質問

「緊急時の浮上方法」のBの加圧方法を比較しますと、緊急浮上後の再圧方法に

関して、規則は「最高潜水深度まで再加圧せよ」とあり、一方では「緊急浮上を

開始した深度に相当する圧力まで再加圧せよ」とあります。どのように考えれば

宜しいでしょうか? 正誤の判断がつかないのですが、規則に準じた方が試験対

策としてはよいのでしょうか?

宜しく回答願います。



問 潜水業務を行う場合の緊急浮上等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

(1)スクーバー式潜水の場合に救命胴衣を使用して浮上するときは、救命胴衣はなるべく浮上開始当初から使用する。

(2)緊急浮上を要する場合、なるべく潜水業務用時間表による第1回の浮上停止を行い、その後は浮上停止を行わないで法定の速度で水面まで浮上させる。

(3)浮上後は体を動かさないようにして再圧室に入れ、作業圧力まで加圧して異常がなければ、直ちに第1回の浮上停止の圧力まで減圧し、その後は潜水業務用時間表にしたがって減圧する。

(4)緊急浮上後に行う再圧減圧は、浮上後3分以内に開始する。

(5)特に緊急を要し、途中で浮上停止を行う余裕がない場合には、安全な範囲内でできるだけゆっくり浮上させる。

 

 解説と解答

 (1)テキスト168p 「救命胴衣を使用して浮上する場合には、出来るだけ自力で浮上し、なるべく水面に近くなって〜使用するようにする。救命胴衣による浮上では、速度が調節できないため、水深が深い場合には、急速浮上による空気栓塞や減圧症を起こす危険性が高い。」

(1)が誤り

 BCと救命胴衣の違いに注意する。救命胴衣はもはやダイビング現場ではほとんどみられなくなっている。炭酸ガスカートリッジを使って袋を膨らませる方式である。

 (2)(3)(4)(5) テキスト189−190p

 

補遺

(3)ここでは「作業圧力まで加圧して異常がなければ、直ちに第1回の浮上停止の圧力まで減圧し・・・」としている、作業圧力というあいまいな言葉にしているが、誤りとはしていない。

 テキストでは、「緊急浮上を開始した深度に相当する圧力まで再加圧する。」と明記している。問題では、「作業圧力まで加圧して異常がなければ、」となっているが、まちがいとはしていない。規則では307pに示す第32条で、「当該潜水業務の最高の水深における圧力に等しい圧力まで加圧し」とさだめている。

 現実の問題として、緊急浮上は、船上減圧と言う形で行われることが多い。作業船の上に乗せている小さな再圧タンクを使用して行われる減圧で、作業効率を上げるため、あるいは潜水者が安楽に減圧ができるために緊急でなくても、最終段階の減圧を船上の再圧タンクで行ってしまうものである。

 緊急浮上にしても船上減圧にしても、使用する再圧タンクは大病院においてある再圧治療タンクとはその性能に格段の差があり、規則で定める「当該潜水業務の最高の水深」まで加圧できない性能のものがほとんどである。現実に不可能なことを規則だ定められてしまったために混乱が生じた。

 実際に行われている方法は、「潜水者が再圧室に入ったら直ちに第一回目の浮上停止の水深に相当する圧力まで加圧し、その後時間表に従った減圧をする。」であるが、これは試験問題としては誤りの部類に入る。

 「浮上後は体を動かさないようにして再圧室に入れ、所定の圧力まで加圧し、異常がなければ直ちに第一回の浮上停止の圧力まで減圧し、その後は潜水業務用時間表に従って減圧する。」所定の圧力とあいまいにして逃げているので正しい。テキストでは「緊急浮上を開始した深度」とあるのだが、これもあいまいな表現である。第一回目の浮上停止を完了した時点で緊急事態になったとすれば、テキストの表現と整合性を持ちながら、第一回目の停止まで戻れば良いことになる。

 いずれにせよ、規則で定める「当該潜水業務の最高の水深」には、困惑しているのだろう。

 誤りとされていないのは、「作業圧力まで加圧し」「所定の圧力まで加圧し」「緊急浮上を開始した深度」「当該潜水業務の最高の水深における圧力に等しい圧力まで加圧し」であろう。


 質問
 修正時間の求め方がよくわかりません。

問  1日2回の潜水で、第一回目には25mに130分潜水する。第2回の潜水深度は水深18mである。2回目の潜水で許される最大の潜水時間を求めよ。

(1) 52分

(2) 70分

(3) 108分

(4) 126分

(5) 135分

 

 解説と解答

潜水時間とはテキスト169p「潜水時間は、海底での実作業時間ではなく、潜降を開始してから、浮上を開始するまでの時間を言う。」

テキスト177p 「たとえば、潜水深度25mの潜水業務を行う場合、別表第2によれば、一日あたりの潜水時間の制限は200分である。したがって、各回の潜水時間の合計がこの範囲内におさまり、かつ1回あたりの潜水時間の最大値以内(表により

、深度25mの場合には160分以内)

2回目の潜水で許される最大の潜水時間は、一日あたりの総潜水時間の制限と、一回あたりの最長潜水時間の両方を調べて、どちらか短い方の時間で規制される。

そして、一日に複数回潜水する場合は、その一番深い潜水深度でこの二つの規制を調べなければならない。

一日あたりの総潜水時間の制限は別表第2の最右欄に示される「一日についての潜水時間」である。一回あたりの最長潜水時間は、一番深い潜水深度での潜水時間の一番下の欄(許される最長の潜水時間)を調べる。

・潜水するのは、25mと18mであるから、一番深い潜水深度25mの欄で規制される。

25m(24をこえ26以下)で「一日についての潜水時間」は200分、潜水時間欄の最下段は「110をこえ160以下」であるから、160分が一回の潜水制限時間である。

一日あたりの総潜水時間の制限は200分、すでに130分潜水したのであるから、200−130=70分である

許される最長の潜水時間を調べるためには修正時間を求めなければならない。修正時間を求めるためには、体内ガス圧係数、ガス圧減少時間、当該潜水の水深が必要である。当該潜水の水深は18mである。

・25mに130分潜水すると、「110をこえ160以下」であるから、6mに29分、3mに41分減圧して、浮上したときの体内ガス圧係数は2.2である。特に指定がないので、別表2の業務間ガス圧減少時間で表示されている150分をガス圧減少時間として計算図表より修正時間を求める。

修正時間の表は試験場では別に与えられるので、定規を持って行けば簡単に求められる。

1.まず別表第3のA体内ガス圧係数の線の2.2の点を印をつける(小さい黒丸をつける)。

2.ガス圧減少時間の線Cの150分の位置に印をつけ、体内ガス圧係数線の2.2の位置とを線で結ぶ。この結んだ線と、Bの線との交点の位置に印をつける。

3.当該潜水業務の水深@の線上に、水深18mに潜水するのであるから、16を越え18以下に印をつけ、Bの線上に付けた印(線の交点)を結び、そのまま線を延ばして、Dの潜水作業修正時間の線と交わる点を読み取る。ここの目盛りが求めようとしている修正時間である。

 修正時間は、51か52に読み取れるはずであるが、53と読めても、50と読めてもかまわない。

25mに潜水したとした、潜水時間欄の制限時間160分から修正時間の51分を引くと109分である。53分を引いても107分であり、どちらも200−130の70分よりは長い。(長く潜れる)

二つをくらべて、短い方の70分が潜れる時間になる。

一回の最長潜水時間には修正時間が含まれるが、1日についての潜水時間には、修正時間は含まれないので、200から70を引けば良いだけである。

 ならば、最初から修正時間など求める必要は無いのではないかと言うかもしれないが、一回の最長潜水時間制限の方が短くなる例題も出題されるし、次の問題を解くには修正時間が必要であるから、ここで求めておく。

 

問   上記の問題での制限された潜水時間を限度一杯潜水するとして、2回目の潜水での浮上停止の深度と時間の正しいものを次のうちから選べ。

 

1. 減圧停止なし

2. 水深3mで2分

3. 水深3mで16分

4. 水深6mで7分、3mで16分

5. 水深6mで9分、3mで21分

 

解説と解答

実際に潜水できるのは70分であるが、修正時間の52分を70分に加えて122分として表を見る。ここで見る表の区分は、16を越え18以下、2回目の当該潜水の水深である。最長時間を制限する21をこえ26以下の表区分ではないことに注意する。

105分をこえ、135分以下で、水深3mで16分の停止となる。

1日についての潜水時間は修正時間を含まないが、その都度の最長潜水時間制限では、修正時間を出しておいて加えなければならない。

この潜水を終了したときの体内ガス圧係数は、1.9である。