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七 月 句 会(互選)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 4 宿浴衣男の荒き裾捌き 坂井 翠波
4 月涼し山容巍巍と妙義山
3 月涼し島黒々と浮かびけり
3 白絣我に青春ありしかな(特・利恵・秀水)
2 花浴衣芸妓にゆるびなかりけり
1 濯ぎ干す夫の好みし藍浴衣
1 月下美人白き妖花の真夜香る
1 山荘の門に鈴の音月涼し
4 一徹に生きた父なり白絣 杉山佐都子
4 浴衣着の袖より風を遊ばせて(特・逸走)
3 孫の丈想いめぐらし浴衣縫う
2 借り農園実りばらばら夏の月
1 町の色閉ざし路地裏夏の月
1 おさがりの最後末の子白絣
4 旅装解く宿の浴衣の寸足らず 小山田柏泡
3 露天風呂今宵の月の涼しけり
2 湯上がりの夜風に月の涼しけり(特・政子)
2 貸浴衣大中小の墨印
1 一時は糊ぴんとして宿浴衣
1 酔覚めて戻る夜道や夏の月
2 野良猫の仮り寝の宿り夏の月 三浦 政子
2 道後の湯絵柄それぞれ宿浴衣
2 生業を離れて浴衣美人なり(特・翠波)
1 恋の日の記憶の底の白絣
1 宿浴衣素肌に着たり道後の湯
1 空襲の街の劫火や夏の月
4 赤く出で大きく昇る夏の月(特・季) 薄井 逸走
3 宿浴衣皺を延ばして朝の膳
2 白絣清き一票投じたり(特・佐都子・柏泡)
1 病室に尋ねて来しは白絣
1 べた凪の入江に浮かぶ夏の月
2 石文の一基彩どる夏の月 松原 利恵
1 雨上がる露天風呂に浮く夏の月
1 路地抜けてほてりの残る夏の月
1 月涼し研修の孫帰国せり
1 ひと雨にはづむ心や夏の月
1 白絣折目たしかめ身に纏ひ 中村 如水
1 雑念をはらひ眺むる月涼し
1 生きねばと国境こえし夏の月
1 ゆったりと浴衣着こなす熟女かな
1 夏の月恐怖で越えきし国境
2 糊きいて肩のつっぱる宿浴衣 三浦 秀水
2 夏木立鐘の絶えざる石手寺(特・如水)
2 夏の月野外の裸婦像艶めきて
1 夏の月光り取り込む屋形船
2 夏の月のぼるは動画の彩なせり(特・京華) 横手 季
1 糊つけぬ浴衣は母の病衣なり
1 宿の月素足涼しく逍遙す
1 喜雨去りて眉月涼し仰ぎけり
5 夏の月追って終電川渡る 池田 京華
2 肩車笑顔の坊や白絣
1 大鏡写す役者の染浴衣
み ん な で 先 生
夏木立鐘の絶えざる石手寺 三浦 秀水
石手寺の夏木立は忘れられない。色々と思い出す(如水)
四国霊場五一番巡礼のバスが絶えない(政子)
赤く出で大きく昇る夏の月 薄井 逸走
地平線から出て西に消える月は素晴らしい(如水)
宿浴衣男の荒き裾捌き 坂井 翠波
毛ずねを出して大股に歩く男が目に浮かぶ(政子)
男には裾の捌きと帯のしめ方が大の苦手
目の付け所がよい(秀水)
大鏡写す役者の染浴衣 池田 京華
役者の立姿を写す大鏡がよい(政子)
月涼し山容巍巍と妙義山 坂井 翠波
いつかの吟行の帰りの風景を思い出す(政子)
巍巍の難しい字と妙義山の雰囲気が合う(逸走)
浴衣着の袖より風を遊ばせて 杉山佐都子
浴衣ならではの心地よさ(政子)
袖の中で風を遊ばせたのが美事。残念なのは何となくきごちない五七五であること(逸走)
露天風呂今宵の月の涼しけり 小山田柏泡
月涼しが湯の心地よさを表現しています(政子)
私の句に似ている心境でいただきました(利恵)
月涼し研修の孫帰国せり 松原 利恵
外国からの孫の帰国に月涼しの作者の心の風景か(政子)
湯上がりの夜風に月の涼しけり 小山田柏泡
月涼しで実感(政子)
月下美人白き妖花の真夜香る 坂井 翠波
妖花と見しは作者はやっぱり男性かしら(政子)
花浴衣芸妓にゆるびなかりけり 坂井 翠波
男性の作者ならでは、さすがに目の付けどころが違う(政子)
白絣我に青春ありしかな 坂井 翠波
現在の人にはありますよね、戦争中の私にはありませんでした。
老いてなお今が青春藍浴衣 (利恵)
戦争に明け暮れた日々、旧高等学校への憧れも遠い昔の夢でした(秀水)
借り農園実りばらばら夏の月 杉山佐都子
農業にうとい農夫の様子、大小ばらばらの野菜、雑草の中の野菜と見受けます。
そこえ夏の月がさえざえと見えて佳いですね(利恵)
一般的には「借り農園」でなく「貸し農園」では(逸走)
赤く出で大きく昇る夏の月 薄井 逸走
夏の月そのもので目に浮かびます(佐都子)
夏の月の特徴をよくとらえている(季)
宿浴衣皺を延ばして朝の膳 薄井 逸走
女性の様子のこまやかな描写と思います(佐都子)
寝皺のついた浴衣の皺を延ばし膳に付いたところかな(柏泡)
白絣清き一票投じたり 薄井 逸走
白絣と一票がすがすがしく感じる(佐都子)
絣の清らかさと清き票とを結びつけた妙 特選とした(柏泡)
野良猫の仮り寝の宿り夏の月 三浦 政子
野良猫の哀れさを感じる(季)
一徹に生きた父なり白絣 杉山佐都子
白絣がぴったり(季)
道後の湯絵柄それぞれ宿浴衣 三浦 政子
道後の宿のサービスを感じる(季)
道後の湯である意味が感じられない。地名を使う場合には工夫が必要と思います(逸走)
肩車笑顔の坊や白絣 池田 京華
肩車して夜店でも行くのかしら(季)
子供の浴衣姿は様になる(秀水)
生業を離れて浴衣美人なり 三浦 政子
生業は、なりわい としたい(翠波)
制服か、それを脱いで浴衣姿に着替えた娘の清楚な浴衣美人か
生業が気になる(柏泡)
夏の月のぼるは動画の彩なせり 横手 季
夏の月の角度の違うとらえ方がよい(京華)
絵本の世界(柏泡)
夏の月追って終電川渡る 池田 京華
西に傾いた夏の月 終電が迫っている。 月を追うはどうか、追うか逃げるか、反対ならば逃げることになる(柏泡)
作者はどこにいるのでしょう? 電車の中、それとも土手から電車を見ているのでしょうか?(逸走)
糊きいて肩のつっぱる宿浴衣 三浦 秀水
宿の浴衣の糊はきついのが多い 肩もつっぱるさ(柏泡)
町の色閉ざし路地裏夏の月 杉山佐都子
「街の色」ではどうですか、灯も消え夏の月が路地裏を照らす様(柏泡)
自 句 自 解 薄 井 逸 走
梅雨晴れや選挙事務所の早普請
埼玉俳壇で、阿部完市先生の選をいただきました(四席)
「けやき」には先月投句しましたが、人気を得られなかった句です。
梅雨という季語から連想されるのは湿った物や濡れた物ばかりでしたが、ある日、プレハブの選挙事務所を普請している所を見て、この句が浮かびました。
季語が古いから俳句も古くさくなる、だから変わり映えのしない句になる、と言われますが、視点を変えれば句材はたくさんあると思います。
白絣清き一票投じたり
今月、佐都子さんと柏泡さんの特選をいただいた句です。
清き一票が古くさいかとは思ったのですが、昔ながらの白絣ではもはや俳句にならないと思い、投票と結びつけました。
同じ意味で、来月の兼題「枝豆」と「秋暑し」も古典的な季語で難しいと思います。古臭くならないよう、アンテナを張って句材を探します。
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八 月 句 会(互選)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 4 観覧車待つ列長く秋暑し 薄井 逸走
3 枝豆を口に飛ばして無表情
3 禁煙の今日で三日目秋暑し(特・如水)
3 枝豆や升酒トクと溢れさす
3 カンカンカンカンカン開かぬ踏切秋暑し(特・佐都子)
2 渋滞のいつまでどこまで秋暑し(特・政子)
2 秋暑し十三日の金曜日
1 枝豆に茹でる蘊蓄ありにけり
4 救急車音遠のいて秋暑し(特・利恵) 小山田柏泡
3 枝豆の粒をはじいて屋台酒(特。秀水)
3 竿竹屋残暑の路地に声高し
2 草取ればみみずふためく残暑かな
1 口取りは枝豆三莢焼鳥屋
1 秋暑し路地に梯子の立てしまま
1 秋暑し昼餉に胡瓜刻む音
4 秋暑し隣の嬰々(やや)の泣きやまず 横手 季
4 塩加減よくて枝豆きりもなし
3 秋暑し猫のびきって深眠り
1 高速道事故の渋滞秋暑し
1 みちのくの昼餉は枝豆ずんだ餅
1 縄暖簾枝豆肴にサラリーマン
4 ほとばしる蛇口に群るる子等残暑 三浦 秀水
2 秋暑し遊び疲れの子が戻る(特・逸走)
2 背負篭を枝豆はみだす行商女(特・柏泡)
1 ふくよかな枝豆の束朝の市
1 乱れ蔓風に戯むる凌霄花(のうぜんか)
1 ビタミンの空瓶ころがる残暑かな
3 前掛けに隠す枝豆葉の覗く 坂井 翠波
2 秋暑し隣家の犬のやつれしも
2 山の宿秋暑の街をのがれ来て
1 枝豆を畑帰りの荷に加えふ
1 触れて見しかな女の句碑や秋暑し
1 枝豆を白磁の皿へ大盛に
3 枝豆や内輪ばかりの小宴会(特・京華) 三浦 政子
2 秋暑しうなじにタオルして厨
2 枝豆を団地にひさぐ農の婆
2 掘削機地面割らるる秋暑かな
1 嘴赤く喘ぐ雀の浜残暑
3 戯れる渚の犬や秋暑し 杉山佐都子
1 あやす声赤子の声や秋暑し
1 機内食えだ豆三莢彩りぬ
1 風に揺れ見知らぬ花野秋暑し
2 秋暑しきびしき試練の金メダル 松原 利恵
2 板の間に残る足跡秋暑し(特・翠波)
1 秋暑し家に着くなりバタンキュウ
1 秋暑しつかねばならぬ小さき嘘
2 秋暑し思考能力ゼロとなり(特・季) 池田 京華
1 香りなき冷凍枝豆つまみとし
1 枝豆を食(は)みし口もと美(は)しき婆婆(ばば)
1 山の径樹木とだへて秋暑し
1 菜園の枝豆いまだ未熟なり 中村 如水
1 秋暑し庭の雑草はびこりし
み ん な で 先 生
枝豆や内輪ばかりの小宴会 三浦 政子
小宴会に枝豆は主役 内輪ばかりがよい(季)
枝豆の手軽さ(京華)
観覧車待つ列長く秋暑し 薄井 逸走
よくある句材ながら秋の暑さが表現されている(季)
秋暑し十三日の金曜日 薄井 逸走
何か不気味 秋暑しの季語が生きている(季)
山の宿秋暑の街をのがれ来て 坂井 翠波
暑さをのがれくつろいでいる感じがわかる(季)
機内食えだ豆三莢彩りぬ 杉山佐都子
機内食なので三莢位なのでしょう 青い枝豆が新鮮(季)
枝豆を団地にひさぐ農の婆 三浦 政子
新開地に建った団地に近くの農家のお婆さんがホマチに売りに来るのでしょう(季)
ほまち=主人に内緒のこと
秋暑しうなじにタオルして厨 三浦 政子
わたしもこんな風にしていますが句にならなかった(季)
秋暑し思考能力ゼロとなり 池田 京華
まったく同感 これを句にしたのには敬意(季)
枝豆の粒をはじいて屋台酒 小山田柏泡
枝豆をはじいて上司の苦言でもしているのでしょうか(季)
枝豆の青みをはじき屋台酒 では? 「粒」は余分では(利恵)
秋暑しきびしき試練の金メダル 松原 利恵
早速競技を句にしてまとまっている(季)
カンカンカンカンカン開かぬ踏切秋暑し 薄井 逸走
踏切の音といらいらしている状態が秋暑しそのもの(佐都子)
句としてはカンカンが多いのでは(京華)
カナ文字の字余りが暑さの中で待っている通行人の気持ちを表している(翠波)
救急車音遠のいて秋暑し 小山田柏泡
救急車がどの家に来たのか緊張していたが、通り過ぎてほっとして感じた暑さ、秋暑しですね(利恵)
禁煙の今日で三日目秋暑し 薄井 逸走
大変なことでしょう 頑張って我涼しになってください(利恵)
禁煙頑張れと言いたいです(如水)
三日坊主にならない様に さぞかしつらいのかなあ(政子)
前掛けに隠す枝豆葉の覗く 坂井 翠波
前掛けに包む枝豆葉の覗く では?(利恵)
草取ればみみずふためく残暑かな 小山田柏泡
みみずがいては草はなかなかとれませんね(如水)
枝豆を口に飛ばして無表情 薄井 逸走
どこかユーモアがあり 無表情がいい(政子)
無表情が面白い(柏泡)
渋滞のいつまでどこまで秋暑し 薄井 逸走
中七に秋暑の感情がよく表現されている(政子)
枝豆に茹でる蘊蓄ありにけり 薄井 逸走
たしかに茹で加減には気を配ります(政子)
秋暑し猫のびきって深眠り 横手 季
無防備に眠っている猫の観察がするどい(政子)
板の間に残る足跡秋暑し 松原 利恵
板の間に残っている足跡から残暑が厳しいことが想像される (翠波)
竿竹屋残暑の路地に声高し 小山田柏泡
竿竹売の高声から残暑の厳しさが想像される(翠波)
秋暑し隣の嬰々の泣きやまず 横手 季
泣き声にいらいらする(柏泡)
香りなき冷凍枝豆つまみとし 池田 京華
冷凍枝豆 特に輸入物の枝豆は味もない(柏泡)
ほとばしる蛇口に群るる子等残暑 三浦 秀水
子等の水遊びの影が目に浮かぶ(柏泡)
「ほとばしる」がなじめません。「全開の」とか「公園の」としたらいかがでしょう(逸走)
秋暑し隣家の犬のやつれしも 坂井 翠波
夏痩せした犬、隣の見つけた犬だろう
暑さ、雷鳴、花火、犬の夏は大変だ(柏泡)
戯れる渚の犬や秋暑し 杉山佐都子
渚に涼をもとめ遊ぶのが犬であろう。渚の犬はどうか「戯れも渚に犬の」ではどうですだ(柏泡)
背負篭を枝豆はみだす行商女 三浦 秀水
最近は少ない風情ではあるだろうが(柏泡)
秋暑し庭の雑草はびこりし 中村 如水
実感である(柏泡)
ビタミンの空瓶ころがる残暑かな 三浦 秀水
ビタミンの空瓶ころげ残暑かな では?
句会では人気がありませんでしたが、これからの俳句にはこの感覚が必要と思います(逸走)
秋暑し遊び疲れの子が戻る 三浦 秀水
子供が外で遊んでいる間に片づけ物を済ませ、少し横になろうと思っていたら遊び疲れた子が帰ってきて、暑さが一気に増した(逸走)
秋暑しつかねばならぬ小さき嘘 松原 利恵
春麗らでもなく、片影でもなく、三日月でもなく、雪の朝でもなく、秋暑しに「つかねばならぬ小さき嘘」を持って来た所がすごい。なぜ人気がなかったのでしょう(逸走)
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九 月 句 会(互選)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 4 道を聞く人も指差す蕎麦の花 薄井 逸走
3 浮かぶもの無くて良夜の海となり(特・佐都子)
3 あの畑の四隅は直角蕎麦の花(特・利恵)
3 蕎麦の花咲いて畑の広かりし
3 浅間山灰を降らすな蕎麦は花
2 窓少し開けて良夜の風通す
2 大海の鏡となりし良夜かな
6 そばの花咲いて境も畝も消え 小山田柏泡
5 縁側に猫が影ひく良夜かな(特・政子)
4 どこまでも影と連れ添う良夜かな
3 そばの花散ること知らず実と化せり
2 月昇り見なれし山河こと更に(特・如水)
1 そばの花咲けば一面盛りあがり
5 島の灯の遠くまたたく良夜かな 坂井 翠波
4 首上げて良夜の重機獣めく(特・京華)
2 蹴り上げるサッカーボール良夜かな
2 秩父路やそばの花咲くなぞえ畑
2 酒蔵の煙突良夜へそびえ立つ
1 鉄橋の轟音良夜の利根光る
4 そばの花道ひと筋や農夫老ゆ 三浦 政子
2 良夜なるつり橋渡り露天の湯
2 咲ききりし芙蓉の落ちる良夜かな
2 そばの花日に四五本の列車表
1 良夜なるたぬきの宿のうす明り
3 島々を浮かべて湾の良夜かな 池田 京華
3 深大寺僧が育てる蕎麦の花(特・翠波)
2 谷戸部落今も昔も蕎麦咲ゐて
1 湯づかれをバスに委ねて蕎麦の花
1 サワサワと良夜の海は砂洗ふ
2 ひっそりと詠人過ぎし蕎麦の花(特・秀水) 杉山佐都子
2 ジーンズの洗いざらしで会う良夜(特・稲葉)
1 頼りなき軽き肌掛け夢良夜
1 道問いてとどかぬ先や蕎麦の花
1 白雲に届けと立ちし蕎麦の花
2 そば処裏の空地はそばの花(特・柏泡) 三浦 秀水
2 マップ手に外温泉(そとゆ)巡りの良夜かな(特・逸走)
1 山門に雲水消ゆる良夜かな
1 湖明りそゞろ歩きの良夜かな
1 花街の音曲澄める良夜かな
1 旅しゆく飛騨に異国のそばの花
2 在の子の笑顔あひらし蕎麦の花 中村 如水
1 駅を出て望の光と道連れに
1 出雲路の花蕎麦紅き色なして
1 名月に半裸見られしこともあり
3 浮き沈みありて良夜のひとり旅(特・季) 松原 利恵
2 SLの煙る山里蕎麦の花
1 月の宴手を拭きながら姑の座へ
1 雨やみて良夜の庭にひとり立つ
世界遺産韓国慶州の石窟庵にて
3 十五夜にみ仏おわす石窟寺 稲葉 正彦
1 娘嫁(ゆ)く朝にましろきそばの花
1 雲のごとはるかに見ゆるそばの花
み ん な で 先 生
首上げて良夜の重機獣めく 坂井 翠波
獣の表現が良いと思います(季)
夜空に見える重機はほんとうに怪獣のようだ(京華)
月明かりに怪獣のように見えるときがある(柏泡)
島の灯の遠くまたたく良夜かな 坂井 翠波
絵のようです(季)
出雲路の花蕎麦紅き色なして 中村 如水
白いそばの花が多いですが、薄い紅色の花(季)
縁側に猫が影ひく良夜かな 小山田柏泡
猫が通り過ぎたのでしょうか(季)
良夜ってこの様なさりげないものと思います(政子)
おだやかな夜ですね(佐都子)
其角調でおもしろい(秀水)
猫が影ひく程美事な月光である(翠波)
浮き沈みありて良夜のひとり旅 松原 利恵
身につまされるほのぼのとした句です(季)
秩父路やそばの花咲くなぞえ畑 坂井 翠波
秩父の風景が浮かびます(季)
そばの花咲いて境も畝も消え 小山田柏泡
盛りあがるといふ表現がありましたが現象的にとらえた句(季)
花と言えば、咲くは不用と思う(秀水)
雲のごとはるかに見ゆるそばの花 稲葉 正彦
遠くから見ると雲のように見えたのでしょう(季)
そばの花日に四五本の列車表 三浦 政子
単線の駅ある山里なのでしょうか(季)
SLの煙る山里蕎麦の花 松原 利恵
秩父の風景でしょうか(季)
道を聞く人も指差す蕎麦の花 薄井 逸走
教える人も聞く人も遠くを差してゐて山里の人の素朴な様子が目に映る(政子)
十五夜にみ仏おわす石窟寺 稲葉 正彦
石窟寺み仏おわす月夜かな と逆さにしたらどうか(政子)
山門に雲水消ゆる良夜かな 三浦 秀水
山門に消えていったその先の情緒が匂ってくる(政子)
名月に半裸見られしこともあり 中村 如水
全裸ではいけないかしら(政子)
月の宴手を拭きながら姑の座へ 松原 利恵
姑でなく母ならもっと情感があると思う(政子)
浮かぶもの無くて良夜の海となり 薄井 逸走
月明かりの海舟も見えず静かそのもの(佐都子)
蹴り上げるサッカーボール良夜かな 坂井 翠波
夜間のサッカーが浮かぶ(佐都子)
蕎麦の花咲いて畑の広かりし 薄井 逸走
白い花の一面本当に広々と大きさを感じる(佐都子)
花咲いて畑の広きに驚く、畑がふくれあがったように様に見えるものだ(柏泡)
そばの花道ひと筋や農夫老ゆ 三浦 政子
農ひと筋の人生に頭が下がる(京華)
酒蔵の煙突良夜へそびえ立つ 坂井 翠波
古びた酒蔵の煙突に心がなごむ(京華)
あの畑の四隅は直角蕎麦の花 薄井 逸走
四隅は直角に心ひかれました(利恵)
一般のそば畑は区画がはっきりしないような畑が多い、整備された畑のそばかな(柏泡)
月昇り見なれし山河こと更に 中村 如水
矢張り生まれし地は好いものですね(如水)
良夜なるたぬきの宿のうす明り 三浦 政子
月夜とたぬきの組み合わせが良い(秀水)
たぬきの宿って何ですか? タヌキの巣ですか? たぬきという部落ですか? 分からないです(逸走)
ひっそりと詠人過ぎし蕎麦の花 杉山佐都子
一茶と信州そはを思い浮かべる句(秀水)
浅間山灰を降らすな蕎麦は花 薄井 逸走
時事俳句とはこのような句のことか、早期に火山活動が治まることを祈る(翠波)
深大寺僧が育てる蕎麦の花 池田 京華
深大寺の名物蕎麦は僧が育てていることを初めて知った(翠波)
SLの煙る山里蕎麦の花 松原 利恵
SLの煙る山里が見事 SLの走る山里が目に浮かぶ(翠波)
そば処裏の空地はそばの花 三浦 秀水
裏の空き地も ではどうか(柏泡)
空き地に蕎麦を植えたのなら、空き地ではないのでは? 矛盾というか、雑な作り方をした俳句に思えます。
そば処店の裏まで蕎麦の花 こんな感じでは?(逸走)
大海の鏡となりし良夜かな 薄井 逸走
雄大だ(柏泡)
谷戸部落今も昔も蕎麦咲ゐて 池田 京華
昔を知っているのかな、昔と同じそば咲くや 程度では(柏泡)
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十 月 句 会(互選)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 6 町揺らす朝の花火や運動会 坂井 翠波
3 水鳥の漁る川瀬や鮎下る(特・政子・柏泡)
3 橋脚のゆらぐ川面や鮎下る
2 命果つこと知りたるや下り鮎(特・正彦)
2 渓流の光となりて鮎下る
2 喚声の天地(あめつち)揺らす運動会
1 たまゆらのいのち果てたり下り鮎
3 白線の薄れて運動会終へる(特・佐都子) 薄井 逸走
2 登校の子の身軽さよ運動会
2 運動会やはり中止か電話鳴る
2 運動会終へて校庭広くなる
2 白線を引き終え明日の運動会(特・京華)
1 校門に運動会の太き文字
1 のり巻きを五本運動会の朝
5 よどみおる石に影おく下り鮎(特・如水) 三浦 秀水
3 串打ちの落鮎囲む炉端かな
3 瀬明りの砂礫にうごめく下り鮎
3 空蒼し運動会の万国旗
2 運動会親も小走り手にカメラ
2 運動会口一文字にリレーの子
5 落ちはてし鮎なき川の崩れ梁 小山田柏泡
3 児童画くビラ電柱に運動会
3 たも網に掬ひし鮎のはや錆て(特・秀水・翠波)
1 鮎落ちて瀬音寂しや海はるか
1 鮎下り人なき川の静まりて
1 落鮎の後なき命ならばならば
4 下り鮎峡の流れに逆らはず 池田 京華
3 鮎下る分水石に水弾け
2 運動会開会宣言天を突く
1 雨後の渓小石走らせ鮎下る
1 下り鮎挑む男の真顔かな
6 運動会百足競争総くずれ(特・季・利恵) 中村 如水
2 清流に身をまかせつつ鮎下る
1 晴天下歓声あがる運動会
1 吾子ばかりカメラは追ひぬ運動会
2 運動会午後へ白線引く係 杉山佐都子
2 水音に添う道ありて下り鮎
1 変遷や騎馬戦賞なし運動会
1 しぶきあげ跳ねて落鮎静まりぬ
2 山の影黒くせまり来下り鮎 三浦 政子
1 運動会見送られちち今日もまた
1 運動会百足の一足たりし日も(特・逸走)
1 運動会どの子も同じ背格好
2 鮎落ちて早も解かれし仮設茶屋 横手 季
2 下り鮎待つ梁守りに一尾かな
1 泣きべそのてるてる坊主運動会
3 落鮎や早瀬の波のゆるみたり 松原 利恵
1 荒川の鮎落ちつくす白い波
2 背のびして吾子の顔見る運動会 稲葉 正彦
春 夏 秋 冬 の 「力 石」
7 力石より解け初めり春の雪(特・季・佐都子・政子・秀水) 薄井 逸走
3 力石文字の窪みに夏の苔
3 彼岸花今は動かぬ力石
2 木枯しや文字の薄れし力石
3 行く秋や旧道辻の力石 小山田柏泡
3 力石語り継がれて年暮るる
1 月光や地球儀のごと力石
1 この石が祭りの主役か力石(特・京華)
3 その往時汗で競ひし力石(特・如水・利恵) 坂井 翠波
2 力石夏衣の禰宜に案内(あない)さる(特・柏泡)
1 勝者の名涼しく刻む力石
1 髪の庭霜を纏へる力石
3 神無月社守りて力石(特・逸走) 杉山佐都子
3 夏の蝶羽根を休めし力石
1 花ふぶき受けて存在力石
2 腰下ろす冬日を溜めし力石 横手 季
2 小男の汗の気合や力石
1 萩むらをささえてをりし力石(特・正彦)
3 神木の茂りて暗き力石 三浦 秀水
2 朱の鳥居落葉はりつく力石
2 山若葉六根清浄力石(特・翠波) 松原 利恵
2 力石落葉引寄せくつろげり
1 山桜浴びし力士の力石 池田 京華
1 里祭鬼の形相力石
1 力石そ知らぬごとき秋の風 三浦 政子
み ん な で 先 生
吾子ばかりカメラは追ひぬ運動会 中村 如水
やはり我が子が気になる、他はどうでもよいのだ(柏泡)
変遷や騎馬戦賞なし運動会 杉山佐都子
世の中の変わり考え方、一、二、三等の賞も今は運動会にはないときく、世の中うつり変わり、変遷がよいかと、(柏泡)
渓流の光となりて鮎下る 坂井 翠波
光となりてが気になるが、時には流れに腹をみせ弱って流れる時の光だろうか(柏泡)
白線を引き終え明日の運動会 薄井 逸走
ご苦労様ですね役員の方(如水)
運動会関係者の気持ちがよく出ている(京華)
よどみおる石に影おく下り鮎 三浦 秀水
非常に好句と思います。特によどみがいいと思います(如水)
下る鮎の途中だろうか、あわれさを感じる(柏泡)
その往時汗で競ひし力石 坂井 翠波
幾人が持ち上げるのかな(如水)
白線の薄れて運動会終へる 薄井 逸走
白線の薄れて終はる運動会 では?(京華)
騒々しく歓声のどよめきが終り残る校庭の様子が良い(佐都子)
運動会百足競争総くすれ 中村 如水
百足競争は一人がこけると、総崩れが実感(季)
あらぬ方向に行ったり、総くずれの面白さ
喚声の天地(あめつち)揺らす運動会 坂井 翠波
天地がおおらかでよいと思った(季)
運動会午後へ白線引く係 杉山佐都子
運動会の影の役割、目の付け所が良い(政子)
泣きべそのてるてる坊主運動会 横手 季
雨でのびのびとなった今年の運動会(季)
背のびして吾子の顔見る運動会 稲葉 正彦
吾子の顔を伺い見ている親の気持ち(政子)
水鳥の漁る川瀬や鮎下る 坂井 翠波
下り鮎に哀愁がただよふ(政子)
鮎落ちる川瀬の風景が目に浮かんでくる。特選とした(柏泡)
運動会やはり中止か電話鳴る 薄井 逸走
楽しみが落胆に変わる(佐都子)
運動会終へて校庭広くなる 薄井 逸走
静まりかえる校庭、普段より大きく感じる(佐都子)
運動会親も小走り手にカメラ 三浦 秀水
幼稚園、保育園、小学校の低学年の運動会によくある風景が目に浮かぶ(柏泡)
のり巻きを五本運動会の朝 薄井 逸走
待ちに待った楽しさの朝の様子(佐都子)
たも網に掬ひし鮎のはや錆て 小山田柏泡
つり上げて分かる背の錆色、見事な句(秀水)
下り鮎のことを錆鮎とも云ふが、錆鮎の方が実感に近い(翠波)
下り鮎峡の流れに逆らはず 池田 京華
すっかり弱った鮎が川の流れのまま下って行く様子が云い表されている(翠波)
落鮎の流れに逆らう力もない様(柏泡)
落ちはてし鮎なき川の崩れ梁 小山田柏泡
晩秋の寂しい川をよく云いつくしている(翠波)
落鮎や早瀬の波のゆるみたり 松原 利恵
鮎落ちて早瀬の波のゆるみたり では?(逸走)
荒川の鮎落ちつくす白い波 松原 利恵
荒川の鮎落ち尽くし波立たず では?(逸走)
町揺らす朝の花火や運動会 坂井 翠波
運動会の知らせの花火だ、都会ではどうだろうか、地方の風情(柏泡)
運動会百足の一足たりし日も 三浦 政子
人気がありませんでしたが、この発想が好きです
「一足」が読者の目を困らせたのが不人気の一因かもしれません。俳句の難しい所はここにもありそうです。
運動会百足の足となりし日も では?(逸走)
力石文字の窪みに夏の苔 薄井 逸走
苔は夏の季語ではないかと思いますが選句しました(如水)
数冊の季語集を見ましたが、苔は季語ではありません(逸走)
力石文字の窪みに苔青し では?(京華)
力石より解け初めり春の雪 薄井 逸走
どことなく温もっている力石 春の雪に情感があってよい(季)
力石のかたちの周りから融けてゆく春雪(政子)
春の雪が力石の肩より融けかかる様が美しい(佐都子)
石から消える春の雪 観察力満点(秀水)
石のまわりから雪は確かに解け始める、やはり熱を吸収するからだろう(柏泡)
山若葉六根清浄力石 松原 利恵
往時実際に力比べをした時もこのように身を浄めて競いあったものと思う(翠波)
久しぶりです、全部が漢字の句。作ろうと思っても作れないんです、全漢字の句(逸走)
神無月社守りて力石 杉山佐都子
神無月社を守る力石 では?
守りて・・・橋を渡りて、と云う場合と同じ「て」と思います
そうすると、「て」ではおかしいと思うのですが・・・
それとも 神無月社守りし力石 では?(逸走)
腰下ろす冬日を溜めし力石 横手 季
腰を下ろすには適当な大きさだ、日に当たり暖かい(柏泡)
力石夏衣の禰宜に案内(あない)さる 坂井 翠波
禰宜に案内されたのが見られたような句、よくぞ季語と結びつけた感心する(柏泡)
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十 一 月 吟 行 句 会(互選)
夜の部
4 弓はざま鉄砲はざま城紅葉 横手 季
3 渓紅葉岩風呂までの奈落かな(特)
3 フルートの音の澄む茶房冬うらら(特)
3 朗朗と城の講釈冬日和
2 湖辺来る銀杏黄葉の明りかな(特)
2 鈍行の見知らぬ駅や返り花
1 この下は女門とや落葉積む
1 対岸に白鳥渡る湖日和
5 そゞろ寒外湯通いの下駄の音 三浦 秀水
4 冬めきて宿は日暮れを早めけり(特)
4 天守閣影に影足す冬木立
3 冬支度南湖の松は菰を巻き
2 出湯まで百歩の階段そゞろ寒
2 銀杏黄葉一枚の空果てしなく
1 白障子瀬音をふさぐ共楽亭
3 蒼天へ巨木の紅葉燃えてをり 坂井 翠波
3 紅葉しておとめ桜の洞(うろ)太し
3 箸紙に秘境案内宿紅葉(特)
2 粧へる山に抱かれて秘湯の宿
1 蒼天や紅葉かつ散る小峰城
1 大揺れの車窓にのぞく谿紅葉
1 色変へぬ南湖の松に菰巻かる
7 落葉踏む乾ききったる音させて 薄井 逸走
3 満天星の丸き刈込紅葉濃し(特)
1 熟柿落ち柿の形を失へり
1 柿の実の枝にたわわを作りたり
1 有り丈の落葉浮かせり城址濠
1 プッツンと途切れし小径紅葉なか(特)
4 小春凪水尾引く鴨はゆったりと 池田 京華
3 刈田中嶺々渡る送電線
3 高々と銀杏黄葉は天を指す
2 街小春歴史を語るボランティア
2 あのう衆積みし石垣紅葉降る
2 浮き紅葉流れの渦に添って舞い 杉山佐都子
2 落葉掃く事きりもなし小峰城
1 どの幹も根をたづさえて冬ごもり
1 ぼたん鍋喰みて句会は進みけり
2 はらはらと舞いし落葉に紅さして 中村 如水
1 案内の人声なめらかや冬立ちぬ
1 見上げれば二三輪の冬桜
1 筆舌に言ひつくせなき初紅葉
3 吟行の一歩一歩に秋深し 稲葉 正彦
1 紅葉降ることもありしや露天の湯
1 白河を訪ねて友と紅葉狩り
2 満ち足りてまた振り返る紅葉園 松原 利恵
1 大木にからみからみしつた紅葉
1 白壁に鉄砲狭間濃い紅葉
朝の部
4 渓流の早瀬は紅葉もてあそぶ 横手 季
3 落葉積む大黒天の祠かな
2 雑木山紅葉散るまま嵩なせり
1 千人風呂女等(おみなら)四人朝寒し(特)
1 露天の湯紅葉あそばせ人拒む
1 朝寒にコーヒー熱く持ちくれし
1 初冬や秘湯心身満ちたれり
1 満天星の昨日にまさる紅葉かな
4 すさまじや断崖を背に秘境の湯 坂井 翠波
3 錦秋や秘湯の清流岩を噛む(特)
2 朝霧や秘境ようやく目覚めをり(特)
2 夜の膳紅葉ひとひら添へありて
2 朝寒や一揖交はし風呂の客
1 そぞろ寒更けて外行く人の声
1 蒼天や城址を囲む秋薔薇
2 外湯よし闇の樹間に冬星座 池田 京華
2 しらじらと明けゆく仙境冬紅葉
2 紅葉溜め峡の深さに岩の風
1 天守閣色無き風に吹かれ佇つ(特)
1 貂狐秘湯の宿や冬星座
1 紅葉愛で渓に張り出す殿の部屋
1 朝寒や源流近し奥甲子
5 吊橋や渓の深さにおののきて 三浦 秀水
5 鈴振れば冬の音色や大黒天
3 冬の宿捨湯の白煙つづく渓
1 故郷は地震(なえ)のせつなき炬燵かな
1 闇深し野生の鼬(いたち)の目の光り
1 山眠る起伏の果ては登山口
4 懐手して大黒天の前に立つ 松原 利恵
3 透きとおる朝の大気や冬の月
2 木枯の湯気をとらえしひびきかな
2 岩肌に落葉はりつく露天風呂(特)
1 枯木立湯気ほのぼのと立ちつくす
1 水音をへだて灯ともる夜半の冬
3 この地にはこの地の歴史蔦紅葉 薄井 逸走
2 瀬音より高き声して小鳥来る
2 外湯殿明日は凍るか鉄の橋
2 立冬の外湯へ首をすくめ行く
2 携帯の届かぬ部落冬に入る
1 晩秋や宿の大風呂独り占め
3 仙境のいで湯照らすや細き月 杉山佐都子
2 あとひと日紅葉とともに残りたし
2 岩肌に包まれいで湯山眠る
1 紅葉のみ入りし露天風呂人の無し
1 秘湯宿全山紅葉包まれし
1 菊咲きて秘湯の宿のおもてなし
5 奥山の風に重たき寒さあり(特) 稲葉 正彦
1 秋の夜を語り明かせし元湯宿
1 下駄凍てる奥甲子の宿夜の外湯
2 白白と障子立てたる山の宿 中村 如水
2 冬暁の山宿静か露天の湯
1 コーヒーの湯気で眼鏡のくもりけり
み ん な で 先 生
プッツンと途切れし小径紅葉なか 薄井 逸走
紅葉の小径に踏み迷うのもまた一興かも(政子)
紅葉しておとめ桜の洞(うろ)太し 坂井 翠波
おとめ桜と洞の対比が面白い(政子)
蒼天へ巨木の紅葉燃えてをり 坂井 翠波
見上げている作者が目に浮かぶ(政子)
吟行の一歩一歩に秋深し 稲葉 正彦
「秋深む」としたら・・・(政子)
有り丈の落葉浮かせり城址濠 薄井 逸走
有り丈が少し乱暴な表現かとも思うけれど情景が分かる(政子)
晩秋や宿の大風呂独り占め 薄井 逸走
かの大風呂の広さはさぞかしと思う(政子)
瀬音より高き声して小鳥来る 薄井 逸走
冬鳥の声の高さがよく透きとおる(政子)
千人風呂女等(おみなら)四人朝寒し 横手 季
朝寒とか朝冷えを表現したらよかったかと思う(政子)
携帯の届かぬ部落冬に入る 薄井 逸走
季語がピッタリ(政子)
朝霧や秘境ようやく目覚めをり 坂井 翠波
熟練された句と思う、云いまわしがすっきりしていて好きな句(政子)
懐手して大黒天の前に立つ 松原 利恵
紅葉のみ入りし露天風呂人の無し 杉山佐都子
字余りについては色々な意見がありますが、俳句のリズムに乗れない字余りはなじめません(逸走)
大木にからみからみしつた紅葉 松原 利恵
岩肌に包まれいで湯山眠る 杉山佐都子
蔦紅葉・出湯とした方が読みやすいです。読み手があってこその俳句ですから、目に優しい表現も必要では?(逸走)
千人風呂女等(おみなら)四人朝寒し 横手 季
「朝寒」という兼題が出た月例会にこの句が出されたらどうでしょう? 吟行と月例会は違うとはいえ、「女等四人」に意味 がありません(逸走)
今月のけやき
夜の句会はお酒が入り、朝の句会は寝不足、のためか、清記用紙への記載に誤りや記入漏れがあるようです。特に、特選句については数が少なく、選者名が分からないのが多いため、(特)の表示だけとしました。
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