ここでは、癌の転移や原発性骨腫瘍、結核性股関節炎・急性化膿性股関節炎などの感染症、重度の大腿骨頭壊死、高度な変形を除いて、よく見受けられる股関節の痛みについて、カイロプラクティック治療の観点から解説します。
キーワード 股関節の痛み、鼡径部の痛み、変形性股関節症、ペルテス病
股関節の痛みの原因
股関節の痛みは、臀部外側(大転子と呼ばれる領域)、鼡径部の痛みとして自覚されますが、いずれにしても股関節の可動域制限によって引き起こされた、関節周囲組織の炎症あるいは筋の過剰緊張によるものです。
可動域制限のある股関節とカイロプラクティック治療
股関節痛のある方の股関節は、ほとんどの場合、屈曲制限(太ももを胸につける動き)が発生しています。そして、屈曲制限がある場合、股関節の内旋あるいは外旋制限が同時に存在します。では、なぜ可動域制限が生じるかと言いますと、大腿骨頭の位置が、寛骨臼内で上下左右にずれるからです。本来の位置からはずれると、股関節周囲の筋肉(大腿四頭筋:膝を伸ばし、股関節を屈曲させる筋、ハムストリングス筋:股関節伸展の筋、内転筋、外転筋、内旋筋、外旋筋など)、関節包、関節靭帯に過剰緊張が生じ、関節のすべりが悪くなり、関節や関節周囲組織に炎症が生じることになります。それによって痛みが生じ、長期化すれば変形や壊死が生じることになります。ですから、股関節の治療の目標の第一は、ずれを修正することにあります。ずれを修正した上で、必要があれば、股関節周囲の筋、靭帯などの修復の処置を追加します。
以上は、股関節に起きている障害に対する直接的な処置の原則について述べたものですが、ここでもカイロプラクティック治療の原則である、全体を診るということが必要になってきます。股関節は脚と胴体を結ぶ関節です、したがって胴体が傾けば、あるいは、下肢がねじれ、あるいは曲がれば股関節にかかる荷重は不均等になり股関節にずれが生じるのは必然です。したがいまして、実際の股関節治療には、左右の寛骨臼の位置を狂わせる仙腸関節・恥骨結合のずれ、仙腸関節・恥骨結合のずれを引き起こす第五腰椎のずれ、第五腰椎のずれを引き起こす脊柱のゆがみ、立位における大腿骨等の左右高低差、前後差を引き起こす膝や足首の障害などすべてが股関節に影響しますので、その関連性を把握しながら、治療部位を判断していく必要があります。股関節は特に、歩行や動作の要ともなるところなので、動的姿勢分析が、重要になってくる領域です。
変形性股関節症とカイロプラクティック
高齢者に多い変形性股関節症は、痛みが強くなると人工関節置換術がよく行われる疾患ですが、早期に、上記(可動域制限に対する治療)のような治療を開始することで、手術を回避できると私どもは思っています。人工関節に置換した場合、どうしても関節可動域の点で不満が残りますから、できれば避けたいものです。私どもの直接的な目標は、可能な範囲で関節のすべりを良くし、全身のバランスを回復させることで、痛みを減少させ、歩行など日常動作の質を改善させることにあります。多くの方々は、痛みがなく、動作に支障がなければ不満は少ないものです。レントゲン写真に現れている変形を問題にするよりも、生活の質がどうかと言う方がずっと重要であると考えます。また、長期的な観点からは、変形の進行をストップさせ、時に骨の正常方向への改修が起きうるとも考えています。
子供の股関節痛(単純性股関節炎)・ペルテス病とカイロプラクティック
小学校入学前後の子供は、非常に活発にとびはねて遊ぶものです。この時期に股関節を傷めると(単純性股関節炎との診断が下されるかもしれません)ペルテス病という大腿骨頭壊死を引き起こす可能性があると考えます。ですから、長引くあるいは繰り返す股関節痛を訴える子供は、放置することなく、やはり上 記(可動域制限に対する治療)のような治療を受けて頂きたいと切に願います。股関節に変形を残すことは、将来の健康やスポーツのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があるからです。子供は飛び跳ねるものです、ですが、大抵は傷めてもすぐに治ります。治りが悪いとしたら、あるいは繰り返すとしたら、それなりの理由があるのです。それは、全身のどこかに潜むアンバランス発生要素が、股関節に無理を強いているのです、ぜひ親御さんにはこのことを知って頂きたいと思います。
横浜市の整体・日本カイロプラクティックセンター天王町
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