第10号意見書案

公契約における政策入札をすべての入札に
適用することを求める意見書

 今、国や各自治体の労務委託契約などの競争入札で、過当競争による安値受注(ダンピング)が深刻化し、受託企業に働く労働者の低賃金、解雇、不安定雇用など、労働条件の悪化が進行している。

 また、安値の落札による質の低下で、結果的に住民サービスが低下することや、業界の全体相場をも引き下げるなどの弊害も見受けられる。

 公契約に関しては、ILO(国際労働機関)が1949(昭和24)年に採択した第94号条約(公契約における労働条項に関する条約)では、国や自治体など公的な機関が発注する事業に従事する労働者に適正な水準の賃金・労働条件を確保するよう契約に明記することを義務づけている。

 競争入札については、地方自治法施行令の改正によって、価格とその他の条件を総合的に判断する総合評価方式が導入され、さらに、最低制限価格の設定が「工事又は製造の請負」から「工事又は製造その他についての請負」に拡大された。このことを受けて、大阪府では、今年度2件の入札において障害者の雇用等を重視した総合評価方式を導入し、内外から高い評価を得たところである。

 しかしながら、総合評価入札制度の対象は印刷物の発注等を含まず、また、建設工事における下請け、孫請け等の労働条件は公正労働基準からはほど遠い状態にある。そして、過当競争による労働力の価格破壊が国民の生活に直結する喫緊の課題であるといえる。

 よって国会及び政府は、ILO第94号条約の趣旨を活かし、公契約の入札制度の改革を行い、入札の貴重な機会を活用して、労働関係法令遵守をはじめとする公正労働基準や環境、人権、男女平等参画、障害者の社会参画など価格以外の社会的価値をも受注企業に追求する、いわゆる「政策入札」をすべての分野の入札に適用されることを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成16年3月24日
衆議院議長

参議院議長

内閣総理大臣

厚生労働大臣

各あて

大阪府議会議長

森山 一正

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