人権擁護推進審議会第42回会議議事要旨
1 日 時 平成12年4月28日(金)
13時30分〜16時00分
2 場 所 法務省「第1会議室 」
3 出席者
(委 員)塩野会長,野中会長代理,大南委員,大谷委員,河嶋委員,清原委員,
庄司委員,高島委員,寺澤委員,中島委員,深沢委員,宮崎委員,
森委員
(法務省)横山人権擁護局長,山舖総務課長,佐久間調査課長
4 議 事
(1)犯罪被害者に関するヒアリング
ヒアリング団体:犯罪被害者の会
全国被害者支援ネットワーク
上記の団体から発言要旨(別紙1)に基づき説明がなされた後,質疑応答がなされた。
(2)有識者からのプレゼンテーション
東京大学法学部横田洋三教授から,レジュメ(別紙2)に基づき説明がなされた後,質疑応答がなされた。
(3)その他
次回の会議の開催予定について
第43回会議 5月26日(金)
議題 救済の理念・対象及び救済措置についての審議
― 以 上 ―
(平成12年5月18日 文責 法務省人権擁護局総務課)
別紙1
「各種人権課題に関するヒアリング」
発言要旨
犯罪被害者の会
全国被害者支援ネットワーク
発言趣旨
犯罪被害者の会
犯罪被害者は、一生立ち上がれないほどの痛手を受けながら、偏見と好寄の目にさらされ、どこからも援助を受けることなく、精神的、経済的に苦しみ続けてきた。憲法の保障する基本的人権も加害者の人権であって、犯罪被害者の人権や被害の回復に考慮を払わなかったためである。
犯罪が発生するとマスコミ攻勢は筆紙に尽くしがたいものがある。奈落の底に落とされ、やっとの思いで我が身を支えている被害者、遺族、周辺の人々に対して情け容赦なく襲いかかる。被害者の実名、写真、地名を報道し、ワイドショーでは興味本位な事実に反する報道をする。このため葬儀もままならず、外出もできず、心身共に傷ついた被害者が多い。
被害者は経済的に多大な負担を受けるが、極く一部の死亡者、準死亡者に対して支給される「犯罪被害者等給付金支給法」による低額な給付金以外に国から支出されるものはない。少年犯罪、タクシー乗客犯罪、精神障害者犯罪、交通事故などにより、植物状態、半身不随となって多額の医療費、生活費の捻出に苦しんでいるものも多い。公的補償制度の確立が望まれる。
犯罪は突如として発生する。一瞬にして家族を失い、傷害を受けた者の心の傷は深く、立ち上がれないでいる。避け得たであろうストーカーによる殺害事件の遺族の悔しさも想像を絶するものがあるが、性的被害によるショックを20年を経た今日まで引きずっている者もある。心のケアが要請される。
最近ストーカー事件が多い。民事不介入の立場から、警察が救済の訴えに十分応えていないのではあるまいか。いまや民事と刑事の境界は明確ではなく双方交錯している。家庭内暴力であれ、ストーカーであれ、債権取り立てであれ、常識を逸している場合は、警察もためらわずに介入する必要がある。
発言要旨(レジュメ)
団体名 全国被害者支援ネットワーク
「人権が侵害された場合の被害者の救済の在り方について(犯罪被害者問題)」
8年前に犯罪被害者のための相談活動を始め、被害者支援を実践する中で、被害者の悲惨な実態を知り、支援の必要性を訴えてきた。「故なくして生命を奪われ、あるいは、心身に生涯癒されることのない深い傷を負わされる」犯罪被害者は、人権侵害の最たる行為を為されたと言える。加えて、被害者は事件後に、犯罪の被害に遭ったことから生ずる様々な苦難を受けるが、社会は必要な支援もせず、その人権についても、加害者の人権に示すほどの配慮もしていない。事件捜査や裁判の過程で、あるいは暴走するメディア、地域社会での偏見などによって、犯罪被害者は周囲から幾度も人権侵害行為を受けるが、それを適切に防止する手段も持っていない。犯罪被害者が、社会に対し、また司法に対して不信を抱くとしても無理はない事情がある。
我が国社会は、自らのためにも、犯罪被害者の支援のために立ち上がる必要がある。国は、犯罪被害者の置かれている状況を人権擁護の視点から見直し、以下に記すような総合的施策を講ずるべきである。
1.「犯罪被害者基本法」の制定
2.支援組織の確立
1)犯罪被害者総合支援センターの設立
2)被害者支援組織の設立と運営への財政的援助。
3)セルフヘルプグループの設立・運営に関する支援。
3.具体的施策
1)経済的援助(医療関係費、当座の生活費、専門家の支援を受けるために必要な経費)
2)その他の生活上の援助(シェルターの設置と拡充、公営住宅・保育所等の一時的優先利用)
3)被害者のプライバシーの保護
4)再被害の防止(ストーカー被害からの保護、暴力犯罪反復者からの保護)
5)情報の提供(刑事司法や、補償、支援等関連)
6)犯罪被害者等給付金支給法の抜本的改正
7)裁判所の待合室および法廷における、被害者の心理的負担を減ずるような配慮。
8)公的機関ならびに国民への教育と啓発
※「別紙2」は省略
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