1.味噌の材料の来た道

日本では昔から米・麦・あわ・きび・豆の5種を五穀と呼び、大切にしてきた。 狩猟・採取生活を基本としていた縄文時代、 大豆が当時の遺跡・鳥浜貝塚(福井県)で見つかっている。 また紀元前4000年頃、中国長江の下流で稲作が行われ、その米(ジャポニカ) が朝鮮半島を経て日本に伝来した。これが弥生時代の始まりである。 こうして東南アジア→中国→朝鮮半島→日本へと味噌の原料の穀物とその栽培法が伝えられた。

2.味噌の起源

古代中国で考えられた「醤(しょう)」は、もともと動物性タンパク質を細かくつぶ して容器に保存し、発酵させて料理のソースかディップとして使われていた。古代日本でも、発酵させた「味噌のようなもの」 があったと推測されている。文字として最も古いのは、大宝律令(701年)の「醤院」の制度の記録である。 この「醤(ひしお)」とあるのが、味噌の原型ではないかといわれているのだ。 大陸から伝来した「醤(しょう)」と日本古来の「味噌のような発酵食品」とが合体して大豆や雑穀を使った発酵食品「味噌」ができたのではないかという説もある。
現在のような形の味噌が定着したのは室町時代以降である。 日本の食の基本、「米飯・味噌汁・漬物」がはっきりと形づくられたのもこの時代とされている。 こうして味噌も醤油・酒と共に、日本の食文化に欠かせない ものになっていったのである。

3.味噌の作り方

味噌は大豆、小麦、裸麦などの穀類・麹(こうじ)・塩・水とで作られる。 蒸し煮にした穀類に、麹菌(こうじきん)を付けて発酵させ、麹(こうじ)を作る。 次に蒸し煮にした穀類をつぶして麹(こうじ)・塩と混ぜ、容器にすき間なく詰めて塩でフタをし、その上から封をする。 この材料が発酵によって時間とともに熟成され味噌になってゆく。その土地の風土・水・気温・材料の違いなどで、微妙に味が異なるのも発酵食品のおもしろさであろ う。「味噌は生きもの」といわれるゆえんである。

4.味噌の種類と分布

麹(こうじ)による分類
 米味噌……日本の味噌の8割を占める(白味噌)
 豆味噌……大豆が主原料(八丁味噌)
 麦味噌……「田舎味噌」とも呼ばれる(九州味噌)

味や色による分類
 甘味噌……白・赤            
 甘口味噌……淡色・赤            
 辛口味噌……淡色・赤    

 ※使用する麹や味、色調で大別。
  各地方ごとにそれぞれ特徴がある。

参考文献
『日本海シンポジウム』森浩一編 小学館
 "日本海沿岸諸民族の食文化と日本"
    味噌・醤油・酒の来た道
『ニッポンみそ汁風土記』日本みそ汁研究所
   エー・ジー出版
『ふなずしの謎』滋賀の食事文化研究会編
   サンライズ出版
『食文化探訪』石毛直道著 新人物往来社
『みそ文化誌』みそ健康づくり委員会  全国味噌工業協同組合連合会・社団法人中央味噌研究所発行