顎関節症とは、顎関節に痛みや機能不全(開口障害や閉口障害)があるとつけられる疾患名(診断名)であり、開口あるいは閉口時にクリック音がすることもあります。通常、顎関節症は歯科の領域と考えられていますが、カイロプラクティックにより改善することはめずらしくありません。
カイロプラクティックと顎関節症
顎関節症に対して、カイロプラクティックができることは、
1.顎関節そのものに対する関節調整、これには、顎関節に存在する関節円板と呼ばれる線維軟骨に対する処置も含まれます。顎関節の動きに伴うクリック音は、顎関節円板の動きのスムーズさに問題がある場合もあり、そういう場合は顎関節円板の調整が効果的です。
2.下顎の位置を決定する頭の位置の調整、つまり頭が傾いている場合は、それをまっすぐにすることで下顎の位置が修正されます。
3.下顎と関節をなす側頭骨の位置の調整、相対する側頭骨のずれは、顎関節のずれをつくります。

歯科の協力が必要な場合
不正咬合(咬み合わせが異常なこと)が、顕著な場合は、歯科による咬合調整が必要になります。ただ、咬み合わせと姿勢の関係の学問が、完全には確立されていないため、咬み合わせ調整でかえって、顎関節症だけでなく、全身症状が悪化するという泥沼に入り込むこともあるので、まずは全身的なからだのバランスをカイロプラクティックで調整した上で、必要があれば歯科による咬み合わせ調整をするのが、現状では最善な方法と私は思っています。全身の姿勢を診ないで、咬合調整をすることが危険であることは、いくつもの症例で痛感させられていますので、注意が必要です。
姿勢と顎関節の関係
頭が左に傾くと顎は左に片寄り、頭が右に傾くと右に片寄り、前に傾くと前に片寄り、後ろに傾くと後ろに片寄ります。ですから、頭の傾きは顎のずれをつくります。頭の傾きとは、上部頚椎のずれを意味しますので、顎関節症の方は、上部頚椎にずれをもっています。そして頭の傾きがある場合は、全身的なバランス作用により、かならず姿勢に歪みが存在しています。ですから、歪みが存在した状態で、咬み合わせを調整することは、問題を複雑にさせることになります。逆に、咬み合わせが異常になれば、かならず上部頚椎を歪ませ、結果として全身に歪みが波及しますので、この場合は、歯科による咬合調整が優先です。
どちらが一次的要因かは、実際にはわかりにくいこともありますが、そういう場合は、カイロプラクティックによる姿勢調整を優先させた方が危険は少ないと思います。歯は一旦、調整してしまうと元にもどすことが困難ですから。
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