、継ぎ足しの 人生になってしまう」 「子育ては親の責任。子供と金とどちらが大切なのか考えなさい」 こう言って、「採用しますが、二日間よく考えて、返事をするように」と言うのです。 軟弱な人物は自ら辞退してきます。 と、言いましても、微弱事務所にはいい人材が応募してこないのが現実でして、人捜しは年中行事になっています。私にとって「新入生」は春の季語ではないのです。 |