村のワイン (Wein von Kiechlinsbergen)と農業事情
ここはバーデンワイン(Baden Wein)の地域に入る。バーデンワインの14銘柄が、ここカイザーシュテュールで、14の村のワインケラーから作られている。
ここの村キーヒリンスベアゲンは、歴史的には古くはないものの、品質の良いワインを作っている。1999年はゴールドメダルを獲得している。価格帯はドイツワインの中では高めであるが、日本での恐ろしいほどの高額さはない。カビネットなどは、ミネラル水とそんなに変わらない金額で手に入る。
ワインケラーでは、15種類のぶどう品種からワインが作られ、さらに、この村はエルベルク(Oelberg)とトイフェルスベルク(Teufelsberg)の2つの山の地域に分けられ、そして、収穫される時期により銘柄が違っている。
大きくは上記の3つの項目を考慮に選ぶことが出来る。
ラベルには、その他公的検査の品質、味覚などの結果が記されている。品質は、Qmp、QbA、TAFELWEINの3つに分かれ、味覚は、Trocken(辛口)、Halbtorocken(中辛口)、無記名(甘口)の3つに分かれている。
パン屋のドイツ人の同僚は、辛口のTrockenが好みのようで、食事中に飲むことが多いようである。
村の殆どの家庭がワインと関係した生活をしている。もちろん、Baeckerei JENNEも例外ではない。年間で一番忙しいのは収穫時期。
村のワインケラーから、収穫時期スケジュールが知らされ、そのスケジュールにしたがった品種を、決まった時間までにワインケラーの裏にある収穫場にもって行く。そこでは収穫量が計られ、収穫量に応じた金額が後日支払われるシステムになっている。
この収穫時期村は活気づく、朝6時頃からJENNEには、畑で食べる昼食用のパンを求めて村の人が訪れる。普段よりもかなり多くパンを焼くのだが、昼ごろには完売している。村の周りのブドウ畑には人影が絶えず、トラクターが村道を行き交っている。そのトラクターの後ろには、3000リットルの大きなバケツが2連3連結で、収穫されたぶどうが山積されている。村の住民以外にもたくさんの人が手伝いに来ている。親戚、友人知人だけでなく、チェコやポーランドからの出稼ぎの人も来ている。
JENNEでは、パン屋の仕事が終了した午後、ブドウ畑に繰り出し、あわただしく収穫する。この時期、JENNEの睡眠時間は殆どない。
写真はJENNEの若奥さんIngeの実家の収穫。手前は、ポーランドからの出稼ぎ夫婦。後ろと右はIngeの両親。Ingeのお父さんは、この村のワイン博士。
ここのカイザーシュテュールは、ドイツで暖かい地域にあたり、農業にも反映されている。ドイツワインは白と言われるのも、赤ワインが採れない寒い気候帯が殆どだからであるが、ここの地域は赤ワインも採れる。
ぶどう以外の果物も多く、さくらんぼ、プラム、西洋ナシ、りんご、いちご類などが採れる。季節には、道端でこれらの果物を農家が直接販売している光景をよく見かける。
さくらんぼ、西洋ナシ、りんごはワインにも加工され、個人のワイン製造販売所で購入することが出来る。これらのワインは、冬の寒い時期、シュナップスにさらに加工され、アルコール度数は40度以上となる。シュナップス製造には許可が必要である。
ベッケライJENNEには、100年以上前の蒸留器があり、村のシュナップス製造者が1月〜3月にかけて利用しに来ている。
これらのシュナップスは、JENNEのケーキなどに利用されている。この地域の人は、コーヒーにさくらんぼシュナップスを入れて飲むことがあるようである。
カイザーシュテュールの山から離れると、そこは地平線が見渡せるほどの農地が広がっている。ジャガイモ、甜菜、人参、玉ねぎ、もろこし、ねぎ、レタス、フェルトザラート、麦など作られている。
日本とは雑草の成長速度が違い、6月末頃一度刈ると、夏の間、雑草の成長があまり感じられない、有機農業や機械化には有利な条件である。しかし、機械化で作業が出来る作物に偏りがちになっているようである。その点日本の作物には多様性があるのでは。
|
|