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小菊


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     11 月 句 会(2007)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)
                   
6 朝寒や掃きぐせつきし竹掃木(特・京華)    松園 郁子
4 晩学の集い華やぐ返り花
3 抜け道に秘め事めきぬ返り花
2 追信に詫びの一言返り花(特・柏泡)
2 朝寒や犬も着衣の散歩かな
1 朝寒や交す言葉の息白し
1 朝寒の学童明るき膝頭
 
 
6 己が場所構えて動かず竈猫           八束 稔子
4 帰り花名前を忘れし人と会い
3 朝寒や時計の針の早きこと(特・如水)
1 色薄き鉄線一つ返り花
1 うとうとと終日眠る竈猫
1 愚かさも幸せひっそり帰り花
1 朝寒の駅へ襟立て急ぐ人
 
 
5 かまど猫介護の愚痴を聞いてをり        薄井 逸走
1 朝寒や遅刻ギリギリ送り出す
1 朝寒や茣蓙いっぱいに蕎麦を干す
1 バスを待つ列は曲がらず朝寒し
1 かまど猫歴史博物館にゐし(特・佐都子)
1 死ぬために生きているのかかまど猫
1 合戦の地は広からず帰り花(特・信)
 
 
3 忘られし如き古枝に返り花           三浦 政子
3 朝寒し胸のふくらみ見せ行く娘
2 返り花一輪なればなほ愛し
2 朝寒し膝さする手の温みかな
2 朝寒やうなずき合うている話
1 実直な人の生きざまかまど猫
1 返り花合せ鏡のうしろ髪
 
 
3 朝寒の顔を揃えて登校児            松原 利恵
2 朝寒や隣家の窓に湯気白し
2 帰り花ほのかな色を抱きけり
2 寒い朝言葉つまずく老二人
2 返り花山彦遠く跳ね返る(特・逸走)
1 返り花さらりと人を引きとどめ
1 帰り花堂縁の女掌を合す
 
 
5 折り返し出来ぬこの世の返り花         杉山佐都子
3 朝寒や万の靴音都市へ行く(特・翠波・庄子)
2 朝寒に寝起きの悪さ更に増し
1 華やぎとならぬ色もて帰り花
1 虫喰いの枝葉の中に帰り咲き
1 朝寒や履物ひやり背筋まで
 
 
4 朝寒や人の湧き出る交差点           吉田  信
3 老木と軽んじ召さるな返り花
1 かまど猫アンモナイトのかたちして
1 人知れず散って踏まれて帰り花
1 朝寒やニトロ抱いての散歩かな
1 朝寒や路面電車で早稲田まで
 
 
5 何事も聞いて居ましたかまど猫(特・とも子)  光墨 庄子
2 朝寒や通勤の人小走りに
1 石畳狂い花さく無住寺
1 お前様かまど猫かよ我がひざに
 
 
4 人の世はせわしきものよかまど猫(特・稔子)  小山田柏泡
4 朝寒の素足に坊の廊長し
4 背伸びしてのそりのそりと炬燵猫
1 老ふたり年金ぐらしに朝寒し
 
 
4 朝寒や法灯暗き座禅堂             坂井 翠波
3 朝寒や階下無人の電話鳴る
1 かまど猫頬につきたる炭の跡
1 禅林へ参道険し帰り花
 
 
3 見送りも戸口までなる寒い朝          池田 京華
1 ベル鳴れば飛んで行くなりかまど猫
1 朝寒やぶるっとひと撫で顔洗ふ
1 朝寒や脳まで染みる濃煎茶
 
 
2 千の風通ったらしい帰り花(特・郁子)     中村とも子
1 安眠をむさぼりいたりかまど猫 
1 ふるさとの思い出一番かまど猫
 
 
1 鄙離る介護ホームや帰り花           三浦 秀水
1 帰り花老の繰り言とめどなく
 
 
1 ふとみれば下野草の狂い咲き          中村 如水
 
 
 
 
  み  ん  な  で  先  生
 
千の風通ったらしい帰り花             中村とも子
  思わぬ場所にあわい色で咲く花に、私も千の風が通ったのだと思いたい(郁子)
 
かまど猫歴史博物館にゐし             薄井 逸走
  現代では見ることの出来ない歴史博物館のかまど猫だから頂きました(佐都子)
 
かまど猫介護の愚痴を聞いてをり          薄井 逸走
  「かまど猫」の古い言葉と「介護」という新しい言葉の取り合わせがおもしろい(翠波)
 
朝寒やニトロ抱いての散歩かな           吉田  信
  ニトロは心臓の薬ですから、朝寒や薬抱いての散歩かなではどうでしょう(利恵)
 
  薬を持って寒い朝に散歩をしてはいけません(多数)
 
安眠をむさぼりいたりかまど猫           中村とも子
  安眠をむさぼりいたかまど猫 では(利恵)
 
 
朝寒や万の靴音都市へ行く             杉山佐都子
  主要都市の朝の通勤時の混雑振りが想像される。佳句である(翠波)
 
  朝寒や万の靴音戦場へ  という感じです(逸走) 
 
忘られし如き古枝に返り花             三浦 政子
  原句は「古枝に・・・」となっているが、言葉が揃わないので「古枝(こし)にも」としたらどうだろう(翠波) 
 
朝寒や遅刻ギリギリ送り出す            薄井 逸走
  現実の生活そのものですね(佐都子)
 
追信(追伸)に詫びの一言返り花          松園 郁子
  今月は「帰り花」「かまど猫」「朝寒」という古典的な兼題でした。

       帰り花 = 気づかない、淡い色、枯れ枝
      かまど猫 = 灰、動かない、話を聞いている、寝ている
      朝寒   = 走る、通勤、白い、襟を立てる
  と、古典的な要素の組み合わせの句が多くありました。
  古典的な季語だから俳句が古臭くなるのでしょうか。
  いいえ、俳句を作る発想が古いから、俳句が古臭くなるものと思います。この点、この句は、発想が素晴らしいです(逸走)


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3 空っ風土手が遮る葱畑             三浦 秀水
3 日向ぼこベンチに杖の二人連
2 年金で肩ひじ貼らずの根深汁
1 日の沈む森へ社へ寒鴉
1 憧れるだけの旅行や日向ぼこ
1 職を辞し自給自足や根深汁
1 背負篭上信電鉄葱の束
1 日向ぼこおねだりする子の肩叩き
 
 
5 けたたまし乾きし空に寒鴉           八束 稔子
2 呼び合ひて残飯漁る寒鴉
1 昼休み綾取りする子日向ぼこ
1 ねぎま鍋お銚子一本追加せり
1 うとうとと読書もそぞろ日向ぼこ
1 葱一本八十円で二本買ひ
1 じいの膝取り合う児と猫日向ぼこ
 
 
6 葱一把立て置く土間の暗さかな(特・政子・郁子)  薄井 逸走
3 日向ぼこ猫の居場所と知りながら
3 耕せば直ぐに降り来る寒鴉
2 日向ぼこコックリコックリ飛行船(特・佐都子)
2 落花生干して一緒に日向ぼこ
1 此処にいて此処にはおらず日向ぼこ
1 葱の畝高く高くと飛行雲
 
 
4 道添に寄贈の椅子や日向ぼこ          松園 郁子
2 葱束を庭の土もて囲いけり
2 花の名は忘れぬ媼日向ぼこ
1 深谷葱到来ものよと戴けり
1 道掃けば一声落す寒鴉
1 山裾に生活(たつき)の煙寒鴉
1 浮雲や家訓も持たず日向ぼこ
 
 
4 後ろにも眼がある姑の日向ぼこ(特・京華)   松原 利恵
3 人生は螺旋階段日向ぼこ(特・柏泡)
2 車椅子ふたつ寄り添い日向ぼこ
2 寒鴉もんどり打って飛び立てり
1 脛美しく掘り出されたる深谷葱
1 日向ぼこ老には老の居場所あり(特・庄子)
3 話す人聞く人ありて日向ぼこ          池田 京華
3 泥葱や出荷の前の水化粧
2 車椅子笑顔が守る日向ぼこ(特・とも子)
1 青葱を刻む店主の冴へたる掌
1 盛り上げし土の高さや葱の畝
1 支へきし丸き背中や日向ぼこ
 
 
5 百までは生きてみようか根深食む        杉山佐都子
2 極楽はこの世の境目日向ぼこ(特・逸走)
2 日向ぼこ大仏さまのたなごころ(特・稔子)
2 一畝の短かき菜園葱立てり
1 刃渡りを確かめ刻む葱二本
 
 
6 捨てがたき古書のぬくみや日向ぼこ(特・如水)   吉田  信
1 お帰りと声なき家に寒鴉
1 歌舞伎座の屋根に似合ひて寒鴉(特・翠波)
1 葱きざみ束の間の些事(さじ)みな忘る
1 マンションてふ大きな積木で日向ぼこ
 
 
4 卒寿なり山坂こえて日向ぼこ(特・利恵・信)   光墨 庄子
1 卒寿なり余生感謝の日向ぼこ
1 寒鴉ごみのおきばでおどり居り
1 寒鴉おどけ顔してなにねらう
1 日向ぼこ小学唱歌老いの園
 
 
3 飛行船いずこに行くや日向ぼこ         三浦 政子
3 日向ぼことめどもなくて聞き上手
2 火を細め葱一本を採りに出る
2 葱を抜く土ほっこりとぽっかりと   
1 日向ぼこベンチに人のいれかわり
 
 
3 夕さるやひと声残し寒鴉            坂井 翠波
2 蒼天へ切っ先揃へ葱畑(特・秀水)
1 海光や目瞑る老漁夫日向ぼこ
1 地下足袋の露天商い葱を売る
1 根深葱土深々と寄せやりし
 
 
3 寒鴉厩舎に人を見張りけり           小山田柏泡
2 日向ぼこ擦るその手の皺深し
1 日向ぼこ昨夜の寝不足ここにきて
1 神饌に葱数本の指定席
 

2 日向ボコしている傍に猫も来る         中村 如水
1 独り身には葱二三本あればよし
 
 
1 うとまれてなおつややかに寒がらす       中村とも子
 
 
 
 



  み  ん  な  で  先  生
 
葱一把立て置く土間の暗さかな           薄井 逸走
  一本だけとりにゆくときの土間の暗さに止めようかとも(政子)
 
  土間の暗さと葱の白さ、目に浮かぶ(稔子)
 
  昔の農家を思い出す句(秀水)
 
  農家の広い土間にある白い深谷葱が浮かび上がります(郁子)
 
葱一本八十円で二本買ひ              八束 稔子
  生活実感がにじみ出ている(政子)
 
後ろにも眼がある姑の日向ぼこ           松原 利恵
  何時も監視され、昔の嫁さんは日向ぼこなど出来ませんでした
                         (稔子)
  「しゅうと」でなく「しゅうとめ」でしょうという声がありましたが、「舅」も「姑」も、「しゅうと」と読みます(逸走)
 
脛美しく掘り出されたる深谷葱           松原 利恵
  新鮮な深谷葱は本当に美しく白く輝いていますね(稔子)
 
日向ぼこ大仏さまのたなごころ           杉山佐都子
  太陽のあたたかさと大仏様の慈愛の大きな手の平
  すばらしいとり合わせの発想、好きな句です(稔子)
 
日向ぼこコックリコックリ飛行船          薄井 逸走
  人間や、犬猫の日向ぼこでなく飛行船に視点を付けられた事、凄いと思います(佐都子)
 
葱を抜く土ほっこりとぽっかりと          三浦 政子
  ほっこりほっかりの表現が面白い(秀水)
 
蒼天へ切っ先揃へ葱畑               坂井 翠波
  切っ先がよく利いております(秀水)
 
 
寒鴉厩舎に人を見張りけり             小山田柏泡
  寒鴉厩舎の屋根で見張りけり では(秀水)
 
火を細め葱一本を採りに出る            三浦 政子
  葱は自家菜園につきものですね(秀水)
 
泥葱や出荷の前の水化粧              池田 京華
  商品価値を高めるための作業(柏泡)
 
寒鴉おどけ顔してなにねらう            光墨 庄子
  よくある表情、全くとぼけ顔してねらうべきものはちゃんと
  ねらっている強さか(柏泡)
 
道添に寄贈の椅子や日向ぼこ            松園 郁子
  寄贈の椅子でなくてもよいが、寄贈の様子に感謝しての
  日向ぼこであろう(柏泡)
 
歌舞伎座の屋根に似合ひて寒鴉           吉田  信
  「似合ひて」は適当でないので「睥睨」となおして採る(翠波)
 
葱焼きて恙なき身をかこちけれ           松園 郁子
  恙なき身をかこわざり、となるべきではないか。
  「託つ」は自分の境遇などを嘆くことを云うので、
  反対の意味になると思うが(翠波)
 
背負篭上信電鉄葱の束               三浦 秀水
  下仁田ねぎの季節ですね(信)
 
日向ボコしている傍に猫も来る           中村 如水
  ニャオンと声まで聞こえる佳句ですね(利恵)
 
飛行船いずこに行くや日向ぼこ           三浦 政子
  作者が「季語と離れたものと結び付けるのがいい」と言っていましたように、俳句の面白さはここにあると思います。
  日向ぼこに、飛行船が合うのか、耕運機が合うのか、自転車が合うのか、いろいろと考えてみる面白さです(逸走)
 
根深葱土深々と寄せやりし             坂井 翠波
  前記の点で、この句には面白さが感じられません。
  季語のまま、季語を膨らませただけの句という感じです(逸走)
 
泥葱や出荷の前の水化粧              池田 京華
  水化粧という言葉に惹かれた方が多かったようですが、泥葱を水化粧するのかという疑問があります(逸走)
 
刃渡りを確かめ刻む葱二本             杉山佐都子
  「刃渡り」表現がいいかどうかは別として、なぜ「葱二本」なのでしょう。
     文字数合わせのための「二本」としか思えないのですが、それでは字がもったいないです(逸走)
 


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.      1 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)

5 割烹着はずし雑煮の膳に着く(特・とも子・京華・柏泡)       薄井 逸走
3 雑煮膳女三代子年(特・佐都子)
1 選びしは定年疎開雑煮膳(特・信)
1 乳飲み子に形ばかりの雑煮膳
1 年金を受ける身となり雑煮膳
1 本日のお勧めメニュー雑煮膳
1 コンピュータ今日は休ませ雑煮膳
1 仕種まで似たもの夫婦雑煮膳
 
 
6 鳴き声も弾みて今朝の初雀(特・政子)     八束 稔子
6 のほほんと生きて八十路の雑煮かな
4 菰洩るる光に妖し冬ぼたん
1 雑煮餅小さく切りて老二人
1 電線に夫婦か今朝の初雀
1 十六のスイトン雑煮食みし日よ
1 だまされてそれでも健気冬牡丹
 
 
6 冬ぼたん男結びの菰の中(特・稔子)      三浦 政子
5 冬ぼたん淡き日ざしも逃げ易く
3 寒ぼたん匂ふといえば顔寄せて
3 紅秘めて唐到来の寒ぼたん(特・秀水)
2 幣(ぬさ)白き村社の庭の初雀
2 一族が集うて雑煮談義かな
2 切り方は少し変われど娘の雑煮
 
 
6 膝折りて同じ視線に冬牡丹           松園 郁子
4 仏にも祝ぐ一膳の雑煮椀(特・翠波)
2 古刹寺の庭に彩おく寒牡丹(特・庄子)
2 生きおれば失せぬ煩悩冬牡丹(特・逸走)
1 朝暁の樋に声漏る初雀
1 園庭に熟年多し寒牡丹
1 湿りたる土に明るき初雀
 
 
4 塵ひとつなき寺領内寒牡丹(特・如水)     杉山佐都子
4 ひとり居の雑煮も自由好み味
2 くじ縄の結び目つつく初雀
2 初雀屋根より淑気見つめおり(特・利恵)
1 冬牡丹介護の藁に咲かされて
1 梵鐘の葉裏に響く冬牡丹
1 異変なき世界を祈り雑煮喰う
 
 
4 白壁に影踊らして初雀(特・郁子)       坂井 翠波
2 屈みたる肩越し覗く冬牡丹
1 神木の梢煙らしどんど焚く
1 呼ばれたるように覗くや初雀
1 羽音して屋根に影舞ふ初雀
1 菰藁を透かし日矢射す冬牡丹
 
 
3 一椀の雑煮の至福病みて知る          吉田  信
3 仏飯で育てた縁や初雀
2 大仏のほほえみまろやか冬牡丹
1 園児等の大きな返事初雀
1 初雀無性に人に逢いたき日
1 漸(よう)やくに視力戻りて冬牡丹
 
 
3 寒牡丹参詣日和や谷戸の寺           三浦 秀水
2 黎明の静かさ破る初雀
2 寒牡丹屈みて賞でる藁庇
2 藁づとに日差し取り込む寒牡丹
1 田舎風雑煮のおかわり老い若し
 
 
2 本漆わが家自慢の雑煮椀            池田 京華
2 寒牡丹衿立て座る床几かな
2 崩れても女王でありし冬牡丹
2 大寺の襖の中の冬牡丹
1 まるしかく西と東の雑煮餅
1 初雀大老眠る豪徳寺
 
 
2 初雀とびかいあぞぶ天神社           光墨 庄子
1 このも中八重の淡紅寒牡丹
1 初雀チュンと挨拶我が狭庭
1 積藁の三つならびて寒牡丹
 
 
2 光陰のかくもやわらか冬牡丹          松原 利恵
1 今生のいまの幸せ冬牡丹
1 群がれば逆光線よ初雀
 
 
1 初雀そなたも我もひとり者           中村 如水
 
 
 
 
  み  ん  な  で  先  生
 
白壁に影踊らして初雀               坂井 翠波
  日溜のやわらかな陽ざしの中の初雀の可愛い姿が
  ほほえましい(郁子)
 
  白壁や障子に雀などが影を落とすのは定番です(逸走)
 
大寺の襖の中の冬牡丹               池田 京華
  狩野派か襖絵師の絵が寺に残されているのですね(佐都子)
 
雑煮膳女三代子年                 薄井 逸走
  三代子年とはおめでたいですね(佐都子)
 
選びしは定年疎開雑煮膳              薄井 逸走
  親と別れて幼子が学童疎開した戦中の疎開と違い、
  なんと羨ましいお雑煮でしょうか(信)
 
年金を受ける身となり雑煮膳            薄井 逸走
  私も年金初めての年を回想しました(佐都子)
 
仕種まで似たもの夫婦雑煮膳            薄井 逸走
  仲良き家庭の様子(佐都子)
 
仏にも祝ぐ一膳の雑煮椀              松園 郁子
  仏前にまずお供へしてから一家で雑煮を祝ふ。
  いかにも正月らしい句だと思う(翠波)
 
鳴き声も弾みて今朝の初雀             八束 稔子
  新年の淑気の満ちている今朝、声弾む雀がいきいきと感じられ特選に選びました(政子)
 
初雀屋根より淑気見つめおり            杉山佐都子
  特に正月らしい雀ですね(利恵)
 
くじ縄の結び目つつく初雀             杉山佐都子
  当たりくじを教へている雀の様子(利恵)
 
冬ぼたん男結びの菰の中              三浦 政子
  おもしろいですね(利恵)
 
  牡丹に「男結び」を持ってきたのが素晴らしいです(逸走)

冬ぼたん淡き日ざしも逃げ易く           三浦 政子
  なぜ、「日ざしも」としたのでしょう?
  「も」にする意味が分かりません。
  「日ざしの」だと思います。
  
  毎度「も」について書いていますが、この句の「も」には意味がありません。句が曖昧になるだけだと思います。
  「も」の使い方を誤ると句が壊れます(逸走)
 
ひとり居の雑煮も自由好み味            杉山佐都子
  「雑煮も」にするなら、「ひとり居は」でしょう。
  この場合の「も」は、何も可も自由で雑煮も自由、という意味ですから、「も」が適切と思います。
  「ひとり居の」であるなら、「雑煮は」でしょう(逸走)


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.      2 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)

 
6 どんどの火崩れて人の輪も崩れ(特・とも子)  小山田柏泡
3 冬椿ぽたりと散るに立会えり(特・政子)
2 風に乗り焼えつゝ吉書空に消ゆ
2 この日和惜しまず落つる寒椿
2 日和下駄揃えて宿の寒椿
1 どんどの火下火となるを子等待ちし
1 黒焦げの吉書そのまゝ闇に舞い
1 竹はねて喚声どっとどんど焼き
 
 
5 寒椿路地深ければ色の濃き           薄井 逸走
3 鍋の鱈煮崩れ易き間柄(特・佐都子)
3 日々同じ陽射し無かりし寒椿
2 寒椿垣根の形変わる処
2 登校の待ち合わせ場所冬椿
1 冬椿垣根の多き住宅地
1 寒椿朝の陽射しを待てず落つ
1 寒椿三日坊主の志し


5 棒鱈を薪の如くに母持てり(特・秀水・信・郁子)杉山佐都子
3 どんどの火風の向くまゝ神の道
2 鱈漁の終りて荒き男鍋
1 湯のたぎる厨に一輪寒椿
1 曳く縄につぎつぎ鱈の白き腹
1 風の焚く風がもち去る吉書揚げ(特・柏泡)
1 寒椿ひそひそひそと一つ落ち
 
 
2 冬椿抜けて登れば海の景            松園 郁子
2 子等の身の焚火の匂ひやどんど焼
1 神域の森の深ぬる冬椿
1 街灯にくれない確か寒椿
1 どんど焼火の粉に子等の踊りけり
1 遠景に富士置く伊豆の寒椿
1 島乙女働き者よ寒椿
 
 
5 抱卵の鱈の腹裂く女かな            三浦 政子
3 鱈の腹開く女の荒言葉(特・京華)
3 一湾の上に富士立つ寒椿(特・翠波)
3 寒村に小さき葬あり冬椿(特・稔子・逸走)
2 漆喰の飛矢の像や冬椿
1 晩学の手習いに画く寒椿
 
 
3 荒波に掛声のまる鱈場かな           池田 京華
3 里人の絆が守るどんど焼(特・如水)
2 落花してなを色褪せぬ寒椿
2 左義長や紅蓮の火炎(ほむら)青空に(特・庄子)
2 寒椿主不在の宮に咲く
1 蹲に水音聞こゆ寒椿
 
 
6 家継ぐは農継ぐ事よどんど焚く         松原 利恵
3 葉隠れに一輪咲けり寒椿
2 海光の届いてゐたり鱈の鍋
2 若人の掛け声強くどんど焼く
1 どんど焼く火の粉にわかな風に舞う
 
 
2 鱈豆腐独酎一杯老いもよし           吉田  信
1 信じきる物みな失せて鱈を焼く
1 寒椿素直にゆれて二つ三つ
1 どんど焼くあの号令は元兵か
1 鱈チリで残りの命温める
 
 
4 酒気帯びの顔も混ざり手どんど焼        三浦 秀水
2 家くずれ地震(ない)に残りし寒椿
1 老の膳小骨少なき鱈煮付
1 神の庭猛る火柱どんど焼
 
 
4 堪える事重ねて生きて寒椿           八束 稔子
1 地に落ちて姿そのまま寒椿
1 境内の裏手にひっそり寒椿
1 静けさや茶室に一輪寒椿
 
1 寒鱈のどんがら汁のうまさかな         中村 如水
1 校庭で火の粉散らしてどんどやき
 
 
2 どんどこや餅ぶらさげて遠き日よ        光墨 庄子
 
 
1 一人居てたらととうふの鍋でよい        中村とも子
 
 
 
 
  み  ん  な  で  先  生
 
鍋の鱈煮崩れ易き間柄               薄井 逸走
  形を崩さず煮るには弱火で静かにいじりまわざず煮る。
  人間関係も立ち入らず少し間をおいて親しい間柄でも言動には気を付ける。人間関係は親しいほどこわれ易いもの(稔子)
 
  たしかに身崩れやすく形をとどめていない鱈、間柄に意味があるのでしょうか(政子)
 
  確かに崩れ易い事を間柄で表している(佐都子)
 
寒村に小さき葬あり冬椿              三浦 政子
  寒村、葬、冬椿、無駄のないとり合わせ。雪深い小さな村の葬儀の列が目にうかぶ。
  とても淋しい、椿の紅だけが一きわ赤く(稔子)
 
鱈豆腐独酎一杯老いもよし             吉田  信
  老いもよしに作者の豊かな感情が表れている(政子)
 
冬椿ぽたりと散るに立会えり            小山田柏泡
  散る一瞬に会えたことの感動。これを句にすることのむづかしさ。立ち会えりが良い(政子)
 
冬椿垣根の多き住宅地               薄井 逸走
  垣根に適しています(佐都子)
 
どんどの火下火となるを子等待ちし         小山田柏泡
  お餅を焼くかお芋か、楽しみがあるので・・・(佐都子)
 
棒鱈を薪の如くに母持てり             杉山佐都子
  昔は棒鱈を叩いてやわらかくして煮て食べれられたようですが、今は手をかけなくなりましたネ(郁子)
 
風の焚く風がもち去る吉書揚げ           杉山佐都子
  情景が見えてくる(柏泡)
 
  「風が焚く」では?(逸走)
 
堪える事重ねて生きて寒椿             八束 稔子
  何故この寒さに咲くことだろう。堪え抜いて咲く椿か(柏泡)
 
里人の絆が守るどんど焼              池田 京華
  村落の人達の絆は確かだ(柏泡)
 
家くずれ地震(ない)に残りし寒椿         三浦 秀水
  「家くずす」では?(逸走)
 
信じきる物みな失せて鱈を焼く           吉田  信
  「信じたる」では?(逸走)
 
一湾の上に富士立つ寒椿              三浦 政子
  「富士置く」では? (逸走)



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   3 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの)


6 土筆摘む今日の日あり傘寿かな(特・郁子・利恵)  八束 稔子
5 星一つ暗き夜道や冴返る
4 袴ぬぎ土筆は小鉢に収まりぬ(特・とも子)
2 一瞬に消えさるパソコン冴返る
1 飛び立ちてまっすぐ落ちるひばりかな
1 口笛を誰かゞふいてる土筆摘む
1 合否待つ長き日々なり冴返る
1 雨上りつんつん土筆せい揃ひ
 
 
6 揚げひばり世代変われば無縁墓(特・如水・信)   薄井 逸走
3 飛行船ふわりと行くや揚ひばり
3 縄張りは垂直なのか揚雲雀
3 揚ひばり今は使わぬ滑走路
2 天国へ行く道はここ揚雲雀(特・佐都子)
2 耕運機燃料切れて揚ひばり
1 札所打つ径は一本揚ひばり(特・政子)
1 歩数計つくしの土手まで三千歩
 
 
4 園児たち指より細きつくし摘み(特・秀水)   杉山佐都子
3 突き上る土筆一本みな孤独
2 大空に音符を蒔きて夕雲雀
2 放牧の牛の瞬きつくしんぼ(特・稔子)
2 千仏像光の中に冴え返る
2 遠吠えの背中つき抜け冴え返る
1 三本のつくしお見舞いそっと出し
1 つくしんぼ地下茎絆強きかな
 
 
6 冴え返る庭師の鋏音固し            小山田柏泡
2 落選の候補の謝辞や冴え返る
2 揚雲雀真澄の空の一点に(特・翠波)
1 孫の摘む土筆のちぎれちぎれかな
1 閉店の売出し待てば冴え返る
1 工事場の盛り土崩れつくづくし
1 落雲雀その先々は秘の世界
 
 
5 揚ひばり昨日にまさる空の藍          三浦 秀水
4 先頭の園児の一声初土筆
3 歩み初む孫に摘まれし土筆かな
3 武蔵野の空に吸われし揚ひばり
1 冴え返る老人学習捗らず
 
 
4 一旦は緩んだ心冴返る(特・逸走)       松原 利恵
2 夫摘みし雑草まじりのつくしんぼ
2 冴返る心身負けじ魂を(特・庄子)
1 刈込みの済みし庭木の冴返る(特・柏泡)
1 空高く一直線に揚雲雀
 
 
3 瞑想のまだ続きをりつくしんぼ         吉田  信
3 わだかまり解けぬままなり冴返る
2 遠筑波闇に沈んで冴返る(特・京華)
1 好まざる軍歌の調べ冴返る
1 揚雲雀空の警備につく如し
 
 
2 子福者も古語となりけり土筆の子        松園 郁子
2 大欅風の木となり冴え返る
2 一面に雨後の土筆の光かな
2 揚げ雲雀一声天空ほしいまま
2 水道の漏れつぐ公園冴え返る
 
 
2 天空にやっと見つけし揚ひばり         三浦 政子
2 冴返る遺産をめぐる話しなど
1 咲き初めし雨の小花や冴返る
1 食しみる土筆四五本もあれば良く
1 吾が摘みし土筆の味の甘さかな
 
 
2 終電の音遠く消え冴え返る           光墨 庄子
1 孫追いて土筆の土手を走りたし
1 武蔵野の空高く雲雀舞う
1 芽を出したばかりの土筆摘みて悔い
 
 
1 木洩れ日や疎林の中のつくづくし        池田 京華
1 高速道トイレ休憩揚雲雀
1 夕空に富士の頂冴返る
1 土の声持ちて顔出すつくづくし
 
 
2 冴えかえる洗濯物の白きこと          中村とも子
 
 
 
 
 
 
   み  ん  な  で  先  生
 
高速道トイレ休憩揚雲雀              池田 京華
  辺鄙な田園風景の中のドライブイン・・高々と揚がるひばり、目にうかぶ(稔子)
 
孫追いて土筆の土手を走りたし           光墨 庄子
  車も通らないし安心して走れます(稔子)
 
芽を出したばかりの土筆摘みて悔い         光墨 庄子
  優しい心づかいですね・・佳い句です(稔子)
 
わだかまり解けぬままなり冴返る          吉田  信
  解けそうなわだかまりがなかなか解けないと、
  冷たさが身にしみます(稔子)
 
放牧の牛の瞬きつくしんぼ             杉山佐都子
  のんびりとした春の野の風景牛の啼き声も聞こえてきます。
  つんつんのびてゆく土筆を牛が見て不審そうにパチパチと瞬きをしたのでしょう(稔子)
 
縄張りは垂直なのか揚雲雀             薄井 逸走
  縄張り、垂直、マッチしている(佐都子)
 
揚ひばり今は使わぬ滑走路             薄井 逸走
  すごい発想をされ"滑走路"が良い(佐都子)
 
瞑想のまだ続きをりつくしんぼ           吉田  信
  つくしの姿が瞑想しているお坊さんの様に感じます(佐都子)
  まだ固い苞を瞑想といふ表現が面白い(政子)
 
天国へ行く道はここ揚雲雀             薄井 逸走
  一緒に連れて行って頂きたい重いです(佐都子)
  賑々しく登る天国の階段、これもまた楽し、かな(政子)
 
耕運機燃料切れて揚ひばり             薄井 逸走
  揚げひばりと瞬間が合う(佐都子)
 
揚げひばり世代変われば無縁墓           薄井 逸走
  淋しいことですがその通りですね(佐都子)
  諸行無常ですね(信)
 
歩数計つくしの土手まで三千歩           薄井 逸走
  歩数計をつけてメタボなしかな(佐都子)
 
千仏像光の中に冴え返る              杉山佐都子
  千体仏の中、冴返る心地がむしろ清々しい(政子)
 
札所打つ径は一本揚ひばり             薄井 逸走
  ひたすら仏へ通ずる一本の径、ひばりとの出会いがよい(政子)
 
子福者も古語となりけり土筆の子          松園 郁子
  古語というより死語かもしれませんが(信)
 
冴え返る庭師の鋏音固し              小山田柏泡
  音が固く聞こえるとは上手な表現ですね(信)
 
つくしんぼ地下茎絆強きかな            杉山佐都子
  土筆は地下茎で結ばれている。絶やそうとして掘っても、絶やすのが難しい根の連なりだ(柏泡)
 
歩み初む孫に摘まれし土筆かな           三浦 秀水
  よちよち歩きの幼児の姿(柏泡)
 
天空にやっと見つけし揚ひばり           三浦 政子
  声のみ聞こえ姿がみえない揚ひばりの実感だ(柏泡)
 
武蔵野の空高く雲雀舞う              光墨 庄子
  中七が字足らず故に「武蔵野の青空高く雲雀舞う」ではどうでしょう(利恵)
 
土筆摘む今日の日あり傘寿かな           八束 稔子
  元気良く育つつくしに自分の今日の命の感謝を感じていられるのでしょうか、いい句です(郁子)
 
  ご立派です、傘寿が効いてます(利恵)
 
歩み初む孫に摘まれし土筆かな           三浦 秀水
  土筆が主体なのか、孫が主体なのか?  孫が主体であるなら、「摘ませし」では? (逸走)
 
飛び立ちてまっすぐ落ちるひばりかな        八束 稔子
  これは雲雀そのものの形容です。 ここに何かを加えるのが俳句です(逸走)
 
空高く一直線に揚雲雀               松原 利恵
  この句も雲雀そのものです(逸走)  
 
突き上る土筆一本みな孤独             杉山佐都子
  「一本」と「みな」が合いません。 土筆と孤独を結び付けるのはいかがかと思います(逸走)
 
吾が摘みし土筆の味の甘さかな           三浦 政子
  自分が摘んだことが主体なのか、甘いことが主体なのか、はっきりするといいと思います(逸走)
遠筑波闇に沈んで冴返る              吉田  信
夕空に富士の頂冴返る               池田 京華
  山を見て冴返るを感じた句です。筑波や富士という表現が "冴返る"にどのような影響をあたえるのでしょう(逸走)
 
冴えかえる洗濯物の白きこと            中村とも子
  洗濯という言葉、更に洗濯物を干しているであろう"白"には初夏のイメージがありますが、私だけでしょうか。
  そこで、「洗濯物の生乾き」ではいかがでしょうと申し上げました(逸走)
 
水道の漏れつぐ公園冴え返る            松原 利恵
  「漏れつぐ」がいかがかとは思いますが、表現したいことがよく分かります(逸走)

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