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チューリップ

.      四 月 句 会(互選)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)
                   
5 しゃぼん玉今は回らぬ風見鶏(特・季・佐都子)  薄井 逸走
4 しゃぼん玉初心は崩れ易きもの
2 しゃぼん玉弾けて路地の風となる
2 しゃぼん玉自由の空はなお高し (特・利恵)
1 命あるものみな天へしゃぼん玉
1 しゃぼん玉路地細ければ空へ飛ぶ
1 なお高く思いを遂げよしゃぼん玉
1 生命の起源は水よ蝌蚪生れる
 
 
3 花巡り秩父家並は山の底(特・如水)      三浦 政子
3 おとなしき子の性みえてしゃぼん玉
2 一匹と見えて十余の蝌蚪の水
2 九十九坂つつじ訪ひゆく山の寺
2 蝌蚪生まる西行法師の寺といふ(特・上尾亭)
2 ゆくりと吹けば大きなしゃぼん玉
1 銅鑼打って五円で詣る花の寺
 
 
3 しゃぼん玉天に透かしして彩生るる       横手  季
3 雲重し世は少子化や蝌蚪生る
2 古池や蝌蚪大軍の占領す
2 天に吹く大道芸人しゃぼん玉
1 高原に吹くしゃぼん玉大きかり
1 山峡の大沼小沼蝌蚪の紐
 
 
1 棒切れを杖とし下る春墳墓           中村 如水
1 古代池復元なりて蝌蚪の水
1 川底の蝌蚪蠢くをあかず見る
1 山里の起伏はげしや散椿
1 久さに着て疲れし日となり花衣
1 水槽のメダカ蠢く様あきず
 
 
4 路地走る風に色あり石鹸玉(特・翠波)     松原 利恵
4 蝌蚪生れて泳ぐでもなくうごめけり
1 石鹸玉愛を吹きまく美少年
1 石鹸玉ひとつはづれの旅つづく(特・秀水)
1 蝌蚪群るる今を生きよと動乱す
 
 
4 シャボン玉いびつな顔を写しけり        三浦 秀水
3 狭庭越し風が命のシャボン玉(特・柏泡)
2 ふんわりと風にしたがうシャボン玉
1 涸池に水の溜まりて蝌蚪生まれ
1 蝌蚪生まる異人の池やミサの鐘
 
 
3 蝌蚪さがす子供の世界広がりぬ         杉山佐都子
2 人知れぬ恋のゆくえやしゃぼん玉
2 病棟の奥に保育所しゃぼん玉
1 手に受ける重さのありてしゃぼん玉
1 入港の汽笛響くやしゃぼん玉
 
 
3 群れ解いて逃げてまた寄る蝌蚪の群れ      小山田柏泡
2 水落ちに蝌蚪の群れ寄る棚田かな
1 田水張る何時しか数珠子そちこちに
1 風なくば風を求めてシャボン玉
1 水草に隠れし蝌蚪や尾の透けて
 
 
5 透きとほる命繋げて蝌蚪の紐(特・政子・京華)   坂井 翠波
3 蝌蚪の紐揺れをり水面陽を弾く
1 しゃぼん玉抱かれし嬰児(やや)の目に映える
1 昼の月指して吹き上ぐしゃぼん玉
 
 
3 駄菓子屋に小さき夢ありしゃぼん玉(特・逸走) 池田 京華
2 青空を水面に写し蝌蚪育つ
1 しゃぼん玉路地の曲りで消え失せて
 
 
3 春の島岬の火照りや瀬戸の渦          花岡上尾亭
1 島山は雲行き遅し和布刈舟(めかりぶね)
1 渓の奥蔓橋(かずら)尋ぬる桜かな
 
 
 
 
 
  み ん な で 先 生
 
しゃぼん玉今は回らぬ風見鶏            薄井 逸走

  風見鶏の動きを見つつ吹いている作者。風を待っているのかしら(政子)
  しゃぼん玉と風見鶏をとり合わせたのがよい(季)
  古き風見鶏としゃぼん玉がマッチしている(佐都子)

病棟の奥に保育所しゃぼん玉            杉山佐都子

  療養中の子供達にはぴったりの季語と思う(政子)
  病棟から保育所が見え、しゃぼん玉が飛んでいる。自由に飛び回るしゃぼん玉と朗らかな子を見ている患者(逸走)
 
ふんわりと風にしたがうシャボン玉         三浦 秀水

  「ありなしの風に」としたらどうかしら(政子)
  平明乍ら一番シャボン玉を表現された(季)
  その通りなのですが、ふんわりと、は当たり前すぎます(逸走)
 
人知れぬ恋のゆくえやしゃぼん玉          杉山佐都子

  恋の行方をしゃぼん玉になぞらえて美事(政子)
  結局は弾けて消えるのでしょうか? かわいそうに。(逸走)
 
透きとほる命繋げて蝌蚪の紐            坂井 翠波

  「透きとほる」とは何かはかなげでたよりなげにただよっている。意味深い(政子)
 
しゃぼん玉自由の空はなお高し           薄井 逸走

  自由の空はいいですね、なほ高しはなほ佳いと思います(利恵)
 
路地走る風に色あり石鹸玉             松原 利恵

  「路地走る」を単純に「抜ける」にしたら? 走るで風の強さを出されたのかしら?(季)
  「しゃぼん玉」「シャボン玉」「石鹸玉」と三様の字がありま
  したが、私は「しゃぼん玉」が似合うと思います。俳句は読んで貰うことも考えて文字を選ぶことも大切ではないでしょうか(逸走)
 
蝌蚪の紐揺れをり水面陽を弾く           坂井 翠波

  陽を弾くで間もなく蛙の子に(季)
  蝌蚪の紐揺れて水面の陽を弾く ではいかがでしょうか(京華)
 
花巡り秩父家並は山の底              三浦 政子

  秩父盆地を現した句(季)
 
しゃぼん玉初心は崩れ易きもの           薄井 逸走

  しゃぼん玉のはかなさを人生に表現した句(季)
 
駄菓子屋に小さき夢ありしゃぼん玉         池田 京華

  駄菓子屋に幼き頃の夢としゃぼん玉(季)
  「小さき夢」を「古き夢」としたら? (逸走)
  幼い頃の想い出かな(柏泡)
 
石鹸玉愛を吹きまく美少年             松原 利恵

  「愛を吹き込む」では? (逸走)
 
涸池に水の溜まりて蝌蚪生まれ           三浦 秀水

  溜まり池にもよく蝌蚪が生まれる(柏泡)
 
青空を水面に写し蝌蚪育つ             池田 京華

  静かなのどかさが目に浮かぶ。 澄み切った水は気になるが (柏泡)
 
手に受ける重さのありてしゃぼん玉         杉山佐都子

  重さのあり、か 重さのあり、では(柏泡)
  言わんとすることは分かりますが、重さがあるのでしょうか?
  「重さ弾けて」「重さの消えて」・・・でしょうか? (逸走)
 
雲重し世は少子化や蝌蚪生る            横手  季

  少子化の現代蝌蚪の大群はうらやましい、我が国の現状を蝌蚪に思いを寄せるとは(柏泡)
  雲重く世は少子化よ蝌蚪生る では?(逸走)
 
狭庭越し風が命のシャボン玉            三浦 秀水

  狭庭を越すにも風が頼りのしゃぼん玉かな(柏泡)
 
シャボン玉いびつな顔を写しけり          三浦 秀水

  大きくふくらんだ玉にしばらく変形な顔をみた(柏泡)
  「えびつ」を「いびつ」として採った(翠波)
 
蝌蚪生れて泳ぐでもなくうごめけり         松原 利恵
 
  蝌蚪は生まれてしばらくは動きがないものだ(柏泡)
 
ゆくりと吹けば大きなしゃぼん玉          三浦 政子

  まさにその通りですが言葉が幼稚すぎるように思う(京華)
 
おとなしき子の性みえてしゃぼん玉         三浦 政子

  分かります分かります、子供の時からおとなしい子はおとなしいのです。そのおとなしさを、しゃぼん玉を吹く仕種にも見つけたのです。「性」がなじめないのは私だけ?
  おとなしき子はおとなしきしゃぼん玉 では? (逸走)
 
石鹸玉ひとつはづれの旅つづく           松原 利恵

  句会の席で説明をいただいたのですが、分からなくなりました。 旅を続ける理由があったのでしたっけ? それとも、群れから外れたしゃぼん玉のことでしたっけ?
  いずれにしても、「旅」は似合わないと思います(逸走)
 
蝌蚪群るる今を生きよと動乱す           松原 利恵

  「動乱」は生まれたばかりの蝌蚪には少し乱暴かもしれませんが、蝌蚪を観察していると、生きている不思議、群れている不思議、騒いでいる様で統率されている様に見える不思議を感じます。同感です(逸走)

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桑 の 実

.      五 月 句 会(互選)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)

  
5 しばらくは腰落ちつけて緑陰に         三浦 政子
4 桑の実の枝垂るる枝を引き寄せて
3 桑熟れて同じ話しに通い合う
3 河骨やうごめくものや何かゐて
3 指染めて行く先々の実桑喰む
2 水流れに憩へば白し花卯木
2 七十路の指むらさきに実桑喰む
 
 
5 どこまでが道幅なのか蛇苺(特・政子・柏泡)    薄井 逸走
3 木道の先は見えざり草いきれ(特・利恵・佐都子)
3 蝌蚪ひとつ手のひらほどの水たまり
1 水馬ここにはたんと水がある
1 これよりは私有地ですと今年竹
1 木道のまだ新しや蛇苺
1 歩板行く人に近づく蝶白し
 
 
5 老鶯に聞かせたくなき我が音痴          杉山佐都子
3 蔓踏んで蜥蜴のやすらぎこわしけり
1 一直線駆け登りゆく今年竹
1 草むらを蝶は目立たず低く飛び
1 草笛を吹きたくなりし遊歩道
1 かけ引きか誰れを呼ぶやら蟇
1 かわせみを感動で見し歩が止る
 
 
2 万緑の中で童の声高し              中村 如水
2 葭切の遠音聞きつつ一休み
2 桑の実を口にふくみて子にかへり
2 滴りのゆくへ追ひたし木道路(特・翠波)
2 緑陰に憩う人あり我も又
1 老悲し歩きつかれて新樹風
 
 
2 葭切へカメラ覗きて夏帽子           坂井 翠波
2 万緑の高みに烏声しきりなる
1 高みから下りて木陰へ夏の蝶
1 青梅の木陰句帳に日の斑して(特・上尾亭)
1 夏落葉風に転げて舞ひ上がる
1 森抜けて遠く白亜の夏館
 

2 ふり向いて眼をうばわるるゆすらの実      松原 利恵
1 たわいごと云いつ桑の実ほおばりぬ(特・逸走)
1 気がつけば青葉若葉の中に居り   
1 明瞭によしきりさわぐ高尾池
1 風薫る森林浴に浸りけり
1 万緑に導かれつつ吟行す
 
 
4 牛蛙とぼけて鳴けり葭の沼           小山田柏泡
4 行々子一声ありし園の沼(特・如水)
3 八ツ橋の板踏む音や牛蛙
3 熟れきって落ちし桑の実踏まれおり
2 高尾沼枯れあしそのまゝ青みどろ
 
 
3 湿地帯華やぎてをり黄あやめ          池田 京華
2 隠れすむかわせみ止まる沼よどむ
1 腹の出を押え押えて梅拾ふ
1 青蘆を刈って木道整備され
1 老鶯や存在感あり園ひびく
 
 
4 蟇が鳴く沼の匂ひがつんと来て(特・京華)   花岡上尾亭
3 舞ひ降りし蝶の消えたるあやめかな
2 芦の茎天道虫の登りけり
1 かわせみの気に入る枝や沼しずか
 
 
 
 
   み ん な で 先 生
 
行々子一声ありし園の沼              小山田柏泡
  すなをな好句です(如水)
 
桑の実の枝垂るる枝を引き寄せて          三浦 政子
  食べましたね、おいしくもないが幼い頃の思い出(利恵)
  桑の実の枝垂る枝を引き寄せて では(柏泡)
  桑の実の色づく枝を引き寄せて では(逸走)
 
しばらくは腰落ちつけて緑陰に           三浦 政子
  歩いた後の座る心地よさ(京華)
 
舞ひ降りし蝶の消えたるあやめかな         花岡上尾亭
  蝶の動きからあやめに移る目の動き あやめの色が目に写る   (政子) 
 
蟇が鳴く沼の匂ひがつんと来て           花岡上尾亭
  こんな沼には蟇が住む(政子)
 
熟れきって落ちし桑の実踏まれおり         小山田柏泡
  私も黒くなって落ちた実に心動かされた(政子)
 
万緑の中で童の声高し               中村 如水
  万緑の中に童の声高し として採る(翠波)
 
隠れすむかわせみ止まる沼よどむ          池田 京華
  沼の様子が浮かんでくる(季)
 
牛蛙とぼけて鳴けり葭の沼             小山田柏泡
  牛蛙も夕方鳴くと少々不気味だが、真昼ではとぼけての表現がよい(季)
 
どこまでが道幅なのか蛇苺             薄井 逸走
  蛇苺のはびこっているのが表現されている(季)
  どこまでが道幅なりし蛇苺 では(柏泡)
 
桑の実を口にふくみて子にかへり          中村 如水
  昔のことが思い出され、同じような句があったが、こちらの句がよいと思えた(季)

芦の茎天道虫の登りけり              花岡上尾亭
  たしかな観察に好感(季) 
 
ふり向いて眼をうばわるるゆすらの実        松原 利恵
  ふり向きて眼をうばわるるゆすらの実
  中七が文語体なので上五もそうした方が良いと思う(季)
 
老悲し歩きつかれて新樹風             中村 如水
  我が実感(柏泡)
 
緑陰に憩う人あり我も又              中村 如水
  緑陰に憩う人あり我もまた では(柏泡)
 
桑熟れて同じ話しに通い合う            三浦 政子
  子供の頃養蚕の頃の話が共通したと思う 桑熟れ、が気になる  桑の実の熟れて話しに通い合う では (柏泡)
 
老鶯に聞かせたくなき我が音痴           杉山佐都子
  老鶯も音痴になる(柏泡)
 
かけ引きか誰れを呼ぶやら蟇            杉山佐都子
  相手を求めて縄張りを主張するかけ引きであろう(柏泡)
 
 
河骨やうごめくものや何かゐて           三浦 政子
  河骨やうごめくものの何かゐて では(逸走) 
                         
葭切へカメラ覗きて夏帽子             坂井 翠波
  カメラと夏帽子の組み合わせがユニークだが、何となく変  葭切へカメラを覗く夏帽子  では?(逸走)
 

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薔 薇    


.      六 月 句 会(互選)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)

 
 
5 夕刊も梅雨じめりして届きおり         小山田柏泡
4 熱帯魚小さくきらめき藻をよぎる(特・秀水)
1 玄関に影を透かして熱帯魚
1 梅雨どきの旅は北海道と定めたり
1 我が街も不況引きずり梅雨に入る
1 梅雨入りて日傘雨傘区別なし(特・利恵)
1 梅雨曇り白内障のの目に優し
 
 
3 車麩を甘々と煮る梅雨の入り(特・季)     三浦 政子
2 梅雨入りの櫛にあらがふみだれ髪
2 梅雨入りやついぞ見かけぬ野良の猫
2 見はるけし都庁展望梅雨の空
2 きらきらとひるがへる色熱帯魚
1 水栓は開けっぱなしや梅雨厨
1 家うちをうかがう猫や梅雨の入り
 
 
5 受箱の朝刊重し梅雨に入り(特・翠波)     三浦 秀水
3 濯物部屋を狭めて梅雨に入る
2 熱帯魚見入る少女の耳飾(特・京華)
2 入梅や青く淀みし隠沼
1 梅雨に入り老には重し神経痛
1 入梅や和傘振りつゝ下校の子
 
 
3 空梅雨や路地に伸び来る枝落とす        薄井 逸走
2 梅雨晴れ間山と伐りたる柿の枝
2 梅雨晴れや土手より低き瓦屋根
1 梅雨晴れやツーバイフォーといふ工法
1 梅雨晴れや耕地整理のできぬ里
1 外灯の明かりぼんやり梅雨夜道(特・佐都子)
 
 
2 空梅雨に俎干して厨水             杉山佐都子
2 から梅雨や傘は手提げに入りしまま
2 梅雨曇りペンキまみれのつなぎ干し
2 華やかに舞台演じる熱帯魚(特・柏泡)
2 から梅雨や茜いろなる飛行雲
1 足下の何かさびしき日照り梅雨
 
 
4 梅雨寒し瀞の水嵩色の濃く(特・逸走)     松原 利恵
2 梅雨曇り山並みかすかに動き出す
2 少年の大きな耳や熱帯魚
2 熱帯魚さざめき交わすかの如く
1 病棟の隅のすみまで梅雨入りかな
 
 
3 夕灯下かがやき増して熱帯魚          坂井 翠波
3 干し台に妻の高声梅雨晴れ間
2 梅雨晴れ間からみ合ひつつ蝶のぼる
2 梅雨晴間白光曳きて蝶の舞ふ(特・政子)
1 水草をつつき沈むや熱帯魚(特・如水)
 
 
3 思いっきり派手に粧ふや梅雨じめり       池田 京華
1 梅雨どきの休日静かに憩いけり
1 部屋整理ほっと一息梅雨に入る
1 入梅や今日は土曜参観日
1 熱帯魚豆つぶほどの子を生みて
 
 
3 梅雨の傘かしげ門辺に立話           横手  季
3 梅雨籠りして放映の琵琶に酔う
1 下り来し青峰は霧につゝまれて
1 姫しゃがの群れ咲く山路霧深し
 
 
1 あの日より心痛みつ梅雨に入り         中村 如水
 
 
 
 
 
   み ん な で 先 生
 
夕刊も梅雨じめりして届きおり           小山田柏泡
  梅雨じめりが生かされた句と思います(季)
  雨にぬれた新聞は思い、実感(政子)
  梅雨しめりする夕刊を開きたり では(逸走)
 
車麩を甘々と煮る梅雨の入り            三浦 政子
  車麩を甘々と煮た惣菜、梅雨冷えに美味しそう(季)
  山形の麩を思い出しました(佐都子)
 
梅雨晴れ間山と伐りたる柿の枝           薄井 逸走
  梅雨の晴れ間には整理したいことが山ほどある(季)
  梅雨時は木々の枝が伸びきり、剪定の時でもある(柏泡)
熱帯魚小さくきらめき藻をよぎる          小山田柏泡
  熱帯魚の動きが表現されている(季)
 
熱帯魚さざめき交わすかの如く           松原 利恵
  さざめき交わすが動きをとらえている(季)
  色がさざめいているような小動き(政子)
 
華やかに舞台演じる熱帯魚             杉山佐都子
  熱帯魚が演じているとらえ方が良い(季)
  熱帯魚の泳ぐ様、舞台を思い出させる。熱帯魚の捉え方は難しい、よって特選(柏泡)
 
干し台に妻の高声梅雨晴れ間            坂井 翠波
  梅雨晴れに妻の高声、気持ちが良く現れている(政子)
  元気な夫婦が布団でも干そうとゆうことだろう(柏泡)
 
思いっきり派手に粧ふや梅雨じめり         池田 京華
  たとえ老年でもじっくりと鏡に向き合うことも、梅雨の晴れさが顔を美しくみせる(政子)
  前にあったような句  思いっきりが良い(秀水)
 
熱帯魚見入る少女の耳飾              三浦 秀水
  熱帯魚もまた耳飾りに魅せられているかも(政子)
  熱帯魚と耳飾りの取り合せがよい(京華)
 
入梅や青く淀みし隠沼               三浦 秀水
  暗い沼に何やらひそんでいるかも(政子)
 
梅雨晴間白光曳きて蝶の舞ふ            坂井 翠波
  「白光曳きて」晴間をいよいよ明るくする(政子)
 
梅雨の傘かしげ門辺に立話             横手  季
  傘かしぐほどの長話、多分これは女性(政子)
  度々見かける女性の立話が目に写ります(利恵)
 
梅雨曇りペンキまみれのつなぎ干し         杉山佐都子
  ペンキまみれの重いつなぎが一層梅雨の暗さを強調している
                       (政子)
  梅雨曇りペンキまみれのつなぎ干す では(逸走)
 
梅雨晴れやツーバイフォーといふ工法        薄井 逸走
  アメリカからの導入品で住宅用の壁ですか、梅雨晴れで目立ったと云うことですね(利恵)
 
梅雨曇り山並みかすかに動き出す          松原 利恵
  梅雨時の山の様子がよくわかる(京華)
  梅雨の雲山並みかすかに動き出す  では(逸走)
 
外灯の明かりぼんやり梅雨夜道           薄井 逸走
  ぼんやりと明かりが足元をを急ぎながら近づく様子が浮かびました(佐都子)
  
熱帯魚小さくきらめき藻をよぎる          小山田柏泡
  小さくきらめき、小さく、熱帯魚の小さゝを更に印象づけて良い(秀水)
 
きらきらとひるがへる色熱帯魚           三浦 政子
  ひるがえる色・・・ひるがえった時の色  この辺りが省略文学のむずかしさ(秀水)
  身を変わすとまたキラキラと熱帯魚が光線の関係で光が変わって美しい(柏泡)
 
梅雨どきの旅は北海道と定めたり          小山田柏泡
  空梅雨の北海道 気持ちがわかる(秀水)
 
空梅雨に俎干して厨水               杉山佐都子
  空梅雨なら俎も干さなともと考えるが(柏泡)
 
受箱の朝刊重し梅雨に入り             三浦 秀水
  大量の広告まで折り込んだ朝刊はずっしりと重い 梅雨時の新聞だ(柏泡)
 
足下の何かさびしき日照り梅雨           杉山佐都子
  期待した雨もなく、寂しささえ感じるとゆうことか(柏泡)
 
入梅や和傘振りつゝ下校の子            三浦 秀水
  朝傘を持たされた児、傘をもてあましての風情(柏泡)
  和傘に意味がないです。字数合わせのために和傘にしたのでしょうか?(逸走)
 
梅雨に入り老には重し神経痛            三浦 秀水
  梅雨時は持病がでる、実感だ。老いには重しはどうか? きつし、ぐらいでは(柏泡)
 
入梅や今日は土曜参観日              池田 京華
  入梅や今日は土曜日参観日 では(逸走)
 
熱帯魚見入る少女の耳飾              三浦 秀水
少年の大きな耳や熱帯魚              松原 利恵
  なぜ熱帯魚に「耳」が出てきたのでしょう。とても面白い組み合わせです。熱帯魚の水槽を人垣の後ろから覗き込んだので、前にいる人の「耳」が目に入ったのでしょうか?
  秀水さんは耳飾りに目が行って、利恵さんはでかい耳に目が行ったとか?(逸走)

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