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NEWS   〜JFA NEWS〜

2007年 4月 〜 6月     2007年4〜6月へ7〜9月へ   2007年1〜3月へ1〜3月へ

前 次平山ユージが2本目の8cオンサイトに成功

* 6月9日、平山ユージがスペインのロデジャールで“パタネグラ”(8c)をオンサイトした。2004年の“ホワイトゾンビ”に続く、自身2本目の8cオンサイト。なお、同ルートは2005年にトーマス・ムラツェクもオンサイトに成功している。

(北山 真 2007/6/11)

前 次CCHエイリアン使用中止勧告の取り下げ

 2007年5月18日よりCCH社エイリアンの使用中止勧告を出しておりましたが、その後のCCH社とのやり取りにより、適切に使われていれば使用上の問題はないという、同社の意向をふまえて使用中止勧告の取り下げをいたします。CCH社では破損事故後に製品の抜き取り検査を行い、十分な強度があることを確認しました。 また、2006年1月のリコール以降は製造時の全品強度テストを実施しております。

 発端となった3/4(黄)エイリアンの破損事故は、ケーブルとヘッドユニット取り付け部に集中してストレスが加わったことが原因ではないか、というのがCCH社の見解です。残念ながら該当ユーザーがCCH社に対してあまり協力的ではない模様で、該当製品の検証には至っておりません。

 弊社ではこれまでの経緯から、エイリアンに明らかな欠陥が見られないと判断し、 使用中止勧告の取り下げを決定いたしました。店頭での販売も再開いたします。この度は、エイリアンをお使いの皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

 本日、弊社サイトを更新いたしましたので下記URLからご参照ください。  http://www.lostarrow.co.jp/news/index.html

株式会社ロストアロー 2007/6/8)

前 次廻り目平キャンプ場・利用時間を変更

* 廻り目平の利用時間が、平成19年6月1日(金)より、今までの午前6時〜午後6時が、午前4時〜午後7時までに変更される。

(2007/6/1、6/3変更)

前 次二子山“ジョナサンリビングストーン”でホールド欠損

* 会員の方から寄せられた情報によると5月13日に、西岳弓状岩壁の“ジョナサンリビングストーン”(5.12b)の核心のアンダーホールドがクライミング中に壊れて吹っ飛んだと言う。「これでこのルートはだいぶ難しくなってます」とのこと。

(2007/5/23)

前 次CCHエイリアン使用中止のお願い

 2007年4月、アメリカにおいて、CCH社のカミングディバイス、エイリアンのケーブルステムが墜落のショックによって脱落する事故が起きました。ケーブルが脱落したエイリアンは2006年1月のリコール後に製造された製品ですが、リコール時と同じ不具合が発生しています。

 CCH社では事故時に使用されていた製品を回収し、調査をしております。ケーブル脱落は重大な事故につながるおそれがありますので、CCHエイリアンをお持ちの方は、事故の原因が特定されるまで全てのエイリアンの使用を中止されるようお願いいたします。


エイリアン関係の情報は下記サイトのフォーラムをご参照ください。
 http://www.mountainproject.com/v/colorado/105955278

また、ロストアローからの追加情報は下記をご参照ください。
 http://www.lostarrow.co.jp/news/index.html

株式会社ロストアロー 2007/5/17)

前 次共通認識(投稿)

菅 修三

 知人より、JFA−NEWSに私の先日の文章についての反論が鈴木真史氏から出されているが、何らかの返事(反論?)をすれば?との連絡を頂きました。早速鈴木氏の文章を拝見したのですが、それに対する反論等はありません。

 鈴木氏の論旨である所の「共通認識」、つまり

  1. チッピングは許さない。
  2. クラックラインはナチュプロで登ろうとすること。
  3. ボルトのリードルートの開拓は、壁面がボルトだらけにならないよう、熟慮すること(ボルトラインはその壁面に本当に必要なラインなのかをまず考えて欲しい。派生ルートもしかり。ルートのボルト間隔も不用なほどに短いものは歓迎しない)。
  4. ボルダリングする岩にボルトは必要ない。
  5. ハイボルダーを仮にトップロープで登りたいというのなら、自分で終了点をナチュプロ等で工夫して設置し、終わったら全てを回収して帰ること。
  6. 岩場の開拓時の伐採もクライミング行為に必要な分以外は、誰も望んでいない。

については、私もほぼ同様の認識を持っています。ただ「3」についてだけ、烏帽子岩のような昨今異様に混雑する初心者向けの岩場では、ある程度のラインの追加は許されていいのではとの見解を示しましたが、基本的に過剰なボルトは否定する考えでおります。鈴木氏の文章は、私への反論を枕に使われておられますが、内容は独立した「クライミング倫理」についての論文のようにお見受け致します。

 それにしても、私の先だっての投稿の「他人に対して非寛容であり画一的なスタイルを押し付ける云々や、岩場の現状に対する認識を欠く云々」の文が、上記の「共通認識」を否定する立場であるかのように受け取られたことについては、私の不徳の致す所です。前回の文を載せていただいた後、周囲の友人・知人より近郊の岩場で起きている問題等を知らされたこともあり、またそれ以前に「個人に対してではなく」と申しておきながら個人さんに物言いを付けるような形になったこともあり、問題を残す文であったことを反省いたしております。

 もともと“Rock&Snow”誌への投稿文でしたので、その後下手なりに書き改め、ご理解頂き易くしたものを北山氏にお預けしておりますので、次回の同誌上にてご覧戴ければ幸いです。

(2007/4/27)

前 次奥多摩・白妙橋の岩場でクライミング禁止問題

* 岡部哲氏より以下の情報が寄せられました。状況から考えて、白妙エリアでのクライミングは当面の間、自粛すべきと思われます。皆様のご協力をお願いします。

先日、環境省のレンジャーより、奥多摩白妙橋で禁止問題が浮上していることを伝えられました。

岩場付近にクライマーのものと思われる多数のゴミや、残置物、焚き火あとがあり、地権者の方から環境省に苦情及び管理強化の要請が入ったようです。国立公園内では焚き火は禁止、ゴミを捨てるなどもってのほか(以前の広沢寺もほぼ同じ状況だったとのことです)。

4月21日現在禁止の措置はまだ決行されておりませんが、目前に迫っているようです。

また、猿による落石も発生しているようですので、猿が騒ぎ始めたらご注意と言う話も聞きました。

(2007/4/27)

前 次柏木・屏風ーエリアにおけるクライミング自粛のお願い

* 柏木・屏風ーエリアにおいて事故とアクセス問題が発生しました。

* 2007年4月22日(日)、屏風ーエリアへのアプローチとして使われていた国道脇の落石防止フェンスの破れ目を通りエリアへ入ろうとしたクライマーが、パトロール中の警察官から非常に厳しく注意を受けました。今年1月末、上北山村の国道169号線上で大規模な土砂崩れ事故が起こり3名の方が亡くなられたことから、警察、消防は国道沿いの落石等の防護に神経を尖らせており、破れたフェンスをよじ登るクライマーの姿が目に付いたのではないかと推測されます。

* さらに同日、「突破口」を登っていたクライマーがバランスを崩した姿勢でフォールし、頭を打つ事故が発生しました。頭部であり、出血が多い事から救急車を要請。警察、レスキュー隊も出動する大きな騒ぎになりました。

* 翌日、有志が警察、消防に確認に伺ったところ、破れたフェンスからのアプローチを絶対にしないようにと注意を受けました。よってこれまでのアプローチは使えなくなり、他の道も無いためエリアに行く事は出来ない状態です。

* 今回はアプローチの問題と事故が重なり、問題が大きくなってしまいました。現在、柏木の開拓者と有志の数名で地元の方々と交渉を進めております。新たなアプローチ道の確保と整備、地元のクライミングへの御理解を得るまでの間、柏木でのクライミングの自粛をお願いいたします。

* 問題解決への動きに関しましては、BCKのサイト上で逐次報告をさせていただきます。皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。

柏木エリア開拓者一同・ボルダリングサークル関西(BCK) 代表 大西一彰
連絡先 

(文責 池田祐夫(BCK) 2007/4/25)


* その後、新しいアプローチの整備が完了し、自粛は解除された。詳細はBCKのサイトをご覧いただきたい。

(2007/6/27)

前 次 “Rock&Snow”35号 沖縄ロック紹介の経緯

廣川 健太郎

沖縄ロック紹介の経緯

“Rock&Snow”35号では沖縄本島の9つのルートエリアの概要と5つのエリアの基本情報(トポ、アプローチ等)を紹介しましたが、当初、私は今回問題提起されている3ヶ所をはずすか、注釈をつける形を提案しましたが、編集部の判断で注釈がない形となった経緯があります。

注釈とは、阿波と摩文仁は開拓を開始したばかりで発表できる段階でないこと、轟と摩文仁はそれぞれの状況や事情を指します。この点は簡単に引くのではなく私が食い下がるか、注釈を入れないのであれば外すように依頼すべきでした。加藤さんには森山編集長に紹介対象を絞り込む方向で最初に提案をしている際に予定内容を伝えたため、行き違いが生じてしまいました。

問題が指摘されているエリアに関して

轟の滝エリア

私はたしか3回この岩場を訪れていますが、開拓には関与しておらずメインプレーヤではありません。しかし1年程前、日本人メンバーもいた際に「登らないように」、と地元の方が言いに来られたことが一度あったと聞いていたため、登るにあたってはもっとも近い位置の方に話を伺いました。「ずっと皆登ってるよねえ、かまわないよ」と言っていただきました。しかし地区代表の方と話をしに行った方が良いことは、開拓の中心メンバーには伝えていました。

本来なら、概要だけでも紹介するのであれば話をしに行くべきでありましたが、2月が非常に忙しく3月末には転勤で沖縄を離れることになり、アレンジができなかったことは残念でした。このアレンジができていかなったことが、当初紹介対象から外したいとした理由であり、注釈をつけたかったのはこういった状況があるという説明です。

登っているメンバーのほとんどが外国人であることから、見かけた時はその都度注意されていると言っても、うまく伝わっていなかったのが実態のようです。また開拓初期には機材を運んだり、取り付き近辺を整備するのを手伝ってくれた住民の方もおられたとのことで、開拓メンバー達は地区の方々には理解されていると思っていたようです。

轟の滝は沖縄県指定の文化財ですが、指定範囲は滝の上下28mを中心に300m2。岩場は潅木帯を間にはさんで滝からは離れており、指定範囲外と考えられます。市には規制の権限はないとのこと。滝見物の場所からは岩場全体は見えません。しかし、そもそも一帯は琉球王朝の避暑地であったことから、大切に考えておられる地元の方も多い場所と聞いています。法的に問題はないとしても、ここでの活動は慎重に考えるべきと思います。

これまで開拓、岩場を利用してきたメンバーには、確認できた情報を伝え、地区代表者に話をしに行くように伝えました。遠く離れた東京からとなりますが、できればタイミングをあわせ、私も一緒に行くつもりです。

阿波 美ら作(正確には 安波 美作)エリア

地主さんとの件は私及び周辺のメンバーは経験がなく、また加藤さんが注意された件は聞いていなかったので配慮できませんでした。現実的な対処方法としては県道路肩に駐車も可能です。ここは釣り師には良く知られたスポットでこれまでの私の経験では、毎回釣り人がいました。大仰に自粛とまで言う必要はないエリアと考えます。

糸満摩文仁南岸

この岩場に関しては、私のパートナーは加藤さんから単に紹介をされたのではなく、「(加藤さん自身はこういう戦跡や拝所は)頭が痛くなったり、どうも駄目なんですけど、有馬さん、廣川さんは大丈夫ならば、登ってみたらよいですよ」と言われ、そこまで言っていたのに、登ったことを知ったら強い調子で注意されたので、一体どういうことかと非常に憤りを覚えたという経緯がありました。登れないだろうと思ってたから「登ってみたらよいですよ」といわれたのか、しかしいずれにせよ、これまでに登った者は加藤さんの言葉によって登った訳でもなく、この地の歴史を踏まえ、現場を確認して判断したものです。

ルートとして登っている岩場は高差もあり、周囲は切り立ち傾斜もきつく、グラウンドアップで拓かざるを得ません。加藤さんは「発表された岩場を含めた近辺では、戦闘のため追い込まれた人々が崖から飛び降りた」と表現されていますが、登っている岩場はよほどのクライマーでなければ、フリーソロでは登れないところで(私にはできません)、投身ができるところではありません。

投身が多く行われた場所はいずれも地を伝い、斜面を辿って最後の崖でという形ですが、このエリアとは離れています。独立した大きな岩塔、岩峰から同様なことがあったかの表現は誤解を与えるものです。一方で多くの方が逃げ隠れ、傷つき最後を迎えたであろう場所の一角ではあります。

糸満喜屋武岬から具志頭までの間が南部の激戦地となり(具志頭港川が米軍上陸地点となった)、具志頭ボルダー上部にある城跡も沖縄戦末期は軍の拠点として使われ、この浜でも同様に悲惨なことがおきています。

摩文仁という沖縄戦最後の戦いの中心となった地でのクライミング。海岸線にでてから岩場は遠く、四十余ある岩塔の入り口の岩場のいくつかが遠望されるのみです。岩場はごく近い南部出身の方々とも登っています。

開拓を開始するにあたり、入り口のお宅と派出所に挨拶をし、慰霊塔にお線香を上げ戦没者の御霊にお祈りをしました。久々に訪れる時、また初めてのメンバーと登る時なども慰霊をしています。今回の紹介とは関係なく、何人かのトップクライマーがこの地をすでに訪れています。

一方で私が所属する沖縄山岳会のメンバーの中にも、構わないんじゃないという人もいれば、場所はどこであれ、摩文仁でクライミングをすることは受け入れ難いという方がおられるのも事実です。国定公園の中、摩文仁で釣りをする人もいますし、激戦地の一つで多数の死者が出た米須、大度海岸はダイビングスポットとして良く利用されています。

ここを登ることをどう捉えるかはそれぞれの判断になると思います。しかしながら詳細を発表して、沖縄戦の経緯や慰霊の場に意を払わない人を含め多くのクライマーが集まる状況になることは私にも違和感があり、スケールと魅力のあるエリアですが、今後とも状況に変化がない限り、トポやアプローチの情報を発信していく考えはありません。私が注釈をつけたかったのはそういうことです。

沖縄には、ルートを毎週のように登るクライマーは15人もいない状況です。米人の兵士、教師、医師、その家族、そして日本人では本土からの転勤族とその家族、Iターン者。県出身者は少数派です。今回問題となっているエリアのこと以外にも色々な経緯があり、開拓を含めて活動する10数名のグループと加藤さんとの間に深い溝ができてしまっていることは残念に思っています。特に摩文仁に関しては考え方も異なるしょうが、問題を解決していくことで登れる場所については建設的な方向で力を合わせていくことが沖縄のクライミングのためにも必要なことであると思っています。

今回の件について先日加藤さんと電話で話をした際、轟に近い同じ名護市勝山エリアで地元の了解を得て山腹と川岸に2ヶ所の開拓を勧めつつあることを伝えました。ここはスケールの大きい岩場です。加藤さんの時間と気持ち次第ですが、一緒に登れる日がくればと思っています。

(2007/4/25)

前 次 沖縄県 勝山クライミングエリア開拓開始記念交流会

* 沖縄県名護市勝山の勝山交流センター(Tel:0980538336)で、4月28日に勝山クライミングエリア開拓開始を記念して交流会が開催されます。予定は下記のとおりですが、当日の開拓進行状況と天候により、時間は前後する可能性があります。県内及び連休の沖縄クライミングを予定している方、飛び入り参加も歓迎です。飲み物、ツマミ持込歓迎。一部実費程度の会費を頂くと思います。交流センターは1泊2千円で宿泊可、シャワーも使えます。

・10時   古巣岳中腹の岩場集合(登山道沿い)〜開拓
 14時頃  救助訓練などをしながら、下山開始
 16時頃〜 交流会開始

・連絡先
 勝山つたえ隊 具志堅さん    090(8294)5458
 開拓チーム  光根(智子)さん 090(2399)9300

* 勝山は山羊肉、シークワーサーの名産地ですが、嘉通岳、安和岳、古巣岳の登山道整備など、地域有志の「勝山つたえ隊」が近年積極的に村起しに取り組んでおられます。勝山つたえ隊では、岩場探勝コースの整備を進める計画をもっており、これにあわせて、沖縄県内クライマー有志により、すでに「川(沢)沿いのルーフエリア」の開拓が始まっています。28日から、古巣岳中腹の展望の良い「山エリア」の開拓を進める予定です。

(廣川 健太郎 2007/4/25)

前 次 沖縄県の岩場をめぐる一連のトラブルについて思うこと

福原 信一郎

私もこれまで、2度ほど沖縄のクライミングエリアを訪れ、そのつど「轟の滝」で登った経験があります。私事ですが、来るGWも沖縄クライミングツアーを計画し、楽しみにしていたところです。そんな中、JFAサイトにクライミング自粛を求める文章が載り、くわえて“ROCK&SNOW”編集長の謝罪文まで掲載され、驚きを隠せないで居ます。一部のクライミングジムには、「轟の滝」「摩文仁」「阿波美ら作」の岩場の登攀自粛を訴えるポスター(第3者の作成による)も張り出されています。

そこで、僭越ではありますが、この問題に関して私が外野の立場から感じている意見を投稿させて頂きたく存じます。

1 「轟の滝」の岩場について

“ROCK&SNOW”35号に掲載された「沖縄県の岩場」の記事をめぐる一連のトラブル(特に「轟の滝」)については、問題の前後関係に疑問を感じました。そこで、事の詳細を確認するべく、JFAを介してにメールを送信し、沖縄の加藤様からご回答をいただきました。これによって、概況を理解する事ができました。

私が当初から持っていた疑問とは、加藤様が現地で進められている調整プロセスでしたが、概況と併せても、やはり疑問点を感じざるを得ませんでした。

文脈から推察する限り、加藤様はクラインミングを行っている当事者を交えない形で区長さんに事実確認をされたように感じられました。一般論では在りますが、そもそも行政サイドは、その担当地域の監理(管理・監督)を行うのが存在意義です。管理監督の概念には、その管轄地区で想起される事案を「未然に防止する事」も含まれるのです。そういう立場の方に、ともすれば人命にかかわるスポーツの可否を直接尋ねたとしても、否定的な意見しか伺えないのは目に見えています。

それだけではなく、クライミングは岩という自然のモノに人工的な手を加える事を前提としたスポーツでもあります。こうなると、行政サイドには自然保護の観点がありますから、更に容認できない事でもあるのです。すなわち不用意な事実確認は かえってヤブヘビであり 、いい結果は期待できません。

どのような経緯を経た上で、区長さんとお話しをされたのか想像できませんが、問題発生の防止や自然保護の観点を考えると当事者が熱意をもってあたらなければ、行政や地元から肯定的な見解を得ることは難しいでしょう。

以上が私が感じた調整プロセスに関わる疑問点です…つまり、「クライミングを沖縄のタブーにしたいの?」ということです。

2 「摩文仁」の岩場について

この発表された岩場を含めた近辺では『〜戦闘のため追い込まれた人々が崖から飛び降りたり、自決したりと現在では想像を絶する悲惨なことが繰りひろげられた場所です。』と加藤様は書いておられます。たしかに摩文仁といえば激戦地のイメージが強い地域ですが、クライミングが行われているエリアは実際に投身自殺のあった場所から離れており、岩の形状からも到底身投げのできるような所ではないと聞いています。

詳細については開拓された方から伺いたいと思いますが、いずれにしても読む人に誤解を与えかねない文章であるように思われてなりませんでした。実際のところ、『沖縄には行ってみたいが、クライマー間でなんだか揉め事があるようで〜??』というクライマーが私の周りには少なくないのです。

3 最後に

どんな事情があるのか分かりませんが、クライマー同士が次元の低い足を引っ張り合いをしているようで、遺憾に感じました。そもそもこんな「雨降り続け地固まらざる話」をJFAの看板を借りて喧伝するのは、余りにも大人気ないように思います(第三者による登攀自粛のポスター作成・掲載も同じ)。何事も協力して問題解決をしなければ、沖縄県のクライミング――ひいては沖縄の発展を阻むことになるのではないでしょうか?

沖縄の岩場を取り仕切ることのできるクライマーといえば、地元で活躍されている加藤様をおいて他にはおられないと思います。

外野ではありますが、現状で存在する調整上の問題点については、今後出来る限りの手助けをしていきたいと考えております。

(2007/4/24)

前 次 クライミングの未来のために

鈴木 真史

先日、JFAのホームページに掲載された、尾崎基文氏による“ROCK&SNOW誌35号について”という投稿に対して、"岩場の利用について"と題した同人・ルーデンスの菅氏による投稿が掲載されました。しかしその内容には、唖然とする部分が多くありました。このままではクライミング倫理の崩壊にもつながりかねないと危惧し、拙筆ながら意見させていただきたいと思います。

菅氏の文中にはこれ以上の論争を避けたいとありますが、私はそれを認めるものの、その内容については看過することはできないと思いますので、その中で特に気になった、他人に対して非寛容であり画一的なスタイルを押し付ける云々や、岩場の現状に対する認識を欠く云々について私が思うことを述べさせていただきます。

私がクライミングを始めてからのわずか15年ほどの間だけでも、多くのクライミング倫理や認識を確認するための論議がかわされてきました。それは市井のクライマー諸氏の酒の席から、“岩と雪”や“クライミング・ジャーナル”や“フリーファン”や“ROCK&SNOW”などにおいても、それぞれの時代時代において交わされてきました。しかし、それらの試みがいかされることなく、ごく一部ではありますがクライマー自身の行動により、閉鎖もしくは非公開となるようなクライミングエリアが後を絶たないことは周知の通りです。

最近では、課題を引くためなら地面を掘り起こしたり、ポケットホールドをヤスリで整形するなどチッピングまがいのことをやったり、欠け落ちそうなホールドに接着剤を塗布し非常に見苦しくしている者がいたりと、本当に嘆かわしい限りだと思います。これについては菅氏の文章とは関係ないのですが、岩場の開拓については同じことだと思うので、心当たりの人は一緒に読んで欲しいと思います。

今、日本のクライミング界は岩場の開拓と利用の仕方について、とても大事な時期を迎えていると思います。

クライミング界というものが、過去から現在を経て、そして未来に向けて発展を遂げていく事はクライマーであるならそれは当然に願うところでしょう。しかし残念ながら、クライミング行為に伴うトラブルは、私が活動している関西でも多くの場所で起こってきました。思いつくものだけでも挙げてみますと、

  • 不動岩
  • 名張
  • 芹谷
  • 柏木
  • 蝙蝠谷
  • 行者山
  • 下多古
  • 信楽
  • 北山公園

これだけあります。他にもあったかもしれません。

これら各地の問題に対してその時々のクライマーたちは、結果を受け入れつつも、問題がより良い方向に解決されるよう働きかけをおこなってきました。うまくいったところもあれば、そうでないところもあります。それらの諸問題や教訓を抱えつつもクライミング界は発展し続けてきたのです。

そもそも岩を登るという行為自体が、自然の一部に何かしら作用を与えてしまうのは仕方の無い事ですが、それでは通常のクライミング行為とトラブルを引き起こす行為には、一体どういった違いがあるのでしょうか。その違いはごく単純な事で、クライミング行為において出来るだけ岩場を元のままに残しておきたいという共通認識と、自分の物ではない岩場を登らせてもらっているという気持ちが、あるのか無いのかというところに帰結すると思います。それが分からない、知らない等と言う人たちが岩場を利用しようとして、好き勝手におこなった行為が、結果的にトラブルを引き起こしているのが現状なのです。

ここで私が普段から当然のようにもっている、(地元への配慮以外の)クライマーの共通認識を明記しておきたいと思います。

  • チッピングは許さない。
  • クラックラインはナチュプロで登ろうとすること。
  • ボルトのリードルートの開拓は、壁面がボルトだらけにならないよう、熟慮すること(ボルトラインはその壁面に本当に必要なラインなのかをまず考えて欲しい。派生ルートもしかり。ルートのボルト間隔も不用なほどに短いものは歓迎しない)。
  • ボルダリングする岩にボルトは必要ない。
  • ハイボルダーを仮にトップロープで登りたいというのなら、自分で終了点をナチュプロ等で工夫して設置し、終わったら全てを回収して帰ること。
  • 岩場の開拓時の伐採もクライミング行為に必要な分以外は、誰も望んでいない。

出来るだけ形を変えずに岩場を利用するというのが、フリークライミングの基本であり、最低限のルールであるという共通認識をもつに至ったのが、上記の関西クライミング界における諸問題から得られた教訓であります。教訓を生かさなければ失敗は意味の無いものになってしまいます。発展とはそういう事なのです。

そして、私達のクライミング界には明文化されたルールは存在しないのですが、それらの共通認識に則って、全ての人に全ての可能性と多様性を与えてあるのが、クライミングなのだと思います。

規制されるのは誰でも気分の良いものではありません。しかし上記の共通認識が、規制であるとか画一性を強要されている等ととらえないで戴きたい。その様な人には是非にでも、その共通認識の先にある可能性と多様性の中に自己表現の場を模索して戴きたい。そこにこそクライミングの真髄と、楽しみがあるのですから。

関西クライミング界も、クライミングジムの出現により、その人口を大幅に増やしました。しかし人口が増えたからと云って、その普遍たるべき共通認識に則らずに岩場をその都度改造していったのでは、日本のクライミング界に明るい未来はないと思います。確かに20年以上前の人達の5.9や5.10を登る感覚と今の人のそれとは違っているでしょう。それは当然のことです。昔は5.12を登る為にどれだけの苦労や時間をかけたものか。しかしそれらの時代の人々の継続された鍛錬や切磋琢磨があって始めて現在のクライミング界のレベルがあるのです。

今の新しいクライマーに、認識してもらいたいことがあります。

今のクライマーが、クライマーとして技術や倫理観を身につけクライミングレベルを維持できているのは、自分よりも先にクライミングをやってきた人たちによってなされてきたひとつひとつの結晶が、積み重なったものの上に成り立っているということです。そう認識できていれば、今となっては古の岩場となってしまった所でも、5.9や5.10のルートにも、その存在意義に自ずと気づかされるのではないでしょうか。易しいラインしかない岩場だからとか余白があるからといって、そこに新たなラインを無理やり引く必要がないことに気づいてもらいたいのです。もし新しいラインが必要だというのでしたら、上記の共通認識を理解しているものが、新しく岩場を探して、手順をふんで開拓をすればよいのです。

時代が変わったという現状への認識が、単に岩にボルトを打ち足したい人たちへの弁護に使われるのは、大変愚かしいことであると私は思います。真の現状への認識とは、これまでクライミング界に起こった問題とその教訓によって少しずつ構築された共通認識であるのです。そしてそれが、クライミングの文化となっていくのです。私たちが岩登りをする毎に各人のやりたいことをやるといって、岩の改造を好き勝手にするようになれば、10年20年先のクライマーに一体何を残してやれるというのでしょうか。

多くのクライミングエリアを登攀禁止にいたらしめ、岩には不必要なラインやボルトやチッピング痕だけ残す等という事であっては、我々クライマーはただ岩を食い潰していくだけになってしまいます。その反対に、より良いものを残していこうとする姿勢であれば、未来の若者たちに、文化としてのクライミングや岩場環境を残すことができるのです。

諸々の問題に対処してきたクライマーたちのメッセージはそのまま、クライミング界の文化となって今に至っているのです。そしてそれを大切にしながら現在のクライマーも発展していかなければならないと私は考えるのです。

以上、ごく普通に誰もがもっていると思っていた共通認識について述べました。とても簡単なことだと思うのですが、誤って認識してはいけない大事なことであると思います。

 

((2007/4/23)

※ 4/22に一度掲載しましたが、筆者から書き直しの希望があったため削除し、再掲載しました。

前 次 二子山の林道で土砂崩れ

* 会員の方から寄せられた情報によれば、4月11日(水)時点で299号線側の林道が土砂崩れで通行不能になっているとのこと。現時点では復旧時期などは一切不明。

* なお、吉田側は通行可能。現場周辺は新たに土砂崩れが発生するなどの危険があるかもしれず、当面の間は二子に行かれる方は吉田側から入るべきだろう。

(2007/4/12)

前 次 “ROCK&SNOW” 35号について ――同誌編集長より

“ROCK&SNOW”編集長 森山憲一

日ごろより小誌“ROCK&SNOW”へのご愛顧・ご協力をいただきまして、まことにありがとうございます。  ただいま発売中の35号の記事「沖縄ロック」のうち、128ページに、不適切なエリアの情報を掲載してしまいました。読者および関係者の方々に多大なご迷惑をおかけしてしまったことをまずお詫びし、同時に、以下のエリアの利用を自粛していただけますよう、読者ならびに全クライマーの方々に小誌としてお願い申し上げます。

糸満摩文仁南岸

第二次大戦時、沖縄戦が終結した地である糸満市摩文仁は、現在は平和祈念公園があることで知られ、戦跡としては国内唯一の国定公園にも指定されています。一帯の海岸線は断崖絶壁となって海に落ち込んでおり、戦争末期には混乱状態に陥った多くの住民がその断崖から身投げをするなどの悲惨な歴史をもち、それゆえに平和を祈念する象徴的な場所ともなっています。

そのような場所であるため、ここでクライミングをすることについては抵抗感を覚える方が多く、小誌編集部としてもクライミングを行なうべきではないとの判断をいたしました。編集部で調べたかぎりでは、地元および周辺の住民の方々の思いも一様ではなく、さまざまに濃淡はあるのですが、抵抗を感じる方の思いの強さと歴史的な重みを考えると、そこを第一に尊重するべきと考えます。

現場周辺はダイビングのスポットとして知られゴルフコースなどもあるところで、「なぜクライミングだけが……」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし残念ながらクライミングは、まだそこまで社会的に認知されているものとはいえません。ましてこのような重要な意味をもつ場所で地元の理解を得るには、まだまだ多大な時間と努力が必要と思われます。

轟の滝

この滝は沖縄県の文化財に指定されています。そうした事情もあり、現在、地元でクライミングが問題視されております。エリアの入口となる数久田区の久高良宜区長によれば、複数の住民から苦情が寄せられており、区としてもクライミングをしないでほしいという意向とのことです。特にボルトを岩に打ち込むことと、事故が起こったときの対応が問題とされております。岩場を利用するにあたり、地元の意向は第一に尊重するべきものと編集部は考えますので、これらの問題が解消されないかぎりは、クライミングは控えていただきたいと考えます。

今回、記事編集中に確認作業を怠り、不適切な情報を掲載してしまいました。雑誌編集の基本ともいえる作業を省略してしまったことについては、非常に反省しております。また、ご迷惑をおかけしてしまった方々には、重ねてお詫び申し上げます。

今後はこのようなことがないよう、記事編集には細心の注意をもってあたっていく所存ですので、今後とも小誌への変わらぬご愛顧・ご協力のほど、伏してお願い申し上げる次第です。

(2007/4/2)

07年4月
“ROCK&SNOW” 35号について ――同誌編集長より
二子山の林道で土砂崩れ
クライミングの未来のために
沖縄県の岩場をめぐる一連のトラブルについて思うこと
沖縄県 勝山クライミングエリア開拓開始記念交流会
“Rock&Snow”35号 沖縄ロック紹介の経緯
柏木・屏風ーエリアにおけるクライミング自粛のお願い
奥多摩・白妙橋の岩場でクライミング禁止問題
共通認識(投稿)
07年5月
CCHエイリアン使用中止のお願い
二子山“ジョナサンリビングストーン”でホールド欠損
07年6月
廻り目平キャンプ場・利用時間を変更
CCHエイリアン使用中止勧告の取り下げ
平山ユージが2本目の8cオンサイトに成功


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