Noise Noise Noise

   
S7のノイズがバンドをマスクしている状態(S9++も時々・・・)


ノイズ対策に熱心な理由

ノイズの原因には色々ありますが、家電製品やパソコン、携帯電話の充電器、お風呂のボイラー、エアコン、電線(の碍子の絶縁不良)、PHS基地局などが主な発生源です。
ノイズがあると、ノイズの強さ以下の信号は、ノイズに掻き消されて受信できません。
また、インバーター系のノイズ(S9+++)が、アマチュアバンド内で発生すると、例え受信している周波数はクリアでも、リグの受信回路を飽和させたりして、微弱な信号が受信できない、つまり聞こえなくなってしまいます。
だれも聞こえない局とは交信できません。 特にDXの場合は遠くから電波が届くので、信号が弱いことが多くノイズはDXハンティングの大敵です。
まずは耳から鍛えるのが基本ですから、ノイズ対策は非常に重要です。

PSK31は人間の耳では聞き取れないような微弱な信号でもQRK5で受信できます。したがって、ノイズで常時S3振っている・・・ということは、多数のDXとの交信チャンスを逃がしてしまうことになります。
もちろん、PSK31はRTTYに比べると、ノイズには強い特徴を持っていますので、多少のノイズがあっても受信できます。しかし、ノイズに消された信号は、PSK31でも復調することはできません。

14メガで夜間ず〜〜〜っとS4のノイズが発生していて、何も聞こえません。真夜中ごろ「フッ」とノイズが消えたかと思うと、ワ〜〜〜ンと数局のPSK31信号が聞こえてきます。
つまり、ノイズにマスクされていたわけです。信号強度はS1-2程度ですが、QRK5でコピーできますし、コールすればQSOすることもできます。 ノイズさえ無くなれば・・・・。

私がPSK31でQSOした局の3割程度はS0(メーターは全く振れない)位の信号強度ですから、PSK31でのQSOがSSBと同じような感覚ではないことがお分かりいただけると思います。
もちろん、ノイズ対策はディジタルモードだけでなく、従来のモードにも大変有効です。

パソコンのノイズ対策

私のパソコンはノイズの塊だったので、まず無線機からなるべく離して、机の下に本体を設置しました。
電源やディスプレイ、キーボード、マウス等パソコンから出ている線には全てノイズフィルターを入れてあります。
ノイズフィルターはTDKのパッチンコアの大型のモノを使っていますが、結構高価なので、フェライト棒を半分に折ったものも使っています。
電源からマザーボードへの電源ラインを捻じってツイスト状態にするだけでも、多少ノイズを減らす効果があるようです。

もちろん、PCのケースは金属製でガッチリしたものを選択してノイズが漏れないように気を配りました。
また、気休めだとは思いますが、無線機とは別の電源ラインを使っています。 (自宅内の配電盤までは…という意味です)


パソコン内部では、電源ユニットからマザーボードへの電源配線にもノイズフィルターを入れてあります。
パソコンはケースでシールドされていますが、完全ではありません。
ノイズ対策は発生源の近くでシャットアウトすることが基本です。

パソコンの電源は、スイッチング電源なので、ノイズも多めです。この電源からのノイズ輻射が減ることで、パソコン内部のサウンドカードへのノイズ混入が現象する効果も期待できます。
なお、この方法は、クロックアップしたバソコンを安定稼動させるためのテクニックとして、PCマニアの間では有名です。
PCのノイズ対策については、DTM(デスクトップミュージック)やサラウンド関係のホームページで探すことができます。
PCは自分から発生する強力なノイズでPC自体が不安定になるほど強烈なノイズジェネレーターなんです。(自作だし・・・・)


家電製品のノイズ対策

最近のインバーター式家電製品もノイズの原因です。家電製品から出ているコードがアンテナになってノイズを輻射しているけースが多いようです。
新聞や雑誌などで紹介されていた、家電製品のノイズの周波数は以下の通り。
なお、ノイズはバースト的に発生する傾向がある・・・とのことですが、私の経験では、結構ジャ〜〜〜〜〜って継続して発生しているように感じますけど・・・バースト的ってホントですかね?

家電製品 周波数
冷蔵庫 190khz付近
掃除機 150khz付近
インバーター照明器具 100khz付近以下

私もゼネカバ機能を使って受信してみましたが、既に対策しているためか、受信できませんでした。これから対策される方は、一度受信してみると良いかもしれません。
また、本来上記の周波数だけなら、さほどアマチュア無線の障害にはなり得ませんが、高次の高調波も同時に輻射されていると考えて間違いありません。表はご本尊(基本波)の周波数と理解しましょう。

一般的なACラインフィルターの減衰特性は、1mhz未満にピークがくるようになっているのも、この周波数を見て納得できました。

家電製品が発生するノイズ対策ですが、 パソコンと同様、下の写真(ファンヒーターの裏側です)のように、電源コードにノイズフィルターを入れます。
ノイズの発生源として、エアコンなどは想像がつきますが、以外なのは洗濯機や冷蔵庫です。
冷蔵庫はコンプレッサーの動作時にノイズを出すことが多く、保冷状態では静かなので以外と見つけにくいです。

自宅の家電製品がノイズを出しているかは、深夜や早朝などノイズが少ない時間帯に、家電製品や湯沸器、冷蔵庫などの電源をすべて切ってから、疑わしい家電製品のスイッチを入れたり切ったりしてノイズの増減を調べます。 ACアダプターには右の写真のように、アダプターの前後にフィルターを入れます。

アパートやマンションなどでは、同軸ケーブルを家電製品の近く(裏側?)を通して配線する場合があるかと思いますが、家電製品からは数メートル以上距離を置いて配線しないと、ノイズを拾う原因になります。

私の場合は、最初冷蔵庫の裏側に同軸を通していたのですが、冷蔵庫がノイズを出していることに数ヶ月気づかず、不定期に発生するS9のノイズに随分悩みました。
もちろん、インバーター方式の電灯類やISDNのターミナルアダプター等は最初に疑う必要があります。


ラインフィルター

ACラインからのノイズ混入を疑う前に、まず、ACラインから同軸を離してください。
ACラインからは、結構な強さでノイズを輻射していることが多く、同軸を少し離すだけで効果がある場合があります。

最近はオーディオ用やPC用として、良いものがでています。私はNTTアドバンストテクノロジーが発売しているSFU-005-3Pを使っています。
このラインフィルターはNTTが開発して特許を取得した複合型コモンノードチョークを使用しています。

コモンノードノイズを1Mhzで-58db、10Mhz-50Mhzでも-20db以上の減衰が可能で、双方向、つまりインターフェアとノイズに効果が期待できます。
サージプロテクターも内臓されているため、雷対策も可能です。

SFU-005-3Pを1ヶ月程度使っていますが、今まで利用したオーディオ用の他社製品よりも効果があると感じています。
表現が難しいのですが、ノイズが少ない時の底が深くなった・・・ように感じます。
詳しくはココをご覧ください。


ノイズに強い同軸ケーブル

同軸ケーブルはシールドされているからノイズを拾うなんて???と思われるかもしれませんが、同軸ケーブルはインピーダンスが本来の50Ωからズレると、シールド効果が弱くなります。
私の経験では、網線がスカスカの安い同軸ケーブルはノイズを拾いやすく、インターフェアも発生しやすいです。

信じないアナタ! 送信中に同軸ケーブルの近くに電界強度計(簡単なヤツでokです)を置いて、測ってみてれば私の言うことが理解できます。
私の場合は5D-FB>5D-2V>>3軸同軸と同軸からの漏洩が減ることが計測できました。
もちろん、リグからはある程度離して、同軸から10cm程度のところに電界強度系を置き、出力やアンテナの条件は一定で測りました。

また、アンテナのSWRが高いと同軸からの漏洩レベルがあがるのも良く分かります。
同軸がシールドされているのならば、このような漏洩が発生しない・・・ハズでしょ?現実には場合によってはジャジャ漏れ・・・状態なんです。
送信で漏れる=シールドが完全でない  すなわち  同軸でも受信する=目的の信号も周囲のノイズも ということです。

HFでは5D-2Wなど、2重シールドの製品を使ってください。分厚い網線はシールド効果を高めるようです。
私はファラデー同軸という、通常の同軸ケーブルに更にシールド層を設けた3重ケーブルを使っていますが、ノイズが本当に減りました。

もちろん、ノイズの侵入に強いことは、逆に同軸からの不要輻射も減りますので、インターフェア対策としても有効です。アパマンハムには必須ともいえる同軸ケーブルです。
3重タイプの同軸の情報はココです。


ノイズ対策のコツ

ノイズ対策の基本はノイズ発生源を見つけて、対策することです。
発生源が不明な場合、アンテナ・同軸・ACライン・・・などに対策をしていくことになりますが、問題は、ノイズは常時発生しないので、対策しても効果が不明な場合が多いことです。
ノイズが発生したらマメにノイズ受信ログを付けることをオススメします。日時・周波数・天気・気温などを記録します。天気と気温はエアコンなのか、暖房器具なのか?などを推測する重要な手がかりです。

また、ノイズが発生している場合、ひとつの発生源・・・というのは、都会では稀で、複数のノイズ発生源が存在する前提で対策する必要があります。
私のアパートでは、エアコンは全室同一機種で、同じようなノイズを発生します。つまり、ひとつのノイズ源に対策をしても、場合によってはノイズは見かけ上(Sメーター読み)減りません。
このような場合、往々にして「この対策は無意味である・・・」と考えて、せっかく行った対策を元に戻してしまったりすることがありますが、これでは永遠にノイズは減りません。

ノイズを毎日・注意深く聞いていると、ノイズが重複している(複数のノイズが組み合わさっている)場合と、ひとつのノイズ源からのノイズなのかが、だんだん分かるようになります。
聞き分けるのは難しいと思いますが、受信音をPCに入れて、スペクラムスコープでみると、ノイズには色々な種類があるとに気がつくでしょう。
その全てを押さえ込まない限り、ノイズ無し・・・にはならないわけです。

ノイズ発生源に対策ができない場合、局設備側で最大限努力することになります。
この場合は、ノイズの進入ルートを徹底的に対策します。無線機にアンテナをつながない状態でSメーターが振れるノイズがある場合、電源ラインと無線機のシールドを疑うべきです。
無線機に繋いだコード(マイクや外部SPなど)は、全てノイズ受信のアンテナになる可能性があります。
「全て」のコードにフィルターを入れましょう。

アンテナを接続するとノイズを受信する場合は、同軸ケーブルとアンテナが侵入経路になります。私の経験ではアンテナを周囲から5m以上離せば、案外アンテナで受信するノイズは少なくて、同軸ケーブルに混入する場合が多いようです。

対策としては、まず同軸ケーブルの引き回しを変更します。1W出力のノイズなんて存在しないハズですから、数m程度同軸の位置を変えるだけで、ノイズレベルがガクッと変わります。
冷蔵庫の場合、冷蔵庫の下を通すとS9のノイズですが、3m離したところS0になりました。
南側の家からノイズがでている場合は、同軸ケーブルは家の北側から引き込みます。このようにして同軸にノイズが侵入するのを減らしていきます。
アンテナでノイズを受信している場合、一番有効な対策はノイズの発生源からアンテナ自体を離すことです。特に近隣(隣など)からのノイズの場合、この対策は結構有効で数m移動させるだけで、効果を感じることができます。

3軸同軸に変更すれば、ノイズがピタッと止まる・・・・なんてことは期待してはいけません。
ノイズは電磁波で、DXの信号と同じです。
では、電磁波の強度は発生源から3mで受信した場合と、10mで受信した場合では、信号強度はどの程度違うでしょうか?
繰り返しですが、出力1Wのノイズ源など、基本的に存在しません。それでは立派な送信機です。
微弱な電磁波は、距離が数m離れるだけで急激に弱くなります。

普通の同軸でも、アンテナを調整してSWRを下げ、同軸の引き回しを十分に検討するだけでも、ノイズは減らすことができます。
その上で、3軸同軸を試すと、さらに効果を感じることができると思います。

都会で全てのノイズを無くすことは不可能だと思いますが、大きめのヤツだけを対策するだけで、国内QSO程度はできる状態になる筈です。
常時、バンド全体がS9のノイズ源が5個存在する・・・・というのは非常に稀なハズ。
まずは大きいヤツを潰して、バンドや時間を選んでQSOを楽しみながら、運用可能なバンドと周波数を増やしていくと良いと思います。

ノイズ対策は根気良く、DXハンティングと同じように、時間をかけて楽しむべきものです。
1日や1回の対策でノイズが消える場合もありますが、それは大変幸運だと思わねばなりません。
ほとんどの場合がひとつのノイズ源対策に、数週間〜半年程度はかかると思ってください。


ノイズ対策のバイブル

CQ出版社「アパマン・ハム ハンドブック」には具体的なノイズ対策事例が豊富に紹介されています。ノイズでお困りの方は、ご一読をお勧めします。
ホームページではココココがお勧めです。そして宿敵インバーターのノイズ対策はココです。 プロ向けの内容で且つ無線とは異なる分野ですが、ノイズ対策の基本に変わりはありません。