篠笛で吹ける五線譜の条件
五線譜が読める方であれば、「基本音階」と
「実音・五線譜対照表」を用いて、五線譜に書かれた音楽に
篠笛の数字譜を付けたり、書き換えることが可能です。
ですが、指孔半開で出す音の連続になってしまうと、実際に演奏するのは不可能か、
非常に難しくなってしまいます。そこで、「●本調子の篠笛は#、bいくつの調に合うのか」、
逆に「#、♭が●個の調は、何本調子の篠笛で演奏すればいいのか」の目安を
ご説明致します。
★基本事項
篠笛で半音を出すためには指孔半開(メリ音)を使用する必要があるため、#・♭の合計数が増えるほど演奏が難しくなります。
笛自体の基本音階に対して「#+2個」、または「♭+3個」までの範囲におさめるのが現実的です。
一般的に#が付く順番:4#→1#(→5#→2#→6#→3#→7#)
これは、「#+1個」なら4#だけ、「#+2」なら4#と1#の2音、
「#+3」なら4#、1#、5#の3音で#を付けた音を演奏する必要があるということです。
一般的に♭が付く順番:7♭→3♭→6♭(→2♭→5♭→1♭→4♭)
つまり「♭+1」なら7♭だけ、「♭+2」なら7♭と3♭の2音、
「♭+3」なら7♭、3♭、6♭の3音が♭付きの音になります。
上の説明ではアラビア数字の「甲音」で書いておりますが、漢数字の「呂音」、
アラビア数字に○の「大甲」にも、同じ数字に相当する音に#、♭が付きます。
例:「♭+2」の場合、三♭、七♭、3♭、7♭、(3)♭、(7)♭
「一#、1#」と「三♭、3♭」は、演奏しにくい音です。初心者用の曲では、
避けたほうが良いでしょう。
つまり、初心者用の曲では「#+1」「♭+1」までが許容範囲です。
上級者の場合も、「一#、1#」か「三♭、3♭」の前後に他の#・♭付きの音があると
演奏困難です。
最低音「筒音」(つつね)は「メリ気味」(音を低くする吹き方)だと「六」の1オクターブ下、
「カリ気味」だと「七♭」の1オクターブ下の音が出ます。
六・6を使う曲では「メリ気味」に吹いて「六」の1オクターブ下の音を使えます。
七♭・7♭を使う曲では「カリ気味」に吹いて「七♭」の1オクターブ下の音も使えます。
ただし、笛と演奏者の個性によって、どちらか片方が出せないこともあります。
(私自身は「六」の1オクターブ下として用いたほうが楽に思えます。)
一般的に、#が付いている調では#のみ、♭が付いている調では♭のみが書かれていますが、
「曲中の臨時記号」「転調」「篠笛の奏法上、記譜上の都合」によって、
#が基本になっている曲中に♭(または♭が基本になっている曲中に#)が、
例外として出てくる場合もあります。こういう場合は、その「例外」の#・♭も
演奏する必要があるということを考慮しなければなりません。
★調号#♭の数:便利な法則
「調号」(五線譜の最初にまとめて書いてある#、♭)に書かれている#の数を「+」(プラス)、
♭の数を「−」(マイナス)と考えると、次のような法則が成り立ちます。
1.「調号」の#・♭の数を数値に換算して、それに追加する#・♭の数値を
足し算することができる。
(例A:「#×3」+「#+2」=「+3」+「+2」=「+3+2」=「+5」=「#×5」)
(例B:「#×1」+「♭+3」=「+1」+「−3」=「+1−3」=「−2」=「♭×2」)
2.「#×6」(+6)と「♭×6」(−6)は、実際にはまったく同じである。
3.「#」が7個以上(+7以上)になると、その数から「12」を引いた調と同じになる。
(例:「#×8」=「+8」=「+8−12」=「−4」=「♭×4」)
4.「♭」が7個以上(−7以下)になると、その数に「12」を足した調と同じになる。
(例:「♭×7」=「−7」=「−7+12」=「+5」=「#×5」)
一覧表
| 数字譜に付く#♭ | #♭が付く音(呂音、大甲も同様) |
|---|---|
| #+3 | 1#、4#、5# |
| #+2 | 1#、4# |
| #+1 | 4# |
| なし | なし |
| ♭+1 | 7♭ |
| ♭+2 | 3♭、7♭ |
| ♭+3 | 3♭、6♭、7♭ |
| 篠笛本数 | 基本音階 | やさしい ← → むずかしい | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ♭+1 | #+1 | ♭+2 | #+2 | ♭+3 | #+3 | ||
| 十三本調子 | ♭×1 | ♭×2 | 調号なし | ♭×3 | #×1 | ♭×4 | #×2 |
| 十ニ本調子 | #×4 | #×3 | #×5 | #×2 | #×6 | #×4 | b×5 |
| 十一本調子 | ♭×3 | ♭×4 | ♭×2 | ♭×5 | ♭×1 | ♭×6 | 調号なし |
| 十本調子 | #×2 | #×1 | #×3 | 調号なし | #×4 | ♭×1 | #×5 |
| 九本調子 | ♭×5 | ♭×6 | ♭×4 | #×5 | ♭×3 | #×4 | ♭×2 |
| 八本調子 | 調号なし | ♭×1 | #×1 | ♭×2 | #×2 | ♭×3 | #×3 |
| 七本調子 | #×5 | #×4 | #×6 | #×3 | ♭×5 | #×2 | ♭×4 |
| 六本調子 | ♭×2 | ♭×3 | ♭×1 | ♭×4 | 調号なし | ♭×5 | #×1 |
| 五本調子 | #×3 | #×2 | #×4 | #×1 | #×5 | 調号なし | #×6 |
| 四本調子 | ♭×4 | ♭×5 | ♭×3 | ♭×6 | ♭×2 | #×5 | ♭×1 |
| 三本調子 | #×1 | 調号なし | #×2 | ♭×1 | #×3 | ♭×2 | #×4 |
| ニ本調子 | #×6 | #×5 | ♭×5 | #×4 | ♭×4 | #×3 | ♭×3 |
| 一本調子 | ♭×1 | ♭×2 | 調号なし | ♭×3 | #×1 | ♭×4 | #×2 |
※上の表の見方:
例えば、「六本調子」の篠笛で数字譜に「♭+3」
つまり[3♭、6♭、7♭]として演奏すると、
五線譜実音で「♭×5」の調号に表記されている楽譜を演奏できるという意味です。
| 調号 | 基本音階 | やさしい ← → むずかしい | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ♭+1 | #+1 | ♭+2 | #+2 | ♭+3 | #+3 | ||
| #×6 | 二本調子 | 九本 | 七本 | 四本 | 十二本 | 十一本 | 五本 |
| #×5 | 七本 | 二本 | 十二本 | 九本 | 五本 | 四本 | 十本 |
| #×4 | 十二本 | 七本 | 五本 | 二本 | 十本 | 九本 | 三本 |
| #×3 | 五本 | 十二本 | 十本 | 七本 | 三本 | 二本 | 八本 |
| #×2 | 十本 | 五本 | 三本 | 十二本 | 八本 | 七本 | 一本 |
| #×1 | 三本 | 十本 | 八本 | 五本 | 一本 | 十二本 | 六本 |
| 調号なし | 八本 | 三本 | 一本 | 十本 | 六本 | 五本 | 十一本 |
| ♭×1 | 一本 | 八本 | 六本 | 三本 | 十一本 | 十本 | 四本 |
| ♭×2 | 六本 | 一本 | 十一本 | 八本 | 四本 | 三本 | 九本 |
| ♭×3 | 十一本 | 六本 | 四本 | 一本 | 九本 | 八本 | 二本 |
| ♭×4 | 四本 | 十一本 | 九本 | 六本 | 二本 | 一本 | 七本 |
| ♭×5 | 九本 | 四本 | 二本 | 十一本 | 七本 | 六本 | 十二本 |
| ♭×6 | 二本 | 九本 | 七本 | 四本 | 十二本 | 十一本 | 五本 |
※「十三本調子」は「一本調子」と同じ調を1オクターブ上で吹けます。
※「#×7」は「♭×5」と同じです。
「#×6」は「♭×6」と同じです。
「#×5」は「♭×7」と同じです。
「調号」と「調名(長調、短調)」の対応は、 「調名・調号一覧」をご覧下さい。
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