盗聴法関連リンクへ 

前ページへ

 

部落解放同盟中央本部 執行委員長・組坂繁之 (声明) 

6月1日、衆議院本会議に置いて、盗聴法(通信傍受法)を含む組織的犯罪対策三法案が民主党、社民党、自民党の一部議員が退席するなかで強行採決されたことはきわめて遺憾である。 

もとより、薬物や銃器による凶悪犯罪を防止しなければならないことは言うまでもない。しかしながら、今般の組織犯罪対策三法案は、国民の人権を侵害する危険をもつものとして、さまざまな問題点が日弁連や法律学者などからも指摘されており、今回可決された修正案でも、指摘された問題点の十分な議論はなされず、解決されたとはいい難い。 

盗聴法案では将来の犯罪を対象としていること、令状記載の犯罪以外の「別件傍受」や「予備的傍受」も認めていること、立会人には犯罪の被疑事実が知らされていないこと、犯罪と関係するかどうかの判断するための傍受がおこなわれたことについては当事者に通知されず、盗聴されたことじたいが知らされないといった数多くの問題点は何ら解決されていない。 

盗聴法は、世界的な盗聴制度の歴史と現状を見ても、いったん、この法ができてしまうと、対象範囲もその方法の歯止めがきかない危険性をもっている。あらゆる人権運動団体、労働組合や市民運動団体にむけられるだけでなく、国民がすべて対象とされプライバシーが侵害される。一部権力者に利用され政治までが操られ、ファシズム到来の危険さえある。 

私たちが再審を求めている狭山事件での被差別部落にたいする見込み捜査を見ても、日本の司法権力の見込み捜査、自白中心捜査、代用監獄といった問題が存在する現状では盗聴の合法化は、さらにえん罪を生み出すことになるのは論をまたない。 

国際的な要請と言うのならば、国際人権B規約委員会の昨年の勧告にあるように、代用監獄の廃止や適正手続きの保障、捜査・取り調べの可視化、証拠開示の保障こそ早急にすすめるべきである。 

また、組織的な犯罪の重罰化についても、「団体」の規定が曖昧・広範であるといった問題点が何ら議論されていない。 

盗聴法・組織犯罪対策法を強行にすすめようとする法務省の動きは司法反動化のあらわれであり、わたしたちは、法学者や弁護士をはじめ幅広い国民運動で反対していくものである。 

1999年6月2日 部落解放同盟中央本部 執行委員長・組坂繁之