このホームページに掲載した俳句(映像)の著作権はそれぞれの作者にあります。転載引用には十分注意下さい。





紫陽花


.

     6 月 句 会(2007)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)
                   
5 雨戸閉め青蛙鳴く夜を隔つ           坂井 翠波
2 モネ展へ日傘たたみて列に就く
1 石像の笠に落花や夏椿
1 夕風の生れし棚田に雨蛙
1 雨残る枝に揺れおり青蛙
1 青蛙鳴きて乾田(ほしだ)に雨を呼ぶ
1 菩提寺の沙羅の開花を仰ぎおり(特・政子)
1 軒ごとに沙羅を咲かせて新開地
 
 
5 かすかなる香り残してゆく日傘(特・利恵)   八束 稔子
4 野仏に日傘の欲しい日の盛り
4 せいいっぱい構えて雨後の青蛙
3 動かずば草と見紛う青蛙
3 咲きそめてはや散る運命(さだめ)沙羅の花
2 一人待つ日傘の女(ひと)や無人駅
1 日傘さす女のうなじの白々と
 
 
6 霊園の径譲り合ふ日傘かな           薄井 逸走
6 要介護三となりゐて日傘古る
3 甘味茶屋熱き日傘をたゝみ入る(特・郁子)
2 犬の名を尋ね日傘を傾ける
1 地下道を出でて日傘の眩しけり
1 雨蛙跳ね行く先の別世界(特・佐都子)
 
 
3 煎じ薬たぎり何処ぞに雨蛙           三浦 政子
2 青蛙墨田河畔の戦災碑
2 この齢母の日傘を杖として(特・秀水)
2 子を守りし古い日傘に残るしみ
1 老なおも憧れごころ夏椿
1 夕どきのこころ忙しき雨蛙
 
 
6 雨蛙目玉ぐりぐり顔思案            池田 京華
2 ベル押せば小さき声する沙羅の雨(特・逸走)
1 絵日傘に誘はれ入る店構へ
1 沙羅の花敷きし古刹の奥の院
1 人力に乗りし懐古の日傘さす
 
 
3 雨蛙一ト声鳴いてそれっきり          小山田柏泡
3 旧道の荒れ放題や沙羅の花
2 雨蛙予報はずれし昼下がり
1 車椅子押す手で日傘さしかけし
1 通院に日傘重たき薬袋
 
 
3 沙羅双樹寺に掲示の教へかな(特・京華)    松園 郁子
3 尼寺の低き山門夏椿
2 海光の棚田展けり青蛙(特・翠波)
1 犬を抱き矢切りの渡舟白日傘
1 夏椿散り敷く雨季の墓参かな
 
 
3 太っちょの女はみ出す日傘かな(特・信)    三浦 秀水
3 田一枚残る団地の青蛙(特・稔子)
1 散りてなお無情の雨よ夏椿
1 夏椿散りてころがる野点席
1 吊り下がる日傘華やぐ売場かな
 
 
4 雨蛙小さく跳んで水に浮く           松原 利恵
2 片寄せて母と歩みし古日傘
1 雨ふふむ風引き寄せる雨蛙
1 瀬の流れかえり見ず跳ぶ雨蛙(特・柏泡)
 
 
4 沙羅の花咲き坪庭をあかるくす         中村 如水
1 朝茶事の床にかざりし沙羅の花
1 沙羅の花ポストに友の訃の知らせ
1 雨蛙迎えて呉れる夕の道
 
 
4 無住寺や高僧のごと蟇(がま)黙す(特・如水) 光墨 庄子
2 我が庭の蟇と思へばいとしけり
1 遠き日よ日傘くるりと琴けいこ
 
 
2 待たせてはならぬお人か日傘急く        吉田  信
1 友の忌や止むこと知らぬ雨蛙
1 露の世の闇に浮かべり沙羅の花
 
 
1 沙羅の白浄土に還す朝の僧           杉山佐都子
1 通院に寄り添う日傘優し白
1 雨蛙喉の動きの止めば跳び
 
 
3 夏椿隣の家はいつも留守            中村とも子
1 牧草と一つ色なり雨蛙
 
 
 
   み  ん  な  で  先  生
 
荒星の影留め沙羅の花落つる            小山田柏泡
  荒星=澄みきった、秋から冬の星のような、きら星でなく、夏のぼんやりとした数少ない星を荒星とした。私の感じ(柏泡)
 
瀬の流れかえり見ず跳ぶ雨蛙            松原 利恵
  おどろいた蛙が流れに跳び込み流れゆく姿が目に見える(柏泡)
 
かすかなる香り残してゆく日傘           八束 稔子
  和服の女性ほのかに匂う香水日傘がひきたつ、
  風情あっていいですね(利恵)
 
無住寺や高僧のごと蟇(がま)黙す         光墨 庄子
  蟇がしゃしゃり出てキョトンとしている目玉が見えるようです(利恵)

この齢母の日傘を杖として             三浦 政子
  私に作れなかった、ありがとうございます(利恵)
 
雨蛙目玉ぐりぐり顔思案              池田 京華
  逃げ足の遅いおっとりとした蛙をよく観察している(政子)
 
菩提寺の沙羅の開花を仰ぎおり           坂井 翠波
  菩提寺なればこその沙羅に寄せる思いが現れている(政子)
 
甘味茶屋熱き日傘をたゝみ入る           薄井 逸走
  日盛りの町を歩き目にした茶店に熱き日傘をたたむ、
  その時の心情が分かるような気がします(郁子)
 
通院に寄り添う日傘優し白             杉山佐都子
  寄り添う日傘の白やさし  では(秀水)
 
雨戸閉め青蛙鳴く夜を隔つ             坂井 翠波
  語呂がよくないので、「青蛙鳴く」を「蛙鳴く声」では(秀水)
 
モネ展へ日傘たたみて列に就く           坂井 翠波
 
  モネー展日傘たたみて列に就く   としたら(秀水)
  
  入館待つ日傘の列やモネー展(三浦秀水)
    この句の方が情景にあっていると思うのですが、
    なぜ人気がなかったのでしょう(逸走)
 
太っちょの女はみ出す日傘かな           三浦 秀水
  俳句をユーモアから見れば大変ユニークです(信)
  ユーモアが過ぎると川柳になります(逸走)
 
田一枚残る団地の青蛙               三浦 秀水
  遊行柳の句を思い出す佳い句(信)
 
  田一枚残す団地や青蛙  では(逸走)
 
犬の名を尋ね日傘を傾ける             薄井 逸走
  犬好きで日傘を傾けて犬にしゃがむ仕草が目に浮かぶ(政子)
 
煎じ薬たぎり何処ぞに雨蛙             三浦 政子
  「何処ぞ」、「に」を抜いたら(秀水)


<最初に戻る>


このホームページに掲載した俳句(映像)の著作権はそれぞれの作者にあります。転載引用には十分注意下さい。




百 合




.      7 月 句 会(2007)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)

  
5 夕焼けて赤提灯のはやともる(特・柏泡)    三浦 政子
3 夕焼けて海に残照ただよわず
3 夕焼けて窓いっぱいの日本海
2 雲の峰古城と対峙津軽富士
1 夕焼けて土手の陰影母子らし
1 雲の峰山湖に抹茶接待所
1 掬われしよりの運命(さだめ)の金魚かな
1 夕焼けて禁密入国といふ港
 
 
4 一匹の金魚に大きすぎる鉢(特・政子・佐都子) 薄井 逸走
3 帰り来て金魚袋の吊しどこ
2 夕焼けを光背にして摩天楼(特・信)
2 金魚見る金魚もこちら見てをりし
1 輪郭と云ふはこのこと雲の峰
1 夕焼けを待てば夕焼けしてくれず
1 金魚屋の並ぶ横丁赤動く
1 水少し酸素いっぱい金魚着く
 
 
3 原生林抜けて白神雲の峰            三浦 秀水
3 夕焼けや烏賊釣り船の集魚灯
1 雲の峰柏手谺す神の山
1 夕焼けや毘沙門堂の憤怒像
1 夕焼ける白銀灯台紅をさし
1 雲の峰津軽旅篭に灯が点り
1 手を添えば孫の手柔らか金魚追う
1 夕焼雲廃墟の番屋夢の跡
 
 
5 石ひとつ山の神とし雲の峰(特・郁子)     杉山佐都子
4 なかなかに掬えぬ金魚水重し(特・逸走)
4 夕焼背に定年のなき野良着脱ぐ(特・稔子)
3 大夕焼大草原をひと包み(特・とも子)
2 総硝子ビル夕焼けの立方体
1 水槽の金魚の肥満笑いたり
 
 
5 大陸の大夕焼やゆきし戦友(とも)(特・利恵) 吉田  信
3 残されし金魚とその日ぐらしかな
3 信濃より甲斐を窺(うかが)ふ雲の峰
2 掬われる目玉小さき金魚かな          吉田  信
1 帰り道金魚掬ひにもう一度
1 雲の峰呪縛(じゅばく)とかれて崩れけり
 
 
5 白球に喚声高き雲の峰             池田 京華
3 舟下り櫂さす船頭雲の峰(特・秀水)
2 大夕焼明日の旅立ち吉なりし
1 らんちゅうの動きは鈍し王のさま
1 雲の峰栄枯盛衰天守閣
1 夕焼に染まりし富士は湾に立つ
 
 
5 連山を眼下に育つ雲の峰            坂井 翠波
2 夕焼けや秘話秘めて立つ海難碑
2 夕焼けの老松染めし風岬
1 航跡の白波光る雲の峰
1 島岬灯台染めて夕焼けし
 
 
3 夏雲や俗世をにらむ阿吽(あうん)像       松園 郁子
2 声の湧くきらめく海や雲の峰
1 夕焼や湿り持ちたる馬場の砂
1 金魚釣る膝頭並ぶ夜店かな
1 梵鐘の影絵の如し夕焼る
 
 
3 入道雲せまりくるよにうつ太鼓         光墨 庄子
2 雲の峰光と音をともないて
1 老の園金魚の折紙童女なり(特・翠波)
1 曾孫は金魚のおべべお気に入り
1 水平線入道雲が気になりて
 
 
2 睨まれし地上は術なし雲の峰          小山田柏泡
1 熱冷めて物置小屋の金魚鉢
1 夕焼けて湖刻々と色変えて
1 迫りきて頭上で崩れし雲の峰
 
 
2 あみ破れそれでも金魚すくいの子        八束 稔子
1 夕焼や空ろな心揺れるとき
1 競いても所詮儚き金魚鉢
1 雲の峰つぶされそうな農の人
 
 
3 病窓の夕焼け空を真向に(特・如水)      松原 利恵
1 足音に金魚そうそうつどい来し
1 一陣の風追いかくる雲の峰(特・庄子)
 
 
2 一匹の金魚見ている婆の顔           中村 如水
2 支那海の夕焼あびる慰霊の碑
1 雲の峰水平線に戒克(ジャンク)見ゆ
 
 
1 雲の峰ふるさと遠くなるばかり         中村とも子
 
 
 
 
   み  ん  な  で  先  生
 
夕焼けて赤提灯のはやともる            三浦 政子
  街角の情景が目に浮く(柏泡)
 
大陸の大夕焼やゆきし戦友             吉田  信
  大夕焼を にしたらどうでしょう(利恵)
 
  先の大戦で戦死した戦友のことが忘れられないということか。
  私も身につまされる思いがする(翠波)
 
老の園金魚の折紙童女なり             光墨 庄子
  養老院で無心に金魚の折紙を折っている老女の姿が
  何か哀れである(翠波)
 
夕焼けを光背にして摩天楼             薄井 逸走
  光背ということばに驚きました(信)
 
大夕焼大草原をひと包み              杉山佐都子
  満州の夕焼けを思い出します(信)
 
金魚屋の並ぶ横丁赤動く              薄井 逸走
  赤が活きていますね(佐都子)
 
帰り来て金魚袋の吊しどこ             薄井 逸走
  そのものズバリです(佐都子)
 
夕焼背に定年のなき野良着脱ぐ           杉山佐都子
  夕焼けや定年のなき野良仕事  では?
  「夕焼」「背」「定年」「野良着」「脱ぐ」要素が多すぎます。
  推敲が足りないと言いますか、読み返していないのではないかと思われます。(逸走)
 
白球に喚声高き雲の峰               池田 京華
  「喚声」は逃げまどう声です、喜びの声の「歓声」では?

舟下り櫂さす船頭雲の峰              池田 京華
  「櫂」は舟に付いているもので、さすのは「棹」では?
  櫂の場合は、「さばく」です(逸走)
 
雲の峰水平線に戒克(ジャンク)見ゆ        中村 如水
  「戒克は香港などのある帆掛け船」と言いましたが、
  中国の地名にもあるようです(逸走)
 
老の園金魚の折紙童女なり             光墨 庄子
  折紙の金魚は季語になるのでしょうか? という疑問が出されました。「金魚のおべべ」も同じです。
  これを機会に、調べてみましょう(逸走)


<最初に戻る>



このホームページに掲載した俳句(映像)の著作権はそれぞれの作者にあります。転載引用には十分注意下さい。





オクラの花




.      8 月 句 会(2007)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)

7 昼顔の廃土の山を攻め登る(特・政子)     松園 郁子
7 並び立つ褪せし幟や秋暑し(特・京華)
4 子等の靴垣根に干され赤トンボ(特・庄子)
2 秋暑し一間間口の露天商
2 夕顔や砂場に玩具の忘れもの
2 バンカラの師範の像や赤トンボ
2 へらへらと猫の逃げ込む残暑かな
1 昼顔や足裏焼く浜大股に
 
 
5 赤子泣き口一杯に秋暑し(特・逸走)      杉山佐都子
3 ポスト開け中より残暑伝わりし
2 水に触れしぶきに遊ぶ鬼やんま
1 脇役で良し昼顔や砂乾く
1 親しげに止るベンチの赤蜻蛉
1 流れ藻に低空飛行鬼やんま
1 秋暑し麻の上着に皺目立ち
 
 
3 残暑なか渡る風あり大欅(特・利恵)      光墨 庄子
3 終電の音遠ざかる残暑かな
2 昼顔の遠き彼方に水平線
2 人影の見えぬ街道残暑なり
2 思考力ぱったり停まる残暑かな(特・信)
1 赤とんぼなぜか空襲思い出し
1 昼顔をぬって走りし海碧し(特・翠波)
 
 
3 止まろうかよそうかトンボ杭の先        八束 稔子
2 昼顔のまつわり咲けり石佛
2 銃後いう遠き昔や赤トンボ
2 髪切ってひととき憩う残暑かな
2 気だるさの残る残暑の目覚めかな
1 母送る塩辛トンボの背にのせて
1 老境の老眼が曇る残暑かな
 
 
5 昼顔の鉄路の柵を飾りたる(特・稔子・如水)  三浦 秀水
3 乱れ咲く昼顔淡き駅の柵
2 湿原の千草を渡る蜻蛉かな
1 蜻蛉湧く高原の風情深まりぬ     
1 バーゲンに妻とはぐれし残暑かな
1 天空に竿唸らせて蜻蛉つり
 
 
2 ロープウェイ残暑を下界に忘れ来し       坂井 翠波
2 蜻蛉の触れつ離れつ高みけり
2 昼顔やフェンスへ低く絡み咲く
2 秋暑し夜雨欲りいる閑居かな
1 川下る残暑の空を仰ぎつつ
1 水に触れ池に映へつつあきつ飛ぶ
 
 
5 つくばいの水に尾を打つ赤とんぼ        松原 利恵
4 秋暑し通院の道かえてみる
2 病み上る肌に残暑のにじみをり
1 昼顔や不在の垣根夕明り
1 秋暑しつかねばならぬ小さき嘘
 
 
4 秋暑し安楽死にも入門書(特・とも子)     吉田  信
3 とんぼの目廻して何もかも遠し
2 何事か変る予兆か猛残暑
1 赤とんぼクレーンの先のガラス拭き
1 クリスティの推理にひたり残暑消す
 
 
4 赤とんぼ群れて風無き草の原          薄井 逸走
2 吊り橋の揺れ収まりて赤とんぼ
2 川に浮く空き缶追いて赤とんぼ
1 赤とんぼ展望台の双眼鏡(特・佐都子)
1 赤とんぼ一両電車行く野原
 
 
4 秋暑し腹つき出してくる男(特・秀水・郁子)  三浦 政子
2 秋暑し腹這ひの犬抱き帰る
1 赤トンボ各駅停車山の駅
1 蜻蛉の仏背負うてをるといふ
 
 
1 だらだらと無意味に送る秋暑し         池田 京華
1 排気ガス浴びる昼顔分離帯
1 植田原過ぎ行く風や秋暑し
1 秋暑し水分補給に余念なく
 
 
1 目をまわすとんぼに向ける指一本        中村とも子
1 とんぼうや高原の空広がれり(特・柏泡)






   み  ん  な  で  先  生
 
秋暑し腹つき出してくる男             三浦 秀水
  如何にも暑そうな様子、残暑を感じた句(利恵)
  街中での発見だと思いますが、全く同感でこの暑さでは同情さえ覚えます(郁子)
 
思考力ぱったり停まる残暑かな           光墨 庄子
  同感です(信)
 
赤とんぼなぜか空襲思い出し            光墨 庄子
  複葉の陸軍練習機を、なぜか赤とんぼと呼び、いつも空に飛んでいましたね・・・(信)
 
  『九三式中間練習機は、第二次世界大戦中の日本海軍の飛行機で、練習機である。
  日本軍の練習機は目立つようにオレンジ色に塗られたことから「赤とんぼ」とよばれた』(Wikipediaより)
 
とんぼうや高原の空広がれり            中村とも子
  澄みきった空、とんぼの飛び交ふ高原、
  羽音も聞こえるようだ(柏泡)
 
昼顔の廃土の山を攻め登る             松園 郁子
  野の花の強さが表現されている(政子)
 
ポスト開け中より残暑伝わりし           杉山佐都子
  来簡物を取り出すためポストを開けると郵便物と共に暑さが出てくる感じ、同感(翠波)
 
  残暑が伝わる、という表現に違和を感じます。ポストの中にだけ残暑があるのでしょうか?(逸走)
 
昼顔をぬって走りし海碧し             光墨 庄子
  砂浜に自生する昼顔を踏んで海へ飛び込む壮快感、幼児の頃を思い出す一句であると思う(翠波)
 
ロープウェイ残暑を下界に忘れ来し         坂井 翠波
  下界に置いて来し、では?(逸走)
 
終電の音遠ざかる残暑かな             光墨 庄子
  「終電の音」と「残暑」の組み合わせはいかがかと思います。
  「終電の音」には、秋や冬が合うように思います(逸走)
 
>蜻蛉湧く高原の風情深まりぬ            三浦 秀水
  字余りで「高原の風情」とする必要はないと思います。
  「高原の風情」を表現するのが俳句では?(逸走)

秋暑し通院の道かえてみる             松原 利恵
  二日目の通院、それとも、夏からの通院でしょうか?
  秋になったので通院の道を変えたというなら分かりますが、
  残暑で変えるのはいかがなものでしょう?(逸走)
 
秋暑し安楽死にも入門書              吉田  信
  安楽死入門が、秋暑しにピッタリです。 私も入門書を読んでみたいです(逸走)
 
秋暑し腹這ひの犬抱き帰る             三浦 政子
  動かぬ犬を抱き帰る では?(逸走)


<最初に戻る>






このホームページに掲載した俳句(映像)の著作権はそれぞれの作者にあります。転載引用には十分注意下さい。







.      9 月 句 会(2007)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)

 
5 波がしら崩れて白き秋の海           坂井 翠波
3 釣り上げし太刀魚銀鱗陽へ躍る
3 しろがねの百の太刀魚糶られけり
2 秋の海機影はるかに雲へ消ゆ
2 堰堤や風を誘ひて葉鶏頭
1 水平線画す秋海巨船往く
1 葉鶏頭川波綺羅をつくしけり(特・利恵)
1 秋海の雫たらして魚籠重し(特・郁子)
 
 
5 秋の海鼻緒の切れしコム草履(特・如水・稔子・秀水)  池田 京華
2 ボランティア無言で歩く秋の浜
2 太刀魚やぴんと背筋を張りにけり
2 一軒宿古壺のどんと葉鶏頭
1 賑わいの後に来るもの秋の海
1 子の去りし端居は広し葉鶏頭
1 雁来紅老の集落色どへり
1 雁来紅燃へし館の土塀かな
 
 
3 太刀魚の焼かれ銀色失へり(特・佐都子)    薄井 逸走
3 石ひとつ拾ってみたり秋の海
3 跡を継ぐ人無き実家葉鶏頭
2 秋の海地酒は温めないと云ふ
2 秋の海夕日音なく沈みゆく
2 秋の海鼻緒の切れし下駄ひとつ(特・翠波)
1 秋の海届かぬところ夕日落つ
1 灯台の影はどこまで秋の海
 
 
4 山里のかまつか炎えて寡婦住めり        三浦 政子
2 秋の海暮れて波音の高まりぬ
2 良寛の母恋う島や秋の海
1 なお残る地震の爪あと秋の海
1 秋の海たつきの舟の光り初む
1 病み伏せし人の訃報や雁来紅
1 大橋を渡りて秋の海展け
 
 
5 葉鶏頭塀を抜け出る炎(ほむら)かな      松園 郁子
4 しろがねの太刀魚光る糶の市
3 貸農園紅一点葉鶏頭
2 いつからを老後と云わん葉鶏頭
2 流れ藻の乾き極まる秋の浜
1 太刀魚ののの字に照りて売られけり
 
 
5 浜茶屋の取り払われし秋の海          三浦 秀水
4 門柱の影長々と葉鶏頭(特・柏泡)
3 向い合う長屋の境界葉鶏頭
3 今年また同じ花壇の葉鶏頭
1 光る海太刀魚ぶらさげ漁夫帰る(特・庄子)
 
 
3 太刀魚の切身となって戦えず          杉山佐都子
2 平凡に太刀魚焼きて一人食ぶ
2 葉鶏頭未来都市なる造成地
2 葉鶏頭朱一列に無人駅
1 葉鶏頭きっと発狂寸前か
 
 
3 すぐ卒寿思出ばかりの秋の海          光墨 庄子
2 葉鶏頭魔性の色に燃えにけり
2 潮騒や白き燈台秋の海
1 妄想の深みにはまる秋の海(特・信)
1 犬引けど誰にも会はぬ秋の海(特・京華)
 
 
3 つつ抜けのそらを葉鶏頭怖がらず(特・逸走)  吉田  信
2 髭をそるホームレスあり葉げいとう
1 いくさの世語りつがねば太刀魚(たち)さばく
1 颱風の修羅は何処へ秋の海
1 北満に兵たり今は太刀魚(たち)食す
 
 
4 まだ燃えぬ黄鮮やかには鶏頭          八束 稔子
3 誰を待つ空き家の庭に葉鶏頭
2 太刀魚や武士の一分太刀光る
1 店先に切り身となりて太刀の魚(特・政子)
 
 
3 葉鶏頭少女の若さ燃え尽きぬ          松原 利恵
2 秋の海一直線の水脈(みお)白し
1 秋の海そぞろ白波打ち戻す
 
 
 
   み  ん  な  で  先  生
 
秋海の雫たらして魚籠重し             坂井 翠波
  漁師の喜びの顔が見え姿が見えます(郁子)
 
  主体はどこにあるのでしょう。魚籠が重そうに見えたのか、
  実際に重かったのか、この句では分かりません(逸走)
 
店先に切り身となりて太刀の魚           八束 稔子
  太刀魚なればこその切り身の姿が思いやられる(政子)
 
平凡に太刀魚焼きて一人食ぶ            杉山佐都子
  太刀の威力を征服した思いがあるのかしら(政子)
  俳句の世界で、一人で食べるなら、目刺しとかでしょう(逸走)
 
太刀魚の焼かれ銀色失へり             薄井 逸走
  太刀魚の威力失ひ焼かれをり としてみました(政子)
 
秋の海鼻緒の切れし下駄ひとつ           薄井 逸走
  夏の喧噪が終わった夜の浜辺のさみしさがうまく表現されている(翠波)
 
  とてもよい句ですが、「ゴム草履」の似た句がありますが(信)
 
北満に兵たり今は太刀魚食す            吉田  信
  過去の参戦によって受けた苦しみは、まだ忘れることは
  できないということ。納得する句である(翠波)
 
しろがねの太刀魚光る糶の市            松園 郁子
  魚市場に沢山並べられた太刀魚の状景が出て大変
  よい句ですが、酷似した句が気になります(信)
 
釣り上げし太刀魚銀鱗陽へ躍る           坂井 翠波
  太刀魚に鱗はあるのでしょうか(逸走)
 
堰堤や風を誘ひて葉鶏頭              坂井 翠波
  堰堤の・・・  堰堤へ・・・
  「や」が気になります(逸走)
 
ボランティア無言で歩く秋の浜           池田 京華
  どんなボランティアなのでしょう。
  なぜ無言なのでしょう。説明が足りないと思います(逸走)
 
太刀魚ののの字に照りて売られけり         松園 郁子
  「けり」でいいのでしょうか(逸走)
 
颱風の修羅は何処へ秋の海             吉田  信
  「颱風」も季語です(逸走)



<最初に戻る>



このホームページに掲載した俳句(映像)の著作権はそれぞれの作者にあります。転載引用には十分注意下さい。




薔 薇


.
   10 月 句 会(2007)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)


5 鳥渡る山高きまで人の住み(特・とも子・政子) 杉山佐都子
5 戦なき空の安堵に鳥渡る(特・信)
3 真っ暗な海に切っ先稲光り
2 稲光り海上斜めに走りゆく
2 手折りたき垂れて届かぬ烏瓜
1 稲妻と光り交差の大都会
1 渡り鳥コンピュータを搭載し
 
 
4 稲妻や十字架光る天主堂            坂井 翠波
4 蔓萎へて終(つい)の色帯ぶ烏瓜
3 遠稲妻漁港の闇の深みたり
3 雲切れて陽の射す果てに鳥渡る(特・稔子)
1 霊峰に懸かる彩雲鳥渡る
1 港町はるか越へ来る渡り鳥
1 稲光孤舟の浮ぶ島岬
 
 
3 この先は行き止まりらし烏瓜          薄井 逸走
3 海沿いの一本道や烏瓜
3 出航の長き汽笛や渡り鳥
1 なだらかな峠でありし烏瓜
1 届かねば更に赤かり烏瓜
1 烏瓜格差があってこその色(特・佐都子)
1 橋狭くなりゐる径や烏瓜
 
 
2 稲妻や山ふところの茅舎かな(特・柏泡)    三浦 秀水
2 烏瓜縁に干されし赤い靴
2 烏瓜妖しき森のシャンデリア
1 背伸してとどかぬ童子烏瓜
1 稲妻や古き伽藍の奥の奥
1 渡り鳥湖畔に続く道しるべ
 
 
6 蔓引けば一度にさわぐ烏瓜           松原 利恵
3 黒雲を切りさく浜の稲光り
1 雲を背に斜めに奔る稲光り
1 稲妻や夫の孤独に耐え難く
1 稲妻のゆたかなる夢果てし無く(特・秀水)
 
 
5 夕映に一羽遅れて鳥帰る            光墨 庄子
3 烏瓜ゆきどまりなる塀の中
2 蔓枯れてなを燃え残る烏瓜
2 稲妻や一人居る身に迫りくる
2 武蔵野の空いづこへか鳥帰る
 
 
5 浦和にも字の在所や烏瓜            松園 郁子
2 玄関に山路名残の烏瓜
1 関東の低き天空鳥渡る
1 夕暮れる刈田に走る稲光り
1 同郷の訛の電話や鳥渡る
 
 
5 活けられて表舞台に烏瓜(特・如水・京華)   八束 稔子
4 八十路にも小さき恋いあり烏瓜
4 児の帰郷待たるる日々や鳥渡る(特・郁子)
1 烏瓜色どり添える山の路(特・利恵)
 
 
5 稲妻に闇の夜空を裂かれけり          池田 京華
1 里歩き土産(つと)にしたるや烏瓜
1 ほいほいとあやす子に振る烏瓜
1 昏れてなほ赤く垂れるや烏瓜
 
 
4 烏瓜真正面に浅間山              吉田  信
1 稲妻やむかしむかしの艶話(特・逸走)
1 輝ける灯りは母国か渡り鳥(特・翠波)
1 稲光り濡れ琅かん(ろうかん)の青々と
       琅かん・・美しい竹
 
 
3 渡り鳥わたる道筋あるらしく          三浦 政子
3 歳ひとつ加ふる重みからす瓜
2 弥彦山泰然として稲光り
1 交響曲描けばすなわち稲光り
 
 
2 烏瓜からむ葎に色なして            小山田柏泡
1 色づいて曳ずり下ろさる烏瓜
1 稲妻や火の山黒々裾野ひく
1 一日のまた暮れそめて稲光る
 
 
2 からすうり道祖神の肩にゆれ          中村とも子
 
 
 
 
 
 
 
 
  北 浦 和 公 園   嘱目吟
 
 
2 秋日和少年裸婦像触れてゆき          杉山佐都子
2 庭石に表裏あり水澄めり
 
2 秋袷襟元きりゝ老婦人             三浦 秀水
1 曲に乗り秋天突上げ水柱
 
1 ふくよかな園の裸婦像天高し          三浦 政子
1 赤とんぼ小走りの子を目のうちに
 
3 秋天や子供は転び易きもの           薄井 逸走
 
1 裸婦像の指さすかなた鰯雲           坂井 翠波
 
1 しだれ咲く影のゆらぎや萩の花         松園 郁子
 
 
 
 
 
 
 
   み  ん  な  で  先  生
 
戦なき空の安堵に鳥渡る              杉山佐都子
 こんな思いで空を見上げること、同感です(政子)
 
出航の長き汽笛や渡り鳥              薄井 逸走
  長き汽笛がうら寂しい(政子)
 
夕映に一羽遅れて鳥帰る              光墨 庄子
  鳥帰るが気になりましたが、捨てがたい句(政子)
  (鳥帰る=春の季語です)
 
秋天や子供は転び易きもの             薄井 逸走
  目前にはっとさせられる情景がいくつかありました、
  幼子の泣く顔がまた可愛いこと(政子)
  子供の様子が大変解ります(佐都子)
 
烏瓜格差があってこその色             薄井 逸走
  烏瓜の色を良く表現されています(佐都子)
  地域格差があってもいい、烏瓜がこんなに赤いのだから(作者)
 
稲妻や一人居る身に迫りくる            光墨 庄子
  迫り来る恐怖と一人居が利いている(秀水)
 
稲妻のゆたかなる夢果てし無く           松原 利恵
  豊かな(豊作の夢)味のある句ですね(秀水)
 
輝ける灯りは母国か渡り鳥             吉田  信
  終戦直後の引き揚げ者の心情か。思いが伝わる(翠波)
 
夕暮れる刈田に走る稲光り             松園 郁子
  素直で良い句です(秀水)
  刈田=秋の季語です(逸走)
 
烏瓜真正面に浅間山                吉田  信
  雪の浅間山に真っ赤にもえる烏瓜の美しさが一段と見えていいですね(利恵)
 
蔓萎へて終の色帯ぶ烏瓜              坂井 翠波
  人間も円熟した色でこの世を去りたいですね(信)

<最初に戻る>

 
 

このホームページに掲載した俳句(映像)の著作権はそれぞれの作者にあります。転載引用には十分注意下さい。