国会議員へ働きかけを!〜実験動物のために声を上げてください!〜

2012年動物愛護法改正を求めるネット署名にご協力を!

(Protect experimental animals in Japan by the law revision.)

浦野徹委員(動物愛護管理のあり方検討小委員会)の意見書に対する意見

動物実験/実験動物関連団体の動き(動物愛護管理法見直しに対する要望)

動物実験に関する国際的な基準・指針

日・米 動物実験法規制比較

パブリックコメントの集計結果が公表されました

動物実験Q&Aを更新しました。(本ページ) 2012/2/5

動物実験/実験動物論点早わかり
環境省・動物愛護管理のあり方検討小委員会(第21回)議事要旨

法改正の経緯と状況(地球生物会議ALIVE記事)
 
実験動物保護のために2012年動物愛護法改正にご協力ください

 5年に一度見直しの動物愛護管理法が2012年通常国会(1月−6月)で改正予定となっています。動物実験の規制、実験動物の福祉については、前々回の改正(99年)より動物保護団体等が訴えてきていますが、関連学会や業界団体の強い反対により、未だ実現に至っていません。今回も12を超える団体が反対しています。一方でOIE(国際獣疫事務局/世界動物保健機構)の規約をはじめとする動物実験に関する国際基準は近年相次いで改正され、日本との差は広がるばかりです。今回の法改正で実現しなければ、また何年も動物実験に対して法規制がなく実態把握も行政監督もできない状態が続くことになります。今度こそ、動物実験/実験動物の法改正を実現するためにご協力をお願いします。

〜私たちの提案〜

―動物実験の実態把握と3Rの推進を!―


 日本では年間1000万匹以上(関連学会のアンケート調査より推定)の動物が実験に使われていますが、その実態は一般市民の目からは隔絶されています。現在、日本では動物実験に対して如何なる法的規制もないために、いつ、誰が、どこで、どんな実験をすることも自由です。そして、施設の所在や動物の種類・使用数等、基本的な事柄さえも把握されていません。こんな国は先進国中、日本だけです。

 日本も加盟しているOIEでは2010年に国際標準として実験動物福祉綱領を制定しました(内容は3Rsの実践、監視の枠組み、動物実験従事者の訓練、獣医学的ケアの整備、実験動物の供給、実験施設と環境条件、飼育条件等)。これは日本を含むすべての加盟各国に適用されますが、日本の現状の法令はこの要件を全く満たしていません。このような状況は遅かれ早かれ、国際摩擦の原因になることは明らかです。

 まずは動物実験の実態を把握するため、また日本の法令を国際要件に少しでも近づけるため、以下の事項を動物愛護法及び関係法令へ盛り込むことを提案します。

1.すべての実験動物施設を登録制とする。 
・すべての実験動物飼養施設(動物実験施設及び実験動物生産・販売・輸入業者含む)を登録制とする。
・国は実験施設の所在や数、実験動物の種類や用途、数等の情報を把握するとともに、基本的な情報を国民に開示し、実験動物の飼養管理及び動物実験の適正化に係る管理指導を行う義務を負う。
兵庫県は既に平成5年から、条例で実験動物施設の届出制を実施(第25-26条)している。

2.動物実験施設への獣医師の設置及び動物実験委員会への市民参加
・実験動物の福祉及び3R推進の観点から、動物実験施設への獣医師設置を義務付ける。本件についてはOIEの綱領その他各種の国際基準にも定められ、また日本では日本実験動物医学会(実験動物獣医師の学会)も提案している。http://plaza.umin.ac.jp/JALAM/Ikensho_Jalam2011.htm
・動物実験計画が専門家による偏った審査になることを避け、また動物実験と一般社会の接点を作り、社会の監視の目が届くように、動物実験委員会への市民参加の道を開く。本件もOIEの綱領その他各種の国際基準に定められ、アメリカ(機関内委員会)では獣医師1名、民間人1名を含む。ドイツ(州政府の委員会)では1/3が動物保護団体の推薦者を含む。

3.3R原則の強化 
・3R(削減、苦痛の軽減、代替)の表現をOIEやEU等の国際スタンダードな表現に倣い、強化する。
・現在「配慮するものとする」とされている2R(削減、代替)を義務化(しなければならない)とする。
・3Rは必須条件であることから「科学上の利用の目的を達することができる範囲において」「その利用に必要な限度において」の前提条件は削除する。
3Rの強化については日本動物実験代替法学会も提案している。
http://www.asas.or.jp/jsaae/info/info_20110922.html

4.実験動物の福祉や動物実験の3Rを推進するための窓口を設ける。 
・国は実験動物の福祉や動物実験の3R(削減、苦痛の軽減、代替)に関する情報を収集し、動物実験の適正化に係る管理指導に反映させるための窓口を設ける。
・窓口は収集した情報の提供、公開に努めるとともに、広く国民からの意見も募集し、国の施策へ反映させる。
例:動物福祉法を所管するアメリカ農務省のAnimal Welfare Information Center(AWIC)
イギリスの国立3R研究センター The National Centre for the Replacement, Refinement and Reduction of Animals in Research (NC3Rs)

5.法律が「動物実験」を含むことを明確にし、「雑則」から外す。 
 法律が「実験動物の飼養管理」だけではなく、「動物実験の適正化」についても所管することを明確にし、動物実験について定めた第41条を「雑則」の項目から独立させる。本法の目的(動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項)に照らして「動物実験の適正化」を含むことは必須であり、またそうでなければOIE等の要件を満たすことはできない(動物実験Q&Aの4と8を参照)。


動物実験Q&A

1. 実験動物の年間使用数は?
 日本では動物実験施設が届出も登録もされていないため、実数がわかりませんが、2004年に(社)日本実験動物学会と(社)日本実験動物協会が行ったアンケートからは1000万匹を遥かに超えると推測され、これはEUでもトップクラスのイギリスの190万匹(2005年)と比べても断トツに多い数字となっており、2005年のEU全体の使用数1200万匹にほぼ匹敵する数です。EUや諸外国では実験種別毎の統計もありますが、日本では何にどれくらい使われたのかというデータは全くありません。またここ数年、学会による調査は「使用数」ではなく「飼養数」を対象にしており、日本における「使用数」は闇の中となっています。

2. 動物実験の現在の規制状況は?
 日本では環境省所管の「動物の愛護及び管理に関する法律」で、動物実験の国際原則3R(削減、代替、苦痛軽減)が理念として反映されているにすぎず、諸外国で何十年も前から確立されている、施設や実験計画の許可制、実験者の免許制等の実質的な規制は何一つなく、ほとんど野放しの状態です。関係省庁の基準や指針により、動物実験を行う各機関(大学や研究所、企業等)は動物実験委員会を設けて動物実験計画を審査することが求められていますが、基本的に身内や同業者による審査であるため、形式的になりがちで、一般市民の感覚からかけ離れているという批判があります。また、情報が公開されないため、外部監視による抑止力が働かず、自主管理に委ねられているため、罰則も強制力もありません。
参照:日本における動物実験の自主管理の仕組み

3.動物実験関係者が始めた第三者評価制度とは?
 2004年の日本学術会議の提言を受けて、大学、製薬企業、実験動物生産業者それぞれが各々の協議会や財団、協会が主催して始めている制度です。内容は各施設の「自己点検・評価」の確認が主体で、極めて形式的なものです。
(例:http://www.nirs.go.jp/research/group/animal/committee.html )
 大学で2009年、製薬企業で2008年に開始以来、少なくとも500以上あると考えられる(文科省や学会の調査より推定)動物実験施設の中で、評価を受けた機関は大学、製薬企業で今までにそれぞれたった27機関、14施設にすぎません(第21回動物愛護管理のあり方検討小委員会鍵山直子氏説明資料より:http://www.env.go.jp/council/14animal/y143-21.html
 そもそも「第三者」というのは通常全く利害関係のない人や組織を指すのではないでしょうか?現状の評価主体は各々の業界を代表する団体なので、利害関係がないどころか、「持ちつ持たれつ」の関係です。このような誤魔化しの制度は法的な管理を逃れる言い訳にはなりません。

4. 動物実験は動物愛護管理法の範疇外?
 「動物実験」は動物愛護管理法の範疇外だとする主張が一部の関係者からなされることがありますが、そんなことはありません。動物愛護管理法は第一条の(目的)で、「動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定め」ることとなっており、「動物実験」は「実験動物の取扱い」そのものですから、当然この法律の範疇に入ります。多くの諸外国の法律においても、動物実験の規定は動物保護法の中で主要な位置を占めています(関連項目8)。

5.施設の登録制とは?
 施設に行政への登録を義務付ける制度です。動物取扱業は99年の改正で届出制、2005年の改正で登録制となりましたが、実験動物関係や畜産関係は除外されています。届出制は行政が実態把握のために行う制度ですが、登録制はそれに加えて、登録時の基準を設けたり、登録取り消しや業務停止命令を行うことができます。
 欧州では施設だけではなく、実験者や実験計画に対して、更に厳しい許認可制やライセンス制をとっています。日本には自主管理制度しかなく、動物実験施設や実験動物取扱業者は実質的に野放しの状態です。施設の登録制は、実態把握と、最低限の行政指導のために必要です。

6.3Rとは?
 3Rsは1959年にイギリスの研究者RussellとBurchにより提唱された考え方で、動物実験の基本原則として広く国際的に認知されています。
Replacement(代替):細胞や組織を使用したin vitro(試験管内実験)への代替、無脊椎動物等の意識・感覚が低位の動物種の利用、コンピュータシュミレーション等の動物を全く使用しない方法の利用
Reduction(削減):科学的に必要な最少の動物数を使用、同程度の情報をより少ない動物を用いて得ることができる方法の選択
Refinement(改善):痛み・苦痛・ストレス等の軽減、安楽死措置、飼育環境改善など
各国の法律や国際基準・指針等に反映されており、日本でも2005年の動物愛護法改正で取り入れられました(それまでは「苦痛の軽減」のみ)。3Rsは実験動物の福祉、動物実験の適正化のために欠かせない概念であり、この概念を理念だけではなく、実質的に担保、推進するための仕組みが必要です。

7.動物実験/実験動物の種類は?
 動物実験には大学や研究所が行う医学、薬学、獣医学等の研究のために行うもの、製薬企業等が行う医薬品開発試験等があります。製薬企業等が行う、薬事法や化学物質審査法等の法律で定められている動物実験(毒性試験等)には以下のような種類があります。
http://www.ka-anken.co.jp/trust/non_clinical_trial/
 また様々な種類の疾患モデル動物や遺伝子改変動物が開発・販売されています。
http://animal.nibio.go.jp/j_disease_mice.html
http://www.clea-japan.com/animalpege/animal01_04.html
http://tprc.nibio.go.jp/research/disease.html

8.動物実験・実験動物行政の仕組みは?
 環境省は以下のパンフレットの中で、「実験動物の飼養保管等の適正化」の措置は環境省が動物愛護管理法に基づき実施し、「動物実験の適正化」の措置は動物実験に関係する省庁(文科、厚労、農水等)が各種法令などに基づき実施する、としています。
http://www.env.go.jp/council/14animal/y143-21/ref01.pdf
しかしこれには問題点があります。
第一に文科、厚労、農水等の省庁が所管する法令は、正確なデータの取得等を目的とした法令であり、動物愛護について定められたものはほとんどないということです。
第二に「動物実験の適正化」の措置と「実験動物の飼養保管等の適正化」の措置は厳密に切り分けることができないということです(例えば動物実験委員会はどちらの適正化にも関与する)。にも関わらず、同じ動物の愛護・管理を複数の省庁に分担させるのは現実的とは言えません。
 現行の法律は、動物実験についての理念(3R)をうたっているに過ぎないため、結果としてこのような仕組みになっていますが、本来は動物愛護(保護)の観点については、「動物実験の適正化」についてもこの法律で規定するのが法律の目的に照らして当然なあり方だと考えられます。また他の省庁に協力依頼をするにしても、根拠になる法律(条文)がなければ、動物愛護(保護)の観点からの動物実験の適正化はできません。何よりも実験動物施設がどこにあるのかを行政が全く把握していない現状では、指導のしようがありません。まずは動物愛護管理法の中で実験動物施設を登録制とし、実態を把握することが何よりも先決です。

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