電磁界って何なの

                                    WHOのホームページから            東 條 純 一 JH3AEF 

 

私は産婦人科を標榜し、何時も何時も切っても切れない重い鎖で職場につながれている。鎖、とりもなおさず昔、ポケベル、今は携帯電話
である。私の場合、携帯電話でなくポケベルでも充分役にたったのであるが、ポケベルが消えて無くなったから仕方が無い。
携帯電話に
変っても、もっぱらワッチ専用ならぬ、受信オンリーと言っても過言ではない。
しかるに、一歩街を歩けば携帯中毒に陥った若者がベチャ
クチャやりながら歩いている。
必要の程は別にして、今や日本の、いや、世界の桧舞台に明星のように踊り出た文明の利器なのであろう。
それが文明社会で果たす役割は言を待たないが、健康に対する影響は
しかとした結論を未だ聞かない。今、我々の周りには携帯電話のみ
ならず、高圧送電線
から電子レンジ、コンピューター等など、電磁波を出す物が無い場所を探すのが難しい。

我々のシャック、例え10ワットでも携帯電話の十数倍、100ワットなら百数十倍、障子の裏のファンヒーター、別名リニヤーとか呼ぶ
人もいるが、になると想像もつかない
。携帯のお陰で話題に登るようになった電磁波と人体の関係、良い機会です、我々なりに少し勉強
して行こうではありませんか。何か良い資料が見つかれば是非
ご案内いただければ幸いです。
私は今回、WHOのホームページからこの資料をダウン
ロードいたしました。拙い訳でお見苦しい限りですが、問題個所が有りましたら
ご遠慮
なくご指摘ください。アマチュア無線にのめり込み、鉛の蒸気をしこたま吸い、電磁波を滝のようにかぶった私達の体のためにも
少しばかり気をつけ労わるように致しましょう。

 

自然界の電磁界

自然界いたる所に電磁界は存在するが、人の目で見る事は出来ない。雷が発生した大気中では局地的な帯電状態が起こり電磁界が発生する。
地球の磁界は、磁石で方位を定めるのに役に立ち、鳥類や魚類がナビゲーションにも利用しているという。かように我々は、
いやおう無しに
電磁界の中にいる。

 

人工的電磁界

自然発生的な電磁界の他、人工的なものには、我々に馴染みの深いX線、壁にある家庭用電源端子から発生する低周波電磁界、情報の発信源
たるラジオ、テレビ、携帯電話などの送信源からは高周波電磁界と多くの種類の電磁界が送出されている。

 

波長と周波数の関係

電磁界の性質を多様に変化させるのは波長と周波数の関係に他ならない。我々の最も得意とする所であり詳述は差し控える。また、電磁界を
構成する波の一つ一つを電磁波と呼ぶ。

 

非電離電磁界と電離電磁界

波長と周波数は電磁界の重要な性質を決定する。電磁波は非常に小さい光子と呼ばれるエネルギーの束により運ばれ、高周波の光子(波長は
短い)は低周波の光子よりも多量のエネルギーを運ぶ。中でも非常に高い周波数の電磁波は電磁放射線と呼ばれ、多大の
エネルギーを運ぶ
光子が物質の分子間の結合を破壊し、電離作用を惹起する。放射性物質から出るガンマー線、宇宙線や
X線もこの性質をもち、電離放射線と
呼ばれる。

一方、このような力のない低い周波数の電磁放射線は非電離放射線と呼ばれる。現代社会で人工的に発生する電磁界は波長も長く周波数も
低い商用電源、ラジオ波、マイクロ波等で分子の結合を破壊するような力は無い。

 

電磁界と周波数

超低周波電磁界(300Hz以下)交流利用の電気器具より発生。

中間周波電磁界(300Hz−10MHz)

無線周波数界(10MHz−300GHz)

人体に対する電磁界の影響は単に暴露範囲のみでなく、その周波数とエネルギーによって変化する。我々が使用する商用電源と電気製品は
主に超低周波電磁暴露の原因となり、コンピューターのデイスプレーや防犯用セキュリテイー装置は中間周波電磁暴露の原因となる。また、
ラジオ、テレビ、レーダー、携帯電話、電子レンジなどが無線周波数界の主な発生源となっている。これらの電磁界は人体内を貫通し、
その量が多大であれば周波数とパワーにより、その部の温度を上昇させたり、電気ショックを与えたりする。(しかし、そのような効果を
現すためには通常に比し余程強力な電磁環境が必要となる)

 

健康に対する影響のまとめ

電磁暴露とは目新しい現象ではない。20世紀、陰るところを知らない技術の発展と、生活様式の変革は、電気の需要に拍車をかけ、それに
あわせて人工的電磁界からの環境
暴露も確実に増加してきている。家庭においても職場においても、人は皆、家庭用や産業用機器、電話、
通信、放送等の
あらゆる環境から発生する、複雑に入り混じった微弱な電界や磁界にさらされている。

 

電磁界にされされた時、あなたの体に何が起こる?

人の体に電界が働くとその表面に荷電を促す。人の体では、例え外部から電界が作用しなくても、正常な体のいとなみとして、化学反応に
よる微細な電気の流れが存在する。
例えば、神経内での刺激の伝達、また、消化の際、非常に生化学的な反応が脳に刺激を与えるのは分子の
荷電が順次変換されることにより伝わるものであり、心電図に見られるように心臓は電気的に活発な器官である。

低周波電界は多様な荷電分子により構成されている物体と同様に人体にも作用する。この場合電流は人体を通り大地に流れていく。低周波
磁界は人体を貫通し、体に循環する電流を引き起こす。その強さは外部の磁界の強さに影響される。もしその強さが充分に強い場合には、
神経や筋肉を刺激する事もあり、また他の生物学的反応に影響を及ぼすこともある。
電界、磁界とも体内に電位と電流を引き起こすが、例え
非常に高圧の送電線の直下で
あってもショックを引き起こしたり、その他の電気的影響が引き起こされるような事態には至らない。

無線周波数界では、加熱が主な生物学的効果である。電子レンジではこの作用を食物を温める目的に利用している。人が通常浴びている無線
周波数界程度の強さでは、危険な加熱効果は見られない。無線周波数界による加熱効果について、現在、ガイドラインが設けられてはいるが
未だ明白でない部分もある。科学者達は、閾値以下の人体への加熱が長期間に及んだ場合の影響をも研究中である。今日まで、微弱な電磁界を
長期間にわたって被爆した場合、それが無線周波数界であっても、低周波電磁界であっても、人の健康を害する
事は無いとされてきた。
しかし、この部分について引き続き精力的な研究が続けられている。

 

健康に対する危険因子とは

環境内で起こる変化や刺激によって惹起される生物学的効果は測定が可能であるが、これらの変化は必ずしも健康を害するものばかりではない。
例えば、音楽を聴く、本を読む、リンゴを食べる、テニスをする等ということも何らかの生物学的効果をもたらす。しかし、
これらの行動が
健康に悪影響を与えるとは考えられない。体は我々が環境から享受する
千差万別の刺激に、非常に賢明に対応することが出来る。日常生活で
次々に起こる変化は
至ってあたりまえなものばかりである。しかし、体は必ずしも全ての生物学的刺激に対し、適切に対応できるものでもない。
不可逆的な変化や、長期間にわたる刺激が健康被害を
引き起こす事になる事もあるのだ。

健康を保ち得る範囲を超える時は、成人にも、その子供達に対しても危険な生物学的影響が現れるようになるのである。一定のレベル以上の
電磁界は生物学的影響を起こす引き金になると見ることに異論はない。健康なボランテイアーによる日常的環境下、または屋内での短時間暴露
では、如何なる障害も起こらないことが証明されている。危険を引き起こすようなハイレベルの暴露については、各国でも、国際的にも、既に
ガイドラインが設定されているが、
現在議論の中心になっているのは、低レベル、長期間の暴露が生物学的影響をもたらす事があるのか、
或いは、ひとのwellbeingに影響を与える事があるのかという点である。

 

国際EMFElectroMagneticProject)プロジェクト

驚異的な速度で増え続ける電磁界暴露に対する健康被害を恐れる世論を受けて、1996WHOは広範囲、多面的研究を開始した。これに呼応
して国際
EMFプロジェクトも国際的機関、各国の国立機関、研究所からの最新の知識、研究成果を持ち寄って検討を開始した。

 

科学的研究の結論

非電離放射に関する研究論文は、過去30年間に生物学的効果、医学的研究の分野併せて25000件が発表されている。それでもなお、我々は
更に多くの研究が必要だと感じて
いる一方、この分野における知識は、化学の分野にもまして広い範囲にわたっているのも事実だ。WHO
最新の文献を慎重に幅広く検討した結果、低レベル電磁界暴露の
健康に対する影響を証明出来る文献は見出せなかったと結論した。しかし、
その生物学的影響についての研究には意見のくいちがいも多く、更なる研究の必要が叫ばれている。

 

一般的な健康に対する影響

多くの人々のなかには、いろいろな症状を、家庭での低レベルの電磁界暴露のせいであると考える者がいる。それらの症状には頭痛、不安
神経症、自殺や鬱状態、吐き気、倦怠感と性欲減退などがあげられている。しかし、今日までこの暴露と諸症状との間の因果関係が科学的に
証明されたことはない
。少なくとも、これらの症状のあるものは、騒音や環境内にある他の因子、新しい技術にたいする不安などに原因が
あるのではなかろうか。

 

妊娠に対する影響

近年、コンピューター画面、ウオーターベッド、電気毛布、無線周波、溶接機、ジアテルミー、レーダー等、家庭や職場における電磁波の
影響が、WHOやその他の機関によって調べられている。現在までに解明されている諸点からは、
ごく一般的な環境での電磁界暴露では、
流産、奇形、出生児の体重異常、先天性疾病等、如何なる危険因子の増加をももたらさない
ことが解っている。電磁界暴露と健康問題との
関係について、電気産業の職場で働く人達の中に未熟児出生や低体重出生が発生するという報告が少しはあるものの、これらの報告は
必ずしも、研究機関でその因果関係を確認されたものではない。(この点、溶媒類を暴露した場合に見られる因果関係の存在とは違っている)

 

白内障

高レベルの無線周波界や電子レンジでの暴露にさらされる職場において、眼球刺激と白内障との因果関係がとりざたされてきた。しかし、
高温による危険性もないレベルでの暴露がそのような形の眼障害を起こすということは、動物実験からも考えにくい。
日常生活の範囲での
暴露で、このような結果がもたらされるという確たる証拠は無い。

 

電磁界と癌

多くの研究があるにも関わらず、何らかの影響が有るとする意見には異論が多い。しかしながら、もし電磁界が癌に対して何らかの影響を
よし持ったとしても、それによるリスクの増加は非常に小さいことは明らかだ。今日までの研究では結論に合意を見出せない例が多く、
如何なる種類の癌についても成人、小児共にリスクが大きく上昇すると報告されたことはない。

多くのepidemiological studiesは、家庭における低周波磁界の暴露により、小児の白血病に対するリスクがやや上昇することを示唆して
いる、が、それは、研究者達が暴露と疾病の間に何らかの因果関係があると全面的に結論付けているわけではない。(研究の過程

でのアーテイファクト(人工産物)か、または電磁波暴露と無関係の何かが影響しているのではとの反論もある)電磁界が癌の原因に
なったり、進行を加速するという仮説にもと付く効果説は、動物実験や研究からは証明されず、一部では既に結論が出たかたちだ。
多くの国で現在実施中の大規模な調査により、これらの争点は解決されていくに違いない。

 

電磁過敏とうつ病

一部の人の間では電磁界に対して過敏状態を示すことが報告されている。痛み、頭痛、鬱症状、疲れ、不眠、痙攣や、てんかん発作を
起こす事もあるという。しかし、電磁過敏症の存在を示唆する科学的証拠は何もない。最近のスカンジナビアにおける研究では、
充分に制御された電磁界のもとでは、人は何らの反応も起こさないことを証明している。また、電磁過敏の存在を説明できる明らかな
生物学的メカニズムも見出せない。この種の研究は電磁界以外に多様な関連事象が入り乱れ影響し困難をきわめるものだ。更なる研究が
続けられているのが現状だ。

 

現在そして将来の研究の焦点

現在電磁界と癌の関係に関する研究が精力的に進められている。1990年代後半ほど強力にではないが、電磁界の癌誘発の可能性に関する
研究が続けられている。携帯電話使用による長期的な健康に対する影響は今問われている重要課題である。微弱無線周波界の暴露による
明らかな危険性は未だ見出されていない
。しかし、携帯電話の安全性に関する
一般的感覚は、非常に低レベルの暴露であれば健康に影響が
出ないのかどうかを早く決めて欲しいというものであろう。

WHOのホームページ

http://wwwlive.who.ch/peh-emf/publications/What_…/EMF_Internet_Version_Pictures.ht

URLはwww.ではなくwwwlive.が正解です。

本稿和訳に際しましてJA3LDH 高井康之先生のアドバイスをいただきました。

心から感謝いたします。