全米ステーキ&エッグス選手権2005【速報版】


 エントリーNo.5 Denny's(Inglewood・カリフォルニア州) $9.79

ステーキ

★★★★☆

たまご

★★★☆☆

ジャガイモ

★★★☆☆

トースト

★☆☆☆☆

総合

★★★☆☆

 エントリーNo.4と同じ店である。あのTボーンステーキがすっかり気に入ったのでこの店をひいきにしようと思い、その後の朝食でも利用したところ、TボーンではないS&Eがあることに気づいてしまったため、新たに評価することにした。そして、今度こそ「やっぱりデニーズはデニーズだった」という結果になることを、期待はしたくはないが、きっとそうなるであろうと想像しながら注文してみた。

 運ばれてきた皿はひとつのみで、トーストも一緒に乗っていた。この店はワタシのS&Eキャリアについていろいろな史上初を提供してくれるが、これは少なくとも加点方向に働くものではない史上初である。

 肉を切ると、意外なことに断面からは血が滴った。薄い部分は火が通ってしまっているが、一定以上の厚みがある部分はオーダー通りにレアに焼きあがっていた。これは電子レンジではできない。味は、さすがに先のTボーンには及ばないものの、ラスベガスのカフェと比較しても上位に食い込めるほど十分おいしい。

 しかし、今回のトーストには期待していたメイポーシロップが付いておらず、更に皿も上記の状態であれば、遠慮なく減点させてもらう。どうせ、トーストが別の皿に乗ってきたとしても、並を超える評価になるものでもない。

 今回のジャガイモは、クリスピー感があまりなく、少し物足りなかった。たまごは、格別見るべきところはないが、減点すべき点もない。 ステーキ自体はまあまあおいしいし、値段も許せる範囲内であることから、格別お勧めするとは言わないまでも、誰かが注文することを止めようと思うものでもない。

 それにしても、当初思っていたどうせうまくなかろうと言う予断が裏切られたのは嬉しい誤算と言える。このおかげで、次回、ラスベガスに行ったときに、カジノロイヤルのS&Eを試してみようと言う気になってきた。

(05.11.19)


エントリーNo.4: Denny's(Inglewood・カリフォルニア州) $13.39

ステーキ

★★★★☆

たまご

★★★☆☆

ジャガイモ

★★★★☆

トースト

★★★★★

総合

★★★★☆

 2001年の初春、パームスプリングスのデニーズで注文したS&Eがいかにひどいものであったかは、過去に行われた「全米・ステーキアンドエッグス選手権大会」を参照されたい。

 あれだけ酷評しておきながらまたもやデニーズのS&Eに挑んだのは、この店が出張で宿泊したホテルの最も近くにあったカジュアルレストランだからであって、何もあの悪夢とも言うべき前回の経験を忘れたからでは決してない。むしろ、この機会に、「やはり今でもデニーズはデニーズであった」という落ちを期待していた。

 メニューを開き、ステーキアンドエッグスの文字を見つけた時、以前よりも値段がずいぶん上がっていることに気が付いた。ただし、ステーキがTボーンであるので、これは仕方がない。また、高いとは言っても、ラスベガスと比較しても格段に高いと言うわけでもない。

 注文の段階で、ウェイトレスが肉の焼き具合を聞いてきた。しかし、これはどうせステーキを注文するときのお約束の手続きに過ぎないくせに、などと内心鼻で笑っていた。そして出てきたS&Eは、肉と付け合せの皿が別々になっていた。このようなサーブの仕方は、ワタシの経験では、ラスベガスの高級ホテル、ヴィニーシャンのカフェしか知らない。

 肉をナイフで切ると、手に伝わる感触が柔らかく、その断面は中心部にちゃんとレアと見える部分がある。そして、食べてみると、案外おいしい! これが本当に、過去に電子レンジで加熱したものをステーキと言っていたあのデニーズなのか!?

 さらに付け合せのうち、ジャガイモ(ハッシュドブラウン)の表面がザクザクというクリスピーな歯ざわりで、まあまあ良い。もう少し軽い「サクサク」だったらなお良かったかもしれないが、これでも十分である。デニーズならラスベガスだとカジノロイヤルにあるから、マンダレイ・ベイのカフェのスタッフはすぐに出向いてハッシュドブラウンの作り方を教えてもらえばいいのに。

 これらだけでも十分評価されてしかるべきことだが、さらにこのトーストには、史上初の星5個の満点を与えざるを得なかった。これはなぜかと言うと、メイプルシロップが付いて来たからである。いや、ひょっとするとこれはピュアなメイプルシロップではないかもしれないが、メイプルシロップが大好物であるワタシにとってはとりあえずたいへん嬉しいフィーチャーであった。それにしてもこのデニーズ、なぜワタシがメイプルシロップが好物であることを知っていたのだろう。この点が今でも謎である。いずれにしろ、これまで思いもしなかった、メイプルシロップをトーストにかけるという方法に目を開かせてくれたことにも感謝したい。

 ロサンゼルス空港から車でおよそ15分の、センチュリー通り沿いにあるデニーズは、ワタシの米国におけるデニーズに対する評価を一変させた。デニーズ本社はこの店に表彰状でも贈るべきであると思う。

(05.11.16)


エントリーNo.3: Raffle's Cafe(Mandalay Bay・ラスベガス) $15.75

ステーキ

★★★★★

たまご

★★★☆☆

ジャガイモ

★☆☆☆☆

トースト

★★★☆☆

総合

★★★★☆

 マンダレイ・ベイと言えば、ミラージやブラージョウと並び称される高級カジノリゾートのはずなのに、サーカスサーカスを親とし、エクスカリバーとラクソーを兄としているところから、ワタシにとっては「なんちゃって高級風」というイメージがいつまでも消えない。しかし、実際に訪れてみれば、レストランは、カジュアルのはずのカフェでさえファインの雰囲気をそこはかとなく漂わせている。嘘も1000回言い続けていれば本当になる、という格言があったかどうか自信はないが、つまりそういうことのような気がしてならない。なお、この「嘘も1000回作戦」は、現在ではラクソーにおいて有効に作用しており、オープン当初はエクスカリバーに毛が生えた程度のグレードだったはずなのに、今では準高級と信じられているように見える。ただ、もうひとつのエクスカリバーの場合は、ここも部屋代を見る限り高級系に近づこうとしているようだが、 世間の評価は依然としてチープ系とされている。バスタブがないバスルームではさすがに騙しきれないということだろうか。

 しかし、高級系にしては、$15.75という値段は、わずかだが腰が引けている感じがする。いまや$17というべらぼうな値段設定のけしからん高級カジノが登場しているというご時世なのに、ここはそれまでの事実上の上限だった$16にさえ届いていない上に、端数が「.75」である。せめてこれを「.95」とすることに何か不都合でもあったのだろうか。また、本当の高級系では価格に1ドル未満の端数がつかないという法則と、物価上昇トレンドに便乗し、$16としても不審に思われることはあるまいと思うのだが。まるで「なんちゃって高級風」のコンプレックスに起因する微妙な遠慮が、この値段に着地させているかのようだ。

 と、思ったが、そういえばここは以前、Lupinさんと来たことがあった事を今ふと思い出し、過去の半生中継をひっくり返したら、やはり昨年2月に訪れていた記録を発見した。驚いたことに、これによれば、そのときの値段は現在より20セント高い$5.95となっている。ただし、肉は今回と違って一枚でサーブされているが、これはひょっとすると、価格維持のために肉を小さくする手段ででもあったのだろうか。

 昨年2月の記録を見てもうひとつ驚いたことに、今回と評価が殆ど変わらない点がある。付け合せの評価に若干の違いは見えるが、肉に対する感想と評価は変わっておらず、このおいしいステーキが安定して提供されていることが窺われる。

 それにしても、今回のジャガイモは、S&E評価史上最低級なものであった。表面は殆ど乾ききって硬く、とても細心の注意を払って調理されたものとは思えない。この肉のすばらしさとの落差はいったいどこに原因があるのだろうか。これさえ一定水準を保っていれば、いかにワタシが常に騒ぎ立てている高くてけしからんS&Eと言えども、総合評価を満点にせざるを得なかっただろうに。ただ、肉のおいしさに限定すれば、かつて同じように感動し、現時点でワタシにとってベストS&Eとなっているヴィニーシャンに匹敵しており、その上値段は僅かながら安くなっていることから、ベストの座を交代・・・ といいたいところだけど、このジャガイモがある限りそれはやはり無理か・・・ まあ、量があまり多くないが、高くてもおいしいものを少し食べたいと言うブルジョワ系の皆様には、ジャガイモを除いて大いにお勧めできるステーキではある。

(05.11.15)


エントリーNo.2: (Buffalo bill's・プリム) $5.95

ステーキ

★★★☆☆

たまご

★★★★☆

ジャガイモ

★☆☆☆☆

トースト

★★★☆☆

総合

★★★☆☆

 メニューを開き、この値段を見たとき、プリムまで来た甲斐を感じた。やはりカジノのカフェで提供されるステーキはこうであるべきだ。

 しかし、運ばれて来たステーキは、小さく薄かった。落胆しつつも、薄いと言えばスカートステーキの特徴でもあるのでその可能性を期待して肉に覆いかぶさっているたまごをどけると、肉の縁にはニューヨークカット特有の脂身がちゃんと付いていた。これではまるで、日本のファミリーレストランで見られる、ステーキを名乗る焼肉と変わらないではないか。

 しかし、食べてみると、柔らかく、フレーバーも豊かで、なかなかおいしい。

 実際のところ、この記事の企図から、評価し、時には批判めいたことも言ってはいるものの、そもそも5ドル6ドルといった安ステーキに文句を言うのが了見違いというものである。そのようなS&Eには、値段の他に見るべき点のひとつでもあればそれは望外の幸運と言うべきであるところなので、主役のステーキがおいしいと思えるこのステーキは、むしろ当たりの部類であろう。もちろん、量が不十分である点から、高評価を与えるわけにはいかないにしても。

 とは言うものの、表面が乾いたように硬いジャガイモは、痛みを伴う分、いかに値段が安かろうが指弾しておきたい。トーストは並クラスだが、バターはたっぷり塗られており、ジェリーも付いてきた点は評価できる。

 たまごは、今回はイージーで注文してみた。これは、従来、評価対象としていたスクランブルエッグが、プラスチックバッグに詰めて売られている出来合いである可能性を知ったためである。この点については今後一考を要する。この目玉焼きは、黄身が小さく量も2個しかなかったが、焼き具合は柔らか過ぎず硬過ぎずでなかなか絶妙であった。

 絶対価格が安く、ステーキ自体はおいしいとなれば、バッファロービルズに来たときにこのメニューを選択することはさほど悪い考えではない。ただ、このS&Eを目当てに、ラスベガスから小一時間かけてくる必要までは、ない。

(05.11.13)


エントリーNo.1:Mr. K's (イリノイ州・シカゴ近郊) $11.55)

DSC07650b.jpg

DSC07653b.jpg

ステーキ

☆☆☆☆☆

たまご

★★★☆☆

ジャガイモ

★★★☆☆

トースト

★★★☆☆

総合

☆☆☆☆☆

 この店では、多彩なステーキアンドエッグスが提供されていた。

 この点には高い評価を与えたい。とりわけ「SKIRT STEAK」の文字を見たときは小躍りし、一も二もなくこれを注文しようとはしゃぎかけたのだが、すぐにこれまでに行なってきた評価となるべく同じ内容で審査しなければ意味がないことに気づき、「N.Y. STEAK」を注文せざるをえないと知った時は、生涯悔いとなって残るかもしれないとさえ思った。これが、ひとつのものにこだわり続けると決めた者が歩む修羅の道というものであろうか。

 なお、スカートとは横隔膜のことで、日本ではサガリとかハラミ、あるいは内臓肉などと呼ばれている部位である。独特の歯ごたえと適度な脂肪分があり、一昔前の日本では、低額のステーキメニューやカルビの代用品のようなスタンスでよく見かけられたが、この部位が安いわりにうまいことが知れ渡った結果、今ではむしろお高い部位として扱われる場合さえ見られるようになってしまっている(証拠はないが、こうなった原因の一端は、最も著名な某グルメマンガにあると見て、恨んでいる。ある回のテーマとしてハラミが「隠れたうまいもの」のようにおおっぴらに語られていることがあったため)。

 それにしても、この値段は、ラスベガスの大ホテルのS&Eに十分比肩し得るものに思える。あるいは、これが米国におけるS&Eの相場で、ワタシが世間知らずなだけなのかもしれない。特に物価高騰のトレンドにあるラスベガスでは、もはや他の魅力的なメニューを横目で見ながらS&Eを注文し続けることが無意味に思えて来る。

 運ばれてきたステーキを見たとたん、その思いは更に強くなった。ボリューム感溢れる外見はラスベガスで見るS&Eのステーキよりよほど立派に見え、脂身もたっぷりあり、スカートステーキを断念した甲斐は十分あったと思われた。

だが、しかし。

 肉に味がない。歯ごたえは確かに肉なのだが、牛肉の味も匂いもしない。では何かと問われると返答に困るのだが、たとえば目隠しした人にこの肉を食べさせ、何の肉であるかを問うても、たぶん即答できないのではないか。もしかしたらワタシの健康状態が悪化して物の味がわからなくなっている可能性を思い、同行していた二人にも一切れずつ試食してもらったが、殆ど同じ感想を得た。5年ほど前に米国のデニーズで食べた、感動的なまでにうまくないと思ったステーキは、それでもまだ「うまくない牛肉」であったが、これは「うまくない、牛肉を標榜している肉」である。脂身の部分も、くにゃくにゃしているだけで脂身のおいしさはまったく感じられず、また非常にタフな筋が全体にわたっていたため、まるまる残してしまった。

 運ばれてきたときの第一印象が強かったため落胆も大きく、肉の評価は久々に星ゼロとする。たまごは、同行者が注文していたスカートステーキ&エッグスの目玉焼きを見る限り4個使用されており、確かに食いでがある分評価を上げる要素になりうるが、いかんせん主役であるステーキの低評価に引っ張られ、並より高くは評価したくない。ジャガイモは、いわゆるハッシュドブラウンにしては全体にしっとりしており、これはこれでおいしく食べられる。だが、たまごと同じ理由で、さほど高く評価する気にはなれない。

 食前に、バスケットに入った各種のパン類がサービスされ、それに付いてくるジャムやバターがS&Eのトーストに流用できるところは良かった。とは言え、これもステーキで受けたショックをカバーできるほどの加点要素でもない。

 デニーズの場合といい、市中のレストランのステーキでこうもハズレに遭遇することが度重なると、ラスベガスのS&Eも、さほど安くはなくとも一定水準は確保している点で、まだ食べるに値する余地は残っていると言えそうである。

(05.11.11)

←ホームに戻る