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4 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 4 怒るなよこれも愛嬌四月馬鹿(特・庄子) 八束 稔子
3 ランドセルが歩いてゆくよ豆の花(特・秀水・とも子)
2 恋猫の切なき声や闇の中
2 おだてられその気になりぬ四月馬鹿
1 晩学の遅々と進まず豆の花
1 老猫の恋は窺ふばかりなり
1 大仰に話展開四月馬鹿
4 秩父路の小さき墓標豆の花(特・稔子) 坂井 翠波
3 豆の花支柱求めて揺れてをり(特・政子)
2 夕風の吹くともなしに豆の花(特・小野田)
2 灯台に波音高し豆の花
2 にらみ合ふ雄恋猫の闇揺らす
1 手品師の業に興じて四月馬鹿
1 すさまじや恋猫闇に鳴きさけぶ
4 のろのろと三両電車豆の花 三浦 秀水
3 留守宅の庭で窺う猫の恋
3 四月馬鹿はずれ馬券の風に舞う
2 土寄せる軍手の白さ豆の花
1 合格す親娘抱合う四月馬鹿
1 体重計腹の突き出す四月馬鹿
1 やつれ切り鈴の音静か猫の恋
3 マニアルで答へるばかり四月馬鹿 吉田 信
2 豆の花夢は小さくなるばかり(特・逸走)
2 豆の花老後のゆとり授かりて
2 万愚節小さく笑ふ修道女
2 恋猫は猫撫で声を忘れ啼く
2 老猫も増へてるそうだ猫の恋
1 責任を感じてますと万愚節
3 ぼけ封じ仏に賽す四月馬鹿 三浦 政子
2 降り足りて今朝ほころびぬ豆の花
2 豆の花女童髪の豊かなり
2 四月馬鹿後期高齢通知くる
1 四月馬鹿足よ腰よと同窓会
1 四月馬鹿ニキビが出来て顔の皺
1 声あげて隠れかよひ路恋の猫
6 路地裏に路地裏がある恋の猫(特・利恵) 杉山佐都子
4 宝くじ買ってひとりの四月馬鹿
4 猫の恋少し素敵な神楽坂(特・如水)
3 にらむ目とほゝ笑む目あり豆の花(特・柏泡)
2 豆の花向き合う畝の色ちがい
1 宇宙まで伸びて行きたき豆の花
5 どの畠も海に向いて豆の花 松園 郁子
4 豆咲くや老いたる漁師の畠仕事
3 恋猫のへらへら歩く水溜まり
2 飼い犬を私の命と四月馬鹿
1 膝に来て貪り眠る恋の猫
1 柔らかき夜風の闇や猫の恋
3 手にもてる物をさがして四月馬鹿 小山田柏泡
2 畦伝いこの家の近径豆の花
2 物足りて足りざる知らぬ四月馬鹿
2 豆の花棚に忘れし鎌一丁
2 豆の花すがりし藁にたより咲く
1 恋猫のはばかりもなく鳴く夜かな
3 ブランドも野良も等しき猫の恋(特・信) 池田 京華
2 また今日も病の愚痴や豆の花
2 ビル狭間屋上菜園豆の花
2 天をつくラジオ体操豆の花(特・郁子・阿部)
1 静止する闇に浮かれる恋の猫
1 四月馬鹿幼児相手に出来ぬこと
5 恋猫に闇も月夜もなかりけり(特・京華) 薄井 逸走
4 恋猫やここは銀座の六丁目(特・翠波・佐都子)
2 四月馬鹿平均余命といふ数字
1 直角に交わる水路豆の花
1 鉄橋で土手行き止まり豆の花
2 四月馬鹿赤いデザイン着こなして 松原 利恵
2 浮かれ猫己が鳴き声わきまへず
1 恋猫の日毎さわぎて品定め
1 針通す姥の眼借りる四月馬鹿
1 畦行けば足もとさらす豆の花
4 猫の恋どこかでどなる人の声 光墨 庄子
1 よびあって火の玉のごと猫の恋
1 猫の恋我が猫居間でうろうろと
1 結婚の知らせにびっくり四月馬鹿
2 かわるかわる時代はかわる四月馬鹿 中村とも子
2 老猫は恋にやぶれて婆の傍 中村 如水
み ん な で 先 生
恋猫の日毎さわぎて品定め 松原 利恵
相手選びを品定めとは面白い(秀水)
猫の恋少し素敵な神楽坂 杉山佐都子
神楽坂の猫は上品のよう(秀水)
三味の音の流れる神楽坂の恋猫、はしゃいで三味線にされないように(信)
手にもてる物をさがして四月馬鹿 小山田柏泡
一寸説明の必要ある句・・・
忘れ物捜せば手にある四月馬鹿 (秀水)
柔らかき夜風の闇や猫の恋 松園 郁子
作者にもこんなロマンチックな夜があったのでしょうね(政子)
猫の恋我が猫居間でうろうろと 光墨 庄子
うろうろしてる可哀想な恋猫、我が身をてらし合わせて(政子)
猫の恋どこかでどなる人の声 光墨 庄子
つい笑っちゃう。同感です(政子)
土寄せる軍手の白さ豆の花 三浦 秀水
豆の花の白さと軍手の白さが合う(佐都子)
恋猫やここは銀座の六丁目 薄井 逸走
銀座の名があるだけで一段と猫の恋が綺麗に感じます(佐都子)
銀座六丁目あたりに猫がいるかどうか知らないが、野良猫ならいるかも知れない。意外性があって面白い(翠波)
マニアルで答へるばかり四月馬鹿 吉田 信
政界は四月一日だけでなく年中四月馬鹿である(稔子)
豆咲くや老いたる漁師の畠仕事 松園 郁子
漁には出られなくなった老いた漁師、そら豆だろうかえんどうだろうか、
海の見える畠で若き日を思いながら農事にいそしむ姿がうかぶ(稔子) 合格す親娘抱合う四月馬鹿 三浦 秀水
このような光景はよく見受ける。同感である(翠波)
にらむ目とほゝ笑む目あり豆の花 杉山佐都子
豆の花の句難しい句が多く、選に苦しみました、
その中で選びました(柏泡)
怒るなよこれも愛嬌四月馬鹿 八束 稔子
偽りのないいたずらであった、愛嬌だから怒るなよと心の中で(柏泡)
恋猫に闇も月夜もなかりけり 薄井 逸走
恋情けに徹する猫を表現している(柏泡)
老猫の恋は窺ふばかりなり 八束 稔子
残り少ない命です、大いに燃えて生きましょう(信)
物足りて足りざる知らぬ四月馬鹿 小山田柏泡
面白い句ですが文法的に「足らざる」にすると良いと思います(信)
宝くじ買ってひとりの四月馬鹿 杉山佐都子
一人なのに、もし三億円当たったらどうしようと、
先走った考へが季語にマッチしています(利恵)
また今日も病の愚痴や豆の花 池田 京華
愚痴が豆の鮮やかな花に依って打ち消された佳句(利恵)
万愚節小さく笑ふ修道女 吉田 信
川柳のような句が多い中、万愚節という季語を使い、修道女の落ち着いた様子を表しているのが俳句の味(逸走)
静止する闇に浮かれる恋の猫 池田 京華
やはり川柳のようになりがちな季語「猫の恋」だが、猫の動きを静止する闇に表したのが俳句の味(逸走)
晩学の遅々と進まず豆の花 八束 稔子
晩学には、豆の花が合うのか、山吹の花がいいのか、猫柳がいいのか・・・なぜ豆の花なのか、
俳句の面白さと難しさは、ここにあると思います(逸走) 豆咲くや老いたる漁師の畠仕事 松園 郁子
老いたる漁師には、豆が合うのか、辛夷がいいのか、木瓜の花がいいのか、
読み手の感覚とのマッチングですね(逸走) |

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5 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 7 麦の秋予定道路は杭のまゝ 薄井 逸走
6 割箸のきれいに割れて初鰹(特・郁子・京華・佐都子・翠波)
5 今日からはこの村の医者麦の秋(特・如水)
4 まだ若き駐在家族麦の秋
3 郊外にキャンパス移り麦の秋
3 渋滞は橋の上まで麦の秋
2 葉桜の下を行こうと人力車
1 後で知る地震速報麦の秋
3 初鰹囲む漁師は大家族 池田 京華
2 葉桜や池面の風に遊ばるる(特・黒田)
2 葉桜や子犬のリードも延ばしたる
1 寄るべなきひとり住まいの麦の秋
1 内祝届き安堵の麦の秋
1 初鰹揚がる港に妻の顔
1 葉桜に廻る水車は苔むして
1 里山を守り育てる麦の秋
5 葉桜や古城に残る門の数 三浦 秀水
3 山守の植樹三代花は葉に
3 分け入れば西行庵は葉桜に
2 葉桜や旧連隊の寄贈札
1 引越の荷が行く堤花は葉に
1 植樹せし葉桜老いり我が母校
1 黒潮にもまれし色の初鰹
9 野仏に軽く一礼麦の秋(特・とも子) 吉田 信
4 馴染み宿ぬるき地酒に初鰹
2 麦の秋魔法のきかぬ杖頼り(逸走)
2 ひと休みふた休みして麦の秋
1 葉桜や昔を今に熊谷寺
1 医者通ひ少し遠のき初鰹
4 幹百年花は葉になり天寿まで 杉山佐都子
4 葉桜に陰といふもの籠りいて(特・柏泡・耕々)
3 初鰹黒潮弾き炙られる
3 葉桜や駆けゆく坂の人力車
2 麦の秋学童疎開遠き日々
1 助手席に乗りて麦秋独り占め
5 万屋の古りし看板麦の秋 松園 郁子
4 夕暮れを告げる梵鐘麦の秋
3 葉桜や三日の晴れなき今朝の空
3 貝割菜生姜買い足す初鰹(特・庄子)
2 顕彰のうすれし石碑花は葉に(特・阿部)
2 葉桜の蔭を広げるカフェテラス
3 パパとママ同い年だよ花は葉に 松原 利恵
3 麦の秋娘盛りを照り返す
3 花は葉に終(つい)が良ければすべて良し
2 花は葉に風の音聴く耳二つ
1 花は葉に風にさわさわ影ゆらす
1 生き方を改めたくて花は葉に
3 葉桜や峡の無住寺覆ひけり 坂井 翠波
3 葉桜を潜(くぐ)る鉄路や汽笛鳴る
1 船縁を叩きて釣らる初鰹
1 禅林に勤行(こんぎょう)の声麦の秋
1 糶り人の輪へ投げ入りて初鰹
1 葉桜の木洩日揺れる城址の碑
3 一切れを猫も相伴初鰹 八束 稔子
2 車窓より関東平野麦の秋
2 葉桜の木陰を通る風さやか(特・利恵)
2 風はらむ葉桜もよし宮の社
2 葉桜や少年チーム草野球
1 江戸っ子の気っ風いまなお初鰹
5 葉桜や昔浮名の尼なりし(特・真希) 三浦 政子
2 肩よせて追憶の瞽女麦の秋
2 葉桜を洩れて明るし日のかげり
1 訪なえば疾く葉桜となってゐし
1 質種(しちぐさ)となり得ぬ女房初鰹(特・秀水)
4 休耕田傍に貧しき麦の秋(特・稔子・信) 小野田耕々
2 透る声葉桜の道鬼ごっこ
1 麦秋や麦の穂囲む群れ雀
1 葉桜の木洩れ日の中便り読む
1 初鰹ハッピ一面海跳ねる
2 うろ覚えなりし心経花葉に 山口 真希
1 海風に髪梳かせゐて麦の秋
1 なんとなく下戸とも言へず初鰹(特・政子)
1 降り立てばホームの彼方麦の秋
1 滴りに光りあつめて花は葉に
2 初鰹ふるさとの海迫りくる 光墨 庄子
2 校庭の葉桜縫って若き声
1 初鰹厚切さしみさびきかせ
1 薬味のせ一人前だ初鰹 阿部 克子
み ん な で 先 生
割箸のきれいに割れて初鰹 薄井 逸走
気持ちの良い句で頂きました(佐都子)
新鮮な初鰹を新しい割箸で食べる。いかにも初夏らしい句だと思う(翠波)
外食での初鰹、食べる前のときめきがあり、箸がきれいに割れ 料理も新鮮に見えてきました(郁子)
万屋の古りし看板麦の秋 松園 郁子
古びた看板と麦秋の色の対比がおもしろい
お互いにセピア色(政子)
なんとなく下戸とも言へず初鰹 山口 真希
初鰹を目の前にして下戸と云えない
なんとなく、が可愛い(政子)
休耕田傍に貧しき麦の秋 小野田耕々
休耕田傍に悠々麦の秋 では(利恵)
日本の農政の貧しさを感じますね(信)
葉桜や旧連帯の寄贈札 三浦 秀水
赤紙が来て習志野連隊に入隊したのも葉桜の頃でしたので、
遠い昔の頃を思い出した次第です(信)
麦の秋魔法のきかぬ杖頼り 吉田 信
魔法の杖が欲しくなる様子がよく分かります(逸走)
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6 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 6 片脚を浮葉にかけてあめんぼう 小山田柏泡
3 あめんぼう今日の田水の温みかな
2 雨後の池まだ澄みやらず水馬
2 吊橋の底に水音夏の霧
2 夏霧の薄日に暈(ぼ)かす尾根の松
1 後を追う水輪に力あめんぼう
1 日盛りにいつしか消えし水馬
6 最北の四島隠す夏の霧 杉山佐都子
2 あめんぼう足の力で雲を引き
2 憎きほど爪立てて剥く夏みかん(特・秀水)
2 夏霧の中を一列分校へ(特・利恵)
2 夏の霧黄泉の境を思いけり
1 キャンパスの青春四年夏みかん
1 夏霧の中に消えゆく黒き僧
6 出港のドラ響きおり夏の霧 坂井 翠波
2 夏霧や長江渡船遙かなる
1 夏霧に武甲峰(ね)の疵隠れたり
1 夏霧の霽れて現る島岬
1 あめんぼう斜かひに跳ぶ神の池(特・信)
1 夏霧に竹林浮かぶ神祠
1 夏霧の霽れて一湾波静か
3 あめんぼう池面に画がく点と線 三浦 秀水
2 房の数ほどよく分かつ夏蜜柑
2 大樹海一端覗かす夏の霧
2 夏の霧瀬音こだます屏風岩
1 半個で足る年金族の夏蜜柑
1 夏の霧秘湯への道徐行バス
1 映りたる雲の遅速や水馬
十 山頂に笑ひ声あり夏の霧(特・克子) 吉田 信
5 海風のまどろむところ夏みかん
5 夏霧や深き眠りの風見鶏(特・郁子)
1 あめんぼう水面を掴む雨ぐもり
1 うどん屋の昼を灯せる夏の霧
1 あめんぼうカメラのピント逃げていく
4 夏霧の向こうは見えず九十九折 薄井 逸走
2 初島は直ぐそこのはず夏の霧
2 なぜ川は蛇行するのか夏の霧(特・佐都子)
2 夏霧のようやく霽れて八合目
2 夏霧の中へ手漕ぎの小舟消え
1 夏の霧消えて千枚田となりし(特・真希)
7 夏霧や湯桶干しある露天風呂 松原 利恵
3 その先は夏霧深き無人駅
3 一号車はや夏霧の中に消ゆ(特・政子)
3 夏みかん幸せそうな愚痴を聞く(特・逸走)
1 夏霧の晴れて願望赤城山(特・庄子)
7 夏霧の巌の湿めりや磨崖佛(特・耕々) 松園 郁子
1 夏霧の明けゆく宿の木々近し
1 雨脚に打たれ跳ねゐる水馬
1 早や発ちのリックの中に夏みかん
1 萩の町白壁越しに夏みかん(特・稔子)
4 夏霧の深さ旅信の書きはじめ(特・翠波) 山口 真希
4 水すまし身軽といふは頼りなく
3 落魄の男憩へり水すまし
1 蒼穹に瑕ひとつ無く夏みかん
1 夏霧や山水画には人ひとり
5 夏みかん転がる土間の広さかな 池田 京華
2 届かざる高さにありし夏みかん
1 夏霧や音なく去りぬ大正池
1 夏霧や渓の流れは穏やかに
1 手に取ればあばたもえくぼ夏みかん
2 輪を描いてまた輪を描いてみづすまし 八束 稔子
2 大空を飛んでるつもりアメンボウ
1 夏みかん未来の夢よ月旅行
1 遠足のお煎餅キャラメル夏みかん
1 細き身の何処に力アメンボウ
7 あめんぼう雲を自在に踏み渡る(特・京華・黒田) 三浦 政子
3 振りむけばすでに消えたる夏の霧
1 夏霧に沈みて古都の朝明くる
1 否といふ夫傍らに夏みかん
2 夏霧の晴れて山荘煙立ち 光墨 庄子
2 夏霧やどんと構えて大欅
1 夏みかんむけぬこの手よ年重ね
2 荒れし侭あめんぼ走る三四郎池 小野田耕々
2 夏蜜柑四次元味覚からだ貫く
1 前方のテールライトを追う濃霧
3 キャンバスにごつごつ描く夏みかん 阿部 克子
1 あめんぼう雨が好き好き幼子も
1 夏みかんあのすっぱさがほしくなり 中村とも子
1 布さらす水にたわむるあめんぼう(特・如水・柏泡)
み ん な で 先 生
房の数ほどよく分かつ夏蜜柑 三浦 秀水
一ヶをふたりで分けて、ちょうど良い量となります(政子)
一号車はや夏霧の中に消ゆ 松原 利恵
夏の霧を良く云い当てていると思います(政子)
夏霧や深き眠りの風見鶏 吉田 信
無風の夏霧の中動かぬ風見鶏を、深き眠りと見られたのに
感心しました(郁子)
あめんぼう雲を自在に踏み渡る 三浦 政子
雲を写した水面を自由に跳ぶ水馬の姿を捉えた(柏泡)
水面の雲に着目した素晴らしさ(逸走)
夏霧の明けゆく宿の木々近し 松園 郁子
夏霧の消え去った、明けた山宿の木々の近さだ(柏泡)
憎きほど爪立てて剥く夏みかん 杉山佐都子
その憎さのほどが、目に浮かびます(逸走)
夏霧に武甲峰(ね)の疵隠れたり 坂井 翠波
夏霧に武甲の疵の隠れたり 読みやすさも重要です(逸走)
夏の霧秘湯への道徐行バス 三浦 秀水
夏の霧秘湯への道バス徐行 名詞形の連続ですので、
バスを徐行させると、句に動きが生まれます(逸走)
その先は夏霧深き無人駅 松原 利恵
「その先」に意味があるのでしょうか?
夏霧の先に、あるいは、夏霧の中に無人駅があるのでしょうから、「その先」は無意味です(逸走)
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7 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 7 往診の老医もくぐる茅の輪かな (特・政子・翠波・阿部) 吉田 信
6 くぐりゆく茅の輪は青く匂いけり(特・如水・真希)
5 老牛の目のやさしさよ合歓の花
4 病む人に優しき嘘や合歓の花(特・郁子・庄子・利恵)
4 蟻塚や大正といふ世もありし
3 綿あめと一緒にくぐる茅の輪かな(特・秀水)
2 山の辺の道はいづこも水清し
1 はるばるといくさも恋も蟻の道
4 合歓の葉は夜毎に恋の夢を見る 八束 稔子
3 はぐれ蟻右往左往の道深し
2 宵の宮今年も半ば茅の輪かな
2 8の字を描きて茅の輪くぐり抜け
1 人の道はずして落ちた蟻地獄(特・京華)
1 合歓の花風に思ひをのせて揺れ
1 園児等のお昼寝すやすや合歓の花
1 登りきて喉に優しき岩清水
6 合歓さくや昼も静かな母の里(特・とも子) 三浦 政子
6 ねむ咲くや家並みの低き漁夫の町
3 乾びたる屍(かばね)にいどむ蟻千匹
2 気がついて見れば足下に蟻の道
2 神橋に架かる茅の輪をくぐりけり
1 蟻穴に薬剤の針刺しまどう(柏泡)
1 決起する韓民族や蟻の群
4 行き止まり知らぬ葉先のはぐれ蟻 薄井 逸走
3 石段を折れ折れ折れて蟻の列(特・稔子)
3 はぐれ蟻唯我独尊貫いて(特・佐都子)
2 蟻の列塀の隙間の向こうまで
2 新聞の文字を逆から蟻の来る
2 されど蟻されど行列百度石
1 行列の蟻になかりし行き止まり
4 汚れ手を洗ふも飲むも山清水 池田 京華
3 御手洗に竹筒長き山清水
2 明日(あした)よりホームのくらし合歓の花
2 旅先の神社賑はふ茅の輪かな
2 蟻の道動かぬ幼女に母の声
2 ちろちろと砂の動きに清水湧き
6 一山を絞るがごとく湧く清水(特・信) 小山田柏泡
4 清水湧く音なき音の聞こえけり
2 裏庭の合歓の眠りの早かりし
2 合歓の花風の力も借りず落つ
1 交りては清水に口やる四つん這い
2 青虫を曳く連隊や蟻の列 杉山佐都子
2 観音のお姿遠く合歓咲きぬ
1 蟻走る信号赤の雑踏に
1 残る年齢(とし)茅の輪くぐりて穏やかに
1 蟻の曳く針穴ほどの小さき糧
2 いたむ腰さすりて茅の輪くゞりけり 光墨 庄子
1 石どけりゃ阿鼻叫喚の蟻の国
1 野佛の前で見たるや蟻地獄
1 蟻の列どこえつゞくか地蔵下
1 いそがしき蟻若き日の我のごと
4 退きてなお団塊世代蟻の道 三浦 秀水
2 小流へ錐もみしながら合歓の花
1 特大の人形(ひとがた)吊す茅の輪かな
1 長寿の井順番まちの清水かな
2 一列にのぼる姿はアリの道 阿部 克子
2 山間の井戸端会議清水あり(特・逸走)
1 手にすくい清水潤い元気呼ぶ
1 居間騒ぐ蟻の連隊手につかず
5 清水湧く岩の窪みに地蔵仏 松園 郁子
1 白晝に木登る蟻や乱れなし
1 どぶ板にいそしむ蟻や古き町
2 地球上壁なくなりて蟻の列 松原 利恵
1 蟻の列古き屋敷の奥のおく
1 引き続く茅の輪くぐりの下駄の音
2 ひたすらに清水求めて山歩く 中村とも子
2 にげまどう蟻に小さき手ののびる
1 童心にかへり茅の輪くぐりをり 中村 如水
1 病持つ我も茅の輪くぐりけり
み ん な で 先 生
汚れ手を洗ふも飲むも山清水 池田 京華
汚れた手洗って飲めり山清水 では(秀水)
汚れ手を洗って掬う山清水 では(逸走)
はぐれ蟻唯我独尊貫いて 薄井 逸走
ひとりよがりで列から離れ、勝手な行動をとる様子、唯我独尊が生きている(佐都子)
蟻の道動かぬ幼女に母の声 池田 京華
蟻の行列をじっと見ているお母さんの呼ぶ声も聞こえず
大人でも見ていたい蟻のしぐさに見入る女の子の姿が目に写りますね(利恵)
往診の老医もくぐる茅の輪かな 吉田 信
神頼みに疎い医師が茅の輪くぐりの組合せが面白い(秀水)
老牛の目のやさしさよ合歓の花 吉田 信
老牛に目を向けた作者のやさしさも伝わってきます(政子)
蟻塚や大正といふ世もありし 吉田 信
明治はおろか大正も遠くなりつつある今日、大正への思いがますます強くなる(政子)
蟻穴に薬剤の針刺しまどう 三浦 政子
蟻退治の殺虫剤、一生懸命に働いている蟻をみると、躊躇してしまう心情が分かる(柏泡)
行き止まり知らぬ葉先のはぐれ蟻 薄井 逸走
葉先に下を覗いている蟻の姿があった(柏泡)
白晝に木登る蟻や乱れなし 松園 郁子
白昼に木登る蟻の乱れなし ではどうでしょう(利恵)
交りては清水に口やる四つん這い 小山田柏泡
「交りては」が気になりますが、四つん這いが良くいただきました(利恵)
新聞の文字を逆から蟻の来る 薄井 逸走
蟻来たる・・ではいかがでしょう(信)
乾びたる屍にいどむ蟻千匹 三浦 政子
旧戦場で骨と日の丸だけ残す蟻の群れ。
いくさの悲惨さを感じます(信)
8の字を描きて茅の輪くぐり抜け 八束 稔子
茅の輪くぐりそのもので、俳句らしさを感じません(逸走)
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8 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 5 蝉しぐれ止む一瞬の刻ありて 杉山佐都子
5 耳鳴りを終日忘れ蝉しぐれ(特・克子)
4 鳴きやんで軽くなりたる蝉の山
3 被爆地に生れて祈りの蝉時雨
3 蝉しぐれ一樹天まで膨れゆく
3 公園の広さはみ出す蝉時雨
1 フライパン振りて夏やせしてみたき
1 蝉しぐれ五百羅漢に耳騒ぐ
6 夏痩や剃り残したる喉の髭 (特・政子・稔子・逸走) 小山田柏泡
3 無駄ばかり多き暮らしや茄子の花
3 夏痩の頬に余りし掌の広さ(特・利恵)
2 菜園に五本は過ぎたる茄子の花(特・郁子)
2 蝉鳴くや老人ホームの早夕餉(特・京華)
1 茄子の花零れるさやき実の確か
1 夏痩せて椅子の硬さが身に沁みて
6 豪農の名残の大樹蝉しぐれ 薄井 逸走
5 蝉しぐれ地蔵に孤独なかりけり(特・佐都子・信)
3 蝉しぐれ都心に残る一里塚(特・秀水・真希)
3 千年の大樹揺るがす蝉しぐれ
3 街道に残す大樹や蝉しぐれ
1 遮断機の上がりて急に蝉しぐれ
4 夏痩せを知らぬ赤銅色の腕 山口 真希
3 空蝉や押入れ深き文の束
2 いっせいに読経に和せり蝉しぐれ(特・如水)
1 夏痩せて半伽思惟像しどけなき
1 落ち蝉に末期の雨の降りそそぐ
1 蝉穴に埋めたき憂さの二つ三つ
3 亡き母の小言悲しき茄子の花(特・とも子) 松園 郁子
2 地を起し暗き百穴蝉生れる
2 大欅揺がすごとく蝉しぐれ
2 尿漏らし鳴き飛ぶ蝉の真昼かな(特・翠波)
1 空蝉を両手に幼児の笑顔かな
1 茄子の花旅は道連れ声かけて
3 勤行の終る頃より蝉の声 吉田 信
2 夏痩せや問はず語りの飢餓の頃
1 茄子の花内緒話はつつぬけに
1 夏痩せや開いた聖書そのままに
1 目礼に笑顔の返礼茄子の花
1 油蝉かくれんぼうの子が掴む
6 夏痩せて生命線をじっと見る 松原 利恵
4 夏痩せて漢にもある泣き黒子
3 神名備の静けさ蹴って蝉鳴けり
2 美しく老いたし茄子の花のごと
1 すんなりとすんなりと咲く茄子の花
5 夏痩を知らぬ老婆の巣鴨街(特・耕々) 三浦 秀水
3 寝し子へそっと窓締む蝉しぐれ
3 もう誰も居らぬ学舎蝉しぐれ
2 吊革を譲られ二の腕夏痩せし
1 糟漬の亡母に近づく茄子の味
3 一つ葉に風と揺れゐる蝉のから 三浦 政子
3 自家栽のふたりに余る茄子料理
1 夏痩の母に体型似てきたる
1 仰向けに大往生の油蝉
1 手応えの肌つやめきて茄子紫紺
2 諍いて和解はたさず油蝉 小野田耕々
2 蝉の声いくさ終わりし日に帰る
1 むらさきの茄子の花咲く真昼かな
1 夏痩せを祈りて今日のこの体重
1 夏痩せのマネキン人形身を反らす
3 夏痩せという痩せいく母の肩(特・柏泡) 光墨 庄子
2 団塊の息子の庭に茄子の花
2 卆寿の日空蝉ひろいて帰りけり
1 みんみんとこの木一筋ないてこし
3 蝉時雨浴びて神橋踏み渡る 坂井 翠波
1 空蝉を侍らせ聳ゆ城址の碑
1 城址山巨木揺るがす蝉時雨
1 夏痩せといへど豊胸おとろへず
2 まどろみの夢を引き裂く蝉の声 八束 稔子
2 落蝉にあまりに軽き骸かな
1 去りゆきし昭和の日々よ蝉時雨(特・庄子)
1 宮の杜木々を震は蝉時雨
1 蝉穴も殻も?も屋敷内 池田 京華
1 蝉しぐれ赤子しぐれの昼下り
1 山祇へのぼる小径の蝉時雨
2 受験生負けずに努力茄子の花 阿部 克子
1 茄子の花日差し眩しくうなだれる
1 蝉鳴くやバーゲンセール真只中 中村とも子
み ん な で 先 生
菜園に五本は過ぎたる茄子の花 小山田柏泡
余り広くない菜園に出来の良い茄子苗が育ち、枝を広げたのでしょう でも喜び顔の主の様子が見えます(郁子)
尿漏らし鳴き飛ぶ蝉の真昼かな 松園 郁子
このような光景はよく目にしている。佳句である(翠波)
飛び去るときの蝉が尿を漏らす瞬間を捉えての句(柏泡)
蝉しぐれ都心に残る一里塚 薄井 逸走
江戸の名残の一里塚の巨木に蝉の組み合わせが良い(秀水)
蝉しぐれ止む一瞬の刻ありて 杉山佐都子
ひたっと止む時があり一せいに鳴きしきるときも(政子)
指揮者でもいるが如くぱたと、一瞬鳴き止むときが確か時雨にはある(柏泡)
夏痩せや問はず語りの飢餓の頃 吉田 信
飽食のこの時代に飢餓の話し。問はす語りの人も年老いてゆき、夏痩せが活きている(政子)
夏痩や剃り残したる喉の髭 小山田柏泡
剃り残しの髭に何とも云えぬ哀愁がただよっている(政子)
受験生負けずに努力茄子の花 阿部 克子
必ず受験実を結びます(利恵)
受験生、冬の季語と申し上げましたが、春の季語です(逸走)
仰向けに大往生の油蝉 三浦 政子
良く見かける情景です(利恵)
夏痩を知らぬ老婆の巣鴨街 三浦 秀水
巣鴨の駅からとげぬき地蔵まで歩いてゆく人みな元気、巣鴨街いいですね(利恵)
夏痩の頬に余りし掌の広さ 小山田柏泡
夏痩せの様子がよく出てます(利恵)
夏痩せという痩せいく母の肩 光墨 庄子
夏痩せと母は云うが実は夏痩せではないのだ、親子の心情が判る(柏泡)
夏痩せて生命線をじっと見る 松原 利恵
夏痩せて生命線の深さかな では(柏泡)
空蝉を両手に幼児の笑顔かな 松園 郁子
幼児の笑顔が目に浮かびます(信)
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