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9 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 5 猫歩むうだつの家並秋の星(特・耕々) 三浦 秀水
4 一刻の賢治の夢よ秋の星
4 藁と泥梁に残して燕去り
3 店仕舞い暖簾とり込み秋の星
3 夾竹桃粉塵まみれの町工場(特・政子)
2 天主堂クルスに集う秋の星
1 貯水池をぐるり囲みて夾竹桃
1 奥まりし異人館の夾竹桃
6 隅田川くろぐろ流れ秋の星(特・庄子) 吉田 信
4 秋の星ゐる筈のない人の声(特・稔子・とも子・逸走)
2 夾竹桃北京マラソン駆け抜ける
2 夾竹桃街を見下ろす兵の墓
2 誰が待つや帰る燕は矢の如く
1 赤に合ふ熱海の町の夾竹桃
1 廃校の燕帰るか羽づくろひ
4 手水舎のやや傾ぎゐて夾竹桃(特・佐都子) 薄井 逸走
4 職人の朝は早かり夾竹桃
3 夾竹桃雨のにほいの残る庭(特・如水)
3 身の軽き屋根職人や夾竹桃
2 終列車過ぎて流れる秋の星
1 夾竹桃浜辺に続く砂の道
1 秋の星ひとつ流して旅終へる
4 秋の星ゲリラ豪雨の去りしあと 三浦 政子
3 紀の国へ阿波を発つ船秋燕
3 上棟の木の香匂ひ来秋の星
3 山峡のランプの宿や星の秋
2 秋星や窓をともして終車ゆく
1 秋星や寂聴源氏読みつのり
1 眠る子のしどきなき髪秋の星
2 秋つばめひととき軒を宙返り 松原 利恵
2 秋燕やひととき軒の灯は暗く
2 つつがなく巣を後にして秋燕
1 秩父嶺や水面に映る秋の雲
1 秋燕あの大海原を真しぐら
1 大海のフェリーと共に秋つばめ
1 大空を州から島へ秋つばめ
2 燕帰るわれもゆきたし故里へ 光墨 庄子
2 夾竹桃幾年刻む煉瓦塀(特・京華)
2 靴音は待人ならむ秋の星(特・真希)
1 別れても我につきくる秋の星
1 幼な友しきり恋しさ秋の星
1 軒下の静かになりて燕帰る
1 思い出の場所に夾竹桃咲けり
4 軒下にねぐらを置きて帰燕かな 池田 京華
1 蘆花終焉伊香保の湯宿星月夜
1 秋の星降りし夜更の書斎かな
1 星月夜人の温もり杣の宿
1 夾竹桃広がる亡母の笑顔かな
1 町工場塀にそゐたる夾竹桃
4 古井戸の覆いにトタンや夾竹桃 松園 郁子
3 高速道紅の帯なる夾竹桃(特・信)
2 けものめく浜の流木秋燕
2 風わたる穂波の田面秋燕
2 従姉妹らも老いて疎遠や秋の星
1 折鶴の机上に一羽秋の星
7 秋つばめ水禍の街を振り向かず(特・秀水・郁子・柏泡) 杉山佐都子
4 廃船の崩れしままや夾竹桃
3 夾竹桃さびれし漁村隠しおり
1 秋つばめ頼もしくなり一年生
1 埋め立ての街活気づく夾竹桃
6 酒蔵の煙突太し星月夜 坂井 翠波
3 夾竹桃隣家の屋根へ花こぼす
1 秋の星風が波呼ぶ岬宿
1 海光や帰燕の舞ひて沖へ消ゆ
1 湖心よりさざ波止まず秋の星
2 友の愚痴聞き流しをり星月夜 八束 稔子
2 蘇る美(は)しき広島夾竹桃
2 言ひ過ぎし言葉むなしき秋の星
2 校庭は黄色い声援秋燕(特・克子)
1 高層のビルの上空星月夜
3 悲しみも生きる力に秋の星 阿部 克子
2 朽ちた小屋隠して咲くは夾竹桃
2 秋の星銀河鉄道夢の旅(特・利恵)
1 かくれんぼ何処だと覗く夾竹桃
1 狷介はさみしき高み秋の雲 山口 真希
1 旅ごろも解くや窓辺の夾竹桃
1 まだ弛む高圧線や秋燕 小山田柏泡
1 鐘の音の澄みて野径や秋の星
1 噂ある家の垣根の夾竹桃 小野田耕々
み ん な で 先 生
秋の星ゐる筈のない人の声 吉田 信
じっとまたたく星を見ていると今はなきなつかしい人の顔を思い出します。
そして本当に声まできこえてくるような気がしますね(稔子) 手水舎のやや傾ぎゐて夾竹桃 薄井 逸走
清める時の傾いている、あの感じが良く表されている(佐都子)
秋つばめ水禍の街を振り向かず 杉山佐都子
人の世と燕の世界を物語っている(柏泡)
友の愚痴聞き流しをり星月夜 八束 稔子
街角での夜 友との立話しの中愚痴を聞かされた 星の夜だろうか(柏泡)
上棟の木の香匂ひ来秋の星 三浦 政子
「来」はいらないと思います(利恵)
奥まりし異人館の夾竹桃 三浦 秀水
異人にも目に止まり親しまれる夾竹桃心地よい咲き振り(利恵)
「奥まり」に俳句的な意味がないと思います(逸走)
燕帰るわれもゆきたし故里へ 光墨 庄子
燕帰るは字余り故に、
秋燕われもゆくたし故里へ としたら、さびしそうな又うれしそうな佳い句と思います(利恵)
狷介はさみしき高み秋の雲 山口 真希
暴走老人がふえてゐるという、自戒を含めて佳句です(信)
天主堂クルスに集う秋の星 三浦 秀水
待降節も近づき星がきれいですね(信)
秋つばめ頼もしくなり一年生 杉山佐都子
頼もしくなった一年生に、終わりを感じさせる「秋つばめ」はどうでしょう?
あえて兼題から季語を選ぶなら、夾竹桃の方がいいかもしれません。 朝顔やもう堂々の一年生 にしべかよ
朝日俳壇掲載句です。
表現していることは同じでも、言い回しと、季語で、違ってきます。ここが、俳句の面白さ奥深さです。
立派になった一年生によりマッチする季語は秋燕より朝顔なのです。
句材の「一年生」が浮かんだら、簡単に季語を持ってこないで、季節を変えて推敲してみましょう(逸走) 一刻の賢治の夢よ秋の星 三浦 秀水
賢治は「一刻者」だったのか・・・と、思いました。
漢字の使い方に工夫が必要と思います(逸走)
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10 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 7 八十路なほ靴ひも固く茸狩り(特・郁子・稔子・真希) 吉田 信
3 恙なく老ゆるは難し茸干す(特・如水)
3 老ひたれば新米なれど腹六分
2 かまきりの血圧さぞや高からむ
1 新米に余生きらりと光りけり(特・利恵)
1 子蟷螂風と遊ぶを学びをり
1 今直ぐに蟷螂となり終りたし
4 こまごまと料理の手解き茸売り 三浦 秀水
3 新米の射しよりこぼる検査場(特・翠波)
3 新米ののぼりはためく道の駅
2 自在鉤つる鍋似合う茸汁
2 けもの道腰に鈴つけ茸狩り
2 うず高く土蔵を塞ぐ今年米
1 新米の卵かけめし独り者
4 明るきに出て腰伸ばす茸採り(特・京華) 薄井 逸走
2 新米といふ話題あり古女房
1 きのこ汁下山のバスの時間まで
1 参道の折れゐる処きのこ売り
1 茸採り止まぬ講釈国訛り
1 茸狩り時に見上げる送電線
8 毒茸に見惚れてしばしけもの道(特・秀水) 山口 真希
5 農機具の奥の暗がり今年米(特・逸走)
3 新米を赤子のやうに抱き来し(特・とも子)
1 ベニテング茸手招きのやうにあり
1 蟷螂の去らずモーツアルトの佳境
5 蟷螂に花の一幹ゆずりけり(特・信) 松園 郁子
4 不揃いの茸戸板に道の駅
4 枯蟷螂思考の象(かたち)や動かざる(特選・克子)
3 椎茸を炭火焼して杣料理
2 惚(ほう)けたる切株に湧く菌かな
5 一灯につましき家族今年米 三浦 政子
4 こっそりと我だけの場所茸狩
2 古里(こと)恋うはいつもこの頃茸汁
2 塩まぶしまず新米のにぎり飯
1 蟷螂の斧ふりかざし吾(あ)をみらむ
4 かまきりの悟り貌して襲いけり 杉山佐都子
3 疑いの目ばかり先立つきのこ狩り(特・柏泡)
2 袋絵の小町微笑む今年米(特・耕々)
1 遠き日や課外授業はきのこ狩
1 いのちある自然の土に菌生え
4 携帯の確かめ合へる茸狩り 池田 京華
3 山峡は師の古里や茸飯
2 新米の甘さ分け合ひ膳囲む
1 採れ場所を問はずいたゞく茸かな
1 蟷螂の事をなさぬと身構へり
4 新米のゆげやわらけき今朝の粥 光墨 庄子
2 松茸は昔の夢を追うばかり
2 新米を二合土産に友来たる
1 老の園きのこ飯とえ笑ひ顔
1 遠き日よ松茸狩りに伊賀の山
4 新米に農夫の顔あり道の駅 小山田柏泡
1 蟷螂の眼のきらめきて老いにけり
1 山湯膳茸づくしの料理かな
1 持て成しは新米だけと農の膳
1 榾木朽ち組みしそのまゝ茸あと
3 倒木や茸抱えて朽ちてあり(特・政子) 小野田耕々
3 今年米送る荷物の中に入れ
2 枝つかみ見栄切る蟷螂枯れ葉色
1 切り株に千本しめじ盛り上がる(特・佐都子)
1 握り飯これ新米よ妻が言う
2 炊き上がる湯気の匂いや今年米 八束 稔子
2 松茸を横目で睨みシメジ買ふ
1 新米や田舎祖母の塩むすび
1 蟷螂の緑に染まりて動かざる
1 背伸びして鎌振り上げる子蟷螂
4 幾度も水たしかめて今年米 松原 利恵
2 眼裏に母の笑顔や茸干す
1 蟷螂や前肢かざし向い合う
1 喜びは心の油断毒茸
4 蟷螂の張りつきしまま仁王門 坂井 翠波
1 越後産ラベル輝く今年米
1 石垣に何を怒るや大蟷螂
1 新米やふるさとの香も送り来し(特・庄子)
み ん な で 先 生
今直ぐに蟷螂となり終りたし 吉田 信
親不孝です、時が来るまで辛抱して下さい(利恵)
毒茸に見惚れてしばしけもの道 山口 真希
見たところ毒茸は美しくておいしそうな茸、
毒茸の季語にけもの道は、ばっちりです(利恵)
毒茸とけものみちの取り合わせが面白い(稔子)
新米に余生きらりと光りけり 吉田 信
きらりが気になりますが・・・(利恵)
うず高く土蔵を塞ぐ今年米 三浦 秀水
五十余年の昔の私が育った頃の実家の新米の時季には、蔵に米俵がつまれ時には蛇がのそりと出た、
なつかしい想い出の句です(利恵)
八十路なほ靴ひも固く茸狩り 吉田 信
元気な八十歳、気分のいい句、靴紐固くがいいです(稔子)
蟷螂の張りつきしまま仁王門 坂井 翠波
仁王門に張り付いて仁王様とにらめっこ(稔子)
蟷螂の事をなさぬと身構へり 池田 京華
「なさぬ」を「なさむ」と変えました(信)
枯蟷螂思考の象(かたち)や動かざる 松園 郁子
そうだ、三角の頭を傾けた様は何を考えてか、
かまきり姿である(柏泡)
携帯の確かめ合へる茸狩り 池田 京華
携帯が普及しての現代の茸狩だ、昔では考えられなかった(柏泡)
疑いの目ばかり先立つきのこ狩り 杉山佐都子
毒茸か否か、茸をよく知らないと、先ずは疑い迷う茸狩りの心理である。
結局ありふれた茸だけ採って帰ることがよくある。茸をよく知る人との茸狩りがいい。
新米を赤子のやうに抱き来し 山口 真希
多分、五か十キロの袋入の米袋を抱えてのことだろう(柏泡)
こっそりと我だけの場所茸狩 三浦 政子
茸の場所は親子でも教えない、一人に教えてしまえば総て終わりだ、茸採りの鉄則である(柏泡)
山湯膳茸づくしの料理かな 小山田柏泡
「膳」があれば「料理」はいらないと思います(逸走)
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11 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 7 主峰まだ残照のなか鳥渡る(特・稔子・政子・真希) 坂井 翠波
3 秋霖の傘を絞りて書肆に入る(特・秀水)
2 草庵の裏に切干広げあり
2 着水のしぶき煌(きら)めき鳥渡る
1 秋霖に瀬音重なる秘湯宿
1 大伽藍鐘撞くひびき鳥渡る
1 灯台の光芒秋霖かがやかす
4 切り干の干されて人の影もなし(特・とも子) 吉田 信
4 切り干しや身に覚えなき指の傷
3 秋霖や明日も又着る喪服干す
2 切り干や五臓六腑に翳(かげ)持たず(特・郁子)
1 言葉数増えし子供に小鳥来る
1 秋霖や墨絵の如き遠筑波
1 秋霖は忍者の如く近づきぬ
4 折り返す点なき空の渡り鳥 杉山佐都子
3 長生きの秘訣などなし秋の雨
3 選別の規格もれしは切干しに
2 切干しを作る皺の手馴れし技
1 説法の終りし堂宇秋の雨
1 渡り鳥肺深きまで海の色
1 それぞれに人恋う味や切干煮
6 切干の色となりつつ晴れ三日(特・佐都子) 薄井 逸走
5 切干や雲ひとつなき空の下(特・京華)
3 飛行雲くずれ切干ちぢれけり(特・柏泡)
2 しんがりの少し遅れて鳥渡る(特・庄小)
2 切干の味にうるさき下戸上戸
1 ぬるま湯に切り干し浸し長湯せり
6 秋霖を受ける墓前の空湯呑 池田 京華
3 秋霖や本堂までの石畳
3 切干のうまき女将の酒処
2 大寺の瓦は冴へる秋の雨
2 秋霖に愛犬抱っこの散歩かな
2 秋霖や特売チラシ見るばかり
5 渡り鳥庭師終いの縄くくる(特・耕々) 三浦 政子
3 渡り鳥乱れし恋のゆきどころ
2 鳴きながら暮色を渡る鳥の影
2 大吊橋渡らで戻る秋ついり
1 鳥渡る色あせてなを赤い靴
1 切干や師は百歳ときく電話
3 切り干しを煮て望郷の厨事(特・翠波) 山口 真希
2 鉈彫りの木仏の里に鳥渡る
2 切り干しや典座(てんぞ)みずから『シェフ』と言ふ
2 屋上に憂さ放つとき鳥渡る
2 能書きを子細に読めり秋ついり
1 秋霖や猫背正して送り出す
3 秋霖や潮騒はやす浜の風 松園 郁子
3 秋霖や人混む喫茶のうす灯(特・克子)
2 秋霖の雲にとけたる岬かな
1 御社(みやしろ)え女坂道小鳥来る
1 森深く石佛群や小鳥来る
1 声大きい大黒さんや大根干す
2 秋霖は寂しききわみ老ひてなを(特・利恵) 八束 稔子
2 切干の縮れて風と遊びけり
1 秋霖に忘れし腰痛始まりぬ
1 秋霖や壊れし雨樋叩く音
1 切干の煮物も添へられ鄙の宿
1 みちのくの無人の駅舎渡り鳥
4 秋霖やどさり農具の土落す(特・信・逸走) 松原 利恵
2 秋ついり濡れ石段をぼつぼつと
1 病棟の隅のすみまで秋ついり
1 果てもなく汽笛遠のく秋の雨
1 木から木に干大根の綱を引く
2 庭の木に見慣れぬ鳥の渡りかな 小野田耕々
2 筵には切り干し広げ庭景色
2 浦和に来(こ)秋霖何ぞ遊びせん
1 秋霖に久しき友の便りあり
2 秋霖も流行(はやり)靴はきショッピング 阿部 克子
2 渡り鳥我が村誇る観光地
1 里山に渡り鳥呼ぶ寒さかな
1 切り干や風と太陽恵あり
4 秋霖や明治のまゝの薬種店(特・如水) 三浦 秀水
4 秋霖や野仏の法衣着くずれて
1 渡鳥羽毛も浮かぶ心字池
3 秋霖やずしりと重し老の園 光墨 庄子
2 渡り鳥一羽おくれてよあけ空
☆ 質 問 に 答 え て
秋霖や猫背正して送り出す 山口 真希
疑問を持たれるのはご尤もだと思いました。
正しくは『猫背を正してあげて送り出した』という情景です。
『背中をまっすぐに。行ってらっしゃい!』というところです。
過疎なれど賑はいくれる渡り鳥 池田 京華
今まで静かな湖・川・村が渡り鳥が来たことにより賑やかになったということです。
切り干しや身に覚えなき指の傷 吉田 信
高齢になりますと、自分で気づかないうちに手や足などに痣や傷が出来ていることがあります。
いつどこで打ったのかもわからないのです。
切り干は形の悪い大根を包丁で手を切らないように注意して切りますが、後で傷が残っていることがあります。
加齢と共に末梢神経が失われていくのでしょうか。若い方には、わかりにくいと思います。
小生も「身に覚えなき紅の跡」などと若返りたいです。
☆ み ん な で 先 生
切り干や五臓六腑に翳(かげ)持たず 吉田 信
和食の日常でずばり健康を云っておられ
簡潔な良い句だと思います(郁子)
浦和に来(こ)秋霖何ぞ遊びせん 小野田耕々
大変変わった句で面白いと思った(翠波)
秋霖や潮騒はやす浜の風 松園 郁子
時をり吹く浜風に秋霖の心細ささびしさが増す(政子)
主峰まだ残照のなか鳥渡る 坂井 翠波
渡る鳥、作者の位置もくっきりと目に浮かぶ(政子)
秋霖を受ける墓前の空湯呑 池田 京華
人の世の無常を感じさせるよい句です(信)
墓参の時見受ける風景、雨の多い秋にもかかわらず仏はそれなりに。湯呑を空にする墓参には先づお水を(利恵)
句座では、「秋の雨では湯呑みは空でないはず」
「そんな大きな湯呑みは置かない」
などの意見がありましたが、秋霖と墓前の湯呑みを結び付けたのは、秋霖の寂しさと墓地の寂しさが重なって、とても良いと思います。「受ける」を工夫すると更にいいと思います(逸走)
秋霖や明治のまゝの薬種店 三浦 秀水
池袋の駅近の薬局を思い出しました、現在もあります(如水)
秋霖は野外の風景と合うと思います(逸走)
秋霖や人混む喫茶のうす灯 松園 郁子
こちらの秋霖は、野外の風景なのか、室内なのか、分からないところが残念です。
「灯り」とすると、読みやすくなると思います(逸走)
選別の規格もれしは切干しに 杉山佐都子
生産者の様子良く分かる句(利恵)
標語のようで、動きが見えません。
規格もれの大根をどう動かしたのか、動作が分かると良いのですが(逸走)
切り干しや典座(てんぞ)みずから『シェフ』と言ふ 山口 真希
切り干しの凝った料理とシェフの自慢顔がみえるようだ(利恵)
切干の色となりつつ晴れ三日 薄井 逸走
切干の様子が良く出ている。大変明るくさわやかです(佐都子)
きれいに干し上がった切干に安堵しつつうれしい情景(政子)
大伽藍鐘撞くひびき鳥渡る 坂井 翠波
鐘が響けば、「撞く」はいらないと思います(逸走)
切り干しや身に覚えなき指の傷 吉田 信
何回も読み返しましたが、「身に覚えなき」が大げさすぎて、
切干に合わないと感じました(逸走)
秋霖や本堂までの石畳 池田 京華
教科書的な句です。もう一味ほしいです(逸走)
鳥渡る色あせてなを赤い靴 三浦 政子
なぜ「鳥渡る」なのでしょう。秋霖という季語が出されているのですから、残念です(逸走)
切り干しを煮て望郷の厨事 山口 真希
切り干しを煮るのは、厨事ですから、
切り干しを煮て望郷の厨かな では?(逸走)
秋霖や壊れし雨樋叩く音 八束 稔子
風が雨樋を叩いたのか、修繕のために叩いたのか、情景が浮かばないのが残念です(逸走)
秋霖や野仏の法衣着くずれて 三浦 秀水
語呂がわるいので
野仏の法衣着くずれ秋の雨 では?(逸走)
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12 月 句 会(2008)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 7 湯豆腐を掬いて正座崩しけり (特・秀水・郁子・隆春) 薄井 逸走
5 湯豆腐や無言の酌を無言にて(特・真希)
2 湯豆腐や互い核心には触れず(特・庄子)
2 湯豆腐の不揃いなりし六面体
2 湯豆腐やいわくありげな隣り席
1 湯豆腐を掬う杓子や爪飾り(特・佐都子)
1 湯豆腐や上る下るの筋の町
1 湯豆腐や不器用なるは親譲り
3 冬紅葉朝の光を弾きけり 坂井 翠波
3 掃き止めて冬の紅葉を仰ぎけり
3 江ノ電の散らして去りぬ冬紅葉(特・京華)
2 冬紅葉活けるホールや第九聴く
2 冬の蚊や日当る壁に縋(すが)りつく
1 冬紅葉揺らす鐘の音奥秩父(特・利恵)
1 暮れなずむ城址にそびゆ冬紅葉
1 湯豆腐や場末酒場に腰据へて
4 冬紅葉はるか彼方に路線バス 池田 京華
4 冬紅葉茅葺残る谷戸部落
3 冬紅葉寺領の空の広きかな(特・稔子)
2 湯豆腐や床机の上の膝小僧
2 湯豆腐の誘ふのぼりや二年坂
2 湯豆腐のことさらうまき京の茶屋
2 冬紅葉向ひの門灯見へ隠れ
4 一山を一樹が背負う冬紅葉(特・信・克子) 小山田柏泡
2 今日もまた友を弔い冬紅葉
1 湯豆腐や板昆布(こんぶ)がとりもつ底力
1 牛乳を搾りし桶に冬蚊落つ
1 参道の曲りし角や冬紅葉
1 湯豆腐の掬いて角を崩しけり
3 湯豆腐に悴む心戻しけり(特・逸走) 吉田 信
3 冬の蚊を追ふ老眼の限りまで
2 暮れなずみ金星木星冬紅葉
1 湯豆腐や何はなくとも般若湯
1 生き残り冬の蚊と住む兵士かな(特・耕々)
1 湯豆腐の杓子の艶や老舗宿
3 次世代の標とならむ冬紅葉 亀井 隆春
3 残りても舞ひてもよろし冬紅葉
2 清盛の栄華はいずこ冬紅葉
1 シルエットとして在りけり冬紅葉
1 湯どうふや問はず語りに来し方を
1 湯どうふや話はずめり客人(まろうど)と
3 遠来の友も八十路か冬紅葉 三浦 秀水
2 境内は葉影まばらな冬紅葉
2 湯豆腐や丸卓袱台のなつかしく
2 千年の楠にいだかれ冬紅葉
1 換気口冬の蚊潜む湯殿かな
1 奥山へ回廊つづく冬紅葉
4 冬蚊打つ弱き翅音を闇にきき(特・柏泡) 松園 郁子
4 湯豆腐や昭和歌など口に出て(特・翠波・政子)
4 人寄らば友の安否や冬紅葉
3 湯豆腐や愚痴もいつしか忘れおり
1 日溜りに猫の居眠むる冬紅葉
1 湯豆腐や窓打つ風の夜となりぬ
2 冬の蚊のかそけきいのちなら打たず 山口 真希
2 湯豆腐や孤愁を言ふも笑顔もて
2 湯豆腐や片恋なべてうつくしき
1 冬の蚊やいよよ独りの身に添ふか
1 恋歌を口ずさみつつ冬紅葉
1 湯豆腐や先ずはメガネを拭かれませ
4 湯豆腐やそろそろ本音の出る頃か 八束 稔子
1 冬紅葉入日に映えて色を増し
1 冬の蚊のテレビの裏に動かざる
1 艶やかな色香淋しき冬紅葉
1 湯豆腐や下戸と上戸は同期生
3 百歳を生きて姉逝く冬紅葉 光墨 庄子
2 冬紅葉とびこむ朝の露天風呂
1 湯豆腐の湯気のゆれるや亡夫(つま)の顔
1 亡夫ありて湯豆腐ありて酒ありて
1 ホームにも冬紅葉あり風に舞う
2 湯豆腐や土間づてに入る京の小間 三浦 政子
2 冬もみじ暮れ山峡の水激し(特・如水)
2 冬もみじ散り遅れたるセピア色
1 冬もみじ何宣(のたま)ふや秘仏の眼
1 湯どうふののぼり横目に南禅寺
2 湯豆腐の角とれるごと友まるく 杉山佐都子
1 湯豆腐の崩れるように話し逸れ
1 湯豆腐の味覚好みし齢となり
1 脇役のありて湯豆腐艶めきて
2 冬の蚊の羽音は遠き夢うつつ 小野田耕々
1 冬紅葉赤きを拾い駆けくる児
1 湯豆腐の茶屋の連なる寺参道
1 湯豆腐や今日の荒れ日を癒しつつ
2 浦和駅イルミネーション冬紅葉 阿部 克子
2 アルミ鍋一人湯豆腐現代子
2 冬紅葉ひらひら舞うは不況風
3 秩父嶺の深く澄みをり冬紅葉 松原 利恵
1 山間の流れ清らか冬紅葉
1 遠目には口紅ほどの冬紅葉
☆ み ん な で 先 生
冬紅葉寺領の空の広きかな 池田 京華
冬になっても美しく残っている紅葉に、
冬枯れの寺領の空はとても広く感じさせる(稔子)
湯豆腐や場末酒場に腰据へて 坂井 翠波
場末の酒場が湯豆腐と妙に合っている(佐都子)
牛乳を搾りし桶に冬蚊落つ 小山田柏泡
牛乳の白と小さな冬蚊の対象が面白い(政子)
人寄らば友の安否や冬紅葉 松園 郁子
あの人はどうしてるかしら、今年もあとわずか・・残る紅葉を賞でながら集まった人々は思い出話に花が咲く(稔子)
湯豆腐や昭和歌など口に出て 松園 郁子
「昭和歌」に年齢が感じられておもしろいと思った。 単に「カラオケ」でないところがよい。
なつメロと云わず昭和歌がよい。 昭和の想いが伝わり同感(政子)
湯豆腐を掬う杓子や爪飾り 薄井 逸走
ありきたりの湯豆腐の状態でなく、現代の若い子の爪を表現したところが強い(佐都子)
浦和駅イルミネーション冬紅葉 阿部 克子
電光と紅葉の対照にぎやかな様子万天(利恵)
冬紅葉揺らす鐘の音奥秩父 坂井 翠波
秩父札所のお遍路さんの参詣のにぎやかさ
冬紅葉をゆする程の鐘の音の回数立派(利恵)
湯豆腐や床机の上の膝小僧 池田 京華
床机の上で正座したのでしょうか? それとも単に腰を掛けたのでしょうか? 様子がもう少し分かるといいです。
湯豆腐や隠しきれない膝小僧 では?(逸走)
湯豆腐の掬いて角を崩しけり 小山田柏泡
「角を崩し」を、「眉を崩し」と読み間違いました。
「湯豆腐の」ではなく「湯豆腐を」でしょう(逸走)
冬の蚊のかそけきいのちなら打たず 山口 真希
冬の蚊のかそけきいのち打たずおく では(逸走)
湯豆腐や下戸と上戸は同期生 八束 稔子
湯豆腐や下戸と上戸の同期生 では
「下戸と上戸は」では説明調になりますので(逸走)
冬もみじ暮れ山峡の水激し 三浦 政子
山峡の水が激しく流れるのは夏でしょうし、暮れて激しく流れるのは冬の風景ではないでしょう。
季語と情景の選択を誤っていると思います(逸走)
山間の流れ清らか冬紅葉 松原 利恵
この句も同じ。清らかな流れと冬紅葉は合うのでしょうか。
山間の流れ清らか青葉風 山間の流れ清らか遅桜
の方が合うように思います。季語を大切にしたいです(逸走)
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1 月 句 会(2009)(特・○○)は特選 (選者が今月一番の句と選んだもの) 4 松の内猫と日溜まり分け合って 薄井 逸走
3 松の内地鶏は今日も放し飼い(特・佐都子)
3 松の内嗽(うがい)に遠慮なかりけり
2 本丸の中に市役所松の内
1 松の内路地の掃除は明日にして
1 松の内布団叩きは使わずに
1 寝坊して朝風呂をして松の内
1 松の内大浴場に四肢伸ばす
4 路地裏も掃き清められ松の内 八束 稔子
3 松の内過ぎ去り居間の広々と
3 尋ねくる人も遠のき松の内
2 不況とは云へど人出の松の内
2 生かされて傘寿の旅立ち福寿草
1 澄み渡る今朝の青空福寿草
1 静まりて暗き池の面寒の鯉
7 捨て難き古書読み返す松の内 三浦 秀水
3 寒鯉や学徒厳しき登竜門(特・京華)
3 松の内明けて子供の塾通い
2 寒鯉の透けて池面の動かざる
1 松の内探しものして小半日
1 寒の鯉流れゆるやか堰の音
5 松の内お重の傷も祖母ゆずり(特・翠波) 三浦 政子
3 松の内紺唐草の大器(特・郁子)
2 寒の鯉入日を映す水の面(みのも)ゆれ
1 娘らを待つふるさと料理松の内
1 気負ひては疲るる齢松の内
1 福寿草ひとつは蕾固けれど
4 初孫の宿る報せや福寿草(特・秀水) 亀井 隆春
3 大不況素知らぬ貌の寒の鯉
3 懸案を一日延ばし松の内
2 次の芽もそのつぎも見ゆ福寿草(特・信・真希)
2 寄り添ふて温め合ふよな寒の鯉
1 いつの日か宙泳ぐ夢寒の鯉
4 寒鯉や向きを変えたる尾のしづか(特・政子) 松原 利恵
2 松の内気は張って居り厨妻
1 床の間に心を宿す福寿草
1 息づきしままの寒鯉眺めをり
1 松の内朝の厨にパン匂う
1 日々愛でて鉢いっぱいに福寿草(特・柏泡)
2 大仏の修復中止松の内 杉山佐都子
2 出港はみな宝船松の内
2 福寿草一つの未来開きゆく(特・逸走)
1 旅三日赤福餅で松の内
1 善き事のありそう予感福寿草
1 人生の黄金期なり福寿草
7 会ふ人に深き会釈も松の内(特・とも子・克子) 松園 郁子
4 駐在所陽の射す場所に福寿草(特・耕々)
3 参道の池に鎮もる寒の鯉
2 かぜ荒む錘のごとく寒の鯉
1 雨粒を黄金に染めたる福寿草
4 書に倦みて日差し楽しむ松の内 吉田 信
3 寒鯉は池の底にて瞑想す
2 なつかしきカレーの匂ひ松の内
1 福袋とブーツの闊歩松の内
1 よこになり化石となりし松の内
4 福寿草だけに日溜りあるごとし 小山田柏泡
4 寒の鯉総てを腹に据えにけり(特・庄子)
2 溜め池のそこの深さよ寒の鯉
2 贈られし蕾の硬き福寿草
1 鉢向変えて日向の福寿草
4 お茶漬けもまた馳走なり松の内 池田 京華
2 松の内集ゐし子等の背くらべ
2 松の内琴の調べや女坂(特・隆春)
2 新しき命待たるる福寿草
1 鏡中粧ふ緊張松の内
3 寒鯉や水面かすかにゆらし行く 中村とも子
3 松の内かきあらためる住所録
2 核家族大家族あり福寿草
2 秩父路の光あつめて福寿草
3 福寿草茶房の卓に陽の撥ねる 坂井 翠波
2 訪問着墨堤行くも松の内
2 福寿草触れ来し風のやはらかし
2 福寿草枯山水の石組みに
5 寒鯉よ生きているかと子に問われ(特・稔子) 光墨 庄子
2 陽のあたる我が部屋うれし福寿草
1 福寿草よりそい咲くよホーム庭(特・利恵)
1 松の内氏神宿る華飾り 阿部 克子
1 道迷い福寿草咲く誘い道
1 動きすぎうとうと眠い松の内
1 帰りきて明かりに浮ぶ福寿草 小野田耕々
☆ み ん な で 先 生
訪問着墨堤行くも松の内 坂井 翠波
晴着きて墨堤をゆくよくのどかさ、
松の内ならではの光影(政子)
寒鯉よ生きているかと子に問われ 光墨 庄子
無邪気な問いかけに子の真剣さが伝わって来て佳句(政子)
寒鯉や向きを変えたる尾のしづか 松原 利恵
鯉の動きのするどい観察と細やかな表現がとてもよい(政子)
寒鯉の向きを変えいる尾のしづか・・・過去形よりも、
現在進行形の方がいいように思います(逸走)
松の内地鶏は今日も放し飼い 薄井 逸走
放し飼いを松の内とした事が活きていると思います(佐都子)
次の芽もそのつぎも見ゆ福寿草 亀井 隆春
未来に希望を感じる佳句(信)
会ふ人に深き会釈も松の内 松園 郁子
正月、新年、らしさが良くでています(利恵)
松の内琴の調べや女坂 池田 京華
松の内琴の調べの女坂 では(複数)
松の内お重の傷も祖母ゆずり 三浦 政子
久しぶりに出したお重ずいぶん傷がついている。
これは祖母以来のものと感慨に耽る主婦の気持ちがうまく出ている。佳句と思う(翠波)
松の内紺唐草の大器 三浦 政子
平日は小皿で食事をすることが多いのに、松の内は大皿にご馳走が盛られ、賑やかな人の集いが感じられます(郁子)
私が育った実家の様子、そっくり大器に盛った酒、肴、それを囲んだ大家族の一月三日が思い出されて、
なつかしい器の肴の料理の色合いまで見えるような俳句です(利恵) 秩父路の光あつめて福寿草 中村とも子
昔、桑畑の合間に沢山、福寿草をつくっていた光景が
思い出されました(信)
大仏の修復中止松の内 杉山佐都子
大仏の修復休止松の内 では(逸走)
駐在所陽の射す場所に福寿草 松園 郁子
駐在所陽の射すところ福寿草 では(逸走)
贈られし蕾の硬き福寿草 小山田柏泡
買いたるは蕾の硬き福寿草 との違いが「贈られし」にあるのでしょうか?(逸走)
寒の鯉流れゆるやか堰の音 三浦 秀水
堰に水を流してしまっていいのでしょうか?
これは、早春の雪解けの様子だと思います(逸走)
松の内朝の厨にパン匂う 松原 利恵
現代っ子はおせち料理に飽きることでしょう。
でも、俳句としては、視点が違うように思います(逸走)
なつかしきカレーの匂ひ松の内 吉田 信
暮れから正月に、カレーを食べなかったから懐かしいのでしょうか。やはり、俳句としては視点が違うと思います。(逸走)
旅三日赤福餅で松の内 杉山佐都子
旅三日にどのような意味があるのでしょう?
赤福餅と松の内に、どのような結びつきがあるのでしょう?(逸走)
福袋とブーツの闊歩松の内 吉田 信
福袋ブーツの闊歩松の内 では(複数)
鉢向変えて日向の福寿草 小山田柏泡
鉢の向変えて日向の福寿草 では(複数)
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