「紛れ野の家」を県内初演 山形 合唱団じゃがいも演奏会 山形新聞(2006年05月21日)
山形市を拠点にする合唱団じゃがいも(森谷文一代表)の文翔館コンサート「やまがた
の心を歌う」が20日夜、山形市の文翔館議場ホールで開かれ、上山市の詩人木村迪夫さん
の詩による「紛れ野の家(うづ)」を県内初演した。
戦争で家族を失った母と妻の心情や、村の農民一揆など、身近な題材を基につづった木
村さんの詩四編を、作曲家高橋悠治さんが組み合わせ、御詠歌、山形弁の朗読などさまざ
まな要素を曲に融合させた。昨年、山口県岩国市で初演されて以来の再演。この日は高橋
さん自らピアノ伴奏を務め、演奏前には木村さんが四編のうち「村・幻・方法」を朗読し
た。
さらに、歌人斎藤茂吉(上山市出身)の「死にたまふ母」(曲・西村朗)、詩人真壁仁
(山形市出身)の「青獅の歌」(曲・田中利光)からの抜粋や、児童文学者国文一太郎(
東根市出身)の「最上川」(曲・林光)など、すべて山形ゆかりの混声合唱曲七作品が披
露された。
上山の農民詩人・木村さんの反戦詩 山形弁の歌声高らか
河北新報(2006年05月21日)
山形市を中心に活動する合唱団じゃがいも(森谷文一会長)のコンサートが20日、同市の文翔館議場ホールで開かれ、農民詩人木村
迪夫さん(70)=上山市=の山形弁の詩に作曲家高橋悠治さんが曲を付けた混声合唱曲「紛れ野の家(うづ)」が、県内で初めて披露
された。
「紛れ野の家」は、戦争で家族を失った女性の悲しみをつづった「祖母のうた」など木村さんの四つの詩を高橋さんが組み合わせ、ピ
アノ伴奏に乗せた。
「じゃがいも」指揮者の鈴木義孝さんが昨夏、高橋さんが「紛れ野の家」を作曲したことを知り、コンサートを企画。高橋さんもピア
ノで参加した。
会社員や主婦、地元の高校生ら「じゃがいも」の団員26人は、「にほんのひのまる なだてあかい かえらぬ おらがむすこの ち
であかい」などと、木村さんが紡いだ言葉一つ一つに情感を込め、歌い上げた。
木村さんと20年来の付き合いという高橋さんは「木村さんの詩に込められた、ムラ社会で生きる人々の『しぶとさ』を伝えたかった」
と話す。
木村さんは「自作の詩に曲が付くとは考えもしなかった。地元でのコンサートは理屈抜きにうれしいし、創作の励みにもなる」と、感
激した面持ちで話していた。
合唱曲になった詩人・木村さんの作品
県内合唱団が地元初公演 朝日新聞(2006年04月23日)
現代詩人賞を受けた上山市牧野の農民詩人木村迪夫さん(70)の作品が、ピアニストで作曲家の高橋悠治さんによって「紛れ野の家
(うづ)」という合唱曲となった。山形市を中心に活動している合唱団「じゃがいも」(森谷文一会長)が、5月公演で県内で初めて歌う。
木村さんも詩の朗読で、高橋さんはピアノで参加する予定という。
「紛れ野の家」は、木村さんの詩「祖母のうた」「むら・幻・方法」「うたのわかれ」「夢」の4作品を高橋さんが組み直し、一つの
作品に仕上げた。「木村迪夫の詩による男女複数の声とピアノのために」が副題になっている。
高橋さんは、二十数年前に木村さんと知り合い、作品とも出合った。上山市の木村さん方に隣接する農家を拠点にしていた、知り合い
の映画監督の小川紳介さん(故人)との関係が縁だった。
そのころ、自身が組織した「水牛楽団」で主にアジアの抵抗歌を演奏していて、「にほんのひのまる なだであかい」の一節がある木
村さんの「祖母のうた」を披露したことがある。
「紛れ野の家」について、高橋さんは「戦争で夫や息子を亡くしても生きなければならない女たちや家、それを取り巻く地域のある種
の差別感情など、ムラに生きる人間の情念のようなものを表現したかった」と話す。
作品は04年8月に完成し、昨年3月に山口県岩国市で東京混声合唱団桂冠(けい・かん)指揮者の田中信昭さんが指揮し、高橋さん
のピアノで初演された。「じゃがいも」を指揮する鈴木義孝さんによると、「詩が山形弁のため、歌うほうも聴く方も苦労したらしい」。
公演は「合唱団じゃがいも 文翔館コンサートvol.5 やまがたの心を歌う―山形の詩人による混声合唱作品」として、5月20
日午後6時半から山形市旅篭町の文翔館議場ホールで。「紛れ野―」のほかに吉野弘、真壁仁、染谷美代子、きくよしひろ、斎藤茂吉、
国分一太郎の作品も披露される。
木村さんは「詩に込めた私の思いを高橋さんがくんでくれた。教科書には絶対載らないような私の詩を歌ってもらえるなんて、こんな
うれしいことはない」と話している。
作曲者の高橋悠治さん(左から2人目)も参加した「じゃがいも」の練習風景。左端が指揮者の鈴木義孝さん=山形市民会館 木村迪夫さん
|
県内詩人らの7作披露−合唱団じゃがいも、20日に公演 |
 |
| 木村迪夫さん(右)高橋悠治さん(中)を迎え練習する合唱団じゃがいものメンバー=山形市民会館 |
|
山形市を拠点にする合唱団じゃがいも(森谷文一代表)の文翔館コンサート「やまがたの心を歌う」が20日午後6時半から、山形市の文翔館議場ホールで開かれる。上山市在住の詩人木村迪夫さんの詩による「紛れ野の家(うづ)」の県内初演をメーンに、歌人斎藤茂吉(上山市出身)の短歌や、詩人真壁仁(山形市出身)、吉野弘(酒田市出身)の詩などを基にした山形ゆかりの混声合唱曲7作品を披露する。
「紛れ野の家」は昨年、山口県岩国市で初演されて以来の再演となる。テキストは、戦争で家族を失った母親と妻の悲痛な心情や、村の農民一揆の記憶などを山形弁で生々しくつづった木村さんの詩「祖母のうた」「むら・幻・方法」「うたのわかれ」「夢」。この4編を、木村さんと以前から知り合いだった作曲家高橋悠治さんが組み合わせ、作曲した。御詠歌、朗読などさまざまな手法を歌に融合させて、時空が交錯した世界を表現する。
20日は、高橋さんが自らピアノ伴奏。演奏前、木村さんが「むら・幻・方法」を朗読する。じゃがいもは先日、木村さん、高橋さんを迎え、山形市内で一緒に練習を行った。
ほかに演奏するのは、茂吉の「死にたまふ母」(曲・西村朗)、真壁の「青猪の歌」(曲・田中利光)、吉野の「心の四季」(曲・高田三郎)の抜粋。さらに児童文学者国分一太郎(東根市出身)の「最上川」(曲・林光)など。指揮は鈴木義孝さん。じゃがいもはユニークな合唱劇公演で知られ、県民芸術祭大賞を受賞している。
前売り入場券は一般1000円、高校生以下500円(当日各200円増し)。問い合わせは文翔館023(635)5500。
|
(2006.5.19 山形放送ニュース「リアルタイム」でも取り上げられました)
|