< 1999年度の米作り 1999年度
5月 籾を蒔く
6月 苗を植える
7月 穂が出た
8月 雑草
9月 結実
10月 (1)稲刈り
10月 (2)脱穀
11月 脱穀


5月 籾を蒔く

5/1

ようやく田んぼを見に行ってきました。
機械でならしてもらいました。
いまはこんな感じです。
はるちゃんのおじいちゃんありがとう!!

田んぼのそばには池があります。

早速 レインは初泳ぎ...

5/6(水)

当直明けにいよいよ種まき開始。5/4の大雨でたんぼはぬかるみに。 しかし明美はがんがん植えていく。
手元はこんな感じです。
青いテープはまっすぐに植えるための目印です。

5/8(土)

1年前からの約束をしっかり守って蒲池さんと柳さんが登場(無理矢理呼んだのではありません...?)
始める前は少し不安な感じ...


そして休憩では余裕の笑顔。


「あっけなく終わったとは言えませんねー」...蒲池さん
かくして10a、4000-5000株の種まきは無事終了したのでした。
皆さんお疲れさま。今度は刈り入れよろしく。


6月 田植えも一応...

6/12(土)

おどろいたことにほとんど雨も降らなかったのに直播きの籾はしっかりと発芽。しかし集まりすぎている、出てない場所がある、などにより田植えもすることに。「まつりばれ」という品種の苗を準備してくださった井沢さん、ありがとう!


蒲池さんに呼びかけに応じてくれたマーチンさんと望月さん ご苦労様でした。 (あのあとフィルムを田んぼに落としてぬらしてしまい写真に色むらがあります。すみません)


乙女の足下には日本の誇る 地下足袋 が! しっかりぬかるみを捉えています。ひょろひょろと生えているのが稲の苗。


6/18(金)

撒くときに縦方向の間隔を40cmと広くしました。草抜きを楽にするためです。そして横方向は密にしました。雑草を押さえるためです。 JA徳島発行の「水稲直播きマニュアル」を参考にしました


いかにもいい加減な感じのたんぼです。しかし、よほど手を抜いてもすこしだけでも米がとれるようでなければ、なかなか研究や育児と両立しません。とにかく実験開始です。


やはり直播きの分は色も濃く強うそうなのですが、後から植え足した分はひょろひょろして頼りない感じです。

なにやら田んぼの表面をせわしなく動き回っているものが...よく見るとカブトエビでした。無数にいてずっと動き回っています。


7月 穂が出た
なんとなく普通の田んぼっぽい?


ひょろひょろだった苗がしっかりと分けつしている。水はあまり張らずにひたひた状態で管理しました。これからはずっと水を張りっぱなしにします。近くのお百姓さんが「おかしいなあ、そういうふうにしたら分かれん(分けつしない、苗の茎が分かれて増えること)はずなんやけどなー」と。
直播きしたらどうなるか、本当は誰も知らないのです。
そして好きなことを言って帰ります。


近くの田んぼにはきれいに植えられた苗が順調に育っています。人影はほとんどありません。私たちの田んぼには絶えず誰かが来て整理しているのに、相変わらず雑然としています。 しかし稲を植える ことが目的であって米をとる のが目的ではありません。楽にやりたいのだったら 米を買う のが一番楽でしょう。しかし、こういってもなかなかお百姓さんには納得してもらえず親切な方たちがやってきては 機械で植え直ししたろうか?これでは米やとれへんでー、と声をかけてくれます。

8月 雑草 そして稲の花咲く

8/25(水)


近づいてみると穂にお米がついている。触れると花粉がざわっと飛びます。


草抜きにやってきて途方に暮れる奥さん。


草抜き終わって。あまり減ったようには思えません。


草抜きに行くとしばらく手の土、とくに爪の中、がとれずにたいへんです。命の学習で授業に行っていた東光小学校の校長先生が「出かける前にせっけんを引っ掻いてからいくといいですよ」と教えてくれました。それからは爪の中はきれいになりました。


9月 さらに雑草

9/3(金)


 写真は8/26頃の田んぼの風景です。今ではまたどんなにひどいことになっているか...少し怖いです。 先日たんぼをかしてくださっている石橋さんとばったりお会いしました。顔を見合わすなり「わっはっはっは!」と笑っておられました(僕も笑ってしまいました)。田んぼが草ぼうぼうなので笑うしかない、という温かいご対応「2年目より3年目、3年目より4年目とうまくなりますよ」と涙が出るような温かいお言葉。

僕はやりますよ!


さて、今回は雑草の紹介をしましょう。
ざっと眺めるとこんな感じです。


しかしよく見ると(よく見ないでも)雑草だらけです。


それにもめげずに稲は育ちちゃんと実も入っているようです。収穫はいつでしょうか?


9/24
ときどき子供達とたんぼの見回りに来ます。 このごろは来るたびに田んぼが黄色くなっていて感動します。


写真は9/10頃ですが現在ではほぼ全ての穂が黄色くなり、はやく刈った方がいいような感じです。 天日乾燥して水分が14-16%になったら脱穀です。はやばやと足踏み脱穀機も準備しました。


これを見たら 米作りって簡単やなあ、と皆さん思われたのではないでしょうか。本当に簡単です。狭い面積で取れ高を気にしなければ。これも今後のこの国の新たな農業のひとつの形ではないでしょうか?

10月 稲刈り(1)
10/2(土)ついに稲刈り
稲穂を調べる父。

 たんぼを始める前、始めてから、と実にいろいろ言われました。
 籾を直播き?そんなん芽でえへんで!
 田植えしない?そんなんで米できるか!
 7月まで水張らへん?絶対あかんわ。
 肥料なし?穂がでる訳ないで。
 消毒せえへん?周りの虫が全部よってきてしまうわ。
 いろいろなことを言われ続けましたが(とくに近くのたんぼのMさん、先日も「今回は気候もたまたま良かったので奇跡的にうまいことできたけど、来年は絶対こうはいかへんで、わし言うといたげるわ...悪いこといわへんから、ならすだけでも機械でならして(平らにするということ)除草剤まいとき...」とわざわざ」言いに来てくれましたね。はっきり言って私の方がトマトもカボチャもうまく作れるみたいですよ、とわたしも言ってあげたいです)。
 相談するたびに「それで大丈夫」と言ってくれたのは父でした。結局ほかの人たちは自分の知っている作り方以外はあまり知らなかったのです。さすがJA徳島参事!いろいろな時代のいろいろな条件での作り方をみんな知っている。ここまで来て改めて尊敬しました。宇宙戦艦ヤマトの艦長みたいだな、と思いました。近くで田圃をしている人が「前に自分が直播きやったときにはなかなか生えてこんかったので、結局待ちきれんで田植えしてしもうた。あんたの見とったらかなり後から生えてきてあっというまに追いついた。わしも、もっとじっくり待ったら良かった..」ポリシーがあるかないかの差なんですよ、と言おうと思ったけどやめた。信じてやっているのならずっと待たないと。それが自然を信じると言うことだと思う。ちょっと待って芽がでなければすぐ周りの言葉に惑わされて動揺していては...いやいや目出度い日なので他者批判はこのぐらいにして、と。

 刈り取り、束にして、干す、過程の指導に初めて父に田圃に来てもらいました。実際にやって見せてもらわないとなかなか電話ではわからないので。うちの子供らの保育園の運動会の日でした。運動会が終わってから稲刈りが始まりました。


望月さん 「やってると心が真っ白になっていく、私 疲れないんです」とすてきなお言葉、ありがとうございました。


蒲池さん なんかベネトンの広告のような構図 ソフトボール大会の後でご苦労さまでした


嫁と姑が笑顔で稲束を車に積む写真。


では、今回のノウハウのご紹介。新たにたんぼをはじめる方、ご参考にしてください。 まず刈り取り。左手でイネをつかむ向きが草刈りと違います。こうして2−3株刈って手にいっぱいになったら置きます。


右から左へと刈っていき、次の人は前の人が刈ったところへと置いていきます。束ねる人は藁をもって束ねていきます。

X(エックス)印になるように互い違いに3−4握り分を重ねます。Xがポイントです。


この重なりの部分を藁(わら)でとめていきます。わらは去年のわらです。2−3本を使って交差させ稲束を押さえておいてねじって片方の端をわらの下に差し込んでOK。慣れるまでは爪が痛くなったり束がばらけたりしますがすぐさっさとできるようになります。


互い違いに束ねたものを干していきます。4握りで一束のものを左1,右3と非対称にかけて、次に、右1左3とその反対の非対称にかけて...とかけていくとぎしっとはまって風などで落ちないようになります。これも先人の知恵なのです。写真は家に持ち帰った分をフェンスに干したところです。一束2合、と昔から言うそうです。約100束かけてありますが200合、20升分です。


およそ稲1株で50gの米がとれます。この田圃には全部で4000株稲があるので200kgお米がとれるのでは、と思っています。3株を一握りで置いていき4握りで一束にします。つまり一束は12株。4000株なら350束ぐらいのはずです。しかしすでに250束できたのにたんぼの1/3ほどしか刈れていません。全部で何束できるのやら...。100束ほどを自宅の南側のフェンスに持ち帰って干しました。窓を開けると稲が干してあって気持ちいいことこの上ありません。


次の日には夜の間に雨が降ったにもかかわらず早くもぱりぱりの感じになってきました。藁のいい匂いが近所中立ちこめています。住宅街に突然現れた稲束。


家のフェンスや物干しで干そうと思っていましたがとても干しきれないので田圃にも干すところを作ることにしました。道ばたに並べられた稲束。


結局 10/2にはここまで刈りました。これから来られるときに来て、できる分だけ刈って干して、とやるつもりです。できなくてもいい、と始めたのにこんなにできるとは...全く驚くばかりです。水管理なんて、け!、てなもんです。

つぎは足踏み脱穀と唐箕(とうみ)作業です。お楽しみに!2−3週間干したら取りかかる予定です。 そして土を乾かすために溝を切り、麦とクローバー直播きし、そして「藁をただ振る」福岡正信氏のあの言葉を現実に実行できるのです。

10月 (2)脱穀
10月22日 足踏み脱穀とは...
写真は足踏み脱穀機です。足下の跳ね板を踏むとドラムが回転します。ドラムにはカギ状の歯がたくさんついていて稲わらから籾だけがすごかれるしくみです。ドラムやそれにつながるクランクにある程度の重さがあるため一度回り始めると軽く力を加えるだけでどんどん回り続けます。少し前まで日本中のお米はこの機械で脱穀されていたのです。この脱穀機は徳島の実家の近くの吉岡さん宅の納屋に50年間大事に保存されていたものです。こんなに役に立ってきた機械はいくら使わないと分かっていても捨てられなかったのだろうな、と思いました。まだまだ50年ぐらいは使えそうです。

さて、予想以上にできてしまったので急遽たんぼにも はさがけ 用の竹を組みました。写真で写っている列の向こうにもアルミの梯子などを利用してたくさんかけてあります。


脱穀は勢いよく籾がはずれるので楽しい作業です。前に飛び出す籾を押さえるために布をかけています。 籾は布の中にたまっていきます。明美(家内)と応援の蒲池さん、望月さん。


30kg入る袋(コンバイン袋、JA山城で310円/一袋)にどんどんたまっていきます。


脱穀したわらはたんぼにめちゃくちゃに振りました。


きれいに並べると光が届かないので麦が発芽しにくいとか...。 ばらばらに撒くのがポイントだと福岡さんの本に書いてありました。 そのとおりにとにかくやります。


わらの下には麦を撒きました。手でぱらぱら落としていって上から踏んづけただけです(お米の時と一緒!) わらは鳥に麦が食べられるのを防ぐ役割もします。


たんぼに5mごとに深さ20cmほどの溝を掘りました。麦は湿気に弱いので土を乾燥させるためです。はじめに鎌で土を切って置いてスコップで掘り返して行きます。


いろいろお世話になった渡辺さんと藪下さん(&はるちゃん ともくん)


藪下さんには陰に日向に本当にお世話になりました。ありがとうございました。あぜの草刈りも、溝の掃除も。 若大将シリーズを彷彿させる笑顔 よっ男前!(たんぼでは皆 笑顔が似合いますね)


もうすぐこのシリーズも終わりに近づいています。
10/24にもみすりをします。その後で今回であった人たちのことを順番に考えてみたい、と思っています。
たんぼを貸してくれた石橋さん、
同じくたんぼのことでお世話になった渡辺さん、
米作りを勧めてくれた土井先生、
いろいろな作業を指導してくれたM田さん
植え足しの苗を手配してくれた井沢さん
刈り取りのわらをくれた徳島の上田井さん
脱穀機をくださった吉岡さん
いつも優しく応援してくださった藪下さん
蒲池さん、望月さん、柳さん、トンコさん...
自分のキャリアとまったく違う作業を通じて多くの人といろいろな形で接することになりました。 この数ヶ月で自分は大きく変わったと思います。


11月 脱穀

もみの水分は15%以下になっていないともみがうまくはずれません。乾きの足りないものは部屋の中で干しました。


まあ、とにかく乾燥させてdry checkerで水分を測定しました。幸い15%前後まで乾燥していました。これなら強制乾燥しなくても大丈夫です。



籾をはずすのは昔はむしろの上に広げてたたいたり、水車の力を使って杵でついたりしていたようです。瓶に入れて棒で突いてもはずれますが大量になってくると...現実的には無理です。もみを外すのは機械でやってもらうことにしました。精華町のとある場所まで運んできました。

大がかりな機械です。このうちもみを外すのは一番右の小さな機械。


玄米がちょろちょろとでてきます。わらがつまったりして結構大変だったのに終始笑顔でやってくださった藪下さんのお友達の方(名前忘れました、すみません)、本当にありがとうございました。


そしてふくろに玄米をつめて持ち帰りました。もうすぐこのstoryも終わりです。

せっかくの自然農法米なので、庭に竈を作って 釜で炊く

めでたく食べることができました。直播きで、無農薬無肥料無消毒で、鎌で刈り取って、足踏み脱穀して、天日干し、というお米は全国のお米900万トンのうち0.01%以下でしょう。
もみをまけば米はできる、味は最高。
皆さんもいかがです?


先日見に行ったら、もう麦の芽が出そろっていました。クローバもたくさんでていました。クローバの中に生える麦、次のストーリーが始まっているのです。「農」には終わりがありません。



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