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3 月 句 会(2006)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 3 古雛の髪のみだれに母の顔 池田 京華
2 大梁や内裏を囲む吊し雛
2 啓蟄や二坪農園活気ずく
2 啓蟄やゆるゆる押すや車椅子
2 雛飾る明るくなりし奥座敷(特・柏泡)
2 吉原の姿とどめし柳の芽
1 散歩道風のままなる柳の芽
1 啓蟄や狭庭の手入れほつほつと
5 遠堤に心放ちぬ柳の芽(特・正彦) 三浦 政子
2 紙の雛家にテレビの来る日かな
2 大河の土手の荒寥(こうりょう)柳の芽
2 大河に架かる大橋柳の芽
2 紙雛の昔語りや母老いて
1 雛の菓子口にとろりと女古る(特・逸走)
1 土雛を飾りて母の手巻き寿し
3 野の花を摘んできたよと雛の客(特・政子・とも子)薄井逸走
2 啓蟄や理由などなき反抗期
1 桁低きガードの向こう柳の芽
1 啓蟄や短くなりしビルの影
1 雛飾る時は無邪気な反抗期(佐都子)
1 芽柳や佃の町に磯の風
1 啓蟄や銀座四丁目の真昼
5 いい伝え気にせず気にかけ雛納め(翠波) 小山田柏泡
3 隅々へ燈点して雛の店
2 啓蟄や眠りは解けず寒冷地
2 バス停の標(しるべ)たたいて柳の芽
1 芽柳や湖畔を走る子等の息
1 雛市のはずれに車降ろさるる
4 流し雛ゆっくり廻り背を向ける(特・京華・利恵)杉山佐都子
2 雛納め灯なき間のしんしんと
2 啓蟄や生きとし生きてひたすらに
2 立雛の瞬きなきて朝の来し
1 柳の芽ひとつひとつに希望あり
1 芽柳の頃に歩みし孫四才
6 啓蟄や開け放されし非常口(特・信) 松原 利恵
3 おちこちの水のささやき柳の芽
2 近親にゆらぐ風あり柳の芽
2 ときめきの旅のひとこま柳の芽(特・秀水)
1 啓蟄や防虫剤を求めきし
6 啓蟄や煩悩の穴抜けられず 吉田 信
4 柳の芽一つ一つに射す陽ざし
3 ざわざわと媼の群れや吊し雛
3 先き行きは風に任せて吊し雛
5 川渡る風を掴みて柳の芽 坂井 翠波
3 啓蟄や城址彩る園児服
1 ショベルカー啓蟄の土蒼天へ(特・如水)
1 芽柳へ落暉燃へをり城址池
2 柳の芽長堤はるけし飛行雲 三浦 秀水
2 柳の芽河岸に荷船の括られて
1 人馴れの野鳥にぎわし柳の芽
1 啓蟄や牧之(ぼくし)の里より機の音
1 啓蟄や心新らたに誕生日 中村とも子
1 風呂敷のひいな飾りやウインドウ
1 啓蟄や廊下を走る綿ぼこり
1 啓蟄に我生きており証あり 稲葉 正彦
み ん な で 先 生
芽柳や佃の町に磯の風 薄井 逸走
芽柳や佃の村に磯の風 佃と言えば、村の方がいいです(利恵)
吉原の姿とどめし柳の芽 池田 京華
花街にはなぜか柳が似合う、吉原の姿とはどんなかしら(政子)
啓蟄や牧之(ぼくし)の里より機の音 三浦 秀水
北越雪譜を著した牧之。塩沢紬の織物の町でもある。
雪からさめてそこここに機の音が聞こえる啓蟄の季によくあっている(政子)
ざわざわと媼の群れや吊し雛 吉田 信
観光地下田あたりの情景か(政子)
野の花を摘んできたよと雛の客 薄井 逸走
年配の女客の集まりか、野の花の素朴さがいい(政子)
ときめきの旅のひとこま柳の芽 松原 利恵
綻びがもう目の前だよ(秀水)
雛飾る時は無邪気な反抗期 薄井 逸走
雛のありきたりの句でなく、子供の可愛らしい反抗期の様子が大変良く感じられる(佐都子)
啓蟄や銀座四丁目の真昼 薄井 逸走
啓蟄と銀座四丁目の賑やかな真昼時が対照的(佐都子)
大河に架かる大橋柳の芽 三浦 政子
よくある風景であるがよく表現されている(翠波)
啓蟄やゆるゆる押すや車椅子 池田 京華
や・や・となっていますから、
啓蟄にゆるゆる押すや車椅子 または、
啓蟄やゆるゆる押して車椅子 または、
啓蟄や少し遠くへ車椅子 では?(逸走)
大梁や内裏を囲む吊し雛 池田 京華
吊し雛は見たことはないが、この句で想像できる。旧家の奥座敷の古い梁にかかる雛飾りのことか。一見してみたいものであ る(翠波)
紙の雛家にテレビの来る日かな 三浦 政子
初めて家にテレビが来た日のことであるなら、過去形にする必要があります。(逸走)
いい伝え気にせず気にかけ雛納め 小山田柏泡
「雛飾りは早く飾って早く納めないと嫁に行くのが遅くなる」との言い伝えのことか、ほほえましい句である(翠波)
継続して気にすることが「気にかける」なのでしょうから、
「気にし」では? 字余りでもありますから(逸走)
孫がお嫁に行けないと困りますね(信)
柳の芽ひとつひとつに希望あり 杉山佐都子
柳の芽一つ一つに射す陽ざし 吉田 信
我が家の柿の木の芽も同じです。柳らしさが欲しいです(逸走)
啓蟄や防虫剤を求めきし 松原 利恵
その通りなのでしょうが、啓蟄に防虫剤は御法度では?(逸走)
古雛の髪のみだれに母の顔 松原 利恵
古雛の髪のみだれや母の顔 とすると俳句らしさが増すように思うのですが? (逸走)
啓蟄や開け放されし非常口 吉田 信
春の開放感を感じいい句です(信)
啓蟄や廊下を走る綿ぼこり 中村とも子
廊下を走るとは面白い表現です(信)
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4 月 句 会(2006)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 4 寺の門閉ざして深き春の闇 薄井 逸走
3 耳鳴りの奥の奥まで春の闇
2 春の闇浅く鏡となりし池(特・佐都子)
2 母老いて唯我独尊春の闇
2 春の闇路面電車の消えゆけり
1 春の闇大正琴を調弦す
1 春の闇裂いて新幹線駈ける
1 春の闇タンカーらしき船明かり
4 深大寺鐘の余韻や竹の秋 三浦 政子
3 竹の秋一揆の寺の弾のあと(特・翠波)
2 踏み入りし石塀小路春の闇
1 北鮮へ向かう船かも蜃気楼
1 阿国像橋下(はしげ)に踊る春の闇
1 竹の秋深大寺そば昼灯し
1 師とともに歩みし頃も竹の秋
1 料亭の戸毎に灯し春の闇(特・逸走)
7 竹の秋素直に風をうけ流し 小山田柏泡
3 木曽路きて谷また谷や竹の秋(特・京華)
3 春の闇シャッター締る固き音
3 躓づいて腹立たしさや春の闇
1 道過ぎる物影何ぞ春の闇
1 灯一つ火の見に透けて春の闇
1 黄昏れて風静まりし竹の秋
5 石庭の流紋白き春の闇 三浦 秀水
3 竹の秋羽音きしませ翔雀(かけすずめ)
3 春の闇狐の嫁入りらしき灯(特・政子)
2 竹の秋透けて展けし屋敷神
2 見えてなお岬は遠し蜃気楼
2 竹の秋葉擦れやさしき奥嵯峨野
1 蜃気楼真珠筏に小波立ち
1 春の闇黒猫窺う厨口
3 酒蔵にモツアルト流れ春の闇 吉田 信
2 若き日の見えかくれして蜃気楼
2 竹の秋黄色好みのゴッホ展
2 蜃気楼路線は長くゆがみたり
1 琅?(ろうかん)の空に黄の波竹の秋
1 烽火(のろし)上りゴビの砂漠の蜃気楼
1 春の闇親友畏友が消えて逝く
5 観音の薄目静かに竹の秋(特・正彦・庄子) 杉山佐都子
3 照り翳りして竹の秋空を突く
2 物の怪の隠れ居そうな春の闇
2 春の闇とくとくとくと酒をつぐ(特・信・利恵)
1 蜃気楼この方向はまぼろしか
1 近づけど届かぬ先の蜃気楼
5 突堤に人影淡し春の闇 坂井 翠波
2 春の闇渚に寄せる波の音
2 神廟の裏に結界竹の秋
2 四阿(あづまや)に人影動く春の闇
2 竹の秋宮司溜りに宮司居ず
1 蜃気楼消へたる海に波光る(特・如水)
4 掃き清む寺領の庭や竹の秋 池田 京華
2 足湯して新たな一歩竹の秋(特・とも子)
2 蜃気楼恩師の笑顔そこにあり(特・秀水)
2 絹街道栄枯盛衰竹の秋
2 父の顔知らずに生を蜃気楼
2 春の闇自販機ばかり浮きてをり(特・柏泡)
3 独り言呟く老媼竹の秋 中村 如水
3 古家(いえ)軋む音で目覚めぬ夜半の春
2 里山も住宅増えて竹の秋
2 アンカーの声さわやかや春の夜
1 幼き日見し蜃気楼は軍船(ふね)ばかり
1 ざわざわと音してさびし竹の秋
2 奥利根の水さらさらと春の闇 松原 利恵
1 つかの間の気節を告げる春の闇(特・道行)
1 春の闇白衣の天使頬笑みて
1 春の闇ひとつはみどり交叉点
み ん な で 先 生
蜃気楼恩師の笑顔そこにあり 池田 京華
蜃気楼より、春の闇恩師の笑顔そこにあり(利恵)
春の闇親友畏友が消えて逝く 吉田 信
親友畏友どちらかにして、消える事は逝くことと思う故に
春の闇○○畏友が消えてゆく では(利恵)
春の闇黒猫窺う厨口 三浦 秀水
暗がりに黒い猫に意義がある(柏泡)
春の闇渚に寄せる波の音 坂井 翠波
渚であればあえて波が寄せると云わずとも、とも思う(柏泡)
春の闇自販機ばかり浮きてをり 池田 京華
暗い闇のなか自販機の場所のみ明るく浮いている夜景(柏泡)
ざわざわと音してさびし竹の秋 中村 如水
音して「侘びし」では (柏泡)
物の怪の隠れ居そうな春の闇 杉山佐都子
何か薄気味悪し夜道でもある(柏泡)
春の闇狐の嫁入りらしき灯 三浦 秀水
闇の夜遠く灯の連なり狐火にみえたか(柏泡)
らしい灯がおぼろに見えた。春の闇にぴったりの佳句(政子)
「狐火」には別の季節があります(佐都子)
春の闇とくとくとくと酒をつぐ 杉山佐都子
朧の暗い夜、酒をつぐ音だけがとくとくとくと聞こえる風情
人生の孤独を感じます(信)
アンカーの声さわやかや春の夜 中村 如水
ラジオ深夜便のさわやかな声はいやしになりますね(信)
「アンカー」とは新聞配達をする人のことですか?(逸走)
足湯して新たな一歩竹の秋 池田 京華
足湯して新たな人生の一歩という発想か、面白いですね(信)
「足湯」と「竹の秋」の組み合わせに疑問を感じます(逸走)
一と休みしてまた一と踏ん張りのピクニック?(秀水)
蜃気楼この方向はまぼろしか 杉山佐都子
私も現世と幻と区別のない昨今です(信)
酒蔵にモツアルト流れ春の闇 吉田 信
最近のモーツアルトブームは酒蔵まで蔓延、これは春の闇とあるので生演奏ではあるまい。テープ?(翠波)
竹の秋一揆の寺の弾のあと 三浦 政子
秩父路の春の景色である。一揆の寺の措辞に同感した。
可句である(翠波)
烽火(のろし)上りゴビの砂漠の蜃気楼 吉田 信
ゴビの砂漠に蜃気楼があるかどうか承知しないが、このように表現されると納得する(翠波)
春の闇浅く鏡となりし池 薄井 逸走
闇の中に池が鏡となって光っている様が想像でき、美しく怪しい美を感じる(佐都子)
蜃気楼消へたる海に波光る 坂井 翠波
思い出しました。なかなかこの句は素直に感じました(如水)
近づけど届かぬ先の蜃気楼 杉山佐都子
これも云い句だと思う(如水)
石庭の流紋白き春の闇 三浦 秀水
流紋する輪の凸凹が闇に浮き出てほのかにみえる春の闇(政子)
突堤に人影淡し春の闇 坂井 翠波
淡しとまで云わなくてもよいのでは
「人影らしき」位では(政子)
踏み入りし石塀小路春の闇 三浦 政子
「踏み入りし」少々堅い、「迷い込む」位の方がどうか(秀水)
蜃気楼恩師の笑顔そこにあり 池田 京華
幻影をうまくとらえている(秀水)
竹の秋宮司溜りに宮司居ず 坂井 翠波
嵯峨野の野の宮が竹林の中にありぴったしの感じ(秀水)
「春の闇」でも「落ち椿」でも・・・・(逸走)
春の闇シャッター締る固き音 小山田柏泡
金属の固き音、上手な表現です(秀水)
「締まる」「締める」・・送り仮名で状況が変わります(逸走)
春の闇大正琴を調弦す 薄井 逸走
春の闇大正琴の弦を張る または
春の闇大正琴の弦ゆるむ だったかしら(作者)
・蜃気楼はこの歳になってもまだ全くみたこともなく、想像の世界であり(選を)避けました(柏泡)
・素晴らしい句が多く迷いました。 皆様の境涯が羨ましいです。(正彦)
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5 月 句 会(2006)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 5 でで虫の軌跡残して偽らず 小山田柏泡
3 薫風を切って小沼に竿を振る
2 歳老いて偲ぶ祭りの恋しかり
2 でで虫に速き技あり角を引く
1 祭りとて何も変わらぬ今朝の膳
1 園児等の黄色い声や風薫る
1 川釣りの魚籠に魚なく風薫る
4 荒神輿ぐらりと揺れて動きけり 坂井 翠波
3 薫風や大吊り橋を揺らしつつ
3 薫風を纏ひ幼女の走り来し(特・信)
2 自治会長子供御輿に添ひて来し
2 薫風や社殿に高き槌の音
1 祭獅子村社の磴を練り登る
1 祭笛聞きておのずと指反らす
4 薫風の軽さ捉へて熱気球 三浦 秀水
2 仲店の通り狭しと神輿舁(かき)
2 禰宜溜り祭稽古の笛の音
2 青き海光る回廊風薫る
1 薫風や神官の袴ふくらみて
1 みどり児の乳のにおいや風薫る
3 投薬の口に馴染みて風薫る(特・正彦) 杉山佐都子
2 病室の午後の静けさ祭り行く
2 字の太き祭提灯目立ちおり
1 祭引く白き鼻すじ稚児の顔
1 母と子の白き上衣や風薫る
1 ふるさとの祭かすかなこの齢
2 初めての駅と思へず風薫る 薄井 逸走
2 薫風や三の丸から二の丸へ
2 薫風やバス停三っつ歩きけり(特・佐都子)
1 薫風や水田に芥吹き溜まる
1 深山には深山の風の薫りくる
1 マンションの五十三階風薫る
8 半纏を着るや祭りの顔となる(特・京華) 吉田 信
3 道のりは無明の長旅蝸牛
3 日が暮れて平家の里の祭笛
2 薫風や乾坤(けんこん)すべてさみどりに(特・翠波)
2 かたつむり「幾山河」の歌碑登る(特・逸走)
4 宵祭町屋は襖開放つ 池田 京華
3 家背負ひ前進一途蝸牛
2 薫風や海に向ひし瓦屋根
2 薫風や清里高原牛の声(特・利恵)
1 平安の昔に戻り山車を曳く
4 薫風やローカル線の時刻表(特・柏泡) 三浦 政子
1 かたつむり磯の広葉に安らぎし(特・秀水)
1 風薫り犬も引かれて陶器市
1 かたつむり不意に雨きて雨去りぬ
1 樽たたき祭ばやしのひとりたり(特・如水)
3 生あらば三社祭に馳せる君 中村 如水
1 バスの旅秩父連山風薫り
1 朝食もそこそこ祭はせ参ず
1 薫風や城址が丘の坂きつし
1 祭果つすでに周囲は静まりて
3 合併で市となる村の祭笛 松原 利恵
3 風薫る少し派手目な旅衣
2 薫風に五感はたらく老夫婦
2 君に恋う人生行路風薫る
1 薫風や回廊めぐるツアー客 中村とも子
1 風薫るペダル踏む足宙にうく
1 風薫る孫来たるらし声ひびく(特・庄子)
1 薫風を胸いっぱいにいろは坂
6 夏祭り車椅子から手が踊り(特・とも子) 光墨 庄子
1 無縁墓守る叢(くさむら)しゃがの花
1 君逝きて風薫るなか立ちつくす 稲葉 正彦
み ん な で 先 生
夏祭り車椅子から手が踊り 光墨 庄子
踊りが好きな人かしら(如水)
車椅子で踊りに参加したのだろうか、観客だろうか、祭によく見られる風景である(柏泡)
薫風やバス停三っつ歩きけり 薄井 逸走
薫風の中気持ちよく歩いている様子、体にいいですね(佐都子)
薫風や清里高原牛の声 池田 京華
風に乗って、モーと聞こえてくるような句(利恵)
清里高原という固有名詞を出す意味が見えません(逸走)
でで虫に速き技あり角を引く 小山田柏泡
のろのろしたかたつむりの敏捷性をとらえたのは見事です(信)
薫風を切って小沼に竿を振る 小山田柏泡
薫風を切るという表現がいいですね(信)
薫風やローカル線の時刻表 三浦 政子
薫風のなか旅をして数少ないローカル線の時刻表を眺め長時間待っていたことだろうか(柏泡)
初めての駅と思へず風薫る 薄井 逸走
ローカル線の時刻表の句と同じ作者であろうか、そこで見た時刻表(柏泡)
半纏を着るや祭りの顔となる 吉田 信
半纏を纏えば祭の顔となり では(柏泡)
半纏を纏い祭の顔となる では(逸走)
宵祭町屋は襖開放つ 池田 京華
宵祭部屋の襖を開け放っての祭ならではの風情である(柏泡)
風薫る少し派手目な旅衣 松原 利恵
風薫る爽やかな日が今年は少ない、こんな光の弱い時は派手なものがよいと、ある女性も話していた(柏泡)
薫風や乾坤(けんこん)すべてさみどりに 吉田 信
乾坤は少し硬く感じられるが(柏泡)
乾坤・・・すなわち、「すべて」、では?(逸走)
仲店の通り狭しと神輿舁 三浦 秀水
御輿舁を神輿舁に訂正します(作者)
「舁」始めて知りました、辞書にあるのだろうか、教えていただければ(柏泡)
(駕籠舁き・・カゴかき、の舁、とのことです)
荒神輿ぐらりと揺れて動きけり 坂井 翠波
荒神輿の瞬間の動きを捉え見物の目を引きつけている(政子)
荒神輿大きく揺れて動き出す では(逸走)
自治会長子供御輿に添ひて来し 坂井 翠波
本当に見ていて実感がこもっている(政子)
自治会長子供御輿を先導す では(逸走)
日が暮れて平家の里の祭笛 吉田 信
祭笛に何か哀愁めいたものがこめられて好きな句です(政子)
薫風や大吊り橋を揺らしつつ 坂井 翠波
大吊り橋が動くかどうかは別として あたりの風景の大きさ薫風の心地良さが感じられる(政子)
薫風の大吊り橋を吹き抜ける(逸走)
さいたまに緑したたる欅あり 光墨 庄子
彩の国緑したたる欅あり では(複数から)
祭笛聞きておのずと指反らす 坂井 翠波
「おのずと」であれば「指の反る」では?
それにしても、おのずと、の使い方はこれでいいのだろうかと思うのですが(逸走)
風薫り犬も引かれて陶器市 三浦 政子
「も」の使い方は別として、陶器市と犬との組み合わせに面白さを感じません。
陶器市が露天なら風は薫ると思うのですが、犬が引かれている必要はないのでは?(逸走) かたつむり磯の広葉に安らぎし 三浦 政子
確かに、海辺にも蝸牛はいるが、安らぐことと、海辺、に俳句らしいつながりが感じられません(逸走)
祭引く白き鼻すじ稚児の顔 杉山佐都子
「祭引く」に無理があるのは別として、「稚児」とはどんな子を指すのでしょう。
鼻すじを白く塗って祭に参加するような子は稚児とは言わないでしょう(逸走) かたつむり「幾山河」の歌碑登る 吉田 信
想像できます。大きさの差が俳句らしくていい(逸走)
薫風に五感はたらく老夫婦 松原 利恵
視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚、が五感ですが、薫風でこの五感が働いたのでしょうか? なぜ老夫婦なのでしょう。
窓開かぬ新幹線や風薫る 薄井 逸走
それでも風が薫っているのですが・・・・(逸走)
●先月の句
アンカーの声さわやかや春の夜 中村 如水
アンカーとは、アナウンサーのことです(如水)
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6 月 句 会(2006)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 6 走り根の高さを越えず苔の花(特・佐都子) 薄井 逸走
5 十薬の刈り残されてゐる白さ
5 流されてゐるとも知らず水馬(特・政子)
4 緑陰や表情変へぬ石の裸婦(特・信)
4 噴水の形を変へる音変へる
3 紫陽花は知っているのか己が色
2 十薬の一花なれば可憐なり(特・如水)
6 緑陰に遅れて来たる笑顔かな(特・とも子) 池田 京華
3 蹴り上げるボールは高き青葉風
2 いくつなる今年の出来は柿若葉
2 城郭を覆ふ新緑掘深し
2 一筋の瀧に打たれてただ祈る
1 高原を走る車窓の山つつじ
1 山を割り襲い来るかや瀧落つる
3 吹き上がり落下する水新樹光(特・利恵) 中村とも子
3 万緑の中に突然裸婦の像
2 万緑や一足さきに一人じめ
2 水底に映れる緑こくなれり
2 梅雨晴間人間ドックの結果くる
1 噴水や憩いのひととき刻々と(特・柏泡)
3 しゃぼん玉まず子に吹かせ親が吹き 杉山佐都子
2 青葉下旧校跡や青春像
2 緑陰の奥に聳ゆる美術館
2 噴水の光り透かして落ちて行く
1 菩提樹の花踏み詫びて南無阿弥陀
1 万緑や県展の文字人目引く
6 緑陰や立つも座るも声あげて 松原 利恵
3 緑立つ恭慶館の紋所(特・京華)
1 茂りより人物像の横たわる
1 噴水は曲と光のアイディア
1 匂ひくる園の緑風かみしめて
5 百態に噴水空へおどりけり(特・正彦) 坂井 翠波
4 縺れつつ空に消へたる夏の蝶 坂井 翠波
3 十薬や園の一隅輝かす
2 葉桜や裸婦像黒き肌光る(特・秀水)
1 園辿る汗納めんと美術館
4 噴水やいつも誰かが人を待つ(特・郁子) 吉田 信
3 緑陰や葷酒許さぬ門構へ
2 噴水にワルツときめく孤老あり
1 新緑や水車に昭和の匂いあり
1 青葉風旅を歩いて老いゆくや
3 原生林左右に切裂く滝しぶき 三浦 秀水
1 新緑を背なに御巣鷹慰霊塔
1 狭き庭更に狭ばまる柿若葉
1 湿原の水は動かず新樹風
1 雨を得て滝の賑わい女客
5 試歩の子の距離保ちつつ夏の鳩 三浦 政子
3 雀の子飛び交う虫を追いきれず
2 泣いている子に噴水の突あがる(特・逸走)
1 薫風や鳩の群れ追う襁褓の子(特・翠波)
3 緑陰を歩けるよろこび杖ついて 光墨 庄子
1 噴水の音をもとめていそぎ足
1 孫の手をしっかり握り滝の音
1 老いの園沿いてつゝじの小道あり
4 噴水は綾にもつれて池に入る 中村 如水
1 梅雨空を案じつ吟行駅に立つ
1 緑陰でペットと遊ぶ人あまた
7 天をさす乙女の像や夏木立 松園 郁子
2 園庭の靴の湿りや梅雨寒し
1 噴水や影の力を知るよしも 小山田柏泡
1 園の池緑に水面染まりおり
み ん な で 先 生
十薬や園の一隅輝かす 坂井 翠波
あの十薬の白、私もはっきり見ました(利恵)
雀の子飛び交う虫を追いきれず 三浦 政子
小さい雀の子の様子 良く出てますね(利恵)
緑陰の奥に聳ゆる美術館 杉山佐都子
美術館の反対色私も気がつきました 目に浮かびます(利恵)
吹き上がり落下する水新樹光 中村とも子
噴水の季語が入っていないけどとてもその様子が新樹光で良く出ていると思い特選としました(利恵)
流されてゐるとも知らず水馬 薄井 逸走
かすかな流れに目を止め水馬に向けている心があたたかい
(政子)
緑陰に遅れて来たる笑顔かな 池田 京華
遅れてきた笑顔に何とも親しさが湧く(政子)
茂りより人物像の横たわる 松原 利恵
万緑の茂りの中突然目に飛び込んで来た横たわる像に想像をかき立てられる(政子)
緑陰でペットと遊ぶ人あまた 中村 如水
確かに大勢の方がペットを連れており、ブリーダーの方かと感じるものもありました(佐都子)
俳句らしく「緑陰や」としては?(逸走)
いくつなる今年の出来は柿若葉 池田 京華
たくさん落ちてしまうの で本心です(佐都子)
走り根の高さを越えず苔の花 薄井 逸走
苔の花を的確にとらえていると感じ頂きました(佐都子)
梅雨空を案じつ吟行駅に立つ 中村 如水
本心 昨夜から案じていました(佐都子)
園辿る汗納めんと美術館 坂井 翠波
私も同じ事をして入りました(佐都子)
緑陰や表情変へぬ石の裸婦 薄井 逸走
自然に石の裸婦に触りたくなり触ってきました(佐都子)
ミロの傑作の表情は変わらないが、四季は移っていくよい句です(信)
十薬の一花なれば可憐なり 薄井 逸走
十薬は私の好きな花です(如水)
緑陰や立つも座るも声あげて 松原 利恵
自分も思わず声を上げることがある。同感(翠波)
水底に映れる緑こくなれり 中村とも子
緑陰と云わずに緑で表現したのが技巧である(翠波)
薫風や鳩の群れ追う襁褓の子 三浦 政子
幼児の見つめる親の目のやさしさを感じる(翠波)
鳩を追っているのか、鳩に遊ばれているのか、この点が表現で きたら更にいいと思うのですが(逸走)
原生林左右に切裂く滝しぶき 三浦 秀水
雪どけの水のはげしい滝しぶきが表現された佳句(信)
試歩の子の距離保ちつつ夏の鳩 三浦 政子
子供と鳩、どちらが主体なのかはっきりさせたい。
試歩の子へ距離を保ちつ夏の鳩 では?(逸走)
噴水の音をもとめていそぎ足 光墨 庄子
噴水の音にひかれていそぎ足 では?(逸走)
泣いている子に噴水の突あがる 三浦 政子
「突あがる」は「突き上がる」とすると分かりやすいのでは?
情景が浮かぶ佳句なのに人気がなかったのは、下五の表現に原因があるのかも知れない(逸走)
同じように
天をさす乙女の像や夏木立 は「天を指す」
万緑や一足さきに一人じめ は「一足先に」
梅雨晴間人間ドックの結果くる は「晴れ間」
とすると、分かりやすい句になると思う。
更に、
いくつなる今年の出来は柿若葉 では、
「幾つ成る」のか「幾つなのだろうか?」という事さえも分からない。
しゃぼん玉まず子に吹かせ親が吹き 杉山佐都子
その通りの情景だったのでしょうが、親が子供に手本を示して吹いて見せた、とすれば、初めてしゃぼん玉を吹く子、という要素が加わると思う(逸走)
雨を得て滝の賑わい女客 三浦 秀水
滝を見に雨の中を行ったのではないだろう、女客がいて滝が賑わったのだろうか、よく分からない句である(逸走)
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7 月 句 会(2006)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 2 夏暖簾そっと持ち上げ覗き見る 小山田柏泡
2 染め抜きの屋号すっきり夏暖簾
2 夏暖簾透けて茶店の薄灯り
1 夏暖簾潜ればこの家の匂いくる
1 色褪せし峠の茶屋の夏暖簾
1 夏暖簾隣の部屋の酒の膳
1 麻織の感触顔に夏暖簾
1 麻暖簾透かして裏の露地の苔
5 声透る老舗女将や夏のれん(特・秀水) 松園 郁子
3 夕厨猫のすり寄る素足もと(特・如水)
2 湯に急ぐ素足喜ぶ宿の廊
2 紺法被粋な売り娘や鬼灯市
1 盥水無心に遊ぶ跣の子
1 引かされて四万六千日の湧く人出
1 遠き日の跣で踏みし濯ぎ物
3 夏暖簾老舗の倉に続く土間 三浦 秀水
3 夏暖簾マダムは白の割烹着(特・庄子)
2 売れ残る鉢鬼灯の色疲れ
2 裾からげ寄せ波引き波跣足の子
1 草相撲跣足で軍配ふる行司
1 温泉めぐりや素足にさわさわ夜の風
1 麻暖簾透けて厨の洗い桶(特・秀水)
7 夏のれんくぐれば風が蹤(つ)いてくる(特・とも子)吉田信
3 風あれば風に順(したが)ひ夏のれん
2 無の一字利休ねずみの夏暖簾
2 初恋は小学四年跣の子(特・政子・逸走)
1 跣の子昔線路に耳を当て
1 夢の文字藍染めぼかし夏暖簾
5 跣足の子早少年の顔見せて(特・郁子) 三浦 政子
5 待てといふ声より早き跣足の子
4 酔客の垣間見えたる夏のれん
3 履き初めの下駄にこめいる素足かな
2 着飾って老女一連夏のれん
2 胎の子と鬼灯市の夫婦たり
5 折り皺の残りゐるなり夏暖簾(特・佐都子) 薄井 逸走
1 摺り切れてゐしが歴史や夏暖簾
1 居酒屋の奥を分けゐる夏暖簾
1 店の名は小さく右下夏暖簾
1 絵手紙の鬼灯すでに色付いて
1 鰻屋の遅き昼餉や暖簾奥
4 老舗の名頑固に守る夏暖簾 杉山佐都子
3 一見(いちげん)の客お断り夏暖簾(特・泰子)
2 客のみな屈む中腰鬼灯市(特・稔子)
1 流行のミュールは素足音ひびく
1 山羊追いの荒野の大地裸足の子
4 湯上がりの裸足になじむ宿の下駄 池田 京華
2 鬼灯を抱え乗り込む銀座線(特・翠波)
2 観音も鬼灯市に眼を細め
1 畦行けば裸足に草の感触が
1 夏暖簾母子(おやこ)でくぐるあんみつ屋
6 夏暖簾老舗の屋号揺れてをり(特・信) 坂井 翠波
4 岩を跳ぶ少女素足の光をり
3 父祖の紋伝へられゐし夏暖簾
2 マニキュアの細き素足で闊歩せり
2 ペタペタと跣足の幼女の歩く様 中村 如水
1 爪先を雨に濡らして素足の子
1 繁華街淑女の素足のうつくしき
2 一ツ角曲がれば鬼灯市の駅 松原 利恵
1 大らかに肩に触れたる夏暖簾
1 住み惚れて心洗わる夏暖簾
4 かけ替へて憂きこと忘れ夏暖簾 八束 稔子
1 寄せる波引く波跣足の少女かな
1 ほおずきの市はあうんの仁王かな
2 逃げてく子追ってく親もはだしなり(特・利恵) 小宮 泰子
1 明日も又くぐるのれんのなじみ客
1 足裏で土のかおりを感じとる
4 ほおずき市行き場なくした迷い猫 中村とも子
1 はだしの子大地ふみしめ強くなれ
2 送り来て一人の部屋の盆の月 光墨 庄子
2 一盃が忘れられずに麻暖簾
み ん な で 先 生
夕厨猫のすり寄る素足もと 松園 郁子
あまえてすり寄る情景が目に浮かぶ(柏泡)
ほおずき市行き場なくした迷い猫 中村とも子
ほおずき市の賑わいの様子が目に浮かぶ(柏泡)
折り皺の残りゐるなり夏暖簾 薄井 逸走
まだ糊のきいた新しい暖簾、よく見られる。 折り皺を、布であるから「畳み皺」では(柏泡)
今年の梅雨は長い。毎日雨、暖簾にもたたみ皺が残るとは暫く出さなかったと思う(利恵)
折り皺にひかれました(佐都子)
老舗の名頑固に守る夏暖簾 杉山佐都子
元祖・本舗・本店等の老舗はその名を暖簾に染めているのがみられる(柏泡)
酔客の垣間見えたる夏のれん 三浦 政子
暖簾と酔客何でか絡み合った日本の酒場の風情である(柏泡)
一ツ角曲がれば鬼灯市の駅 松原 利恵
駅までのみち鉢を気遣いながらの気持ちが現れている(政子)
ペタペタと跣足の幼女の歩く様 中村 如水
ペタペタが良い、目に浮かぶようです(政子)
初恋は小学四年跣の子 吉田 信
昔の子供の頃の様子が目に残り、みんな跣だったなつかしい思い出(政子)
作者は男性だった。裸足の腕白に惚れたのかと思った(逸走)
観音も鬼灯市に眼を細め 池田 京華
観音様の頬笑みにかけた面白さ(秀水)
ほおずきの市はあうんの仁王かな 八束 稔子
浅草雷門を通りほうずき市へよくわかります(秀水)
客のみな屈む中腰鬼灯市 杉山佐都子
植木市も同じようですね中腰で長々の説明がうれしい(秀水)
声透る老舗女将や夏のれん 松園 郁子
声透る老舗の女将夏のれん(翠波)
しゃっきりとした女将の一声、暑さのとぶ良い句です(秀水)
明日も又くぐるのれんのなじみ客 小宮 泰子
今日も又くぐるのれんのなじみ客 でしょう(秀水)
夏暖簾マダムは白の割烹着 三浦 秀水
涼しそうな白い割烹着。真砂女の句を思い出しました(信)
秋刀魚焼く煙りの中の割烹着 鈴木真砂女
割烹着とマダムは異質の世界、合いません(逸走)
引かされて四万六千日の湧く人出 松園 郁子
四万六千日(に)と(の)の助詞を替えると湧くが一層生きると思います(信)
夏暖簾老舗の屋号揺れてをり 坂井 翠波
のれんを下ろすというと店じまいを意味しますが、意味深長で すね(信)
跣足の子早少年の顔見せて 三浦 政子
子供の成長は早い、まったく同感です(信)
風あれば風に順ひ夏のれん 吉田 信
のれんそのものの姿(佐都子)
摺り切れてゐしが歴史や夏暖簾 薄井 逸走
のれんは歴史か重みか、感じられる(佐都子)
鬼灯を抱え乗り込む銀座線 池田 京華
地下鉄銀座線を謳うことで浅草鬼灯市のことが分かる可句と思う(翠波)
一見の客お断り夏暖簾 杉山佐都子
京都のたゝずまいを想いました(泰子)
胎の子と鬼灯市の夫婦たり 三浦 政子
胎の子と鬼灯市の客となる では(逸走)
着飾って老女一連夏のれん 三浦 政子
着飾って老女のくぐる夏のれん では(逸走)
●用語解説
ミュール 女性用の突っかけ風サンダル。駅などの階段をカンカン下りるので嫌われている。
マニキュア ラテン語の手(マニ)と手入れ(キュア)が語源。 足の指に塗るのは、ペデキュア。 ペディ(足)
女将 お上、御上、とも書くが、料理屋や旅館の女主人は女将。 マダムは酒場の女主人でフランス語。
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