色々な長さの篠笛

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長さの比較

ひとくちに「篠笛」と言っても、用途や調子に合わせるために色々な長さ・種類のものがあります。
まず、色々な長さの篠笛を並べてお見せしましょう。

篠笛三本〜十本調子と各部名称
(写真をクリックすると拡大します)

上から順に「三本調子」「四本調子」「五本調子」「六本調子」「七本調子」「八本調子」「九本調子」「十本調子」の篠笛です。
単3電池、カセットテープ、CDは大きさ比較のために置いてあります。
左の細長い写真は管頭の拡大です。漢数字が書かれているのがお分かり頂けるでしょうか。
(「七本調子」だけ黒塗りですが、これは私が持っている七本調子がたまたま黒いだけで、色以外は他の篠笛と同じです)

ここに並べてあるものは「唄用・七孔」と呼ばれるタイプの篠笛で、指孔(指でふさぐ穴)が7個あります。右から3番目の指孔(第3孔)が大きめ、一番右の指孔(第1孔)が小さめなのが特徴です。音階は西洋音階(平均律)に近いですが、「ミ」に相当する音が低めになっているなど、伝統的な邦楽の音階が吹きやすくなっています。

「篠笛」の他の種類としては「囃子用・七穴」「囃子用・六穴」「ドレミ調律」などがあります。
「囃子用」は各地の伝統的な祭囃子や神楽で用いられてきたもので、指孔の間隔が均等なのが特徴です。音階はあまり気にせず作られているため、西洋音階を吹くのは困難です。祭囃子・神楽専用と考えればいいでしょう。(逆に、唄用篠笛や洋楽器で祭囃子を吹くと、祭囃子独特の「無調感」を出しにくいです)
「ドレミ調律」の篠笛は、製作者や考案者によって色々な命名がなされています。西洋音階にきっちり調律された篠笛で、半音用の指孔が追加されているものもあります。西洋音楽や童謡・懐メロが吹きやすそうですが、伝統的邦楽には向かないように思います。
私は「唄用・七孔」以外の篠笛は詳しく知りませんので、ここでは「唄用・七孔」篠笛に限定して話を進めてまいります。

聞き比べてみる

「篠笛の音色を聞く」のコーナーで三本調子、八本調子の音をお聞きいただけますが、ここではもっと多くの種類を聞き比べてみましょう。

downloadをクリックするとMP3で音楽が再生されます。
うまく聞けない方は、右クリックして「対象をファイルに保存」 してからお聞きください。

三本調子、四本調子、五本調子、六本調子、七本調子、八本調子、九本調子、十本調子、と低いほうから順にお聞きください。

download 篠笛(三本調子)の演奏例 (MP3/307KB/19秒)

download 篠笛(四本調子)の演奏例 (MP3/349KB/22秒)

download 篠笛(五本調子)の演奏例 (MP3/350KB/22秒)

download 篠笛(六本調子)の演奏例 (MP3/362KB/23秒)

download 篠笛(七本調子)の演奏例 (MP3/314KB/20秒)

download 篠笛(八本調子)の演奏例 (MP3/385KB/24秒)

download 篠笛(九本調子)の演奏例 (MP3/387KB/21秒)

download 篠笛(十本調子)の演奏例 (MP3/282KB/18秒)

いかがでしょう。
単に基本的な音が高くなっていくだけなのですが、ずいぶん印象が変わるのが お分かり頂けると思います。
実際に吹いてみると、長さも太さもかなり違いますので持った感じに差があり、 息の通り方、共鳴の仕方も違ってきますので、聞く時以上に笛の長さによる違いを感じます。

特徴と用途

さて、篠笛の長さによる特徴と使われ方をまとめてみます。
(★:よく使う ☆:あまり使わない)

☆「一本調子」「二本調子」
篠笛としては最も低音が出る笛ですが、指孔の間隔が広くなりすぎて指が届かなくなることもあって、 特殊な用途以外ではあまり使われることはないようです。
太く長い竹を使うので短いものより高価で、持ち運びも不便です。
洋楽器と合わせる場合は一本調子がF(フラット×1)調の音階でよく用いられます。
★「三本調子」「四本調子」「五本調子」
低音用篠笛として、かなり一般的に使われています。
音色は柔らかで重厚、筒音(最低音)から大甲(最高音域)まで比較的楽に出せるため、表現力にも優れています。
長唄では男声に合わせる音域になります。
また三本調子の基本音階はG(シャープ×1、ト長調)、五本調子だとA(シャープ×3、イ長調)になりますので、洋楽器とも合わせやすい笛です。
★「六本調子」「七本調子」「八本調子」
最も多く使われている篠笛が、この三種です。
きれいに澄んだ篠笛らしい音色で、低音から高音までのバランスも取れています。
普通の人の手の大きさにも合っていて指孔を押さえやすいので、初心者が最初に買う篠笛として薦められることも多いですね。
長唄では女声に合わせる音域です。
洋楽器と合わせる場合は八本調子がC(調号なし、ハ長調)、六本調子がB♭(フラット×2、変ロ長調)に相当し、八本調子がずばぬけて便利です。
琴(箏)・三味線・尺八など和楽器(邦楽器)の古典曲と合わせる場合には六本調子がおすすめです。(壱越=Dを基準音とする都節音階、民謡音階を演奏しやすい)
☆「九本調子」「十本調子」「十一本調子」「十二本調子」「十三本調子」
高音用として用いられることもありますが、管が細く短いため低音も最高音も出しづらく、音質も鋭く軽くなってしまいます。指孔の間隔も狭くなりすぎて持ちづらくなります。
小さいので携帯には便利です。
洋楽器と合わせるには十本調子がD(シャープ×2、ニ長調)でよく使われます。

2007/11/29

五線譜がお分かりになる方は 「音階」のページで 篠笛の基本音階(数字譜)と実音(五線譜)の対応図をご覧下さい。 興味が深まると思います。

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