平成20年9月定例会 自由民主党 代表質問
質問日(平成20年9月25日
質問者 花谷 充愉 議員

(はじめに)
 自由民主党の花谷充愉でございます。会派を代表して質問を行います。

 知事は、「20年度予算は、収入の範囲内で組んだ」、「出血を止めただけ」で、「次の一手で点数がつく」とされ、評価されるのは第2ステージだと、発言されていました。この改革の第2ステージこそが、知事選挙の準備をしていた頃の「子供もおとなも笑う大阪」に向けての取り組みです。大阪を明るく笑顔にする将来ビジョンに期待していますが、同時に大手術の後、「本当に適切な止血方法だったのか?」「血がまわらなくなり麻痺したり、壊死したりしているところはないか?」と、常に巡回、検診をしていただきたいと思います。私たち議員のところには、今でも「ドクターヘリの出動要請」が頻繁にあることをご認識頂きたいと思います。

 また府議会として、先の7月臨時議会では、平成20年度予算を審議したのみで、財政再建プログラム案の21年度以降について認めたわけではありません。今定例会の議論を踏まえ、21年度の予算編成方針を策定すると同時に、財政再建プログラム案を適切なものに変更していただきたいと思っています。

 現在、大阪府議会には、知事との二元代表制の一方でありながら、総合的基本的行政計画が、議決事件に含まれておらず、この財政再建プログラム案を修正することも決定する権限もありません。早期に議会基本条例を制定し、議会の機能強化を図るため、政務調査委員会で議論が開始されたところです。できるだけ早期に条例制定できるよう議長団のリーダーシップと議会の賢明な判断を期待しています。

 さて橋下知事の大きな成果のひとつは、たくさんの府民に知事のメーセージが伝わり、大変に多くの方が府政について関心を示されるようになったことであります。これは、知事が常に現場に出向き、職員や多くの府民と意見交換すると同時に、そのつど誠意をもって、分かりやすい言葉でメディアの取材に応じておられるからです。今後とも、情報発信には最大限頑張っていただきたいと思います。

 府民は、自分の税金の使い道を提案し、執行する知事がどんなビジョンをもっておられるのか、はっきりわかることを評価していると思います。また職員が、知事の姿勢を頻繁に確認できるという状態は、大きな船が進路を変えるとき、一人一人が力を出し切ることに効果があると思います。

 そして「大阪の未来をつくる」についてです。かつて大阪は「天下の台所」と言われ、日本経済の中心として輝いていました。しかし、大阪で生まれて育った企業は、どんどん大阪から出て行き、未だにこの流れは止まっていません。企業の本社機能の中でもマーケティング機能や研究開発機能の流出は、大阪経済に大きな打撃を与えるだけでなく、地域経済をリードする人材の流出につながります。さらには、就職は首都圏が有利と言うことで、大学など高等教育を首都圏に求め、その後首都圏から、大阪に戻ってこない人材が増える一方です。人が集まるからチャンスがあり、チャンスがあるからまた人が集まるのです。

 この流れを止めるには、他を圧倒する必要があります。環境関連産業やバイオ関連産業に関しても、他を圧倒する施策が必要です。国が全国に進める施策の活用や、府単独のものでも中途半端なものでは、ほとんど効果がないことを、知事が一番ご存知だと思います。知事のリーダーシップに期待しております。


1 知事の政治姿勢

(1)「大阪府議会フォーラムin東京」の成果活用

(質 問)
 それでは、知事の政治姿勢をテーマとした質問から入ります。

 知事の力強いリーダーシップのもと、大阪府ではかつてないスピードとボリュームで行財政改革に取り組みました。同時に府議会におきましても、我が党は、様々な提言を行い、大阪府の改革の方向について、議論をさせていただきました。

 しかし、議会と知事が多くの議論を重ねましても、自治体にとって必要な施策を賄うことができない不十分な財源、国からの関与や義務付け、さらに一方的に負担を求められる国直轄事業負担金の問題など、地方自治制度上の課題が数多くあります。

 府議会の議論の中におきましても、「地方分権・地域主権を実現するためには、現行地方自治制度においてまだまだ制約が多く、国会及び政府に対して抜本的な制度改革を強く求めるべき」とする意見が相次ぎました。

 そこで、二元代表を構成する議会と知事が一緒になって、抜本的な制度改正を国に求め、そして全国に発信すべきという思いから、政治、経済、情報の中心地である東京において、「大阪府議会フォーラムin東京」を開催し、内閣総理大臣等に要望活動を行いました。

 このように議会が主催して東京でフォーラムを開催したことは、全国でも類を見ないことであります。我々議会とともに活動された知事におかれましては、今後どのようにして、この成果を活用されるでしょうか。お伺いいたしします。

(知事答弁)
 自由民主党大阪府議会議員団を代表されましての花谷議員のご質問にお答え申し上げます。

 「大阪府議会フォーラムin東京」につきまして、先般、大阪府議会の皆さんが会派の枠組みを越え、地域主権の確立に向けた活動をともに行っていただいたことは、大変画期的であったと考えています。官僚機構の中枢がある東京で、"霞ヶ関解体"への狼煙(のろし)を上げることができ、また、議長・副議長とともに訪れた地方分権改革推進委員会でも「地方からこうした声を上げてもらうことは大きな力になる」と受け止めてもらいました。

 今後、来年度にかけて、同委員会を中心に地域主権、地方分権に向けた議論が本格化することとなります。フォーラムで採択した「地域のことは、地域が自ら考え決定し、自らその責任を負う、そのために必要な権限と財源が移譲されれば、明日からでも、これを実践する覚悟と自信を備えている」という宣言の精神を踏まえ、思い切った権限と財源の移譲がなされるよう、国に強く訴えるとともに、府民・国民に対して地域主権の必要性を広くアピールしていきたいと思っています。


(2)次期衆議院選挙に対する知事の期待

(質 問)
 昨日召集されました臨時国会におきまして、麻生新内閣が発足しました。しかし、ご存知のとおり、臨時国会では、麻生首相の所信表明演説のあと、各党の代表質問を終える10月上旬にも衆議院が解散し、総選挙が予定されています。そこで我が党は、自民党所属の国会議員に対し、次期衆議院選挙の際、政党マニュフェストには、「地方分権の推進」を掲げてもらうよう強く要望しました。

 ところで、知事は9月10日の記者会見で、「自民党のマニフェストの中で、地方分権については、民主党を上回るような公約を出してもらわないと応援できません、と国会議員に伝えた。」と発言され、9月17日の記者会見でも、「民主党を上回る地方分権というものを期待して、それを確認しない限りは動けない。」と発言されました。また、9月19日には、我が党の浅田幹事長と知事とが一緒になって自民党大阪府連を訪れ、「地方分権改革推進に関する緊急要望」を行ったことは、我が自民党府議団と知事の地方分権改革にかける思いは、全く一緒であるということであります。

 ここで改めてお聞きしますが、知事は、近く行われる次期衆議院選挙におきまして、どういったことを期待しているのでしょうか。

(知事答弁)
 私は、地方が自らの権限と財源をしっかりと持ち、住民ニーズや地域の課題に応じた施策を実施するためには、真の地域主権を確立していくことが必要であり、このことなくしてこれからのわが国発展はありえないと考え、強く訴えてきました。

 先週、自民、公明両会派から声をかけていただき、両党に対して、地方分権の推進についてお願いをしてきたところであります。私としては、次の衆議院選挙において、地方分権が争点として議論され、地方分権改革が大いに進展することを期待しています。


2 財政再建

(1)さらなる歳出削減に対する取り組み

(質 問)
 2月に出された「今後の財政収支見通し(粗い試算)」と6月に出された「今後の財政収支見通し(粗い試算改定版)」を比較しますと、平成20年度から28年度までの追加取組額が6,500億円から7,770億円へと1,270億円も増加しています。この4ヶ月の間で20年度府税収入見込み額が380億円も落ち込んだことが、追加取組額が増加した大きな理由であると思われますが、府税収入見込み額をもともと甘く算定していたのではないでしょうか。

 このように、府税収入見込み額が大きく落ち込んだことにより、大阪維新プログラム案による取組額よりも、平成21年度で250億円、平成22年度で200億円の収支改善をさらに図る必要があるとのことでありますが、具体的にどのような手法をもって、収支改善を図られるのか、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 6月に公表しました「今後の財政収支見通し(粗い試算改定版)」では、平成20年度本格予算案を発射台として、景気の減速傾向や府税を取り巻く状況を踏まえ、府税の伸び率を22年度まで0%と見込むなどの一定の前提条件のもと、将来にわたって財政健全化団体にならないために必要な取組額を試算したものであります。

 税収の動向等により財政収支は変動することから、当面は、予算編成過程において収支の見通しを精査し、財政再建プログラム案を着実に実施した上で、継続検討項目の具体化や歳入の確保、歳出の抑制等により対応していきたいと思っています。

(再質問)
 知事は、収支改善を図る一つの手法として「歳出の抑制等により対応していく。」とご答弁されました。さらに、歳出を削減するための新たな取り組みを行っていくのでしょうか。

(知事再答弁)
 具体的な収支改善については、まずは財政再建プログラム案を着実に実施したうえで、継続検討項目の具体化や歳入の確保により対応をします。しかし、それでもなおも財源不足が生じる場合には、毎年度の予算編成において、地方交付税や減収補てん債などの地方財政対策による財源確保を図った上で、必要に応じてさらなる歳出削減を行わなければならないと考えています。

(再質問)
 この9月に公表された2008年4月から6月期の国内総生産(GDP)改定値では、年率換算でマイナス3%と、1年ぶりにマイナス成長となりました。政府の月例経済報告でも、景気が弱含みであるとの現状認識を示し、実質的に景気が後退局面に入ったことを認めています。日本銀行の金融政策決定会合でも、景気は停滞しているとの声明を発表しています。

 粗い試算改定版では、府税収入見込み額の伸び率を平成22年度までは0%、平成23年度以降29年度まではプラス1.3%として見込まれていますが、少なくとも、最近の経済情勢からして、今後3年間の府税収入見込み額の伸び率ついては、さらに厳しく見込む必要はあるのではないでしょうか。

(知事再答弁)
 粗い試算改訂版では、景気の減速傾向や府税を取り巻く状況を踏まえると、平成21年度以降の税の伸び率をこれまで通り1.3%と見込むのは難しいと判断し、財政再建プログラム案の集中取組期間である22年度までの間、税の伸びを見込まないなどにしました。

 今後、21年度予算編成にあたっては、直近の税収状況や経済動向など状況の変化を踏まえて、来年度の税収見込みを精査するとともに、併せて、粗い試算の前提についても、検討をいたします。

(再質問)
 先ほど、府税収入の見込みもマイナスを視野に入れて見込む必要があると指摘させていただきました。今から6年前の平成14年度は、府税収入の伸び率がマイナス11.2%でした。この時のように、府税収入が10%以上落ち込んだとしますと、どう対応されるのでしょうか。

(知事再答弁)
 府税収入が10%以上落ち込むとなれば、府の実質税収ベースで1,100億円以上の減収ベースとなりますが、仮にそのような状況になれば、地方交付税や減収補てん債などによる財源補てんが行われることになり、減収額そのものが財源不足にならないと考えています。ただし、その上でなお財源不足が生じる場合には、その規模に応じて、歳入歳出全般にわたって、さらなる対応を検討していかなくてはならないと思っています。


(2)歳入増加策の手法

(質 問)
 知恵と工夫をこらし、歳入の確保に努めることも大切であります。我が党では、7月に「財務リストラプロジェクトチーム」を立ち上げ、府の財政再建をできるだけ早期に達成させるため、歳入確保の方策について調査検討を行い、東議員が中心となってとりまとめた提言を、先日お渡ししたところであります。本日は、その中から特に二つお尋ねいたします。

 一つ目は使用料・手数料の単価改正についてであります。府有地にある電柱の占用料などの使用料や、各種申請手続きなどの際にお支払いただく手数料につきましては、近年、単価改正がされていない状態が続いています。

 しかし、すべての事務・事業を聖域なく見直し、人件費削減をも断行し、さらに来年度以降も収支改善の取り組みが必要となるような現状を考えますと、歳入増加策の一環として、使用料・手数料の単価を大胆に見直すことを検討されてはいかがでしょうか。もちろん、府営住宅家賃や府立学校授業料などは別途議論が必要かもしれませんが、それ以外の使用料・手数料単価につきましては、例えば、一定の期間を定めて、1.5倍程度の値上げを検討されてはいかがでしょうか。知事のご所見をお伺いします。

 二つ目は府有財産の使用料、貸付料の減免措置の見直しについてであります。現在、府では、約2,800件余りの使用許可や貸付けについて、正規の料金ではなく、減免した料金しかいただいていないという実態があるようですが、この約2,800件余りの事案は、本当に減免が必要な事案であると言い切れるものでしょうか。本来ならば減免しなくてもいいような事案も含まれているのではないでしょうか。知事の現状認識をお伺いします。

 大阪維新プログラム案では、この減免措置の見直しを、今後取り組むことの一つとして挙げられていますが、この見直しは、直ちに行うべきであります。そして、府民の視点から減免内容を厳しく精査し、正規の料金をいただくべき事案については、早急に府の歳入に反映していくべきであると考えますが、併せて知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 使用料・手数料は、施設等の使用や役務の提供に対する反対給付という性質をもつものですので、その施設、事務にかかるコストや受益の度合い、公平性などを勘案して設定する必要があると考えています。一方、極めて厳しい財政状況の中、歳入の確保という観点も重要であることから、財政再建プログラム案におきまして「使用料・手数料全般について、情勢変化等を踏まえた料金設定の点検・見直しを実施する。」としており、また、公の施設についても「適正な受益者負担となっているかという観点から、使用料の見直しを行う。」としたところです。

 今後は、施設の利便性や利用度、民間や近隣府県との比較など、さまざまな角度から検討を行うとともに、ご指摘のような手法による増収効果についてもあわせて研究し、必要な見直しを行っていきます。

 府有財産の使用にあたっては、公共性や公益性に加え、本府の事務事業との関連性を見極め、減免措置の必要性を判断しています。事案としては、ライフラインや福祉施設・公園や駐車場のほか、食堂等があります。これらについて、その必要性及び妥当性を改めて点検する必要があると考えています。今回の財政再建プログラム案を受けて、減免措置の見直しを指示したところであり、次年度からの歳入確保を図っていきます。


(3)増税に対する考え

(質 問)
 現下の厳しい大阪府の財政状況では、新たな施策展開するには、財源が不足し、非常に難しいのが実情であります。知事は、先の7月臨時会が終わった後の新聞社とのインタビュー等で、増税の可能税について言及されましたが、今は府民に負担を求める増税について、どのようにお考えでしょうか。お伺いします。

 また、他府県では、産業廃棄物等に係る法定外税や森林保全等を目的とする府民税の超過課税を導入しているところがあります。新しい税を課したり、既存の税率に上乗せして課税すれば、府民負担が増加することになりますが、受益者に負担を求めるという考え方からしますと、府民が受益を得る施策とセットであれば、府民負担が増加するのも止むを得ない場合もあるかと思います。

 昨年9月定例会の一般質問におきまして、我が党の西野修平議員が、森林環境税の創設についてご質問をさせていただきましたが、太田前知事は、「検討にしばらく時間をいただきたい」という消極的なご答弁でした。この時提案した森林環境税は、地方自治体が自ら森林整備事業を行い、その費用負担を幅広く住民に求めるもので、その事業効果は、水源を涵養するだけでなく、災害の防止や地球温暖化の防止といった様々な機能を維持し、府民も受益を得るものであります。

 知事が変わりましたので、新たにお聞きしますが、森林環境税の創設について、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 7月の臨時府議会でご議決いただいた平成20年度本格予算では、「収入の範囲内で予算を組む」という方針のもと、徹底した歳出の見直しを行ってきたところであります。一方で地方が自らのことは自らが決め、責任を負う地域主権を確立するためには、地方税財源の充実強化が不可欠であります。そのため、消費税を基本とした安定的な税目による税源移譲や地方交付税を含む地方一般財源総額の確保について、今後とも国に訴えていきます。その上でもなお、府民サービスの拡充のための財源が不足するということになれば、税を含め府民に更なる負担を求めることについて検討していくことも重要と考えています。

 また、森林環境税の創設についてでありますが、府内の森林については、災害の防止や地球温暖化の防止など多様な機能を有しており、今後ともこうした機能が十分に発揮されるよう努めることが必要であります。このため、治山事業や造林事業の推進に加え、企業やNPOなど府民協働による森づくりなどを進めているところでありますが、府域の約3分の1を占める森林を府民共有の財産として適切に管理するには、安定的な財源の確保が必要であると認識しています。

 森林環境税をはじめ、新たな税負担を求めることについては、府民の声を反映しながら、課税自主権の活用という観点から検討していきたいと思っています。


(4)南大阪食肉市場株式会社のあり方

(質 問)
 これまで大阪府は、南大阪食肉市場株式会社に対しまして、食肉安定供給事業運営資金として、約25億4千万円を貸し付けてきました。一方、同社の経営状況は、大変厳しい状況が続いています。平成18年度から抜本的な経営改善に取り組み、平成19年度の当期損益はやや改善されたようでありますが、赤字であることには変わりがありません。

 こういった経営状況におきまして、財務リストラという観点から、先の貸付金回収を優先させるのか、あるいは、食肉安定供給事業を府が深く関与すべき事業ととらえ、同社の再建を優先させるのか、につきまして、知事は今年2月定例会の環境農林常任委員会における我が党の浅田議員の質問に対して、「6月をめどに方向性を明らかにする。」と答弁されましたが、まだ同社の方向性が明らかになっていません。

 今議会の代表質問として改めてお伺いしますが、知事は、同社の経営状況をご覧になったとき、府が貸し付けている25億円余りのお金をきっちりと返済してもらえる状況にある、とお考えなのでしょうか。

 また、同社の経営と、この貸付金に対する府の方針につきまして、いつまでに、どういう判断をしようとお考えなのでしょうか。併せてお伺いします。

(知事答弁)
 南大阪食肉市場株式会社におきましては、手数料や使用料の改定が行われるとともに、人件費の抑制策を講じるなど、経営改善の努力を行っています。

 平成19年度は前年度の約1億5千万円から約6千万円改善しているものの、ご指摘のとおり約8千9百万円の損失であり、厳しい経営状況にあることは認識しています。本府としても、引き続き、経営改善を促していきたいと思っています。

 近接する羽曳野市立と畜場のあり方について協議を行っているところであり、早期に結論を得るよう努めるとともに、会社に対し抜本的な経営改善を促していきたいと思っています。

(再質問)
 知事は9月18日に同社を視察されています。実際、どのように思われたのでしょうか。ご感想などをお聞かせ願います。

(知事再答弁)
 実際にと畜解体の現場を見るのは初めてでしたが、これは非常に大変な作業であるということを実感いたしました。まず、牛の眉間に銃を打ち込むところから始まり、首を落として、それから内臓の処理、内臓を出して枝肉にしていきます。それから内臓処理についても別のところで本当に手作業で全部洗い出しをしなければいけません。

 南大阪食肉市場株式会社のあり方は、私が知事になって初めてこういうところに府が関与していることをわかりました。もちろんこれは公金が入る以上は、きちんと公金のあり方について検討しなければなりません。

 この手数料が1頭解体するのに7,500円ということでした。私はこの料金が全然労力に見合っていないのではないかという思いを抱きました。しかし、実はよく調べて庁内で検討していきますと、全国に29市場あると畜場のほとんどが公金投入を行うことによって、解体手数料を下げているという現状がわかりました。自由競争が働いていない業界の中で、単純に突き放して市場経済に任せ、経営合理化を行って改善してしてください、手数料も値上げしてください、と言っても、そもそも日本の国自体がこのと畜解体業に対して自由競争を認めていないのが実情です。公金投入によって管理経済みたいなことをやっていますので、市場経済に任せるという論理ではなかなか解決しにくいのかな、という思いがあります。

 今は、全国のと畜解体業の公金投入の額、あり方、流通の仕組みなどを庁内で議論をしています。ただ、公金をむやみに投入したらいいというわけではありませんので、ここはきちんと議会の皆様と議論させていただく必要があります。ただ、と畜解体業については日本、国をあげて管理経済、管理市場をやっているということ自体、これをどう捉えるのかということを今自分なりに勉強しているところです。

(まとめ)
 府議会としては公金をあまり入れてはならないという議論をしていたということは、認識されているということですね。できる限り早くに方針を出していただきたいと思います。


3 地方分権改革の推進

(1)権限と財源問題

(質 問)
 8月1日、政府の地方分権改革推進委員会は、国の出先機関の見直しについて、中間報告をまとめました。行政の簡素化の観点から、出先機関の整理を行い、権限や仕事を地方自治体に移すことには賛成でありますが、それに伴う財源の確保は、大変重要な問題であります。また、地域の実情に応じた条例による法令の上書き権も認められなければなりません。

 この11月にも出される予定の第2次勧告においては、出先機関の整理やそれに伴う財源等について明記される予定でありますが、権限委譲と財源確保について、どのようにして国に求めていかれるのか、また、条例による法令の上書き権の法整備も含めて、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 地方分権改革における権限と財源の問題ですが、国と地方の役割分担を明確にし、自らの権限と財源で責任をもって行政運営できるようにしていくのが、目指すべき地方分権の姿であります。

 国に権限移譲を求めるにあたっては、その前提として財源の確保が不可欠であり、併せて、国の義務付け・関与を見直し、地方の自由度を拡大していくことが必要と認識しています。とりわけ、自治立法権を確立する観点からは、「条例による法令の上書き権」を広く認めていくことが重要であると考えています。

 今後、大阪府の考える地方分権の姿をビジョンにまとめ、府民・国民に分かりやすくアピールすることで、地方分権を求める声を巻き起こしていきたいと思っています。

 そして、そうした声を背景に、府議会の皆様方とともに、国や地方分権改革推進委員会に対して、必要な財源と一体での大幅な権限移譲と国の出先機関の廃止・縮小、義務付け・関与の見直しと「条例による法令の上書き権」を認める新たな法律の整備など、分権改革の推進を強く働きかけていきます。


(2)道州制に対する知事の考え

(質 問)
 知事はさまざまな場において、道州制の導入について積極的な発言をされています。しかし、なぜ、道州制が必要なのかという理由が詳しく伝わってきません。どうして道州制を導入しなければならないのか、知事のお考えをお聞かせください。

 ところで、道州制実現への取り組みの中でも、府民の認知と理解も重要であると考えます。府民の道州制に対する認識はまだまだ深くないのが実情です。先日、大阪府が実施しました「道州制・関西州」をテーマにした政策マーケティング・リサーチレポートによりますと、道州制を知らないという層が37.7%、道州制という言葉は知っているが、その内容を説明できないという層が39.5%と、道州制実現の是非よりも、道州制という言葉、内容がまだまだ府民に浸透しているとは言い難く、広く府民に広報する必要があると思います。知事が力を入れて実現したいと主張している道州制にむけて、府民にどのように認知、理解してもらうのか、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 道州制についての私の考えですが、これまで大阪維新プログラム案において、大阪府は本来果たすべき広域自治体としての役割に重点化する方向で取り組んできました。ただし、国の様々な関与があるなかでは取り組みに制約があり、また、この都道府県という狭い区域のなかで各府県がフルセット主義を競う現状に限界を感じていたところであります。

 一方、関西には京都・奈良に代表される歴史文化、大阪湾岸をはじめとする高度な産業集積、さらには関西空港や阪神港などの交通基盤などがあり、厳しい都市間競争を勝ち抜くだけの潜在力をもつ地域であります。この潜在力を活かし、大阪の活性化や関西全体の発展へとつなげていくためには、関西の各都市や地域のもつ強みに磨きをかけ、互いに持ち寄ることで、より大きな力を出すという発想で戦略を練り、ダイナミックな政策を打っていかなければならないと思っています。

 こうしたことを可能にするためには道州制を導入し、関西州という新しい司令塔の下に各府県が実施している施策や事業、国のもつ権限や財源を集め、関西のことは関西自らの意思と責任で決定し、実行していけるようなシステムが必要であると考えています。

 次に道州制について府民の理解をどのように得るのかとのお尋ねですが、先ほどお示しの政策マーケティング・リサーチレポートにおいても、道州制についての認知度・理解度が高くなるほど、関西州の実現に前向きとなる割合が高くなるとの結果が出ており、道州制の意義について府民・市民への浸透を図ることができれば、道州制の実現に向けて大きな後押しを得ることができると考えています。

 しかしながらご指摘のとおり、道州制については府民・市民の理解が進んでいるとは言い難い状況にあります。この理由としては、地方分権改革や道州制は府民や市民の暮らしを具体的にどのように変えるのか、府民にとってどのようなメリットがあるのか、ともすれば分かりにくいということがあると思っています。

 今後、大阪府として道州制を含む地方分権改革に向けたビジョンを取りまとめるなかで、従来のタテ割り行政から関西広域での総合行政にシフトをする、あるいは関西全体での最適化を目指し大胆な施策展開を行うといった観点から、関西州が出来たときにどのようなことが可能になるのか、できるだけ府民に分かりやすいイメージを示し、道州制の意義と可能性について発信したいと考えています。

 ただ、やはり、「関西州」という言葉を知らない人が多いです。私は「関西州、関西州」と言い続けてきましたので、最近、私の子どもも「関西州」という言葉を言うことになりました。言い続けることが必要だと思っていますので、とにかく、私は言い続けていきたいと思っています。


(3)広域連合の問題点

(質 問)
 道州制への第一歩として7月30日には、関西の地方自治体と経済界が会合を開き、関西広域連合を早ければ来年度中にも設立することで基本合意をしました。

 関西広域連合が扱う事務については、東南海・南海地震に備えた広域防災対策、関西全体の魅力アップにつながる広域観光・文化振興策、関西全体の競争力向上につながる広域産業・科学技術振興、ドクターヘリの効率的な配置等による広域医療連携などが想定されています。

 今後、市町村や住民への理解促進を図るとともに、規約、実施事業、組織・財政等の具体的な制度設計を行い、議会との協議が必要となってきますが、関西広域連合に事務を移行することで、住民の視点に立った細かい施策への視点の欠如、新たな行政組織が誕生することによる二重行政の発生、財政的負担の増加など、問題点はないのでしょうか。知事にお伺いします。

(知事答弁)
 関西広域連合は、関西が全国を先導して地方分権改革の突破口を開くこと、関西が一丸となって広域行政を展開すること、また将来は、国からの権限・財源移譲の受け皿となることで、国と地方の二重行政を解消し、関西全体としてスリムで効率的な行政体制への転換を目指すものであります。

 当面は、早期に実現可能な府県事務の共同実施を進めていきますが、住民生活に直結する事務から取り組むこと、簡素で効率的な執行体制とすることなどを基本とします。

 例えば防災では、各府県の防災対策を補完する体制を構築することにより、住民の安全・安心の向上を図り、またドクターヘリについても、広域的な救急搬送体制の充実を目指し、関西全域における効率的な配置や運航方法を検討することとしています。

 今後、ご指摘の点を踏まえ、規約、事業計画、予算等の具体的制度設計の中で、広域連合のメリットを活かしながら、住民視点に立った施策展開を図ることや屋上屋とならないよう、府議会と十分協議しながら、検討を進めてまいりたいと思っています。

(再質問)
 知事にとっては、関西州へのステップかも知れませんが、関西州に対する府民の意識と同様に、広域連合の必要性についても、まだまだ府民の意識は高くないと思います。しかし、大阪府は、広域連合発足に向けての準備を進めていますので、早ければ、来年の夏にでも設立することになる関西広域連合に対する知事の意気込みをお聞かせ願います。

(知事再答弁)
 関西が関西のことを自らの意思と責任で解決し、その成果を関西で暮らす皆で分かち合えるためには、究極的な改革として、関西州の実現が必要不可欠であると考えていますが、その実現に手をこまねいて待っているべきではないと考えています。現行法でも可能な関西広域連合を設置し、府圏域を超える取り組みのメリットを示し、また問題点を検証することで、関西州にいたるステップにしたいと思っています。

 具体的な制度設計については、各自治体及び府議会の皆様と積極的に議論を進め、早期の設置へとつなげていきたいと思っています。


(4)近隣府県の立場

(質 問)
 大阪府におきましては、地域主権プロジェクトチームを設置し、大阪版の分権と集権のための新たなシステムづくりを進めようとしています。そこでは、関西広域連合の早期実現や近隣府県の事業集約、国からの事業集約などにより関西州の実現に向けて、取り組みが行われていますが、関西州を実現するには、近隣府県と協調し、足並みを揃える必要があります。

  しかし、関西広域連合設立に向けて各府県の対応を見ますと、先の7月30日の関西広域連合設立に向けての基本合意について、福井県、三重県は、留保する一方、山陰地方にある鳥取県が参加する意向を示しています。また、関西州の導入についても、京都府、兵庫県は、今のところ消極的な姿勢を示していますので、府県間においては、関西広域連合や関西州に対するスタンスに温度差があるように感じられます。この温度差を解消していくためには、どのようにして近隣府県の理解と協力を求めるのでしょうか。知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 道州制の導入につきましては、安易に道州制の議論に乗れば、却って中央集権型の道州制を押し付けられることになるという警戒感や、道州制の導入によって州都への集中が進み、周辺部との格差が拡大するとの懸念から、消極的な立場をとられる府県もあります。

 しかし、道州が自らの決定権と自立的で安定した財源を持ち、地域主権型の道州制であるならば、選択肢になり得るという点では一致できていると考えています。今後、大阪府として関西州の具体的なイメージやそのメリットを発信していくなかで、目指すべき関西州の姿について近畿の各府県と共有をしていきたいと考えています。

 やはり、近隣府県の県民の皆さん、府民の皆さんとどう共有できるかということですので、このメリット、イメージを発信していきたいと思っています。

(再質問)
 地方分権を推進して、国から権限と財源の受け皿になる組織として関西州に求めようとするのであれば、この大阪府域だけでも十分に受け皿になるとお考えにはなりませんか。

(知事再答弁)
 地方分権改革を推進するという観点からは、大阪府単独でも国からの権限・財源移譲を大胆に進めるべきと考えていますし、大阪府が受ける範囲内では、大阪府が受け入れられるものも十分あると思っています。

 しかし、例えば流域一体となった河川管理、広域交通ネットワークの形成など関西広域の行政課題に対応し、関西自らの意思と責任で解決を図り、その成果も自らのものとしていくためには、国からの個別の権限・財源の移譲だけではなく、国と地方の役割分担を抜本的に変え、新たなシステムとして関西を一つの区域とする道州制の導入が必要であると考えています。


(5)水道事業の府市統合

(質 問)
 我が党では、大阪市会議員との合同勉強会を開催し、大阪府及び大阪市の6つの浄水場を視察するなど、水道事業の府市統合を積極的に進めるという立場で精力的に検討を重ねてまいりました。その中で浄水場の能力や利用率、維持管理費や送水管理システムの違いなどが明らかになり、府市の水道事業を統合すれば、工夫可能な余地がかなりあることがわかってきました。

 こうした中、去る12日に公表された府の案は、市の案のように府の浄水場のみのダウンサイジングを提示するだけでなく、府域のバランスや耐震性を考慮し、新たなダウンサイジングを提示した点、組織のスリム化などソフト面での提案を加えた点、府内を環状する3つの給水系統を連絡管で結び、より送水の信頼性を高めている点、府域の給水原価が大幅に下がる点など、大いに評価に値する案だと考えます。

 水道事業の統合は、これからの新たな府市連携のあり方を府民に示す絶好の試金石であり、最初のモデルケースとして是非とも実現すべきであります。我が党も実現に向け、支援を惜しむものではありません。しかし、何より大切なのは、府市がそれぞれの利害にこだわることなく、住民本位の立場に立って、課題の解決に取り組むという姿勢です。

 去る18日、府市水道事業統合検証委員会が開催され、府の案の説明と市の案の検証が始まりました。学識経験者など第三者からなる検証委員会で双方の案をしっかりと検証していくことも大切ですが、府市双方が協力し、スピード感を持って、府民にとって最適な案を作り上げていくべきと考えます。今後の具体的なスケジュールと併せて、知事のご所見をお伺いします。

 また、水需要の逓減や老朽施設の大量更新時代を迎えているのは府内受水市町村も同様であり、厳しい経営環境に置かれていることから府との事業統合など広域化を望んでいる市町村があると聞いています。今後、受水市町村を含めた広域化についても、統合協議の結論を待つのではなく、府が率先して実現に向けて取り組んでいくべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 水道は、府民生活に欠かすことのできない最も重要なインフラであり、水道の統合協議においても、府民が安心できる水道システムを構築するという視点が欠かせないものと認識しています。

 水需要の逓減などにより厳しさを増す経営環境の下で、耐震性をはじめとする信頼性の向上、施設と組織のスリム化が水道事業体にとっての大きな課題であります。大阪市との統合協議においても、府、市という枠を取り払い、府域全体で見た最適の姿を追求し、統合のメリットを最大限かつ公平に府民に還元できるよう、協議を進めるという姿勢が重要です。

 具体的なスケジュールにつきましては、去る7月24日に私と市長で、年内を目途に再度意見交換会を開催し、今後の事業統合の方針を双方で確認する旨合意したところです。今後、検証委員会での検証結果や府議会、市町村の意見を踏まえ、市長と協力しながらスピード感を持って取り組んでいきます。

 水道の広域化については、施設の老朽化や人材不足など、市町村水道の経営環境もますます厳しくなっていくことから、事業の効率化や経営基盤の強化を図り、将来にわたり府民に安全で安価な水を安定的に供給する必要があると 認識しています。

 このため、現在、府内全市町村水道の統合効果を明らかにするシミュレーション調査などを行っているところです。

 今後、市町村との合意形成に努めながら、府域一水道を目指した将来像を水道整備基本構想に位置づけ、その具体化が図られるよう積極的に取り組んでいきます。


(6)国が定めた財政指標基準に対する思い

(質 問)
 知事は、「収入の範囲内で予算を組む」という方針のもと、平成20年度本格予算を組まれましたが、そもそも「収入」とは、どういう定義なのでしょうか。

 8月に「自治体経営」の観点から、大阪府における既存ルールについて点検し、府の新たな財政ルールを明らかにするため、大阪府庁財政研究会が設置されました。そこでの検討課題のひとつに「収入の範囲内」の「収入」を定義づけることがあります。これまで、知事が言われてきた「収入の範囲内で予算を組む」という方針での「収入」は、当時は定義がなかったわけです。

 したがって、国が制度として認めている退職手当債につきましても、これは収入か否かの議論のないまま、発行が抑制され、歳出も縮減されました。このように「収入」の明確な定義がないままに、20年度予算を組まれましたことについて、知事はどう思われているのでしょうか。お伺います。

 ところで、自治体財政健全化法により、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率という4つの指標に基づいて、地方自治体の財政状況が平成19年度決算から明らかになりました。これらの指標において、一定の基準に達成していなければ、早期健全化団体あるいは財政再生団体に指定され、国の関与を受けることになります。これを避けるために、知事は財政再建プログラム案を作成しました。

 しかし、退職手当債でもありましたように、国が収入と認めている範囲と知事が考える収入とは、明確に異なると私たちは認識しています。そうなりますと、大阪府独自の財政指標をつくり、これを基に大阪府の新たな財政ルールを構築していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。知事にお伺いします。

(知事答弁)
 「収入の範囲」の考え方についてですが、「収入の範囲内で予算を組む」とは、将来世代への負担の先送りから決別することであり、平成20年度本格予算編成では、減債基金からの借入れや借換債の増発については今後行わないことを明確にしました。また、翌年度の収入を先取りする赤字雑入については、本来の「収入」ではありませんが、前年度から引き継いだ赤字額を拡大させない範囲で「収入」として計上し、予算執行段階での解消を目指すこととしました。

 一方、後年度に公債費負担が発生する府債発行につきましては、「原則ゼロ」とした上で、税や交付税の代替である減収補てん債や臨時財政対策債については計上することとしました。建設事業に充てる府債につきましては、事業の必要性を厳しく精査した上で、社会資本整備に係る負担の公平という観点から計上することとしました。

 退職手当債につきましては、赤字地方債でありますが、本格予算ではぎりぎりの歳出削減をする中で、将来的に返済ができる範囲内ということで「収入」に含めて計上することとしました。

 これら「収入の範囲」の考え方につきましては、庁内研究会で改めて検証しているところであり、今後、外部有識者の意見も聴いて、府の財政運営のルールの一部として取りまとめたいと考えています。

 最後に、府独自の財政指標に基づく財政ルールの構築につきましては、「収入の範囲で予算を組む」、「将来的にも財政健全化団体にならない」という目標のもと、財政再建プログラム案を策定し、これに基づき20年度本格予算を編成しました。

 今後とも「自治体経営」の観点に立った財政運営を続けていくに当たっては、国の基準だけでなく、自らに適用すべき財政ルールは自ら確立することが必要と考えています。このため現在、「大阪府庁財政研究会」において、財政運営上の様々な課題について研究しているところです。その中で、独自の財政指標につきましては、数値目標のようなものとするか、毎年度の超えてはいけない限度額を定めるものとするかといった指標の位置づけ、フロー指標とするかストック指標とするか、府民に分かりやすいものとできるかといった視点から様々な意見が出ています。

 今後、年内に研究会としての考えを取りまとめた上で、府の新たな財政ルールを明らかにし、21年度予算編成過程に反映していきたいと考えています。

(再質問)
 20年度予算編成時に退職手当債が「将来的に返済できる範囲内」を明確にした基準があったならば、退職手当債をもう少し多く発行して、歳出削減をもう少し減らすこともできたということでしょうか。

(知事再答弁)
 個別の府債について、個別な細かなそのルールは、その当時ありませんでしたが、知事就任時に「府債発行原則ゼロ」と言ったことが大きな方針になったということは、間違いありません。

(再質問)
 もう一度お聞きします。予算編成をする時に、明確なルールが決まっていたならば、その上限まで退職手当債を収入と判断できたと思います。そうすると、退職手当債の枠が残っていたら、その枠の上限まで発行することができ、歳出抑制をしない分があったのではないかということですが、いかがでしょうか。

(知事再答弁)
 退職手当債の発行枠ですが、まず、原則ゼロを前提に予算を組みましたので、枠自体がなかったのです。それでは、どれを認めていったのかといいますと、後で交付税により措置されたり、減収補てん債で措置されるものは組み込んでいき、建設債については、インフラが残るものは、組み込んでいきました。

 今後、21年度予算編成に向けて、発行枠を設定できるのか、赤字債についてのルールはどうするのかについては、研究中であります。もちろん、そこでルールが決まれれば、空いた枠内までは発行できますが、20年度予算作成時は、原則ゼロからスタートしましたので、枠はありませんでした。

 また、将来世代に負担を先送りしないということで、明確な私の方針として、将来、実質公債費比率について、いわゆる黄色ランプに抵触しないように、10年先を見通した中での財政指標にこだわりました。したがいまして、今回赤字債を可能な限り抑制するため、原則ゼロとし、20年度本格予算編成に至りました。

 これからは、赤字債や発行枠の取り扱いについて、財政研究会の中で大阪府独自のルールを考えていきたいと思っています。


4 府と市町村との新しい役割分担

(1)市町村振興補助金と府の支援

(質 問)
 市町村振興補助金については、平成21年度から新たな交付金制度の創設と併せて、広域的自治体として府の果たすべき役割を踏まえ、新しい制度を検討するということになっています。交付対象市町村や支援内容等について、重点化を図るとのことでありますが、具体的な制度設計が未だ提示がありません。

 市町村にとってみれば、できるだけ早期に制度設計を示し、交付基準を示さないと、予算編成に支障が生じてしまいます。来年度に向けて具体的スケジュールは、どうなっているのでしょうか。

 次に、このたび公表されました自治体健全化法に基づく4指標につきましては、初めての試算であって、あくまで自治体の財政力指標としては、定点でしか捉えることができません。例えば実質公債費比率なども前提となる算定数値も変更になっており、財政状況の経年変化として捉えるのは困難であると考えます。つまり、現状の財政力の良し悪しを判断できても、それがだんだん良くなっているのか、悪くなっているのか、トレンドを捉えることができないわけです。そこで、府内市町村の財政状況のトレンドを正しく把握するため、7月臨時会の代表質問で我が党が主張した債務償還可能年限など、ストック指標を活用した財政力の経年変化を捉える必要があります。

 この8月に大阪府庁財政研究会が設置され、府独自の財政指標のあり方についても検討課題に挙げられています。例えば、財政指標のあり方についても、市町村財政にも適用できるよう研究し、脆弱な財政基盤の市町村に対しては、さらなる行財政改革を促すため、十分な支援体制をとるべきだと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 まず、「市町村振興補助金」については、これまでも厳しい財政状況にある市町村の円滑な行財政運営を支援してきました。再構築に当たっては、こうした役割を担っていくことを基本に、21年度から対象市町村や支援内容を重点化していくこととしており、市町村の財政力だけでなく、行革や分権など自立化に向けた取組みにも着目したより効果的な制度となるよう検討します。現在、他の補助金の「交付金」化と併せて、市町村との協議を始めたところであり、今後、精力的に意見交換を行い、来年度の当初予算編成までに具体的な制度設計を行っていきます。

 次に、府庁財政研究会においては、本府における独自の財政指標も含めた財政ルールの研究を行っていますが、府と市町村とでは、財政の状況、規模や構造などに違いがあることから、直接的に市町村に適用することまでは考えていませんかが、市町村でも参考にしていただけるよう、研究結果を公表していきたいと思っています。

  これまでも、府内市町村に対しては、地方財政健全化法の施行も踏まえ、個別具体的な助言を行ってきたところでありますが、今後とも、財政状況の厳しい市町村が、自主的・主体的に健全化を図っていけるよう、サポートしていきます。


(2)市町村一括交付金の問題

(質 問)
 いわゆる三位一体改革により、平成15年度以降、国庫補助・国庫負担金の縮小、廃止、税源移譲、地方交付税改革が行われましたが、地方にしてみれば、税源移譲額よりも補助金削減額のほうが大きかったため、税源移譲が不十分でありました。このため、大阪府の行革努力で取り組んだ成果が三位一体改革により、台無しになってしまいました。

 これから大阪府は、市町村に対して、補助金を一括交付金化へ制度変更されようとしていますが、一括交付金化の目的が、かつて国が行ったような財政支出削減にならないよう、交付金制度を構築する際には、市町村とよく調整を行うともに、事務の合理化、効率化への取り組みにも支援する必要があると思いますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 住民の身近な行政サービスは、地域の実情を最もよく把握している市町村自らが住民ニーズに沿った事業展開を行っていくことが重要であります。このため、本年8月に庁内に立ち上げた地域主権プロジェクトチームを中心に市町村補助金の交付金化について検討を進め、地域福祉、子育て支援、学校安全、総合相談の4分野を対象とした交付金制度の原案をとりまとめたところであります。

 交付金化にあたりましては、具体的な事業選択は市町村の判断に委ねるなど、市町村の裁量を高めることを基本としていますが、府は、施策を取り巻く府域の現状や課題、そして課題を踏まえた施策例などを市町村に示しながら、市町村の取組を積極的に支援していきます。また、こうした取組みを通じて市町村における事業の効率化等が進むよう努めてまいります。


(3)市町村相談事業の見直し

(質 問)
 平成20年度より、これまで市町村に交付してきた補助金を廃止し、新たに地域実情と住民ニーズを合わせた相談事業を実施する市町村に対して、交付金制度を創設し、交付することになりました。今年度においては、人権相談事業、総合生活相談事業、地域就労支援事業、進路選択支援事業の4つの相談事業に交付してきた補助金が交付金に一本化され、市町村において実施されています。

 しかし、制度構築まで短期間であったため、相談事業の集約、合理化まで至っていない面もあるかと思います。今後、相談事業の内容、体制、相談件数、必要な予算額など市町村の実態を調査し、21年度に向けて、さらなる見直しはしないのでしょうか。知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 相談事業については、市町村が地域の実情と住民のニーズに合わせて柔軟に対応できるよう、今年度、総合相談事業交付金制度を設けたところです。今後は、今年度の事業の実施状況や成果など、実績を把握したうえで、21年度の制度のあり方について、市町村とも十分協議し、検討していきたいと思っています。


(4)大阪府人権協会に対する補助金の廃止

(質 問)
 大阪維新プログラム案では、出資法人や補助対象団体に対する人的・財政的な府の関わりについて、それぞれの団体が自律性を発揮するよう抜本的に見直されています。財団法人大阪府人権協会についても、これまでの団体運営補助を事業補助に転換し、協会を活用するメリットが明確な事業に絞り込む方向へ見直すこととなりましたが、実際、団体運営補助は、平成22年度まで継続が予定されています。

 他の補助対象団体に対する運営補助の多くは、20年度限りで廃止する中で、大阪府人権協会に対する団体運営補助がどうして22年度まで継続されるのでしょうか。他の補助対象団体と同様に20年度限りで廃止すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

 また、人権相談事業については、今年度から他の相談事業と併せて、新しい交付金制度のもとで、市町村の方で実施されています。府と市町村の役割分担を見直し、このように新しく制度構築を行った上で、市町村で行う事業としたのにもかかわらず、大阪府人権協会においても、市町村と同様の事業を行い、大阪府が全額補助しています。どうして、重複する事業に補助金を支出するのでしょうか。

 大阪府人権協会における事業のあり方を見直す中、市町村と重複する人権相談事業に対する補助金の支出は、見直すべきであると考えますが、併せて知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 団体補助については、運営費補助を廃止するという方針のもと、個別の団体の状況や補助すべき事業の性格などを踏まえながら、廃止時期等について判断しました。

 府人権協会は、府と市町村が人権施策を効果的・効率的に推進していくための協力機関であり、本協会が有するノウハウ・専門性を発揮した事業等を活用してきたところでありますが、今回、ゼロベースで抜本的に見直しを行うに当たって、同協会を活用するメリットが明確な事業に絞り込み、大幅に本協会補助金を削減することとし、運営補助については廃止することとしたものであります。

 しかしながら、本協会は、他の民間団体と異なり、設立の趣旨・目的から、財源の大部分が府と市町村の補助金等であったため、直ちに自立化を図ることは無理な状態にあり、本協会の自立化にあたって自主財源の確保を促す必要があることから、運営補助を22年度まで段階的に廃止することとしたものです。

 次に、「府人権協会相談事業」については、府人権協会では、身近な相談を受ける市町村とは異なり、様々な人権課題に取り組む府内286相談機関とのネットワークを活かしながら、市町村では対応しづらい広域的・専門的な事案に対応する機能や、長年の蓄積を活かした専門性の高い相談機関として市町村を助言する機能を有しています。

 こうした協会の機能を効果的、効率的に発揮していくため、今年度より、市町村との役割分担を明確化し、市町村と重複する法律相談事業を廃止するとともに、相談事案の収集・分析結果について、ホームページを通じて低コストにより市町村へ情報提供・助言を行うなどの大幅な見直しを図ることとしています。

 府としては、今後とも市町村との役割分担を踏まえ、本協会を活用することにより、府域の人権相談機能の一層の向上に努めていきたいと思っています。

(再質問)
 多くの団体運営補助が平成20年度限りで廃止とされています。それも年度途中で、理解していただきたいとして、廃止されています。私たち議員団の中でも、様々な議論がありましたが、平成20年度予算は、致し方ないということで賛成させていただきました。

 ところが、府人権協会に対しては、平成22年度末、平成23年3月まで団体運営補助を継続します。このことについて、私たちは理解できませんので、もう一度、ご説明お願いします。

(知事再答弁)
 団体運営補助については、原則廃止する方針のもとで、全て総点検をしました。団体自体に自主財源がどれほどあるのかということを細かくみていき、今回の府人権協会に対しても、原則運営補助を廃止します。ただし、これは市町村との関係があり、その調整等も残っています。

 今回は論理的な理由ということではなく、ある意味政治的な判断であり、この点については、今直ちに補助を廃止するのではなく、自主財源の観点と各市町村との観点から22年度末まで延ばさせていただきました。

 他の団体にとって厳しい判断であるということについては、議員お指摘のとおりであり、その点については、各団体の皆様には申し訳なく思っています。基本的には運営費補助については、廃止していくという方針を進めるためにも、ご理解いただきたいと思っております。

(再質問)
 認めたいところは認めたいのですが、この協会に対する事業費の中身は、団体運営補助に近いものが入っています。だから、二重に運営費補助を支払っているわけです。知事は政治的にとおっしゃっていますけれど、政治的に私たちも認めるわけにはいきません。改めて見直しをしていただきたいと思います。それともうひとつ問題なのは、人権協会にもう一つ特例を出しています。府と市町村の仕事を見直す方針のもと、知事はいろいろと見直しをされています。夜間中学の問題もそうです。あれは国と市町村の仕事だと突っぱねておられましたね。今、いろいろと考えていただいていると思いますが、これも人権協会の仕事は市町村の仕事ですよということで、一方で市町村へまとめて交付金をお出しになっていて、片や同じような仕事ですよ、相談事業、その仕事を府単独で別に相談事業として補助されていますが、この件に関しましては、いかがでしょうか。

(知事再答弁)
 もし、市町村がやっている相談事業と人権協会がやっている相談事業が重複しているのであれば、これは府が補助する必要がないと思っています。ですから、事業内容を今年度から一気に途中で変えましたので、これは、私もチェックしますけれど、議会の皆様にもそこに重なりがないのか、チェックしていただきたいと思います。人権の相談内容の中には、その一つの市町村の中では相談事項が少なくて、どうしても広域で取り組まなくてはならない相談内容というものもあると、いろいろな議論の中で認識をしています。ただし本当にそれが市町村では対応できないものなのか、その市町村がやっている事業と本当にそれが重複していないのか、これは厳しくチェックしていかなければならないと思っています。重複している場合には、これは府が出す必要はないと思います。

(再質問)
 非常に前向きなご返事をいただいたと思います。やはり重複していることはやめるという。橋下知事らしくないと思います。他のことはきちんと廃止されたのに、この人権協会に関しては、2つの特例を認めています。きちんと来年度以降に関して見直すと、もう一度、おっしゃってください。

(知事再答弁)
 きちんと精査はしていきます。ただ団体によっては、例えば男女共同参画推進財団は、すぐに自立化に向かうには無理だという判断で延ばさせていただいたり、その他の出資法人についても、自立化の年限を少し後延ばしにしているものもあります。だからと言って、人権協会のものも後延ばしにできるというものではありません。議会の先生から今年度の事業内容をきちんとチェック、精査、議論をしていただいた上、その時に判断させていただきたいと思っています。

(再質問)
 私たち議員団のところへいろいろ要望がきています。今、知事のようなことをおっしゃっているのでしたら、私たちのところにきている要望をひとつひとつチェックしてください。同じような団体がたくさんあります。知事はいろいろと頑張って、大阪府の財政を立て直すため、頑張っているのですから、私たちも、長いいろいろなお付き合いがある中、ご理解してくださいと、それらの要望をお断りしています。私たちの議員報酬までも、削減しましたので、理解してくださいと言っています。もう一度、ご答弁をお願いします。

(知事再答弁)
 議員の先生方には、いろいろとご迷惑をおかけしています。いろいろな議員の先生方の支援者の方々にもご迷惑をおかけしていますが、もし、本当に全部一律削減なり、廃止ができるのであれば、私は全部一律にします。ただ全部一律にできていないところがありまして、いろいろな出資法人につきましても、様々な議論がある中で、全部一律にできていないという点については、本当に申し訳ありません。ご指摘のとおり、これはおかしいというところがあれば、重複しているところとかあれば、今年度中に見直します。ただ、人権協会については、大阪の歴史的背景というところもあり、どうしても考慮していなければならない部分があるのではないかなというような点も、判断に影響しているところもあるのも事実です。

(まとめ)
 私たちも、府民の方々からいろいろと要望を受けて大変な思いをしていることをご認識していただき、ぜひ再考していただければと思います。


(5)危機管理対策における自治体の責務

(質 問)
 地方自治体の基本的責務の一つに、住民の生命、財産を守ることがあります。特に今後30年以内で50〜70%、50年以内では80〜90%の確率で起きると言われている東南海・南海地震など大規模地震等の対策にはあらゆる手段を講じる必要があります。

 橋下知事が本気を出して、大阪府の財政再建に取り組む姿は評価しますが、危機管理に関わる施策、事業に係る予算の削減については、慎重にすべきと考えます。例えば、大規模地震から想定される津波高に対応する防潮堤の整備計画は、大阪維新プログラム案の方針により、事業の進捗状況が遅れる箇所も生じていると聞いております。

 住民の生命、財産を守るため、危機管理対策に講じる予算については万全を期すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 府民の安全に直接関わる最も重要な対策の一つであり、その実施は府の基本的な責務であります。防潮堤の整備や橋梁の耐震補強など防災に関連した事業については、府民生活への影響に配慮し推進に努めているところでありますが、危機的な財政状況を踏まえ、本府の事業をゼロベースで見直した結果、その進捗に一定の遅れが生じることは認識しています。

 このような府民の安全・安心を守るための取り組みは、長期的な観点から着実に推進していくことが必要と考えており、今後とも、可能な限り予算措置を講じ継続的な事業の実施に努めていきます。


(6)セーフティネット施策の再点検

(質 問)
 大阪維新プログラム案は、限られた時間の中で策定されたものですから、セーフティネットとして行政が守っていかなければならない施策が縮小、廃止されているのが見受けられます。このことを取り上げました7月臨時会での我が党の代表質問に対し、知事は、「庁内の議論を踏まえて、ぎりぎりの判断をされた。ということでありましたが、「実際に現場を見ていない。」というご答弁でした。

 これまでも指摘してきましたが、中学校夜間学級への補助、精神障がい者の家族を支援する施策、支援相談員による在宅高齢者等へのサポートに対する助成事業、児童福祉施設等の機能強化を図る事業費等の縮減、廃止については、再点検をしていただきたいと考えております。

 今からでも遅くはありません。現場を見て回り、実情を理解してから、判断し、平成21年度予算に反映させていただきたいと思いますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 ご指摘の事業については、大阪維新プログラム案において、危機的な財政状況に鑑み、ぎりぎりの判断を行い、見直しを行ったところです。
持続可能なセーフティネットを構築することは行政の最大の使命であり、そのための事務事業のあり方については、不断の点検を行いながら、その機能を維持していかなければならないと認識しています。

 今後、大阪維新プログラム案は着実に推進する一方で、私自身ができるだけ多くの現場を訪問することも含め、その実態を十分ふまえ、必要なセーフティネットの構築に取り組んでいきます。


(7)中学校夜間学級に対する補助

(質 問)
 我が党は、セーフティネットの観点から、中学校夜間学級の就学援助費の補助の存続につきまして、財政再建プログラム試案に対する提言や7月臨時会の代表質問、奴井議員の一般質問及び教育文化常任委員会での質問で求めてまいりました。そこでもう一度お伺いします。

 我が党は、9月4日、豊中市にある豊中第四中学校夜間学級を視察してきました。そこでは、昼間の仕事や家事で疲れている体にも関わらず、必死になって勉強している生徒の姿があり、教育の原点を見たような気がしました。

 また、昼間の中学校ならば、近くにある学校に通いますので、通学に困難が生じませんが、中学校夜間学級は、府内に11校しかないので、通学に往復長時間かかって通う生徒もいます。このまま就学援助費の補助が廃止となれば、経済的理由から、夜間学級に通いたくても通えない生徒が大勢出てくるのではないでしょうか。

 知事はなお、中学校夜間学級に対する就学援助費の補助を廃止するお考えに変わりませんでしょうか。お伺いします。

(知事答弁)
 中学校夜間学級では、戦後の混乱期等に様々な理由により、義務教育を修了できなかった方々が、熱心に勉強しておられると認識しています。

 今回、大阪維新プログラム案において、府と国、府と市町村との役割を整理する中で、就学援助は国と市町村が行うべきとしたものです。府としては、学校教育活動を進める上で基本となる教員を、夜間学級に配置しています。

 就学援助制度は、その対象が学齢児童・生徒の保護者に限られています。本制度に中学校夜間学級生徒も対象となるよう、引き続き国に対して要望していきます。

 現在、府教育委員会は関係市町村教育委員会と協議をしていると聞いています。夜間学級に学ぶ生徒の方々が、引き続き夜間学級に通い、学ぶことができるよう、教育委員会と連携していきたいと思っております。


(8)4医療費公費負担事業の維持

(質 問)
 4医療費公費負担事業の対象となる方は、お年寄り、障がい者、乳幼児、ひとり親家庭であります。これらの方々は、いつの時代でも援護を要する立場であり、福祉施策としての本事業の今日的意義は失われていないと考えています。

 特に、障がい者については、知事は大阪維新プログラム案の作成にあたり、障がい者施策の重要性をご認識のうえ、一定の配慮をされたところです。また、乳幼児については、子育て日本一を掲げる知事の方針に沿ったものでありますし、ひとり親家庭についても、逆境に負けず、子育てにがんばる家庭への支援は、知事の進む方向と同じではないでしょうか。だからこそ、こういった方々への医療費助成という健康面での手助けは必要なのではないか、と思われます。

 こうしたことを考えますと、4医療費公費負担事業は、当面、現状のまま維持していくべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 医療費公費負担事業につきましては、重度の障がいのある方や母子家庭など、制度の対象となっておられる方々の医療に関するセーフティネットとして重要な役割を担っていると認識しています。

 一方で、この制度は本府の単独事業として実施しているため、将来にわたる府の財政状況を踏まえ制度を運営していく必要があり、先の財政再建プログラム案において、将来的にも、持続可能な制度とする観点から、その見直しについて、平成21年度実施をメドに市町村と協議することとしました。7月末には、市長会、町村長会のご協力の下、市町村と共同で「福祉医療費助成制度に関する研究会」を設置し、先ごろ、この間の利用実態や1割負担を導入した場合の影響などの分析結果を公表したところであります。

 今後も、同研究会をベースに引続き検討を進め、府議会をはじめ、関係団体のご意見もいただきながら対応方針を早期にお示しできるよう努めていきます。


(9)公立病院の連携

(質 問)
 府内の公立病院については、勤務医師数の減少により、診療体制の縮小が余儀なくされ、また、不良債務が増加するなど、経営が悪化しています。しかし、このような状況でも、将来にわたって、地域の住民が安心して受診できるような医療体制を整備することも必要です。

 多数の診療科目を掲げているにも関わらず、勤務医師が1〜2名程度で診療科の規模が小さい病院もあります。地方分権の時代が進む中で、市町村が近隣市町村と同一の行政サービスを維持するのではなく、お互いに補完しあうことも必要です。それぞれの公立病院が総合病院として運営し続けるのではなく、市町村が協力しあい、近隣の公立病院と診療科目を分担し合うことも考えられます。

 そして、公立病院を持たない市町村に対しましては、一定の費用負担を求め、医療圏域ごとにそれぞれの市町村が公立病院を支えることも必要であると考えます。

 そのために、大阪府は強いリーダーシップを持って、市町村間のコーディネーター機能を果たす必要があると考えますが、知事のご所見をお伺いします。

 また、8月25日に示された「公立病院改革に関する指針(案)」によりますと、各医療圏における再編・ネットワークパターンは、7つの二次医療圏に分けて検討がなされています。一方、大阪府消防広域化推進計画では、府内にある33の消防本部を6つの地域ブロックに分けて広域化を推進していますので、公立病院の再編・ネットワーク区分と消防本部の広域化の区分は、若干の相違があります。

 各医療圏における公立病院の再編・ネットワーク化や府内消防本部の広域化の推進を図ることについては評価しますが、医療圏と消防本部の広域化の組み合わせについては、整合性をとるためにも、同一のブロックに区分すべきではないでしょうか。併せて、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 本府では、公立病院の経営改善を図り、地域の医療提供体制を強化するため、この度、有識者のご意見を伺いながら、「公立病院改革に関する指針(案)」を取りまとめたところです。本指針(案)では、病院の「再編・ネットワーク化」を公立病院改革の重要な柱と位置づけ、限られた医療資源の下で、病院間の連携をすすめることで、住民に対し、必要な医療を持続的に提供することを目的としています。

 今後、病院設置市において、今年度中に「改革プラン」を策定し、具体化に向け、検討していただくことになりますが、指針(案)では、お示しのような診療科目で分担する方法など、圏域毎に「再編・ネットワーク」のパターンを提示しており、これを契機として、府がリーダーシップを発揮し、医療圏毎に関係者に呼びかけ、再編・ネットワークの方向性について協議していきます。とりわけ、早急な対策が必要な泉州や南河内圏域については、年内の出来るだけ早い時期に協議の場を設置し、病院や市町村間の利害関係や医師派遣大学の意向など、様々な課題についての調整・検討を進めていきます。

 また、二次医療圏は、医療法に基づき、一般的な保健医療サービスが完結的に提供される地域的単位とされているものであります。一方、消防広域化の組み合わせについては、二次医療圏や従前から消防本部間の緊密な連携が図られている府下消防広域相互応援協定等を十分考慮し、広域化によるスケールメリットが十分に得られる規模としてお示ししたものです。

 公立病院の再編・ネットワーク化の検討においては、二次医療圏単位を基本としていますが、病院の立地、患者の流れ、消防体制など地域の特性によっては、医療圏を超えたパターンも考えられると認識しており、指針案においては、中河内と南河内の境界部分については、そうした考え方をお示ししているところです。

 二次医療圏と消防広域化の区域には一部違いはありますが、今後とも、府民サービス向上の視点から、公立病院改革など行政課題に即して柔軟な対応に努めていきます。


(10)救急車の適正利用

(質 問)
 救急患者のたらい回しなど、救急医療の様々な課題を改善していかなければならない中で、知事は先日、病院の救急外来を視察された際、軽症の救急患者から上乗せ料金を徴収するとしていた方針を撤回する、と表明されました。しかし、今後とも、救急車の適正利用という問題に着目していくことは必要かと思われます。一刻を争うような患者が存在する一方で、緊急性のない軽症の患者がタクシー代わりに利用するという実態もあることに対し、これまでも、行政は救急車の適正利用を促す広報啓発活動に力を入れて取り組んでこられたことと思います。

 しかし、こうした広報啓発活動に力を入れても、もし、救急車の利用をめぐる実態が改善されないようであれば、救急車の有料化という声があることにも留意しながら、さらなる方策を考えていくべきではないでしょうか。知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 救急車の有料化については、安易な利用の抑制や受益と負担のバランスといった視点から導入すべきとの意見があることは十分承知しています。府としてもこれまで府内消防本部の意見を聞きながら検討を行うとともに、救急車の適正利用促進のため、各消防本部と連携して広報啓発活動に取り組んできました。

 直近の状況では、府下の救急搬送者数は、前年に比べ減少していますが、今後とも、救急需要の動向を注視していく必要があると考えています。私としては、引き続き現場の声に耳を傾け、救急医療や救急車の適正利用の促進に取り組んでいきます。

 先日の現場視察の際に、今までの方針がすべて撤回と報じられましたが、一部分だけ取り上げられたことであり、現在の状況では、軽症利用者に直ちに上乗せしたり、救急車利用に直ちに有料化といったことが、今の状況の下、すぐには難しいことがあるというようなことをお答えしたところであり、前提条件などの整備が整えれば、そういう方針もありうるということで、全て方針を全部撤回したわけではありません。


(11)成人病センターの建替え

(質 問)
 昭和34年に設立された府立成人病センターは、施設の老朽化が著しく進んでいますが、そんな中でも、がんと循環器病疾患に重点化した診療及び研究において、その高い医療水準が維持されているところです。

 昨年9月定例会において、この成人病センターの建替えを求める我が党の代表質問に対し、当時の太田前知事からは、建替えは必要であるとの認識のもと、建替えの具体化に努める、旨の答弁をいただきました。

 その後、知事は変わり、大阪維新プログラム案が策定され、成人病センター整備調査の予算措置が平成20年度、21年度は見送られる方針が出されたところです。

 しかし、大阪府ががん死亡率ワースト1であるという、大変に暗い現実を前にしたとき、やはり老朽化した成人病センターは速やかに建替えられるべきであるという我々の考えは、簡単には変えられるものではありません。がん死亡率ワースト1を返上し、さらに、健康都市を実現していくためにも、早急に成人病センターの建替えに着手すべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 府立成人病センターは、全国でもトップクラスの高度ながん医療を実施するとともに、都道府県がん診療連携拠点病院として、広域のがん医療の水準向上や均てん化など、本府のがん対策を推進するうえで重要な役割を担っています。

 この度の財政再建プログラム案において、新規の建設事業は2年間先送りとの考えから、同センターの整備調査についても、その予算措置を見送ったところでありますが、施設の老朽・狭隘化や耐震化への対応だけでなく、がん医療の急速な進歩に対応して、府のがん対策を推進するためにも、建替えは必要であると認識しているところです。

 建替えにあたっては、敷地の確保、病院運営を継続しながらの建替え手法、財源の確保など、課題もあり、特に、財源の確保については、府の財政状況に加え、府立病院機構においても、中期計画に基づき22年度までに不良債務を解消し、将来的な財源確保のめどをつけておくことが不可欠です。こうしたことも視野に入れながら、現在、同センターにおいて、将来的に備えるべき機能のあり方、安定的な経営基盤の確保など、建替えの諸課題を踏まえた検討は中断することなく引続き進めており、本府としても、同センターや府立病院機構と連携して課題解決を図りながら、早期に建替えの具体化が図れるよう対応していきます。


(12)子育て支援関係事業

(質 問)
 知事は、選挙公約時から子育て支援策の充実に力を入れる姿勢を示し、「子どもたちが笑う」ことに資源を集中し、多くの投資を行うことを明言されてきました。しかし、非常に厳しい財政状況のもとにおきましては、当面の間、財政健全化が優先されることも、止むを得ないかも知れません。

 そのような状況のもと、子育て支援関係事業については、事業の再構築や新たな交付金制度創設の検討がなされることになりました。今後の事業のあり方は、在宅子育て家庭への支援ニーズの高まりを考慮し、これまでの民間保育所等の地域貢献に対する積極的な姿勢が一層活かされるような、また、現状の制度から後退することのないような、地域の実情にあった支援策の実現を目指し、市町村と十分に協議しながら進めるべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 身近な子育て支援サービスについては、地域の実情を最もよく把握している市町村自らが企画立案し、住民のニーズに沿ったサービスが提供できるよう、交付金制度として原案をとりまとめたところです。府としては、ご提示の在宅子育て家庭に対する支援の必要性や民間保育所が地域で果たしてきた役割の重要性は十分認識しており、こうした観点も含め、子育てに関する府域の現状や課題を踏まえた施策例を示しながら、市町村において次世代育成支援行動計画の目標達成に資する施策が適切に立案されるよう支援していく必要があると考えています。今後、市町村と十分協議・調整しながら制度化を図っていきます。

 府域内の市町村は、いろいろとアイデアを持っておられ、いろいろ市町村の首長さんと話をする中、例えば狭山市の吉田市長も、いろいろな取り組みにがんばっておられます。豊中市やその他の首長さんからも、子育て支援関連事業については、やはり住民に近い行政体が住民のニーズにあった非常にきめ細やかな企画を立案するものと考えておられますので、議員お示しの観点も踏まえながら、交付金化については、これから制度化を図っていきたいと考えています。


(13)地域区分率格差の是正

(質 問)
 大阪維新プログラム案では、地域区分率による格差を均一化し、民間社会福祉施設における優れた人材の確保と施設経営の安定化を推進し、信頼性の向上を図るために交付してきた民間社会福祉施設経営安定化補助金が平成21年度は40%に縮減した上で、同年度末で廃止することになっています。

 しかし、現実に目を向けると、社会福祉施設の現場では、労働環境の厳しさから離職率が高く、常態的に求人募集が行われるなど、深刻な人材不足に悩まされています。ある社会福祉施設では、必要な職員が確保できず、施設の一部を閉鎖せざるを得ない事態も起きています。このような地域区分率の格差が生じている現状を放置すれば、社会福祉ニーズに的確に対応できる人材の確保及び定着が困難になることに加え、地域手当率の違いにより、府内社会福祉施設の分布が偏在化するおそれがあります。

 府内全域が同一の生活圏・経済圏になっていることから、府内の地域区分率について、都市部にふさわしい地域区分率に統一することを国に対して強く働きかけるべきと考えます。

 また、地域区分率の統一が実現するまでの間は、本府独自の支援策を、現状のままで継続すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 府内社会福祉施設の約7割を占めている民間社会福祉施設が大きな役割を果たしていること、また、労働環境の厳しさから施設の人材難が深刻化し、特に介護分野においては、介護職員の確保が困難な事態が生じている等、全国的な社会問題となっていること、については十分認識しています。これら民間施設における経営の安定化や利用者に対するサービス水準の向上については、関係団体とも十分連携した支援に取り組むとともに、国に対しては、府内全域を都市部にふさわしい地域区分率に統一することや、介護報酬等の改善など必要な措置について、強く要望していきます。

 お示しの『社会福祉施設経営安定化補助金』については、公務員給与構造改革における地域手当の導入に伴い、補助目的の前提が変化したと判断し、2年間の激変緩和措置を設けた上で制度廃止としたものであり、ご理解をお願いします。

 また、府としては、施設の人材不足などにより、府民への福祉サービスの提供に支障が生じることがないよう、求人側である社会福祉施設の雇用管理等の実態や、施設経営者の人材確保に向けた意見、求職側である学校や学生の意見や意識等の把握が重要と考え、現在、大阪府社会福祉協議会と連携し、実態調査に取り組んでいるところです。今後、この実態調査結果も踏まえ、府として必要な取り組みを進めていきます。


(14)官民協働による食農教育の推進

(質 問)
 都市化の進んでいる大阪では、農と触れ合う機会は特に減少しています。子どもの頃から農業理解を深めていくための仕組みを、地域や関係団体と築き上げていかねば、子どもたちは、食の大切さや食への感謝の気持ち、農業の重要性を理解する機会に接することなく成長することになります。

 大阪府では、平成19年3月に食育基本法に基づき「食育推進計画」を策定し、全庁的な取り組みを進めているところであります。そして、JAグループでは、平成20年度から、府内小学校5年生全員に「食農教育」の教材本を配布するなど地域貢献活動を展開しています。

 農業への理解が必要なこの時代だからこそ、地域の力を結集して実体験型の「食農教育」を官民協働により進めていくべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 食物を大切にし、食物の生産にかかわる人々に感謝する心などを養う「食育」は、各学校において家庭科や給食の時間等で実施しています。また、「地産地消」の考えのもと、学校給食に地域の食材を使用する取り組みも行われており、今後、「食」と、それを支える「農業」について、学び、体験させる「食農教育」は、次世代を担う子どもたちの成長を支える上でも非常に大切な教育のひとつと認識しています。

 大阪府としては、これまで、米や野菜づくりなどを体験させるモデル事業等を実施してきましたが、実効性のある継続的な取り組みとしていくためには、地域の力、学校の力、JAの力を活用していくことが重要であると考えています。

 今回、JAグループの提案を受け、JAグループと大阪府、教育委員会の3者の連携によるキックオフイベントとして、子どもたちを対象に「大阪産(おおさかもん)」を使ったアイデア料理コンテストを来春に1000人規模で実施する予定です。

 これを契機に、様々な機会を通じて、「大阪産(おおさかもん)」のPRや学校給食、スクールランチ等への活用を行うとともに、地域教育力の向上を図り、官民協働で田植えなど実体験型の食農教育を充実させていきます。


(15)食の安全対策

(質 問)
 これまでも、食の安全を脅かす事件が多発していましたが、このたび、またもや大きな事件が発生しました。大阪に本社がある米粉加工販売業者が、農薬「メタミドホス」やカビ毒に汚染された「事故米」を食用と偽り、不正に転売され、流通した問題は、大阪府内でも大きな広がりを見せています。この「事故米」は、多数で複雑な流通経路にのって、転売が繰り返されたことから、その追跡調査は混迷を深め、全容解明には、ほど遠い状態であります。日本酒、焼酎、おかき、あられなどの加工品になって市場に流通したものもあれば、病院、老人保健施設、保育所等の給食に使用されたり、外食産業、一般の米穀販売店に行き渡ったものもあります。

 大阪府におきましては、現在、「事故米」の流通経路の把握と回収・返品状況の確認を行うとともに、最終販売先、使用先の調査、健康被害の有無等の確認等を行っていると伺っておりますので、府民に健康被害が及ぼすことのないよう、確実に進めていただきたいと存じます。

 しかし、今回のような事件が再び起こるようなことがあってはなりません。食品の安全と安心を確保するため、生産から加工、販売までの流通経路が特定できるトレーサビリティシステムの導入など、必要な対策を早急に講じるよう、国に求めていくべきとだと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

 また、「事故米」に続いて、大手食品メーカーが中国で生産した菓子類などの加工食品に有害物質「メラミン」が混入し、日本国内でも、流通していたことが明らかになりました。この「メラミン」は、中国において粉ミルクに意図的に混入され、5万人を超す乳児に大きな健康被害が発生しており、先の「事故米」とともに、府民に食品の安全性について多くの不安を抱かせています。このような食の安全を脅かす事案が発生した場合は、国はもちろんのこと、保健所設置市とも連携し、すみやかに府民の食の安全・安心の確保に努めていただきたいと考えますが、併せて、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 このたび、非食用事故米が事業者によって不正に流通し、その一部が消費者の口に入る事態が生じたことは、府民に対する食の安全安心を確保する立場の本府として誠に由々しきことであり、許し難い事案であると認識しています。

 そもそも、事故米の適正管理は国の責務であり、こうしたことが二度と繰り返されることのないよう、国の責任において、ご提示の流通経路を把握する手法など、徹底した再発防止策を講じて頂くよう、府として強く要望していきます。

 また、大阪府としては、これまでも違反食品や健康被害のおそれのある事件については、常に速やかに関係機関等との連携のもと、関係施設に対する監視や検査あるいは当該食品等の回収・返品指示などを行ってきたところであり、今後とも府民の健康に関わる問題については、常に強い危機管理意識を持って、全力で取り組んでいきます。


5 将来ビジョン・大阪

(1)環境先進都市への取り組み

(質 問)
 大阪府では、「明るく笑顔あふれる大阪」の実現に向け、めざすべき将来像と、その実現のための取り組み方向を示すビジョンの策定を進めており、このたび、将来像イメージを作成されました。これは、これから策定される新しい総合計画のもと、今後の大阪の将来像を示しています。今後、「将来ビジョン・大阪」の策定に向けて、議会でも議論をしていくことになりますが、将来像イメージで示された「オンリー1」、「ナンバー1」に関わることについて、いくつか質問をさせていただきます。

 我が党が8月に行った「平成20年度大阪府の施策推進についての我が党の見解」の中におきまして、環境関連産業の育成、振興について知事に提言をさせていただきました。

 最先端の環境関連産業を大阪府に集積させ、技術の蓄積、環境関連企業の育成、支援を行うことが、「新エネルギー都市ナンバー1」の実現に繋がるのではないかと考えています。

 具体的な施策として一例を申しますと、地球温暖化防止対策の一環として、温室効果ガス排出量の削減に府民と一体となって取り組むため、環境税を導入することが考えられます。環境税による収入から基金を創設し、その基金から、公共建築物に太陽光発電システムを設置したり、個人の住宅に太陽光発電システムを導入する際に助成制度を設けることによって、太陽光発電システムの普及を図り、地球にやさしい新エネルギー都市を目指すことも可能だと考えられます。

 大阪府として、自然エネルギーの利用を推進するため、世界一の技術と生産量を誇る太陽光発電システムが普及する施策の展開を行うべきだと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 地球温暖化対策を進め、低炭素社会を実現するためには、太陽光発電の活用が有効な手段と認識しています。私自身も、議会でのこれまでの議論を踏まえ、国に対して、太陽光発電の普及を図るための支援制度の充実を働きかけてきましたが、その結果、国では、太陽光発電に対する助成制度や優遇税制などを検討しているところであります。今後、国の動きを視野に入れつつ、引き続き、府内市町村や民間団体等と連携し効果的な普及促進を図っていきます。

 「将来ビジョン・大阪」実現のための全体の取り組みの方向については、12月末までの間に議論をしていくことになりますが、様々なご意見を伺いながら大阪の都市自体が環境に配慮したものとなるよう、「新エネルギー都市ナンバー1」を目指して、取り組んでいきたいと思っています。

(再質問)
 知事は、今「新エネルギー都市ナンバー1を」を目指して取り組んでいくということをおっしゃいました。「ナンバー1」を目指すというのなら、冒頭でも言いましたが、他都市を圧倒するような施策展開を行う必要があるのではないかと思います。例えば、太陽光発電量ナンバー1とか、エコカー普及率ナンバー1など、数値目標を「将来ビジョン・大阪」に入れるべきではないでしょうか。思い切ったことをやるという意気込みも含めて、お答えいただきたいと思います。

(知事再答弁)
 今回の「将来ビジョン・大阪」では、「ナンバー1」と「オンリー1」ということにこだわりましたので、特にそれは数値で設定したいと思っています。今、府内でも部長も含めて、答弁調整会議をする中で、各部局に「数値で」「数値で」という話をしており、今回のビジョンにおいても、できるだけ数値化、数値目標を掲げられるよう、これから議論していき、府議会の先生方からもご意見を踏まえながら、そのような数値目標を出していきたいと思っております。


(2)バイオエタノールの普及

(質 問)
 本年7月に北海道洞爺湖サミットが開催され、2050年までに世界で温室効果ガス排出量を少なくとも半減させることを目指すことになりました。このためには、石油などの化石燃料の依存を下げ、再生可能エネルギーや新エネルギーの導入を一層進めていく必要があります。

 特にエコ燃料については、早期導入が可能で、地球温暖化対策に有効な再生可能エネルギーであると考えており、ガソリンにバイオエタノールを3%混合したエコ燃料「E3」の実用化を目的に実施している「エコ燃料実用化地域システム実証事業」は、全国に先駆けた取り組みであると評価してきました。

 しかし、世界の主流はさらに多くのバイオエタノールをガソリンに混ぜ、温暖化対策を推進しています。アメリカでは、最大85%のバイオエタノールを混ぜており、中国、フィリピン、タイなどアジア諸国も10%から20%混合したエコ燃料を販売しています。

 また、昨年は日本の自動車メーカーが、ガソリンに任意の割合でバイオエタノールを混ぜた燃料で走るFFV「フレックス・フューエル・ビークル」の販売をブラジルで開始しました。このように、バイオエタノールをより多く混合した自動車燃料を利用した地球温暖化対策は、世界で急速に拡大していますが、日本の取り組みはまだまだ遅れているのが実情です。バイオエタノールの混合率を10%に上げたE10やそれ以上のエコ燃料の実用化をもっと加速的に図るべきと考えます。

 ところで、大阪府が実証事業で使用しているバイオエタノールは廃木材から製造されておりますので、穀物価格の高騰につながりません。これは、世界に誇れる技術であります。本年度は、さらに、バイオエタノールの低コスト化につながる製造方法について実証を進めますが、こうしたプラントが大阪にあることの意義は、たいへん大きいと考えます。

 知事は7月臨時会において、環境を大阪の特長のひとつとして力を入れたいとの考えを示され、E3に関するノウハウを生かし、E10が利用できるよう、燃料規格の改正等を国に働きかけて行くとの意向を併せて示されました。

 昨年度からE10の実走行を全国で初めてスタートしましたが、こうした知見やノウハウを生かし、E3の利用拡大を着実に進めながら、さらに世界の潮流である高濃度のバイオエタノールを混合した自動車燃料の普及をめざした取組みを進め、日本におけるエコ燃料の利用拡大と地球温暖化対策に関して、大阪府が先導的な役割を果たして行くべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 エコ燃料の利用拡大については、本府は、建設廃木材のバイオエタノールを活用した『E3』の実証事業を実施することで全国の取り組みを先導してきました。今後は、E3の利用拡大を着実に進めることにより、有効性をしっかりと定着させていきます。

 これに加えて、地球温暖化対策の効果をさらに高めていくためには、E10等の高濃度のバイオエタノールを混合したエコ燃料の導入拡大が必要であります。現在、燃料規格や供給体制等の制約がありますが、こうした制約を解決し利用拡大への道筋を明確にしていくことは、実証事業を通じて得た知見やノウハウを有する本府にしかできない役割と考えています。このため、E10の実走行車両数の増大や全国初の試みとしてFFV(エフ エフ ブイ)(フレキシブル・フューエル・ビークル)の実証試験方法などについて検討しており、必要な製造設備の整備に今年度着手できるよう準備を進めていきます。

 現在、検討している「将来ビジョン・大阪」において、エコ燃料の利用拡大を重要な柱に位置づけ、「新エネルギー都市ナンバー1」を目指していきたいと思っています。


(3)中小企業対策

(質 問)
 「明るく笑顔あふれる大阪」を目指すなら、大阪が元気にならなくてはなりません。しかし、最近の大阪経済の動向をみますと、大型小売店販売額、住宅建設が引き続き減少し、雇用面でも、求人倍率が低下し、完全失業率が上昇しています。さらに、最近の素材・原料価格の上昇などにより、消費者物価もひきつづき上昇していることから、景気は弱含みであります。

 そこで、まず心配されるのが大阪府の産業を支える中小企業への影響についてです。中小企業が元気にならないと、大阪は元気になりません。景気後退が現実化する中で、早急に対策を講じる必要があるのではないでしょうか。

 橋下知事が就任されてから、矢継ぎ早に府庁を改革する施策、大阪に賑わいをもたらす施策などが打ち出されましたが、商工施策、特に中小企業対策の面においては、橋下カラーが見えてきません。大阪を元気にするため、どのような中小企業対策をお考えなのか、お伺いします。

(知事答弁)
 議員お指摘のとおり、中小企業対策について私のカラーが見えないということは、おっしゃるとおりですが、ただ、商工労働部を総合商社化へという意気込みで、中小企業を儲からせるような方針で対策を打ってほしいと、商工労働部長に言っています。また、その観点で考えているところでもあり、財界のアドバイザリーボードも含め、いろいろなところから意見をいただきながら、この商工施策を考えているところです。

 今年度の本格予算の編成にあたっては、危機的な財政状況の下、中小企業対策をはじめ、すべての施策についてゼロベースで見直しました。その中にあっても、原油・原材料の高騰や景気後退への懸念から、セーフティネットとして資金面からの支援を講じているところであります。さらに、原材料の価格体系の変化が世界的に生じていることから、ニーズに対応した制度融資の充実や、私自身による金融機関や保証協会に対する中小企業者の経営実態や特性を十分踏まえた融資・保証の要請など、厳しい経営環境を乗り越えようと頑張る中小企業をしっかりとサポートしていきたいと思っています。私自身も、金融機関や保証協会等に対して、融資保証の要請を行っていきたいと思っています。

 また、大阪産業の振興のためには、そのポテンシャルを活かしながら、強みにさらに磨きをかけていくことが重要なことから、重点政策として中小ものづくり企業への販路開拓支援の充実や、今後一層の成長が期待されるバイオ分野の振興を掲げ、具体化を急いでいるところです。

 「次の一手」となる今後の取り組みの方向性については、年内をメドに、大阪の将来の発展に向けた「ビジョン」を策定することとしており、産業振興策についても、この中において示していきたいと思っています。


(4)小規模事業者経営支援事業の再構築

(質 問)
 中小企業の活性化を図るには、それを経営面から助言、指導できる体制を充実させることも必要です。その中でも、小規模事業経営支援事業は、小規模事業者の経営基盤の充実を図り、地域産業の活性化につながる地域中小企業支援の基盤的事業であります。大阪府の産業発展のため、小規模事業経営支援事業は、大変重要な役割を果たしています。

 大阪維新プログラム案では、人件費補助から事業費補助への転換、第三者評価委員会の設置、PDCAサイクルの導入となっていますが、本事業の見直しにあたっては、平成21年度以降も激変緩和のための経過措置を設けるとともに、商工会、商工会議所の意見を十分聞いたうえで、21年度の事業費縮減率の再検討を行い、適切な事業費による実態に即した制度とすべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 小規模事業経営支援事業については、8月より制度を抜本的に見直し、中小企業の活力再生・地域産業の活性化に向けた新たな事業として実施しています。本事業の実施にあたっては、商工会・商工会議所との協議・調整に努め、厳しい経営環境に直面している中小企業のニーズに沿った効果的なサービスが全ての商工会、商工会議所でしっかりと提供されるよう、配慮していきます。

 来年度以降については、財政再建プログラム案を踏まえ、11月に予定している事業の実施状況の中間評価の結果も見極めつつ、適切に対応していきます。


(5)国際金融拠点機能の形成

(質 問)
 国におきましては、金融・資本市場の国際競争力を強化するため、昨年6月に「国際金融拠点機能の強化に向けた都市再生の推進」を都市再生プロジェクトとして決定し、本年4月に同プロジェクトのアクションプランとなる「国際金融拠点機能強化プラン」を取りまとめ、同アクションプランの推進母体となる「国際金融拠点フォーラム」を設置したところです。

 この度、「国際金融拠点フォーラム」において、国際金融拠点として先行して機能強化を行う東京の「東京駅・有楽町駅周辺地域」及び「環状二号線新橋周辺・赤坂・六本木地域」に加え、大阪における国際金融拠点として機能のあり方を検討することが決められたところです。

 大阪証券取引所や金融機関が集中している北浜地区などを国際金融拠点として機能強化していくことは、東京一極集中の是正のみならず、アジアの中での都市間競争に打ち勝ち、グローバルな経済拠点となるためには、是非とも必要であると考えますが、これから大阪府としてどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いします。

(知事答弁)
 大阪経済を活性化させるためには、高い付加価値を生む内外の金融機関が集積し、多様な金融取引が行われる国際金融拠点機能を強化することが必要不可欠であると考えています。大阪は、歴史的に「先物取引所・発祥の地」であり、大阪証券取引所の日経平均先物が近年大幅に取引高を伸ばすなど、デリバティブ取引では我が国で優越的な地位を築いているところです。

 このため、「国際金融拠点フォーラム」における検討等を通じて、国の積極的な支援を得つつ、経済界や大阪市と連携したオール大阪で、「デリバティブに強い」国際金融拠点としての機能強化を図り、東京とは異なる国際金融拠点・大阪を目指していきたいと思っています。


(6)学力向上策

(質 問)
 「教育・日本一 大阪」を目指すなら、子どもの学力向上を図ることも必要です。

 先日、発表されました全国学力・学習状況調査の結果は、周知のとおり、大阪府の公立小中学校の児童・生徒の学力が前年に引き続き、全国平均を大きく下回りました。教育長は、この全国学力・学習状況調査の結果につきまして、どのように認識されているのでしょうか。

 また、我が党は、全国学力・学習状況調査の結果につきましては、少なくとも市町村単位で公表すべきと考えており、知事も同様の考えでありますが、教育長は、どのようにお考えなのでしょうか。

 さらに、我が党では、府が行う学力テストは、到達度を測るといったあいまいなものではなく、小学校の高学年と中学校の全学年において、毎年1回は実施し、児童生徒の習得状況を正確に把握し、その結果を十分に分析して、今後の授業に活かすとともに、平均正答率などのテスト結果については、市町村別、学校別に公表して、各市町村や学校が学力向上のために切磋琢磨するよう促し、対象となった児童生徒に対しては、偏差値や府内全体での順位を示し、進路指導の資料にも活用できる「統一実力テスト」として実施していくべきと考えていますが、教育長はどのようにお考えなのでしょうか。お伺いします。

 そして、子どもの学力向上を目指すため、府教育委員会は強いリーダーシップを持ち、小中学校への指導権限を持つ市町村教育委員会と十分連携を図る必要があると考えます。いくら府教育委員会がいい施策を打ち出しても、市町村教育委員会の対応次第では、効果のあるものにならないと考えます。政令指定都市も含めて、市町村教育委員会も巻き込んだ効果が上がる施策を打ち出すべきと考えますが、教育長のご所見をお伺いします。

(教育長答弁)
 まず、全国学力・学習状況調査の結果についてお答えします。

 今回の全国学力・学習状況調査の結果につきましては、一部、全国平均との差が縮まったものの、依然としてすべての教科・区分において全国平均を下回っており、昨年度に引き続き、極めて厳しい結果であると真摯に受け止めています。教科の学力調査においては、基本的な知識・技能の定着とともにその活用する力にも課題があることが明らかになっています。また、学校や児童・生徒に対する質問紙調査においては、文章を書いて考えをまとめさせる指導や、児童・生徒の就寝時間や朝食の摂取、家庭での学習時間など基本的な生活習慣や家庭学習習慣などの定着に課題が見られました。

 これらの課題の傾向は、昨年度も同様に示されており、大阪府の課題として改めて、その深刻さを認識しているところです。

 次に、全国学力・学習状況調査の結果の市町村単位での公表についてお答えします。

 調査結果から明らかになりました大阪府の学力の課題は大変厳しいものであります。学校における取組みとともに、基本的な生活習慣や家庭学習習慣の未定着など、学校だけでは解決できないものについては、保護者や地域住民の皆様のご理解やご協力のもと、取り組みを進めることが必要と考えています。そのため、保護者や地域住民への説明責任を果たす観点からも、調査から明らかになった結果や課題、また、課題の解決に向けた取り組みなどを正確に伝えることが重要であり、私も市町村単位での結果は公表する必要があると考えています。

 しかしながら、全国学力・学習状況調査の市町村単位の結果の公表につきましては、都道府県教育委員会は、これをしてはならないとされておりまして、実施要領におきまして、市町村教育委員会にその公開の是非の判断がゆだねられています。そのため、9月10日に各市町村教育委員会の教育長に対しまして、市町村単位での平均正答率を含めた結果や課題、及びその解決策など、公表のあり方について検討していただくよう強く要請を行ったところです。

 次に本年度から実施を予定しております学力テストについてお答えします。

 府教育委員会が予定している学力テストは、国語、算数・数学、英語の3教科において、小学校4年生から中学校3年生までの児童・生徒を対象に実施を予定するものです。本学力テストのねらいは、各学校において、児童・生徒が当該学年に身につけるべき学力の習得状況を正確にとらえ、その結果を分析して、授業の改善に活かしていくものです。

 また、児童・生徒にとりましては、府の平均と比較することにより、自分の学習状況を把握することで、学習意欲の向上につながるものと考えています。府教育委員会としましては、抽出により全体の5%程度のデータを収集・分析することによって、府全体の状況を経年的に把握し、施策の効果検証や今後の改善の方策に役立ててまいります。

 市町村や学校ごとの学力や、学習状況の把握につきましては、今後も国で実施が予定されている、「全国学力・学習状況調査」を活用してまいります。また、この調査結果につきましては、各市町村教育委員会において、結果の公表も含めた積極的な活用がなされるよう、引き続き求めていきます。

 最後に、市町村と連携した効果的な施策の実施についてお答えします。

 議員お示しのように、大阪の小・中学校の児童・生徒の学力向上につきましては、市町村の取組みを支援するための効果的な施策を講じていくことが必要であると認識しています。府教育委員会では、これまでも「おおさか・まなび舎事業」や、「習熟度別指導」の充実、「学習指導ツールの開発」等、市町村へ学力向上に向けた支援に取り組んできたところでありますが、知事の「教育非常事態宣言」を踏まえまして、学力向上方策の徹底とともに、地域や家庭との連携を図っていくため、福祉や青少年の育成など、全庁の協力を得て、さらなる取り組みを検討しているところです。

 また、府内全体の子どもたちの学力向上が図られるよう、市町村教育委員会との協議の場を設けるなど、今後とも、市町村と連携した取り組みを進めていきたいと考えています。

(再質問)
 教育長の答弁の中で「地域」「地域」と言葉が出てきました。「学校だけでは解決できないものについては、保護者や地域住民のご理解やご協力のもと、取り組みを進めることが必要と考えます。」とご答弁されました。教育長が「地域住民」と表現された中の「地域」とは、どういう単位を指しているのでしょうか。さらに、「地域住民」にどういう取り組みを求めるのでしょうか。

(教育長再答弁)
 「地域」についてお尋ねですが、「地域住民」とも申し上げていますが、大阪の学力課題の解決にあたっては、地域の皆様方の理解と協力を求めていくことが必要不可欠であると考えており、地域の皆様に説明責任を果たすため、市町村単位の状況を正確に伝えるということをお答えさせていただいたところです。

 ここで申し上げました「地域」あるいは「地域住民」でありますが、理解と協力を求めていく市町村を構成する様々なコミュニティのことであり、市町村によっては自治会であるとか、同一町名の区域であるとか、これも市町村によって千差万別ですけれど、当該市町村を構成する個々のコミュニティ単位、そういった人達を「地域住民」として捉えているところです。

 そういう地域の住民の皆さんに対して、どういう取り組みを進めていくのかという次のお尋ねでありますが、府教育委員会におきましては、これまでから、地域に根ざした教育を進めていくといった趣旨から、中学校区単位で「すこやかネット」を設置し、地域の皆さんとともに、子どもの健やかな成長とともに様々な地域活動に取り組みをすすめてきたところです。本年度学力課題の解決に向けまして、さらに学校支援地域本部を7月の予算で認めていただいており、これを立ち上げまして、地域の学校支援体制づくりに取り組みを進めているところです。地域による効果的な学校支援をお願いするためには、先ほどもご答弁申し上げましたように、当該市町村別の状況を正確に伝え、課題を共有していただくことが必要だと考えています。今後、知事の教育非常事態宣言も受け、市町村、地域の取り組み、課題に対しまして支援策を検討していきたいと考えています。

(再質問)
 「地域」の単位を具体的に聞いた質問ですが、「市町村」という答弁でした。それでは「市町村」でいいのではないのですか。中学校単位で進めていくのでしたら、中学校単位と答えてくれたらいいのです。私が言っているのは、地域にお願いするのでしたら、窓口がいるのではないでしょうかということです。その窓口はどこでしょうか。もう一度答弁をお願いします。

(教育長再答弁)
 公開する対象は、あくまでも市町村だと考えており、その市町村を構成する単位には、中学校区を含めますし、市単位も含めますし、さまざまな単位があります。その窓口はどこかというお尋ねですけど、我々としては、市町村教育委員会を対象として、市町村を通じた取り組みになると考えています。

(再質問)
 知事に二点お伺いします。

 一つは学力調査の結果について、知事がどのように認識をしているのでしょうか。もう一つは、知事の教育非常事態宣言の後、地域に対して責任を持つことを求めるとおっしゃっていましたが、地域に対して、何を求めようとされているのでしょうか。お伺います。

(知事答弁)
 学力調査結果について、前の考え方と今の考え方の流れをお話させていただきます。当初、知事就任後、学力調査結果について、そんな大して気にすることはないという話をしました。これは、OECDのPISA学力調査テストをみても、G8の中でトップ10に入っているのは、日本とカナダぐらいで、あとの経済大国と言われる国はみんな日本よりはるかに下だということでしたので、全体的に落ちていますけれど、そんなに大して気にするほどではないのではないかと言ってきました。

 今回、日本で行われた学力調査テストの問題をみて検討しましたが、私の頭の中では大学受験のためのある種受験テクニック的なことにみんな一喜一憂する。みなさんにそれをやれということではないのですが、今後社会人になっていくために、必要な能力であったり、自分が勉強したい時に本を読んだり、計算したり、自分で自己を実現していくための能力というものは、絶対必要だと思っている中で、今回この学力テストは、自己実現するための能力だと私は思いまして、今回の正答率の低さにびっくりしました。これが大阪の子どもたちが社会人になって勉強しようと思った時に、少々さぼったとしても、あとで大人になってから勉強しようと思った時に必要最低限の能力がないと、自分を伸ばすことができないという思いで、これはまずいという、以前の考え方から、この学力テストの考え方から大きく変わってきた経緯があります。

 本当に感想ということになりますと、とにかく大阪のこの子どもたちの状況、いろいろなコメンテーターや特に吹田市長さんは、学力だけじゃない、総合力だと言いますが、これは子どもたちがかわいそうだなと思います。もちろん、受験テクニックだけじゃないと僕は思いますが、今回の学力調査テストというものは、やはり重く見なければいけない問題であると思います。でも、これだけではありません。もちろん、スポーツだとか芸術的能力だとか必要ですけれど、今回の正答率と言いますか、学力テストの結果をいうものも、やはりかなり重視しなければならないと思いました。ただ、単に正答率という数字だけではなく、その背景にある課題というものもあります。生活習慣だとか、特に子どもたちの家庭環境であったり、そういうところに問題があると、相関関係が見られますので、これは総力をあげて、行政が総力を挙げて取り組んでいかないと、子どもたちが大人になって自分を伸ばそうと思った時に、それができなくなってしまうと思います。したがいまして、ものすごい非常事態といいますか、それくらいの認識を持って、危機感を抱いている次第です。

 地域に関する質問ですが、私は、小学校であれば小学校の地域、中学校であれば中学校の地域と、学校単位で考えていますので、地域もそう思っています。

 次に、地域に期待するところは、もはや今、学校運営を教育委員会や学校の現場の教員に任せることは難しい現状にあると思います。私は、教員の能力が低いとか教員ができないと言っているのではなく、教員があまりにも疲れきってしまい、サポートしていかなくてはならないということです。したがいまして、教員と子どもたちの関係だけでなく、地域の大人達、親子の関係、先生と生徒の関係だけでなく、これは、藤原さんという杉並区の和田中の元校長の方が言われる斜めの関係と言われる親子でもなく、先生、生徒でもない、近所のおじちゃん、おばちゃんという関係を持って、子どもと接する機会を作ってあげなければ、子どもがストレスを発散したり、逃げ場がなくなってしまいます。今、各家族では、非常に窮屈になってきていますので、とにかく、学校単位のコミュニティをもって、子どもたちを育てていくということを私は地域に求めていきたいと思っています。

(再質問)
 学力について、知事は、認識が変わったというところでございます。さらに知事は、地域というのは学校区単位だということを言われました。そうしますと、私達が言っていますように、学校区単位で成績がわからないと地域の人たちもどうすればいいのかわからないわけです。自分たちの地域のこどもの成績をよくしようとするには、生活習慣を向上させようとするには、データを出さなければいけないということです。学校単位にデータを出すことに関して、知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事再答弁)
 議論をさせていただきたいのですが、私は学校単位で公表することには、反対の立場です。と言いますのは、まず、正答率ですが、私がこれにこだわったのは、今大阪に足りないことは、府民自身が教育に無関心なことです。全体で45位をいう大阪府の順位に関わらず、大阪府教育委員会に抗議の電話がかかってきたことがありません。ですから、私は府民に大阪のこの事態を把握してもらい、府民総取り組みでやっていくためには、まず府民に関心をもってもらいたいということです。そういう意味で正答率にものすごくこだわりました。今の現状を見てくださいと。公表、非公表の問題がありますが、なぜそうなっているのかということをオープンにすることによって関心を持ってもらいたいわけです。その時に、大阪府のデータだけでこの学校単位の人たちが動くかといえば、それは遠い次元の話です。地方分権の話と重なりますが、大阪府のデータだけでは、遠い次元の話で、点数も身近に感じません。身近に感じなければ、身近に実情を下ろしていかないといけないわけです。そうなれば、議員ご指摘のとおり、究極的には学校単位で公表することになれば、それに刺激され、関心がいき、みんな総取り組みになると思います。しかし、私が懸念していますのは、公立の小学校、中学校がどういうところに期待しているのか、これはご認識が違うところがあるかと思いますが、私は公立の小学校、中学校というものは、いろいろな家庭環境であったり、いろいろな能力をもった子どもたちであったり、そういうものがみんな合わさって、その中で揉まれることによって成長していくことが重要ではないかなと思っています。もし、正答率だけで測っていくということであれば、学校もそのような動きになれば、では正答率だけ目指してやっていこうという動きになるようであれば、学校単位の公表もありうるのかもしれません。しかし、やはり公立の小学校、中学校というものは、自分の近くの学校に行って、地域のいろいろな考え方であったり、能力であったり、家庭環境の違う子どもが合わさって、けんかもしながら、言い合いになりながらも、親御さんもいろいろと経験をされながらも、育っていくのが、子どもの成長にとって一番重要ではないかなと思っています。

 もし、学校単位の公表をしますと、越境がはじまる心配があります。ですから、そこでもし違う認識や、学校間の違いなどがありましたら、議論させていただきたいのですが、いや、そういうことでもいいのだと、いわゆる市町村の中で学校選択性をとって、公立の小学校、中学校でも、あくまでの学力の点数だけで学校を決めていくというような方向でやりましょうということで府民にコンセンサスが得られれば、学校単位の公表もありうるかもしれません。私は、そこまでは考えられないところがあって、ただ市町村単位は公表しあって、住民の身近なレベルのデータとして、住民の意識環境を測って、総取り組みをやろうとして、市町村レベルでの公開に今回こだわったわけです。今はそういう思いで、学校単位の公表には反対です。

(再質問)
 知事が、今ご答弁されたことで、ちょっと気になるところがあります。府民が文句を言うのは、本当に自分の身近なところにきてからだろうと認識していますね。だからこそ、自分の町の子どもは、隣の子どもはどうなのかと、成績も学習に対しての姿勢も、家庭生活もどうなのかと、データを渡さないとわからないのです。まず、現状認識が必要です。物事は。現状認識があって、目標があって、そこに行くまでの施策を、やり方を考えるわけです。現状認識するためのデータは、地元のおじさん、おばさん、私含めて持っていません。持っていないのに、やれ、やれ、やれ、やれ、やれというのは、正しいやり方とは思わないわけです。抜本的に何か取組むということを考えていないのですか。

(知事再答弁)
 地元の学校単位のおじちゃん、おばちゃんたちも、自分たちの市町村単位のデータにより、取り組んでいかなければいけないという現状認識ができないでしょうか。市町村レベルのデータで自分たちの現状認識というもので出来ると思います。一方、市町村レベルでのデータを公表しない弊害は、教員にものすごく起きていると思います。と言いますのは、今回43市町村教育委員会の中で、大阪の由々しき自体というのが、この中できちんと課題を分析した上で、今後の取組み方法をきちんと提示した市町村が17市町村しかないということです。あとの26市町村は、この学力調査テストをほぼ放置した状態です。私も妹夫妻が教員やっていますので、いろいろな先生にリサーチをかけますと、学力調査テストは実施しただけで、現場にその後の取り組みや対策などが下りてきていないということです。私は、今、市町村教育委員会が公表するとなったことで、課題を分析され、今後の取り組み方法を公表することで、市民に説明責任が生じます。今、やっとこういうことを行う事態になったわけです。今まで、市町村教育委員会が公表に反対と言いながら、結局自分たちで学力調査テストを行いながら、それを使わず、放置している状態になっています。このこと事態が大阪の由々しき事態で、大阪の教育委員会や教育現場がそういう状態であるからこそ、こういうふうになっていると思っています。ただ現場の教員の方々も、やる気のある先生がたくさんいらっしゃると思いますので、今回議会の先生の同意を得て、小河先生と蔭山先生、あと特別顧問の藤原先生に入っていただき、今学力向上を目指して、地域課題や家庭課題を解決することも含めて、学力向上プランなどやいろいろな対策を教育委員会と協議をしており、財政的予算支援、財政的措置を含めたいろいろな施策を検討していますので、これを10月下旬にはきちんと取りまとめ、発表していきたいと思っています。

(再質問)
 今、知事から教育委員の話が出ましたが、教育文化常任委員会に教育委員の方が出席いただいていますが、新しく任命されたお二人の方には、頻繁に常任委員会に出席していただき、私たち議員の考えを聞いていただきたいと思いますが、知事は、教育委員にお勧めしていただけますでしょうか。

(知事再答弁)
 教育委員会の生野委員長も、教育委員がリーダーシップを発揮していただいて、大阪府の教育を引っ張っていこうという決意のもとに、今まで月1回だった定例会を、協議会という形で月に3回設けたり、教育委員会事務局の庁舎の中に教育委員の机を置くなど、府の教育委員会挙げて、総力戦で取り組む意気込みになっています。小河先生も私と何時間も、昨日も2時間くらい研究会を開いて、今も朝から深夜までメールでやり取りを行いながら、今教育委員会に携わっている人たちといろいろ意見交換をさせていただいています。時間の都合上、毎回毎回議員の先生方との意見交換の場にお願いするのは難しいとは思いますが、小河先生とはできるだけ話をして、現場の先生と信頼関係を築きながら、やっていきたいと言っていますので、先生方と意見交換の場にも出来る限り出ていただけるようにお願いしたいと思っています。

(再質問)
 新聞で見たことですが、「府教育委員会の小中学校課はいらない」と発言されたとのことですが、その真意や今のお気持ちをお聞かせ願います。

(知事再答弁)
 僕の最大の役割は、府民にとにかくメッセージを送り続けることです。ですから、いかに大阪の教育に関心を持っていただき、どう取組んでいただくのかが、僕の最大の役割だと思っていますので、いろいろな発言であったり、メッセージのあり方など府民に伝わるようにいろいろな表現を使わせていただいております。

 今の府教育委員会の小中学校課とは、方針が一致していまして、本当に全力を挙げて取り組んでいますので、今必要がないということではありません。今も教育委員会の先生方が悩んでいますのは、府教育委員会で、いろいろな具体策をたてて、それを大阪府の財源の中でやっていこうという方針としましても、これを全部市町村教育委員会が断ってきた場合には、どうしたらいいのだろうということです。そうすると、その府教育委員会も指導・助言という非常にその行政のあいまいな性格の中にあることになってしまいます。もし、本当に市町村教育委員会が全責任を負うのであれば、もう府教育委員会に小中学校課はいらないのではないかという議論が出てきます。府教育委員会にも、ある程度責任があり、そこに権限があるということであれば、府教育委員会にも小中学校課が必要になるということになりますが、徹底した分権で本当に各市町村教育委員会自身が全責任をもってやっていくということであれば、私はその時点で府教育委員会から小中学校課がなくなるのではないかなと思っています。


(7)私立学校等経常費助成の復元

(質 問)
 「夢をかなえる学校オンリー1」を目指すなら、子どもたちが将来の夢を持ち、その実現をサポートしてくれる学校を自由に選択できることも必要です。学びたい意欲があれば、公立、私立を問わず、学校選択ができる環境づくりに行政が取り組むべきです。特に経済的な理由により、進路選択の幅が狭められることがあってはなりません。しかし、教育条件の維持向上、保護者負担の軽減及び私立学校等の経営の健全と発展に資する私立学校等経常費助成について、大阪維新プログラム案では、削減が示されました。平成20年度本格予算を審議した7月臨時会では、我が党のみならず、各会派とも私立学校等経常費助成の削減については、再考を求めました。そして、知事は、本会議、委員会での議論を踏まえて、私立幼稚園に対する経常費等補助金の減額率を5%から2.5%に訂正され、我が党は賛成しました。

 しかし、これは、20年度予算について賛成したものであり、大阪維新プログラム案を賛成したものではありません。私立学校等経常費助成の削減が継続しますと、授業料に転嫁される可能性があり、保護者にとっては、授業料軽減助成の負担増と相まって、二重の負担となるおそれがあります。もちろん、私学の経営者は、経営努力を図る必要がありますが、最終的には、私学に通う保護者に負担がかかる可能性が高いと考えられます。

 将来像イメージの一つの柱である「教育日本一 大阪」を本当に目指すなら、公立、私立を問わず、教育環境をさらに充実させ、大阪の公教育の底上げを図る必要があります。したがって、私立学校等における経常費助成の削減については、集中取組期間である平成20年度から22年度までの3年度限りの時限措置とすべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 大阪の教育をさらに充実させるためには、公立学校と私立学校が互いに切磋琢磨し、それぞれの教育レベルを向上させることが必要と認識しています。大阪維新プログラム案では、大阪を再び輝かせるため、公立学校教育を含めた府施策全般の経費節減・見直しを行っており、その中で、私立学校の経常費助成についても、公立学校教育の経費節減等の取組も踏まえ、助成単価の引下げをさせていただいたところです。この度の経常費助成の削減を受け、各私立学校は、人件費のカットや管理経費の縮減など、様々な努力をなされていることは承知しています。

 しかしながら、経済状況の見通しもさらに不透明な中、経常費助成の見直しの期間については、今後の財政状況と人件費の見直しを含めた府施策全般の経費節減・見直しの取り組みの状況を踏まえて、判断していきたいと思っております。

(再質問)
 私たちは、年限を決めてやっていってほしいと思っています。年限を決めないと、保護者に転嫁されてしまいます。年限を決めない、様子を見るということになりますと、知事に保護者の負担が増えない、保護者に転嫁されない何か施策を持ってもらわないといけないと思いますが、何かお考えがありますか。

(知事再答弁)
 今、そのようなものを持っていません。

(まとめ)
 是非、何か策を持っていておいてください。そうしないと、私学に通う保護者にご迷惑がかかりますので、よろしくお願いします。


6 都市基盤整備

(1)建設事業のあり方

(質 問)
 知事は、分権と集権による新たなシステムづくりを目指すとし、「関西州」を実現する必要があると、機会あるごとに発信されています。知事が導入に積極的である「関西州」を実現し、大阪・関西がさらなる発展を遂げるためには、関西全域を視野に入れた道路や港湾、空港などの物流ネットワークの整備は必要不可欠ではないでしょうか。

 その中でも、特に新名神高速道路は、現在、国土交通省において急ピッチで進めている京奈和自動車道と接続することで、兵庫・大阪・京都・奈良・和歌山とも広域的なネットワークを形成する関西大環状道路の主要な部分を担い、産業政策上、非常に重要な道路です。昨今、シャープ工場の進出を契機に「パネルベイ」としてベイエリアが活況を呈しているのは、阪神高速道路大和川線の整備が確実に進み、高速道路のネットワークが機能強化されたためであります。

 新名神高速道路が整備されれば、経済圏が拡大され、企業立地や物流の効率化など、関西全体の景気を押し上げる原動力となり、大和川線以上の大きな効果が期待されます。新名神高速道路の整備効果を確実に受け止めるためにも、平成30年の供用に合わせた新名神関連道路の整備を大阪府の責任のもと着実に進める必要があります。

 ところが、今回の財政再建プログラム案で、道路事業については、新名神関連道路や府県間道路など、基幹道路の整備がペースダウンするだけでなく、地域の切実な課題を解決する一般道路も数多く一時休止することとなっており、府民生活に大きな影響を与えることになります。これまで、花博や関西国際空港などの大規模プロジェクトについては、オール大阪として、開幕や開港にあわせた必要な事業を別枠で予算確保してきたはずであります。新名神関連道路についても、その重要性、必要性を考慮すれば、同様に別枠で予算を確保すべきです。

 平成21年度以降の予算編成については、新名神関連道路の事業費の別枠化を含めて、予算議論すべきだと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

(知事答弁)
 建設事業のあり方につきましては、大阪だけでなく関西が一体となって都市間競争に勝ち抜き、さらなる発展をとげるためには、関西州を視野に入れた都市基盤整備が必要であると考えており、その中でも関西大環状道路や都市再生環状道路、またそれをつなぐ第二京阪道路や府県間道路などの広域的な幹線道路の整備は、必要不可欠です。特に、新名神高速道路は、わが国の道路ネットワークの骨格を形成し、企業立地の促進、物流の効率化、経済圏域の拡大など、大阪、関西経済を活性化させ、産業政策上、極めて重要な路線と認識しています。

 しかしながら、平成20年度予算については、大阪府の財政再建のため、まず出血を止めるということで編成しました。21年度、22年度予算については、それぞれの時期に財政再建プログラム案に基づく予算案を議会に提出しますので、その時点でご審議いただきたく思います。


(2)都市基盤施設の維持管理

(質 問)
 先の7月臨時会において、都市基盤施設の維持管理予算の確保に向け、「国直轄事業負担金の軽減について、知事自らが国に申し入れたらどうか。更にその結果、効果があがれば維持管理予算に活用してはどうか。」との我が党の質問を受け、早速、知事自ら近畿地方整備局長と協議を行い、9月9日に「今年度、道路で2億4千万円、河川で1千万円、計2億5千万円の負担を減額する。」との回答を得、削減額を道路や河川の維持管理費に充当するとの方針を示されるなど、短期間で成果を収められました。

 この国直轄事業負担金という制度に、小さいながらも突破口を開いたことは、日本全国でも初めてのことであり、これは橋下知事だからこそ実現したことと言えます。

 知事は、7月臨時会において、財政再建の道筋をつけるために、都市基盤施設の維持管理費を削減すると答弁されています。しかし、このまま予算削減を継続すると、都市基盤施設の長寿命化が困難になり、昭和40年代に整備された橋りょうなど多くの施設が、今後一斉に更新時期を迎えることになり、費用が増大することが確実であると考えられます。

 これは、日ごろから知事が言われる、「将来世代に負担を先送りするくらいなら、今の世代が泥をかぶるべき。」という基本姿勢と矛盾するのではないでしょうか。

 財政再建に道筋を付けつつも、一方では、将来世代への負担の先送りを小さくするよう、先ほどの国直轄事業負担金の事例のような、維持管理予算を確保するための積極的な取り組みがより一層重要と考えますが、知事の考えをお伺いします。

(知事答弁)
 都市基盤施設の維持管理につきましては、議員ご指摘のとおり、予算削減を継続すると、補修更新のトータルコストが増大することは認識しており、将来世代への負担の先送りを少しでも小さくするため、新たな予算確保の取組みは重要と考えています。

 先の7月臨時議会の後、近畿地方整備局長と国直轄事業負担金の軽減についてお話ししたところ、「今年度、2億5千万円の負担を減額する。」とのご返事をいただきました。

 また、今年度より新たに道路予定地の貸付に取り組んでおり、既に第1回の公募を終え、引き続き、この10月末までに第2回の公募を行う予定であります。

 更に、道の駅や船着場などの都市基盤施設を活用した広告事業やネーミングライツを進めていくこととしており、これらの取り組みにより得られた収入は、施設の老朽化対策や延命化に活用していきます。

 今後とも、維持管理予算の確保に向け、このような取り組みを積極的に進めていきます。


(3)大阪湾の海底土砂採取跡地の修復

(質 問)
 大阪湾は、後背地における社会経済活動の発展に伴い、長い間にわたって干潟や浅場が埋め立てられてきたという経緯があります。このため、沿岸域における水生生物の生息空間が少なく、海の自然浄化能力が低下し、水質汚濁が慢性化しています。

 豊かな生態系の回復と、快適な親水空間の創出のためには、陸からの汚濁物質流入の削減対策の強化や、海域における良好な環境の回復による水質浄化対策など、水環境の改善対策が必要であります。

 その中でも、特に喫緊の課題として、海底が大きくへこんだ土砂採取跡地、いわゆる「くぼ地」の問題があります。

 大阪湾沿岸開発など、昭和30年代後半から埋め立てに利用するため、海底を掘削したことにより、大阪湾には21か所、容積にして合計約3,200万立方メートルにも上る巨大な海底のくぼ地が点在することになりました。この海底のくぼ地では、有機物の堆積が原因となって、酸素が非常に少ない海水、専門用語で貧酸素水塊といいますが、このような状態が発生し、カレイやヒラメ、エビ・カニ類などの底魚が生息できなくなる環境になります。特に遊泳力のない稚魚には大きな影響を与えると考えられます。さらに陸から海に向かって強風が吹いたりすると、この貧酸素水塊が上昇してきて青潮が発生し、局地的ではありますが、アジやサバなど表層を泳ぐ魚にも被害をもたらしております。漁場環境修復のため、海底のくぼ地の埋め戻しに早急に着手する必要があります。

 これについては知事も同じ思いであり、先日、近畿地方整備局が行っている大和川の浚渫で出る土砂で、大阪湾のくぼ地を埋めることを同整備局に提案され同意を得たとのことでありますから、ぜひ、実現に向けて調整を進めていっていただきたいと思います。

 また、三河湾では、スラグを利用して干潟、浅場などを造成した場合の生物生息状況への影響などの実験をしていますので、その結果を踏まえて、埋め戻し材にスラグの利用も考えられます。

 ただ、いずれにせよ、21か所のくぼ地の埋め戻しには相当な期間がかかると予想されますので、貧酸素水塊対策に最も効果のあるくぼ地から埋め戻していく必要があります。

 まず、それぞれのくぼ地と貧酸素水塊との関係などを調査した上、早急に埋め戻し計画を作成すべきと考えますが、知事のご所見をお伺います。

(知事答弁)
 くぼ地は、潮通しの悪い湾奥部と同様、貧酸素水塊発生の原因の一つと考えられることから、埋め戻し等の対策を講じることは、大阪湾の環境を再生し、漁場回復を図る上で重要であると認識しています。くぼ地の埋め戻しには、環境保全の観点から水底土砂を使用する必要があり、その実施には大量の土砂と莫大な事業費を要することから、大阪府の事業として実施することは困難であります。

 このため、先日、私も大和川の浚渫土砂の活用を近畿地方整備局長にお願いしたところであり、現在、関係部局において近畿地方整備局と協議しています。国土交通省においては、関係自治体が参加する「大阪湾窪地対策に関する技術検討委員会」を設置し、スーパー中枢港湾等の航路浚渫事業で発生する浚渫土砂を活用した窪地の埋め戻しについて、効果やコスト等を検討しており、今年度は、関西電力株式会社の協力を得て、岸和田市沖で埋め戻し試験を実施し、水質や底質等のモニタリングを実施している段階であります。

 府としても、貧酸素水塊の発生状況や、漁場の価値などを総合的に判断し、埋戻すくぼ地の順位を定めるほか、環境保全や浚渫土砂の有効活用の観点、さらにコスト面から、より適切な工法等について、平成21年夏までに府としての提案書を取りまとめていきます。この提案が実現されるよう、私自身も国に対し、強く働きかけていきます。


(4)大阪の空港政策

(質 問)
 先日、知事は、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港について、「今のままではダメということは明らか。伊丹空港の廃止も含めて9月から府庁で検討する」と表明したと報じられました。また、空港対策室を空港戦略室に名称を変えられ、関西3空港のあり方を関西全体の視点から検討し、航空行政の戦略を検討することになりました。こうした中、知事は、9月11日に神戸市長、関西国際空港株式会社社長と会談し、3空港の経営を関西国際空港株式会社に一本化することで意見が一致しました。

 しかし、経営の一本化につきましては、3空港の運営形態の違い、関空会社の1兆円を越える有利子負債の処理、伊丹空港の着陸料収入の取扱いなど、多くの課題もあります。これらの課題を解決し、関西全体の航空需要を掘り起こすためには、国からの支援が不可欠だと考えますが、国からどのようにして支援をとりつけるのでしょうか。知事にお伺いします。

(知事答弁)
 大阪の空港政策につきましては、関西の3空港は、関西国際空港の高コスト構造など、様々な課題を抱えており、これらを打開していくことは、今後の関西の発展のために必要不可欠であります。関西3空港の一体運用はその突破口の1つとなるものであり、先日、神戸市長、関空社長と会談し、意見の一致をみました。本日の新聞の朝刊でも、兵庫県の井戸知事も前向きな考えであると報じられました。しかしながら、実現にあたっては、ご指摘のとおり、多くの課題が存在し、その解決は容易ではありません。関西国際空港は国が最大株主であり、大阪国際空港の設置管理者も国であり、前に進めるためには、国を動かすことが不可欠です。

 私は、知事に就任し、この約半年の間で、関西の空港問題について、国に国家戦略としてのしっかりとした方針を示すよう、何度も求めてきました。国もそれを受け止め、ようやく関空の債務問題や需要対策など、対応策の検討に入ったと聞いています。もちろん、地元も、関西3空港の将来像を総意のものとして共有することが大切であり、その努力を惜しんではならないと考えます。国に対しては、様々な関係者の力を結集し、必要な支援が得られるよう、強く求めていきます。

 まずは地元で方針を固めて、地元から国に対して具体的な提案をぶつけていくことが大事だと思いますので、しっかりと空港戦略室とともに戦略案をまとめていきたいと思っています。


7 庁舎整備

(質 問)
・庁舎周辺エリア全体構想(素案)

 大正15年に建てられた大阪府庁本館は、現役の都道府県庁舎としては最も古く、府政推進のシンボル的存在であります。しかし、建築から80年以上も経ち、庁舎の老朽化、執務環境の狭あい化、本庁機能の分散が指摘され続けてきました。平成17年度に行った耐震診断の結果、耐震性能が極めて低く、震度6強から7程度の大規模地震が発生した場合、倒壊または崩壊する危険性が高いことが判明しました。

 こうしたことから、府議会におきましても、庁舎整備検討委員会を設置し、そこで数々の議論を重ね、理事者に対し、様々な課題の調査・検討をさらに深め、総合的に判断しうる条件を整えるべきとの指摘を行いました。

 平成19年5月には、府庁本館の建替えについての基本的な考え方(案)を示され、そこでは、大阪府庁本館は保存することとし、府の貴重な財産として有効活用するため、耐震補強を行って引き続き庁舎として使用することとされていました。

 そして今年度、本庁舎の耐震設計がなされている最中、知事は、本庁機能を大阪南港にある大阪ワールドトレードセンタービルディング、略してWTCと言いますが、ここを買収した上で、本庁舎機能を移転する構想を検討していることを明らかにされました。

 今定例会におきまして、庁舎周辺エリア全体構想(素案)により、本庁舎のあり方について、「現本庁舎の耐震補強」、「新庁舎の建替え」、「WTCへの移転」の3つの案を示され、議会に議論を求められましたが、どういう経過があって、WTCへの移転案が出てきたのでしょうか。知事にお伺いします。

(知事答弁)
 この庁舎問題につきましては、議会の皆様が真摯に議論されまして、耐震補強の方針で決定されたということを十分承知しています。もちろん、議会の皆様の意見が府民の総意でありますから、私もそれを前提にずっと考えていたのですが、たまたま、知事就任後、ちょうど、夏前のあたりに平松市長がWTC問題に関して、いったん目途をつけるという方針が発表されました。そうであるならば、ビルの状況とかキャパシティなどを考えたところ、庁舎にかかる費用等、議会の皆様にご審議いただいた、費用、コストそれを前提に、たまたま今回出てきたWTCのキャパシティ、またそれに係るコスト等の検討を庁舎管理の担当部局に検討をお願いしたところ、非常にWTCというものが、コスト的にもキャパシティの面でも、使えうるものではないかというようなことで、今回議会の皆様にご提案させていただいたつもりでございます。

 ですから、これまで議会で決められた方針がありますが、それは当然の前提とした上で、たまたまこの夏にWTCについて大阪市が目途をつける方針があったが故に、一度ご議論をしていただきたいという思いで提案をさせていただきました。

(再質問)
 今、大阪市の平松市長との話が出ましたが、昨年、平松市長の選挙公約の一つに、市役所をWTCへの移転させ、今の市役所を美術館、博物館にする内容がありました。その後、平松市長が当選されましたが、WTCへの移転を断念されました。知事は、平松市長がWTC移転を断念するまでに至った経過や理由を聞いているのでしょうか。

(知事再答弁)
 そこまで詳細にということはないのですが、大阪市の場合には、庁舎建替えという問題がない中で、移転したあとの有効利用策が問題となる中で、美術館にするには、相当のコストがかかり、非現実的だということで、移転しなくなったいう話だけは聞いています。

(再質問)
 選挙公約を破るというのは、大きいと思っています。跡地の利用ということになれば、私たちがWTCに行っても同じです。知事から出された案というのは、ここを売るということです。大阪市は財政難ではないかも知れませんが、一つの選択肢として、本庁舎を売るという選択肢も平松市長にもあったと思います。それをしなかった、なぜWTCへ行かなかったのか、これをしっかりと認識しておかなければいけないと思っておりますが、知事はその点いかがでしょうか。

(知事再答弁)
 選挙公約については、私も守れていないものがたくさんありますので、平松市長のことを言えないこともありますが、ただ、移らなかったという理由は、議会の先生方の協力関係も大きかったと思っています。やはり、私の場合には、自民党、公明党からいろいろなご支援、ご指導いただきながら、自分の方針を貫かせていただいているところあります。しかし、市長の場合には、議会でのバックアップがなかなかない中で決断が下されなかったのかと考えています。

(再質問)
 是非一回、平松市長とお会いなり、聞いていただきたいと思います。私も大阪市の関係者にお尋ねてしていますけれど、「ただ単に遠いから」とおっしゃる方もいらっしゃいます。やはり、きちんと大阪市が移動したら、本来は一番スムーズにいっていたと思います。

 WTCの再建策という面におきましても。ところが、行かなかったというところは、政治的な意味があったのかもしれません。もう一度、確認をしていただきたいし、私たちも説明を受けてみたいと思います。

 もう一つ、心配事が大阪市側にあります。それは、大阪市のWTCの処理をしている担当者が、任意売却に応じないのではないかということです。これは、世間の相場、あのような大きな建物でありますので、簡単に値段が出てくるものかどうかわかりません。私たちはゲートタワービルの処理をしたことがありましたが、世間の値段より安い値段で応じてしまうと、後々住民訴訟を起こされる可能性があるのではないかということだそうです。この点に関しまして、9月2日に行った我が党との意見交換会でも、知事はそのリスクを承知していましたので、任意売却に伴う法的問題点を整理する必要があると思いますが、リスクなどの整理は、知事の方で何か進められているのでしょうか。

(知事再答弁)
 まず、議会の皆様にWTC移転の話が、箸にも棒にもひっかからない話なのか、ある程度俎上に乗せていただいてもいいのかというところから、議論を進めていくことから始まり、3案の検討を議会にお願いしたり、金額の検討も行う必要がありますので、任意売却のところまで至っていません。ただ、平松市長と意見交換させていただいてはいますが、明らかに権限内容で議会の意向を無視したり、低価格の場合には、違法支出ということになりますが、これはきちんとプロセスを踏み、しかも議会の議論を経た上で、しかも、公的な団体、自治体に売るとなれば、これは余程判断した前提内容に重大な事実誤認であるとか、手続き経過を完全に無視したことがなければ、いわゆる司法のビジネスルールの中では、違法とはならないと考えています。もし、この方針が俎上に乗せていただけるのであれば、自民党、公明党の議会、市議会の先生方へ議論をしていただきながら、そのプロセスを踏んでいけば、任意売却は、そんなに問題はならないのではないかなと思っています。

(再質問)
 都市基盤施設の整備の面からお伺いします。WTCビル所在地への公共交通機関へ行く場合を考えると、大阪市内中心部から地下鉄中央線から行く方法と市内南部から南港ポートタウン線で行く方法しかないので、所要時間がかかり、極めて不便です。また、車で行こうとすると、無料通行の道路での利用は、市内中心部からはかなり遠回りとなり、早く行こうとすれば、有料道路を使わざるを得ないのが実情です。

 また、この大手前地区に官公庁がたくさん集まっている中、府庁がこの大手前から抜けるのは、府民の利便性に大きな障害をもたらすと思います。移動時間コストや交通費の増加分を考慮する必要があります。交通アクセスや府民の利便性、経済性から考えると、WTC移転は、府民の理解を得にくいのではないでしょうか。

(知事再答弁)
 WTCは、大阪市中心部から10数分の位置にあります。ここは、多少ご不便をお掛けするかもわかりませんが、府民のご理解をいただける範囲内にあると思っています。やはり、大阪府庁といいますのは、広域的自治体でありますので、来庁者約40万人強でありますが、そのうち、36万5千人ほどは、資格、免許、届出、許認可、契約という目的での来庁であり、一般府民の方々、いわゆる業者ではなく、許認可でもなく、日常生活での来庁者ということになれば、きちんと調べなければいけませんが、数からすると、そんなに多くはないと思います。私自身も知事になるまでは、府庁に来たことがありませんし、パスポートというものが、日常生活で重要になるのであれば、パスポートセンターは残っています。府民の不便性、府民にご迷惑をおかけする範囲も、これもまた詳しく調べなければわかりませんが、約40万人弱も延べの人数ですので、業者が何回も府庁に来ることになりますと、それも全部カウントされますので、業者と日常生活での来庁も区分けしていかなければならないのかということも思っています。

(再質問)
 知事はWTCへ行きたいというお考えですが、そういう視点からでも結構です。今、府民にご迷惑をお掛けするかもわからない、ちょっと問題がある、とおっしゃる中身を調査できるような材料集めをこれからしていただけるのでしょうか。

(知事再答弁)
 今、府が持っている調査方法としては、インターネットでのアンケートになりますが、本当に府民の意見を正確に聴取できるのかといえば、そうではないと思います。来庁者数の区分けという資料は、今ありますので、それを元に議会の先生方とご議論させていただきたいと思いますが、それだけでは不十分でしょうか。

(再質問)
 別の資料を是非ご検討していただきたいと思います。次は防災面からお尋ねします。

 WTCは人工島の上にあり、周りが海に囲まれています。大規模地震の際の液状化現象に耐えうるのでしょうか。現地に私たちも行ってきましたが、WTC側の説明では、大丈夫だと、阪神大震災でもなかった、ということでした。それでも、しっかりしたデータをいただく必要があります。また、津波、高潮の危険性もあるのではないでしょうか。今のところ、大きな災害がないからわからないかも知れませんが、詳細なデータが必要です。

 WTC移転案により、防災情報センターも一緒にWTCに整備されるということでありますが、先ほどの質問でも指摘させていただきましたが、交通アクセスが不便なため、夜間、休日に大規模災害が起これば、職員参集に支障をきたしますし、公共交通機関がストップすれば、ほとんどの職員がWTCに駆けつけることが出来ず、防災情報センターの機能がマヒしてしまいます。また、災害時に密に連携をとるべき府警本部や自衛隊とも連絡が遮断され、WTCが孤立化してしまう恐れが十分にあるのではないかなと思ってしまいます。現庁舎におきましても、上町断層の上に建っていますので、この断層で大規模地震が起きた場合は、倒壊する危険性もありますが、防災情報センターがある府庁別館は、耐震補強工事が済んでいます。防災の面から判断しても、WTC移転に知事は不安がないのでしょうか。

(知事再答弁)
 災害対策本部が必要なときは、どういう非常事態になるかわからないことですが、いろいろなこと、ありとあらゆることが想像できない中で、もし、明らかに誰が見ても、これはまずい、誰がどうみても、ここは使えないとなれば、確かにそこは問題かもしれません。しかし、今、指摘のありましたルートの問題、現に耐震基準は全部満たしている道路であったり、地下トンネルもありますし、それが全部遮断してしまう可能性があるとなれば、そもそもそういう話になってくれば、今、ある現庁舎に対しましても、全部これで大丈夫なのかどうかどうか、耐震補強しているのも、全部耐えうるのかどうかということを考えてしまうと、全部が想像の話になってしまうと思います。

 ただ、明らかに数値上でも科学的な根拠の話でも、絶対にあの土地が無理だということであれば、そこは控えなくてはいけないと思いますが、ここが遮断する、あそこが遮断するというような想像上の話になってしまうと、現庁舎においても、ちょっとそういう話になってしまうのではないかなと思います。ですから、今の液状化の話とか、トンネルの耐震性の話、橋梁の耐震性の話は、きちんとしたデータをもとに、議論しなければいけないと思っています。

(再質問)
 まだ、解決すべきものがあるのではないかなという点から質問させていただきます。知事は専門家ですので、クリアに答えてください。

 現在、WTCビル内には、大阪市関係部局のほか、民間会社や商業施設などがテナントとして入居しています。この庁舎周辺エリア全体構想(素案)によりますと、WTCへ府庁が移転した場合、平成23年度以降、順次入居することになっています。府庁が入居するまでに、現在、WTCに入居しているテナントが円満に契約解除に応じ、退去していただけるのでしょうか。また、契約解除や退去の際、違約金や移転料などの追加負担が生じることはないのでしょうか。知事にお伺いします。

(知事再答弁)
 入居テナントは借地借家法で保護されており、仮にビルのオーナーが変わったとしましても、正当な事由がない限り、退去を求めることはできません。このため、不足する面積分は、近隣の貸しオフィスを賃借し、これは、テナントからの賃料収入から充当します。そして、テナントとの退去との入れ替わりに、順序入居していくことを想定しています。したがって、WTC移転案の財政シミュレーションにおいて、移転補償費などは見込んでおりません。

 仮に入札するようなことになれば、今のテナントの多くが抵当権設定後の賃借人ですから、一旦、賃貸借期間が過ぎれば、入札して落札した者が退去を求めることができますので、そういうことになりますと、公的手続きを踏めば、テナント問題は、そんなに大した問題にはならないと思います。

(再質問)
 知事は、あまり問題にならないという認識ですね。知事はこのあたりのことはプロですので、問題が出てきたら、適切に対応するということと理解していいのですね。

 WTCに移転した場合の本庁舎の跡地利用について、お尋ねします。この大手前地区は都心の中でも数少ない大規模敷地です。大阪城にも面しており、緑も多く、自然環境と都市機能の双方を活用できるすばらしい一等地であります。

 もし、仮にWTCに移転した場合には、この大手前地区は売却となる予定ですが、まちづくりの観点から、売却後の跡地利用には、一定の制限をかけ、府が責任を持つ必要があるのではないでしょうか。跡地利用が定まらないまま、移転の議論もできないという考えもあります。知事はどうお考えでしょうか。

(知事再答弁)
 私が今回、WTCへの移転を提案させていただいた理由は、繰り返しになりますが、議会の皆様が方針を決定した後に生じた大阪市の問題であるとか、財政再建を進めていますので、費用の面も重視しております。建替え費用、耐震補強費用、WTCに移転した時の費用面が大変重要なポイントと思っています。

 もう一つは限られた財源の中で、どうやって大阪をこれから浮揚させていくのかということを考えた時に、国から無尽蔵にお金がくるような状態ではありませんので、今ある資源を使って、大阪に変化をもたらしたいわけです。やはり、このままここで庁舎の整備をやったりしますと、大阪市の南港のあの地、テクノポート構想は止めたと言いますけれど、それ以上の変化が求めるのかと言いますと、何も期待してしません。でも、またここもそのままということでありますと、このままの状況ということでは、変化が生まれません。私は今回、大阪の変化というものを期待して、仮にこれがWTCに移転するということになれば、そこに一つの変化の兆しが見える。そして、ここの庁舎の跡地にしても、もちろん、ここの跡地の具体策が決まっているわけではありませんが、ひとつここに変化が生まれるのではないかなと思っています。ですから、今回の庁舎問題について、2つの大きな変化が大阪に生まれることになると、僕はそこに大きな重きを置いて、限られた財源の中で大きな投資をすることなく、大阪に大きな変化が2つ生じることになるということに、今回の庁舎問題に非常に僕は重きを置いて考えております。

(再質問)
 この跡地利用については、ここにいる皆さんがWTC移転に賛成ということになった場合でも、ここは一部残しておいた方がいいかと思います。

 知事は、よく関西州、関西州、WTCに関西州、庁舎、と言われていますが、将来どうなるかわかりませんし、関西州の州都とする時には、大手前のここがいいという考え方の人が増えているかもわかりませんので、できるのであれば、残してほしいと思います。

 これまで、府議会は、大手前での建て替えと耐震工事を財政面から比較し、「本庁舎の耐震補強」で結論を出したことは、知事も冒頭で発言され、ご存知のはずであります。もし仮に、府にお金があれば、議会は建て替え案を支持したと思います。知事は今、府にお金があれば、建て替えする案、WTC移転する案のどちらを提案されますか?

(知事再答弁)
 WTC案です。

(再質問)
 想定外の答えでいかにWTC案に思いが強いことがわかりました。コスト面からお伺いします。

 WTCビルの維持管理費や大規模改修費用についても、築13年のビルからすれば、これから、多額の費用がかかるのではないでしょうか。また、これらの費用は、ビルの建築年数が経てば経つほど、さらに多額の費用が生じてきますし、職員の通勤費用も増加しますし、長期的なスパンでみればみるほど、WTCへの移転した場合の方がコストが増大するものと考えています。

 長期的な維持管理費用をどのように考えておられますか。知事にお伺いします。

(知事再答弁)
 維持管理費についてですが、耐震補強で平成20年から53年で402億円、建替えで382億、WTC移転で549億という数字が出ています。維持管理の話になりますが、耐震補強を行ったビル自体の質とか程度が違いますので、耐震補強を行った建物で402億を投じましても、この現状が維持される、この執務環境が維持されるということであり、これとWTCの549億の維持管理費を当てはめましても、維持される程度や執務環境も違いますので、私は額だけの比較にはならないのではないかなと思います。ただ、WTC移転の549億と言いますのは、テナント貸しを前提とした維持管理費ですので、賃料をいただく側が相当の程度を維持しなくてはいけないということになりますから、自分達が使用することになれば、テナント貸し用の仕様を維持する必要はありませんので、この数字も変わってくるのではないかなと思います。また、そもそも維持管理費用ということについて、これまで私が今まで公の施設を点検した時に、行政というものは全く維持管理費用を考慮していない、減価償却についても考慮せず、維持管理費用についても考慮せず、かかってきた費用はその都度、府債か何かで対応していくか、その時の予算で対応していくということの繰り返しでこれまでやってきて、どの施設についても、大規模修繕費用を計上したところはありませんでした。と、いうことであれば、そもそもこの庁舎問題についても、この場面だけ、長期の33年先を見通した大規模修繕費用、維持管理費を念頭に置かなければならないのか、ということに多少私は疑問に思っています。現に今、公の施設は、その時の予算なり府債等での対応をしていますので、いくらでも対応ができるものではないかと思っています。

(再質問)
 いくつか不安や問題点について、知事とやりとりをさせていただきました。知事の言葉からちょっと不便、ちょっと不安と、「ちょっと」、「ちょっと」というお言葉がありました。知事は仮にお金があったとしても、WTCに行きたい。WTCがいいということが伝わってきました。これから私たちは、知事の案を審議、検討して、方向性を決めていかなければいけないと思っています。その中で知事ご自身のお考えを聞かせていただきたいのは、財政面から耐震補強を決めている我々に対して、WTC移転案も検討してほしいと提案があったので、今、いくかの不安な点を聞かせていただきました。私も少しだけ不安になっている点があります。知事と認識との差はありますが、全員がちょっとずつ不安を持っていると思います。それを凌駕するはるかに大きなメリットがなければ、私たちは、WTCに移転に賛成できないと思います。そのはるかに大きなメリットとは、財政なのです。移転する大きなメリットというと、それはコストだと思います。いくらで購入することが出来れば、知事が私たちの不安を抑えることができると思っているのでしょうか。

(知事再答弁)
 価格面については、議会の皆様方から枠をはめていただきたいと思っているところがあります。ただ、もう一つ、是非意見交換させていただきたいのが、今、財政が危機的な状況でありますが、今日の代表質問で議員ご指摘のとおり、大阪府全体の活性化、その全体の増収というものを考えたときに、今、ここの庁舎、空き地も含めて売却すると、680億くらいの額になる数字が出てきています。民間であれば、未利用分の損失が、ここの辺りが年6〜7%で回っている土地利用をしているならば、680億の6〜7%の損失になります。そして今もう、ここの土地は不動産業界の中で起爆剤になるのではないかなということで、みんなが手ぐすねひいて待っている状況で、当然私はこの庁舎をランドマークにしながら街づくりをやれば、またここで大きな税収増というものも見込めるではないかと思います。さらに私はやっぱり一番は、シンボルといいますか、関西といいますか、大阪の司令塔があのWTCというところで、あの存在感を放って、空港の近くの中であの存在感を放ち、産業集積のど真ん中にいることによって、シンボル的効果というものが非常に大きいのではないかと思います。さらにWTCのある咲洲地区では、民間デベロッパーが開発するような余裕はありませんので、これで街が活性化することはないとは思いません。やはり、大阪府の庁舎というコントロールするものが行くと、それに引きつられて、大きく街が変わってきます。それによってさらなる増収というものも、見込めるのではないかという期待があります。財政再建の中で、大きく大阪の中で変化を生み出すことになり、活性化に基づく増収というものも、大きく期待しています。ですから、それを踏まえた上で、それでは、いくらの購入価格になるのかと言えば、ここは私一人よりも議会の先生方の方がはるかに人数が多いので、その中で出てきた知恵の中で、金額の枠というものをはめていただければと思っています。

(再質問)
 金額については、知事がよくお調べいただき、例えば簿価が162億であり、それよりも、何割安いとか、いくらくらいだったらというような数字の私たちに提示していただくことを希望します。知事は、今の話では、そのコストが素晴らしいメリットで、財政難を助けることになる。不安な点、府民にも少しだけ不便をお掛けする点があっても、これだけ財政的メリットがあり、税収も増え、最終的には府民サービスに還元できるという説明されたわけです。WTC移転に、いくらまでだったら、知事は皆様方を説得する自信がありますか。これくらいまでの金額を議会から与えていただけませんかということを提案するおつもりありませんか。

(知事再答弁)
 それは責任を持って提案をします。

(再質問)
 金額を提示されますと、私たちがどう判断するのか、市と交渉する上で、まず私たち議会の議決が必要なのか、どうなのか、そういうことを尋ねします。といいますのは、実は購入するための予算というのは、2分の1の議決で通すことができます。しかし、府庁を移転するということについては、議会において出席議員の3分の2以上の同意がないといけないのです。これは、この大手前の土地から隣の府警本部の横に移動するとしても3分の2以上の同意が必要です。予算と切り離して、WTCへ移転したいということになれば、3分の2以上の議員がまず同意してくれるような状況をおつくりいただかないといけないと思うのです。ですから、市と交渉を進める上で、私たち府議会にいつ、どのような議決が必要とお考えになっているのでしょうか。

(知事再答弁)
 これはもう額ではなくで、3分の2以上の議決をいただけなければならないと、この話は進まないと思っています。時期については、未定です。ただ本庁舎が非常に危険な状態でありますので、耐震補強を早くするかどうか決めないといけないのですが、ただ、今日答弁させていただいたように、金額をまず早急に決めないといけませんので、いつの議会までにとははっきりと言えませんが、ただ、まず議決をいただいて、そこからきちんと正式な交渉に入らなければいけないと思っています。

(まとめ)
 今、知事からWTCの移転のことにつきまして、ご答弁いただいたところであります。最後に知事が手続論、さらWTCを購入するのだったらこの程度という数字を出していただくということをおっしゃっていただき、これが私たち府議会の議論のスタートではないかと私は思っています。材料が全て整って、はるかに凌駕する素晴らしいメリットがWTC移転にあれば、誰も否定する人はいないのではないかなと思っています。ただ、議論する材料が今やっぱり不十分じゃないかなという思いもあります。

 この9月議会が10月15日までですので、それまでに出るのか、もしくは閉会中に知事から提案があるのか、さらには12月の議会なのか、私たちはしばらくは待っておきたいという思いであります。

 長時間にわたりまして、皆様方のご協力、ご静聴ありがとうございました。大阪府をよくしたいという思いは、皆様方も知事も一緒だと思います。ともに大阪府のためにがんばっていきますことをお誓いいたしまして、自民党を代表しましてのご質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


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