開催日には大勢のファンがやってきて億単位のお金が動いています。私は現在ここで場内のテレビやカメラの修理をやっています。いつもレースを岡の上から眺めていますが、誰が一着になるのかの予想はなかなかむつかしく、仮に12レースを一枚づつ賭けてもせいぜい本命レースが二回あたれば上出来といったところでしょうか。こればかりは昔選手をやっていても全くお手上げです。実際にお金を張って眺めていらっしゃるお客さんのほうがはるかに上手で、いつも感心しています。
23から53歳までの30年間で約8,000回のレースをこなし、うち一着が1,500回でした。6艇のボートが一緒に走りますので、なんとか平均以上の成績で終えることが出来たのではないかと思います。
300メートルのヘアピンコースを三回まわってゴールですから、トータル1800メートルを約1分50秒くらいで走ります。直線コースでは約80km/hくらいのスピードでしょうか。2サイクル2気筒、400cc,
32馬力の船外機を長さ2.9m幅1,3mの木製70kgのボートに搭載しています。
ご覧いただいている皆さんの中には、将来選手をやってみたいと思われる方がいらっしゃるかと思います。最初に申し上げたいのは、先ず負けじ魂の持ち主でないと大成しないようです。また運動神経が良すぎても、危険に対処する術が敏感で逆にまずい面があります。案外鈍感で相手に体当たりを食らわすくらいで勝運を掴むことが多いようですよ。いや、そうした鈍感な連中を避けたがために、掌中の玉を逃がしたことが如何に多かったかと反省しきりです。と言っておりますが、そんなことにもめげず滅法強い御仁がいらっしゃるのも事実。こうした世界にも上には上がいるんですね、悔しいけれど。これ以上は所詮敗者の言い訳になりそうです。
この写真は広島県廿日市市宮島口にあります宮島モーターボートレース場です。私自身は23歳から30年間職業としてやってきたものですから、レジャーとか余暇というには少し抵抗がありますが、それはともかくこのレース場が出来たのは昭和29年の11月1日でした。
私はその前年の4月から選手をやっていましたから、地元にレース場ができるというので、それは嬉しかったです。それまでは日本各地を転々と渡り歩くいわゆる風来坊もどきでございました。このコースをモーターボートで最初に走る光栄を得たのも良い思い出のひとつです。
モーターボート競走 元登録選手 #413 松村 武明
昭和28年の宮島口 この海岸 にレース場ができると決まった時、私は自宅の呉からカメラ持参で撮影に来ました。笹川会長の鶴の一声でここに決まった由。ほかには呉線の坂横浜海岸、廣島市三篠橋上流と井口海岸の四つの候補地をすべて見て回ったそうです。
津ボート 私の初出場したレース場がここです。以前は津の町に近いところにありましたが、こちらに移転しています。今回は空からの訪問。平成4年の4月。
モーターボート競走生みの親故笹川良一会長。元A級戦犯、巣鴨では東条英機ほかの皆さんのお茶汲みから身の回りの世話と房内を駆け回っていたということです。巣鴨でボートレースの構想が湧いたとか。1982年笹川会館優秀選手表彰式会場。握手しているのは・・・ハイ、私です。
選手を辞めるとき宮島競艇場の主催者から表彰していただき、その節拵えてもらった立て看板を背景にスナップショット。昭和57年10月、時に53歳でした。
常滑ボート 6艇がいっせいにピットを離れて待機行動に移ります。2分のあいだ、それぞれ得意のコースを選び大時計のゼロ秒にあわせてスタートラインを通過します。いわゆるフライングスタート方式です。
常滑ボートの筆者 昭和50年頃。使用しますエンジンは昔は5種類くらいありましたが、現在は一機種に統一されています。試運転に出かける前の私です。
宮島モーターボートレース場 昭和29年11月1日開設。幅約100m、長さ約500mの水面。平成11年4月私が操縦桿を右手に左手でシャッターを切った写真です。
昭和40年代の宮島ボート 現在は左の写真のように周囲に囲いがあります。昔は大波がもろに競走水面にやってきましたから、波乗りも大変で、風にあふられハンドルが顔にあたって、前後三回ばかり縫う怪我をしました。
宮島ボート 年一回行われる子供たちの試乗会。遠く岩国在住のアメリカ人の子供もやってきました。このときばかりは私たちも童心にかえって子供たちと舟遊びといった楽しい一日でした。
昭和30年当時の管絃祭の様子です。瀬戸内沿岸の船がたくさん集まって毎年7月(旧暦6月17日)に行われます。満潮時に屋形船に神輿を移し対岸の廿日市地御前を往復します。管絃を用いての神事を行うのでこの名前がある。
故坂井三郎(1916-2000)、先の大戦における日本海軍の撃墜王です。氏の著書「大空のさむらい」にいただいたサインと、「不撓不屈」の添え書きで応援していただきました。