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10 月 句 会(2005)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 5 身に入むやバス待つ高原夕茜 池田 京華
2 落ちりんご虚しく拾ふ主かな(特・利恵)
2 ペンションのオーナー自慢の焼きりんご
1 身に入むや戦場河原の谷地坊主
1 身に入むや病を得ての絆かな(特・正彦)
1 身に入むや優しさ受けし会津旅
1 飽食や囓りて捨てるりんご狩り
1 夕暮れて影引く梯子りんご園
8 身に入むや氏継ぐ者もなき家系(特・季) 堀内 千樹
1 秋草に隠るる墓碑に恋の歌
1 秋嶺を越え来て澄む眸疑わず
1 滑走路見えて貧しき国も秋
1 身にしみて墓地を抜け来し風に会ふ
1 秋の雲流離の果ての沖は闇
1 秋晴れや人後歩めと友の文
3 身に入むや開け放ちたる通夜の席 薄井 逸走
3 りんご箱踏み台にしてりんご園
2 身に入むや客疎らなる大湯宿(特・柏泡)
2 海鳥の去りし港や身にしみる(特・佐都子)
2 身に入むや山門早も閉ざされて
1 身に入むや露天風呂への石畳
1 りんご箱朽ちて林檎の木の下に
3 結果聞く医師の一言身に入みる 杉山佐都子
2 働かぬ右脳左脳や身に入みる
2 身に入むや瓦礫の下に天使の子
2 身に入むや先を急がず刺繍刺す(特・信)
1 この赤を剥くには惜しい林檎かな
1 身に入むやデイサービスの車体文字(特・逸走)
1 遺跡まで左右見渡すりんご園
4 身に入むや指の先まで八十路 吉田 信
3 りんご狩り太郎花子の顔をして
2 りんごひとつ二人の老で分け合いて
1 身に入むや湯気あるものを佛壇に
1 路地伝ふ二上り新内身に入みる
1 その重さ掌に心地よし赤りんご
3 身に入むやさりげなく聞く移民の語(特・翠波) 松原 利恵
2 宝石を欲しがらずしてりんご食む
2 身に入むやつまんでみたき膝がしら
1 身に入むやさい果ての道唯一人
1 身に入むやじょんがら節にほだされる
1 身に入むや貸し自転車の夫を追ふ
5 身に入むや栄枯盛衰温泉(でゆ)のまち 三浦 政子
5 リンゴ熟れ信濃涯てなき空の青(特・千樹)
2 身に入むや地震(ない)のはげ山つづく越(特・如水)
2 高速道リンゴの里をまっしぐら
2 身に入むや穀倉平野灯をともす
5 身に入むる賽の河原のくずれ石 三浦 秀水
3 身に入むる呆け話や老の会
1 身に入むる湯桶にからまる抜毛かな
1 リンゴむく皮の長さを競う子等
1 長話奨めしリンゴの色変わり
4 身に沁むや離島なごりの女唄(特・秀水) 坂井 翠波
2 身に沁むや夜雨に濡れし女下駄
2 盆栽の姫林檎とて真紅なる
2 アルプスを遙かに仰ぎ林檎?ぐ
2 林檎園詰め放題の籠重し
5 信濃路やリンゴも庭木長屋門(特・京華・とも子)横手 季
2 無人駅リンゴも小粒たわわなり
1 目覚むれば夫の遺影や身に入むる
1 身に入むや小さき神社に厄落し
2 飛行雲高く高く母逝けり 中村とも子
2 天高く夫の好みし宝石(いし)の色
1 一人居の寒さ身にしむ頃となり
1 林檎むく皮の長さを競いつゝ
1 ことことと林檎煮てゐる厨かな 中村 如水
1 風の音心にひびき沁む身かな(特・政子)
1 里山の夕暮れはやく身に入みし
1 身に沁むや子猫屯す朝の庭
4 りんご狩盗人のごと枝くぐる 小山田柏泡
2 陽の光撥ねてりんごの色づけり
1 身に入むや露天風呂までの沢の風
み ん な で 先 生
りんごひとつ二人の老で分け合いて 吉田 信
りんごをも二人で分けて老楽し ではどうですか。恋人だったら、恋楽しでも(利恵)
飛行雲高く高く母逝けり 中村とも子
秋うらら白雲ぬって母逝けり ではどうでしょう(利恵)
季語が欲しいです。俳句に季語は欠かせません(逸走)
林檎むく皮の長さを競いつゝ 中村とも子
きゅっと握られた包丁、ぶら下がったりんごの皮の赤いねじれ。
りんご一つの皮の長さはどの位になるのでしょうか。
りんごの皮を俳句にまとめるとは見事です(利恵)
信濃路やリンゴも庭木長屋門 横手 季
屋敷の広さが目に写る信濃の旧家(利恵)
落ちりんご虚しく拾ふ主かな 池田 京華
台風去った後の静けさ侘しさが落ちりんご一言に出て感動、
主の姿も見えるようです(利恵)
身に入むや客疎らなる大湯宿 薄井 逸走
温泉地は何処でも不況から脱していない、誘客に必死だ、
そんな宿の姿が寒々と感じたのだろうか(柏泡)
林檎園詰め放題の籠重し 坂井 翠波
林檎「狩」の籠へ詰めるだけ詰めて、そんな籠でないかな(柏泡)
秋晴れや人後歩めと友の文 堀内 千樹
初五を 身に入むや としたら素晴らしい句だと思う(信)
身に入むや氏継ぐ者もなき家系 堀内 千樹
三年前に私も同じ状態になり心ひかれました(佐都子)
「氏継ぐ者の」と表現を明らかにしたいです(逸走)
身に入むや小さき神社に厄落し 横手 季
健康を祈願したのでしょうか(佐都子)
海鳥の去りし港や身にしみる 薄井 逸走
淋しさのつのる港町で人も自然に生きていると思う(佐都子)
身に沁むや離島なごりの女唄 坂井 翠波
佐渡おけさの哀調を思い出す・・・女唄に泣かされる(秀水)
秋草に隠るる墓碑に恋の歌 堀内 千樹
秋草の中に埋もるる恋の詩、さぞかしと思う佳人の碑(政子)
身に入むや瓦礫の下に天使の子 杉山佐都子
「身に入む」の用法に誤りがあるのでは? 季節感が感じられない句となっています。
作者が秋冷を感じる位置にいないからと思います(逸走) 身に入むやデイサービスの車体文字 杉山佐都子
この句は作者の位置が見えます。秋冷の中を散歩していて、車体の文字を目の当たりにして、
身にしみるものを感じたのでしょう(逸走) 身に入むやさりげなく聞く移民の語 松原 利恵
「移民の語」に無理があると思います。
「さりげなく聞く」と身にしみるのでしょうか。野外で話を聞いたのでしょうか、
作者の位置と向いている方向が見えない(さりげなく聞く・・どこで?)と情景が浮かびません(逸走) 身に入むや穀倉平野灯をともす 三浦 政子
作者の立っている位置が見えます、広い平野が見えます、その時間が分かります(逸走)
リンゴむく皮の長さを競う子等 三浦 秀水
この情景は、漫画にも、写真にも、類句にもあります。
題材と情景描写が平凡です(逸走)
身に入むや露天風呂への石畳 薄井 逸走
露天風呂、石畳、句材が古いです。
初霜や露天風呂への石畳 落葉散る露天風呂への石畳
何でもありの句です(作者)
「身に入む」の季語は歳時記などによると、和歌で「哀れ」を主調としてこの語が用いられたのに対し、
俳句では対照的、感覚的に感じとって「冷気」を主にして言う、 秋冷の気を身にじみとおるように感じることとあるが精神的なものより肉体的なものであるなら、 秋冷、秋寒し、等でも同じでないか、出句には精神的な句が非常に多かった、 よく判らない、乞教示! 小山田柏泡 |

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11 月 句 会(2005)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 5 夜半の風落葉の嵩を築きけり 薄井 逸走
5 遺言を書けと言われし日の落葉(特・佐都子・政子)
3 道草をする子のように踏む落葉
2 吹き溜まる落葉の海に力石
2 落葉掃き終へて落葉の散るを見る(特・信・京華)
2 落葉掃く先ず参道を鳥居まで
1 参道の銀杏落葉に生れし径
7 捨てきれぬもののしがらみ落葉踏む(特・千樹) 三浦 政子
3 登校子落葉の嵩を踏み散らす
3 初霜や影長うして日が昇る
2 人知れず髪にもつれて落葉くず
2 初霜や富士厳然と現れり
1 初霜や味噌汁にほう路地の奥
4 初霜やこの黒土に生かされて 池田 京華
4 扁額の墨跡重し落葉かな
2 名瀑の流れは迅き落葉かな
1 落葉溜め千仭の谷土となす
1 曲水の楓落葉や艶やかに
1 からからと落葉過ぐるや街道筋
5 在るがまま日々を過ごして落葉掃く 吉田 信
5 落葉して心にうつの兆しあり(特・季)
3 初霜に菜園そろって平伏す
3 落葉舞ふ姥捨山は暮れなづむ
3 初霜に甘さを貰ふキャベツかな(特・如水)
1 けやき道落葉の一段奔流す
3 一樹散らば千樹落葉峡の空 堀内 千樹
2 落葉焼く煙大屋根地主住む
2 落葉路を来る義経の顔をして(特・利恵・翠波)
2 落葉降る中へ語らず影歩む
2 落葉舞ふ宿湯祭りやサンバの娘
1 初霜やケアホームより文は来ず
8 思い出の古書に落葉の栞あり(特・逸走) 中村 如水
5 夫の歩にあわせ歩めり落葉道
2 はらはらと野点の傘に散る落葉
2 干涸らびし落葉さまよう里の道
1 初霜や小さき嘘をつきにけり(特・正彦)
3 落葉舞ふ風に乗り来る子守唄 松原 利恵
3 落葉焚く灰には彩のなかりけり
2 姨捨ての落葉色濃く句碑の丘
1 落葉舞う意図むすかしき孫の術
1 空青く落葉沈みし川の底
3 初霜や甍は白き城下町 三浦 秀水
3 初霜や新聞少年の息づかい
2 古寺巡礼磴は落葉の緋毛氈
1 吊橋をにわかに揺らす落葉風
1 荒海や落葉降りしく良寛堂
3 今散りし川の流れに反る落葉(特・秀水) 杉山佐都子
2 落葉踏む芸術の森子等の声(特・とも子)
2 休館と知らず落葉の道帰る
1 立ち昇る落葉煙や寺近き
1 日毎掃く落葉の終り近づきぬ
2 箸紙に里謡案内霜の宿 坂井 翠波
2 初霜や大川沿いの遊歩道(特・柏泡)
1 奥湯への道をふさぎて落葉積む
1 積む上にまたひとひらの落葉散る
1 落葉舞ふ風神駆けて行くならい
3 校庭を走る児ら追う落葉かな 中村とも子
2 天高くあくびしているショベルカー
1 家事こなす何事もなき文化の日
み ん な で 先 生
落葉路を来る義経の顔をして 堀内 千樹
義経の顔がおもしろい、可句と思ふ(翠波)
落葉して心にうつの兆しあり 吉田 信
身につまされて選びました(季)
はらはらと野点の傘に散る落葉 中村 如水
朱の傘に散らふ落葉の風情(政子)
野点は季語、と申し上げましたが、間違いです(逸走)
初霜や新聞少年の息づかい 三浦 秀水
荒い息づかいに吐く息の白さ 初霜にぴったり(政子)
扁額の墨跡重し落葉かな 池田 京華
年輪の重さに落葉のかろさが対照的(政子)
落葉して心にうつの兆しあり 吉田 信
落葉して心にちらとうつ兆す では(政子)
遺言を書けと言われし日の落葉 薄井 逸走
書けと言われし日の心のありようが落葉に表徴されている(政子)
遺言と落葉がマッチしている(佐都子)
道草をする子のよふに踏む落葉 薄井 逸走
「子の様」、であるから、「よう」、です(信)
名瀑の流れは迅き落葉かな 池田 京華
袋田の滝を思い出しました(如水)
滝は夏の季語です(逸走)
初霜に甘さを貰ふキャベツかな 吉田 信
非常によい句とおもう(如水)
落葉舞ふ姥捨山は暮れなづむ 吉田 信
昔映画で涙を流した、高橋貞二の名作(如水)
休館と知らず落葉の道帰る 杉山佐都子
尋ねたのに休館とは残念、足が重くなる(如水)
校庭を走る児ら追う落葉かな 中村とも子
くるくると落葉が風に乗って追うさま、なつかしく感じます(利恵)
登校子落葉の嵩を踏み散らす 三浦 政子
登校児落葉の嵩を踏み散らす では(利恵)
さくさくと落葉踏みしめ奥の院 三浦 秀水
さくさくと初霜踏みて奥の院 の方が、さくさくが生きると思います(利恵)
初霜やケアホームより文は来ず 堀内 千樹
入居の抽選通知かと思いましたら、違うのですね。
ケアホームに住む知人に年賀状を出したら、ケアホームから死亡通知を貰ったことがありました(逸走) |

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12 月 句 会(2005)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 7 山眠り水子地蔵の風車 三浦 政子
3 大根引き気負いし力もて余す(特・柏泡)
3 近江路や遠目に大根干してあり(特・京華)
3 艶めきし噂もむかし山眠る(特・とし子)
3 後ろ手に障子を閉めて母見舞う(特・逸走)
2 動かざる山巓の雲眠る山
2 愛憎も一些事にして山眠る(特・千樹)
1 鰐口や心願とどけと眠る山
4 大根を干して番屋に誰もゐず 薄井 逸走
3 幼子の三人掛かり大根引く
3 堂にある障子明かりや経写す
3 荒海を懐にして山眠る
2 山眠り飛機一直線に降りてくる
2 山眠る大仏様を抱えゐて
1 頂を雲に隠して山眠る
1 海鳴りの子守唄なり山眠る(特・佐都子)
3 夫婦して二枚の障子貼る暮し 池田 京華
2 納屋ぐるり入口までの懸大根
1 峡の里渋柿ありて山眠る
1 大根引き土の温もりありしかな
1 嶺々の光は鈍き山眠る
1 農の庭竿のしなりに干し大根
1 秘境の湯春まで休業山眠る
6 山眠る故国の土を生きて踏む(特・秀水) 堀内 千樹
3 争いのなき国いづこ山眠る
2 歳月や古き障子に囲まれて
2 生大根囓りし父や母も亡し
1 山眠る果ては墓群と無人駅
1 踏み残す百名山や山眠る
3 義太夫の障子ふるわす大功記(特・利恵・翠波) 三浦 秀水
2 張り替へし障子に影絵児の眸
2 登り窯白煙ひとすじ山眠る
1 山眠る足元明るき杣の径(特・信)
1 塔せまる装い脱いで山眠る
1 障子貼り伝い歩きのきかず顔
5 あるなしの風もつかみて大根干す 坂井 翠波
5 干し上がる縄目ゆるみし懸け大根
2 禅寺の庭に切干し荒筵
2 眠りたる山へ落暉の燃へさかる
1 宿障子閉ざす山巓暮れなずみ
3 一村を軒並包み山眠る 杉山佐都子
3 強情を張りて無口に障子閉め
2 照り翳る障子明かりの若き僧
1 蒼天へ飛び発つ様の大根かな
1 山眠る赤き実ひとつ種となり(特・政子)
4 一族の墓を抱きて山眠る 吉田 信
2 先ゆきは神にまかせて障子貼る
2 トランペット夜空に響き山眠る
1 老いらくの恋は薄味鰤大根
3 今回は障子の穴を塞ぐのみ 中村 如水
3 絵手紙の大根太く威厳あり
1 白障子眩しや句友(とも)の急死知る(特・正彦)
1 ローカル線走る右側山眠る
4 誇らしく裾長々と山眠る(特・如水) 松原 利恵
1 大根を引き抜きざまに腰ゆるむ
1 空青く鉄塔光り山眠る
2 山眠る星屑大きく吸いこんで 中村とも子
1 平常心平常心とダイコ煮る
1 眠る山下界はいつもあわただし
み ん な で 先 生
夫婦して二枚の障子貼る暮し 池田 京華
時間を気にしない生活が滲む句(秀水)
夫婦二人して二枚の障子がいいですね(利恵)
山眠る故国の土を生きて踏む 堀内 千樹
体験した人でなければ作れぬ句(秀水)
戦後六十年、大変な苦労をされてこその句作、しみじみとその 思いが伝わる(政子)
長期間戦地等にいてようやく帰国、故国の山を見た感激がうたえられている(翠波)
寒いシベリヤを想い亡兄をふと想い出しました(利恵)
「国破れて山河在り」杜甫の詩を想い出し、又敗戦の復員の時もか(信)
山眠る星屑大きく吸いこんで 中村とも子
星屑大きくの表現に山また山の深さが想像出来る(政子)
義太夫の障子ふるわす大功記 三浦 秀水
障子ふるわすが臨場感がありよいと思う(翠波)
私の祖父が義太夫を語った人、竹本政吾太夫と名乗っていたと云う。その話を母から聞かされていた障子をふるわす声の主だ
ったと云うふうに。あやかっていただきました(利恵)
山眠る赤き実ひとつ種となり 杉山佐都子
種となる実を抱きながら眠れる山もやがては春への期待感が表現されている。
強情を張りて無口に障子閉め 杉山佐都子
こんな光景が子育ての頃にあったような、過ぎてしまえば頬笑ましい情景(政子)
山眠り水子地蔵の風車 三浦 政子
恐山の様子が浮かびます(佐都子)
禅寺の庭に切干し荒筵 坂井 翠波
細い切干し大根が雲のように美しく(佐都子)
争いのなき国いづこ山眠る 堀内 千樹
戦後六十年いくさを知る人が少なくなり、
不穏な動きを感じる(信)
秘境の湯春まで休業山眠る 池田 京華
文化の日に山の温泉の木枯しに逢ったことがある(信)
山眠る足元明るき杣の径 三浦 秀水
冬の山の若い時の経験がよみがえって来ました。真の闇の中でも明るいのが不思議です(信)
先ゆきは神にまかせて障子貼る 吉田 信
慣れない障子貼り、乾けばシワが取れて何とか見られるようになるだろうという「先行き」と、作者の周辺が「先行き」なのだろう、俳句的な組み合わせがいい(逸走)
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1 月 句 会(2006)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 5 大寒や尖りきったる朝の風 薄井 逸走
5 与えたる命短しひねり独楽(特・政子・正彦)
4 大寒や陽の回り来ぬ外階段(特・佐都子)
4 勢いの衰へ早し独楽揺らぐ
2 あのビルが隠す太陽寒に入る
1 独楽の芯錆びるがまゝに小物箱(特・柏泡)
1 独楽回す地球も回っているといふ(特・信)
5 負けん気の口一文字独楽回す 三浦 政子
4 寒入りの身構えつつもただ籠もる(特・利恵)
3 割烹着ひと日着通す寒の入り
1 寒の入り一種ふえし薬袋
1 鍬先に木の葉すき込み寒の入り
1 数の子の粒めでたくも老の口
1 寒の入欅大樹の落暉かな
3 手つかづの仕事残して寒に入る 小山田柏泡
3 靴音の固く響きて寒の入り
2 水石に水涸れ失せて寒の入り
1 数の子や入歯凌ぎて鳴りにけり
1 数の子の口に残りし粒三粒
1 救急車去って静けく寒の入り
1 手も入れぬ庭木ぼやけて寒に入る
4 眦(まなじり)を決して子らの独楽喧嘩 吉田 信
3 刃渡りの独楽音もなく切っ先へ(特・翠波)
3 独楽倒る未来を閉ぢる日の如く
2 独楽廻し必死の口の一文字
1 遺書書けば恋文に似て寒の入り
1 古時計止まったままの寒の入り
4 数の子や代々続く祝い膳 杉山佐都子
3 天守へと吹上る風寒の入り
1 参道の素朴な店先独楽並べ
1 寒の入り中洲飛び立つ鳥の群れ
1 団欒の数の子食みてながらえり
1 独楽廻る地球自転に逆らわず
3 一人愚痴腰の重たき寒の入り 三浦 秀水
2 千灯供養炎かなしき寒の入り
2 紐はなれ独楽のうなりや路地の風
1 独楽回る子猫のちょっかい露地の裏
1 老僧の頭巾外せぬ寒の入り
1 ささやかな重の数の子迷い箸
3 喚声の輪へ大独楽を打ち込みし 坂井 翠波
1 寒入りの古刹に積まれ無縁墓
1 数の子や義歯不具合を感じをり
1 ファックスにまたも訃報や寒に入る(特・とも子)
1 大道芸手練の芸の独楽回す
4 振り向かず歩む七十路寒の入(特・京華・逸走) 松原 利恵
3 数の子や老いには老いの憂い事
1 過疎地帯風を閉ざして寒に入る
1 独楽まわる自在に己の位置を決め
1 散策にきびきび応ふ寒の入
2 寒の入役者の背なの凛として 池田 京華
2 寒の入荒れるがまゝの狭庭かな
1 数の子の味も知らぬや孫世代
1 寒の入整列歪む小学生
3 独楽まわり一人芝居を演じきる(特・秀水) 中村とも子
1 おとずれる人もなくして寒に入る
1 主なき書棚の独楽は微動せず
1 寒の入り日なたに猫と一人いて 稲葉 正彦
1 数の子の濃き味わいにとまどいぬ
1 寒の入り尋ねし人は病得て
2 小寒や介護の手ぬかり詫びており 石川 春暁
み ん な で 先 生
数の子や入歯凌ぎて鳴りにけり 小山田柏泡
入歯にしても音が出た時のうれしさ、実感(政子)
眦(まなじり)を決して子らの独楽喧嘩 吉田 信
目に見える様、男の子の勇ましさ、今はいないかも(政子)
必死になって独楽遊びをした幼児の頃が思い出される。
可句である(翠波)
あのビルが隠す太陽寒に入る 薄井 逸走
一番日当たりのほしい時季、ビルがうらめしい(政子)
与えたる命短しひねり独楽 三浦 政子
ひねり独楽のはかなさか。でもそれなりに美しいのでは(政子)
遺書書けば恋文に似て寒の入り 吉田 信
恋文のような遺書。みたいな、その内容(政子)
靴音の固く響きて寒の入り 吉田 信
固く響きて、が寒の入りらしく感じました(利恵)
刃渡りの独楽音もなく切っ先へ 吉田 信
場末の寄席。年老いた芸人の世渡りのための芸がうまく表現されている(翠波)
数の子や代々続く祝い膳 杉山佐都子
長寿の家系めでたいと思う(翠波)
大寒や尖りきったる朝の風 薄井 逸走
寒の風の冷たさを尖りきると表現した妙(信)
勢いの衰へ早し独楽揺らぐ 薄井 逸走
人生老い易し、こまの如し
あのビルが隠す太陽寒に入る 薄井 逸走
駅近くのマンションが乱立し同感です(信)
独楽まわり一人芝居を演じきる 中村とも子
とても上手な表現で感心しました(信)
時制が一致していませんので「独楽倒れ」としては?(逸走)
靴音の固く響きて寒の入り 小山田柏泡
時代の流行か、固い靴音がよりさえて聞こえ寒に入るという
大変感動しました
独楽回す地球も回っているといふ 薄井 逸走
こういふ表現が良いですね(信)
喚声の輪へ大独楽を打ち込みし 坂井 翠波
「喚声の輪」で様子が目に浮かびます(逸走)
寒の入り尋ねし人は病得て 稲葉 正彦
「病得て」が不自然です。訪ねし人の伏しており、では(逸走)
おとずれる人もなくして寒に入る 中村とも子
「人もなくして」が曖昧です。寒くて人が来なくなったのなら
訪れる人のなきまま寒に入る でしょうし
いつも尋ねて来てくれる人を亡くしたのなら
訪れる人を亡くして寒に入る かと思います(逸走)
寒の入整列歪む小学生 池田 京華
寒の入り小学生の列歪む では?
でも、「寒の入り」では落ち着きが悪いですから
大寒や小学生の列歪む としてはいかがでしょう(逸走)
散策にきびきび応ふ寒の入 松原 利恵
情景が浮かびません。何がきびきび応えるのでしょうか?
また、「散策」にはのびやかな雰囲気がありますから、寒の入りの寒さとはマッチしないと思います(逸走)
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2 月 句 会(2006)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 4 薄氷を音なく踏んで郵便夫 薄井 逸走
3 薄氷の天水桶や寺の町
2 遅き昼ほうれん草と目玉焼き
2 年の豆握りしめたる三粒かな
1 節分の街に救急車走る(特・佐都子)
1 ほうれん草千切りてサラダ昼下がり
1 節分の雨に機関車濡れており
6 薄氷や雲を抱きて流れゆく 杉山佐都子
3 節分に素朴な社開かれて
3 薄氷や青空写し溶けにけり
1 飽きのなきほうれん草に活もらう
1 神泉に神々の声薄氷
1 ほうれん草小鉢でおどる花がつを
4 寂しさを雄叫びに換え鬼は外 吉田 信
4 節分や撒くも拾ふも老二人(特・京華)
3 節分や夢は小さくなるばかり(特・逸走)
3 薄氷を銃床で割る夢の中
3 暫くは朝日を映し薄氷
2 薄氷をひらひら舐める猫がゐる
4 吹き散りし木の葉とじ込め薄氷 三浦 秀水
4 薄氷ジャンプステップ遅刻の子(特・柏泡・とも子)
2 薄氷老の散歩の杖の先
2 吹きさらす池心残して薄氷(特・如水)
1 直売所ほうれん草に名札あり
1 車椅子薄氷さけて里の径
4 鍬跡のまま薄氷の田に光る 坂井 翠波
2 鬼逃げし追儺の夜のまどいかな(特・政子・正彦)
2 豆を撒く闇へはるかな星光る(特・秀水)
1 薄氷へまず水流す厨妻
1 我が影も薄氷も踏み田を渡る
1 研ぐ月へ童の抛(ほう)る年の豆
3 観音の柄杓に残る薄氷 池田 京華
2 薄氷押せば音なく崩れゆき
2 里山の祠にありし薄氷
2 貸農園互に褒めあふほうれん草
1 節分や父の帰りを待ちあぐね
3 薄氷にきらきらきらと日の光 三浦 政子
2 節分や外来力士の昔ぶり
2 ほうれん草留守の扉に提げてあり
1 ほうれん草畑にべったり伏せてゐて
1 薄氷や実家(さと)に帰りて大朝寝
3 薄氷やさらり風受け陽射し受け 松原 利恵
2 はんなりと朝の目覚めや菠薐草
2 川岸に一筋光る薄氷
1 陽射し受け薄氷さらり風光る
1 地に戻るまで輝きし薄氷
2 別れきし人振り返り薄氷 稲葉 正彦
1 奈良坂の石の仏の薄氷
1 薄氷羅馬の街に一人いて
1 節分の人ごみのなか一人いる(特・信)
7 うすらひの下にも小さき世界あり 中村とも子
2 うすらひのはかなげでいてするどくもあり(特・翠波)
1 律義なる母節分に逝き給ふ
2 緑なき畑に色なすほうれん草(特・利恵) 小山田柏泡
1 山路ゆく轍に白き薄氷
1 薄氷跨ぎそこねて跳ねし水
み ん な で 先 生
山路ゆく轍に白き薄氷 小山田柏泡
山路ゆく轍に光る薄氷 では(利恵)
寂しさを雄叫びに換え鬼は外 吉田 信
寂しさを雄叫びに換え鬼やらい では(利恵)
ひとり居の寂しさ(?)が出ていてよい(翠波)
緑なき畑に色なすほうれん草 小山田柏泡
冬らしさが良く出てます(利恵)
薄氷ジャンプステップ遅刻の子 中村とも子
子供の愛らしさがよく出ている(翠波)
うすらひの下にも小さき世界あり 中村とも子
小さき世界は春の気配か(信)
年の豆握りしめたる三粒かな 薄井 逸走
幼児の愛らしさが出ている(翠波)
薄氷を音なく踏んで郵便夫 薄井 逸走
音なく踏んでくる郵便夫に何か期するもの(政子)
薄氷羅馬の街に一人いて 稲葉 正彦
四十数年前バチカンの近くに長く滞在していた頃を思い出しました(信)
節分や外来力士の昔ぶり 三浦 政子
形だけは昔ぶりだが、上手な表現です(信)
節分の人ごみのなか一人いる 稲葉 正彦
老人の孤独が身に沁みます(信)
うすらひのはかなげでいてするどくもあり 中村とも子
うすらひのはかなげでいてするどくも 句の内容はよい。しかし字余りなのでなおして採ることにした(翠波)
俳句は季語を入れて五七五と、単純に考えてメモ書きしていたものを書き写してから五七七と気づきました。
時間切れでそのまま提出。自分なりに考えてみましたが、むしろ片仮名ほうがよかったでしょうか。 ウスラヒノハカナゲデイテスルドクモ やっぱりおかしいですね(とも子) 全部が平仮名と言えば、会津八一の歌ですが、彼の場合は独特の分かち書きをして、読みやすくしていました。
読み手があってこその俳句ですから、読み手を意識する必要もあると思います。読みづらい表記では意味がありません。
漢字を使うのか、旧かな使いにするのか、平仮名にするのか、場面場面で異なると思います。
かげろうやちょうやおひさまを表すには平仮名の方がいいのかもしれませんが、
平仮名では「陽炎や蝶やお日様」であること が直ぐに分からない欠点があると思います。 この句の場合、漢字交じりだったら、字余りに気づいたのではないかと思います。
また、はかない反面、鋭いのが薄氷ですから、薄氷の事実だけでは訴えるものが不足すると思います(逸走)
薄氷やさらり風受け陽射し受け 松原 利恵
春のリズムを感じます(信)
薄氷の天水桶や寺の町 薄井 逸走
見かけることがありませんが、そうであろうと想像して寺の町を想う(佐都子)
節分の街に救急車走る 薄井 逸走
鬼を押しのけて走っていく救急車。大変変わっていてよいと思いました(佐都子)
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