韓国射撃チーム選手ドーピング違反で2年間の出場停止処分

射撃からの報告ですが、韓国の選手がTUE申請ミスで出場停止処分を受けました。

以下の文章は
(特)日本障害者スポーツ射撃連盟 田中 辰美が
日本障害者スポーツ協会に報告した内容です。


先のスイス、サルガンスで開催された2006IPC世界射撃選手権に
参加した韓国の李春満(リー・チュンマン)にドーピング違反で、
2年間の選手資格停止の制裁が下されました。


韓国選手アンチドーピング規則違反    2006年11月17日

ドイツ、ボン発 - 国際パラリンピック委員会(IPC)は、本日、韓国の
チュンマン・リー(Chun Man Lee )に禁止薬物の陽性反応が検
出され、彼にとって最初のドーピング違反として、2年間の選手資格停止の制
裁が課せられたと発表した。

リーは、2006年7月19日、スイス、サルガンスの2006IPC射撃世界選手権で、
ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide)の陽性反応が検出された。
ヒドロクロロチアジドは、利尿剤としてリストされ、世界アンチドーピング規
約と世界アンチドーピング機構(WADA)禁止リストを採用している
IPC-アンチドーピング規約により禁止されている。

選手は、2004年から高血圧の履歴とヒドロクロロチアジドの使用を申告し
ていたが、試合に先立ってこの物質についての治療のための使用免除(TUE)
を提出していなかった。そのため、前述の物質のTUE許可の適用外となった。

IPCアンチドーピング規約(条項12.2)に従って、IPCアン
チドーピング委員会の
聴聞が終わったあと、選手にとって最初のアンチドーピング違反の結果として、
2年間の資格停止が課された。この資格停止は、アンチドーピング規則違反が
あった日である2006年7月19日から開始される。

IPCアンチドーピング規約(条項12.2と12.7)に従って、2006IPC射撃世界選手権とそれ以降の大会で
獲得したすべての個人成績は、すべてのメダル、得点、
表彰の剥奪を含めて取り消される。

この裁定は、IPCアンチドーピング規約に従ったものである。
世界アンチドーピング規約(WADAC)の加盟団体として、IPCは、
すべての段階でドーピングのないスポーツ環境のために専念しつづける。
IPCは、国際連盟や各国のパラリンピック委員会とともに、
フェアプレーの精神において、障害を持つ選手の
スポーツにおいて、またWADCの一般原則との協調において、
ドーピングを予防するためにIPCアンチドーピング規約(2004年1月)を設立した。

原文は以下のサイト
http://www.paralympic.org/release/Main_Sections_Menu/News/
Press_Releases/2006_11_17_a.html
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ヒドロクロロチアジドは、排尿を促進することにより血圧を降下させる薬です。

チュンマンは、シム・ジェーヨンに次ぐ韓国のSH1男子ライフル
の主力選手の一人です。故意の違反ではなさそうと思われますが、規定
どおり2年の出場停止という厳しい制裁が課されています。今年
の7月19日から2年間ですので、北京パラリンピック時には出場可能
だと思います(エントリー時に出場停止中だと参加を認めないというき
まりなら、出場できないことになりますが、そこははっきりとはわかり
ません)が、そこは韓国がどういう選手選考方法をとるか次第です。

今回の処置の理由は、チュンマンが競技会参加時に有効なTUEを
もっていなかったということです。ネットで見た範囲では、ヒドロクロ
ロチアジドは、国内でもダイクロトライドなどの商品名で1958年か
ら販売されている薬で高血圧者に処方されることがあるようです。

この世界選手権では、エアライフル立射SH1女子で5位に入賞し
たわが国の古田京子選手もランダムチェックの対象になっており、
まったく他人事ではありません。

今回の件はたいへん残念なことですが、もって他山の石とすべきです。

チュンマンには聴聞(ヒアリング)により弁明の機会があったのではな
いかと思いますが、韓国がどのような対応をしたかは今のところ不明です。
フェスピックで話題にあがるかとは思いますが。。。

パラリンピック射撃における陽性判定は、2005年のヨーロッパ選手
権でロシアのビクトル・ステファノフが陽性判定で2年の出場停止処分
を受けたのに次ぎ、二度目になります。このとき検出されたのは、ヒド
ロクロロチアジドとβ遮断薬のプロプラノロールだったので、まさに隠
蔽剤としてヒドロクロロチアジドを使った可能性がきわめて高いです。

ISCD委員長のワルター・フラミンクは、射撃ではドーピングをする選手
は少ないという論拠で、パラリンピックの出場資格獲得の場である
MQS競技会でもドーピングチェックをしろというIPCの要請に反論
してきました。ドーピングチェックを実施すれば、そのコストはエント
リー代値上げでまかなうしかないからです。しかし、それも難しい状況
になってきたのではないかと思います。