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Route 18  Section-2  フィジカル編

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 発声。まずは腹式。
 筆者の場合、趣味の範囲で、という意識が強いので、 ボーカルレッスンなどの本格的な訓練はしていません。 ただ、自己流ではここまでが限界だと感じたので、 本屋に行き、ボーカルトレーニング本を購入しました。 それを読んでまたまた愕然。 今までの自分の歌いかたは全然ダメダメで、 そりゃ本当に自己満足でしかないよなぁって痛感しました。

 歌唱法に限らず、発声、スポーツ、精神集中などにおいて、 何をするにも必ず基礎で求められるのが、“腹式呼吸”。 その存在は筆者も随分前から知っていたのですが (中学生の頃、友人がブラスバンド部に居て、最初の1年間は腹式呼吸と基礎体力作りで頑張っていたのを覚えています) 、重要視する事もなく、ただ喉に頼って歌ってきました。

 まずは買ってきたトレーニング本を読んで、それなりに腹式呼吸を意識しながら歌い、過ごしました。 いきなり「腹式呼吸ってどうやるの?」というのは、よくわらかないものです。 それでも、わからないなりにチャレンジしながら、 2ヶ月後にはすぐに効果が現れはじめました。

  ・低、中音〜やや高音の域がとてもラクになった
  ・喉の負担が激減したぶん、持久力が上がった
  ・自分がどんな歌いかたをしているのかが明確になった

 これらは全て、腹式呼吸,腹式歌唱法による恩恵です。 自分でも、ここまで変化、いや進化するものなのかと驚いたほどです。

 実際のトレーニング方法は、本の無断転載となってしまうので紹介できませんが、 筆者が独自に感じたコツを数点紹介します。

●いつでもどこでも腹式呼吸。
 まず、腹式呼吸ができるようになりましょう。腹式呼吸のやりかたは?  それは皆さん独自で研究していただくとして、腹式呼吸ってこういう事かな、と感じられるになったら、 日常の中で腹式呼吸を意識しましょう。 寝る前、通勤通学途中、メシ食ってる時、インターネットしてる時…などなど。 無意識に、とまではいかなくても、意識すればすぐに腹式呼吸が簡単にできるように心がけるのです。

●上手下手より、腹式優先。
 腹式呼吸が解ってきたら、その呼吸のまま、声を出して歌ってみます。 この時は、上手く歌おうと思わないで、とにかく呼吸優先で声を出します。 そうすると、喋る時のパワーだけでは全然足りないほど、 歌う時のパワーが必要である事がわかります。 ここで重要なのは、特に高音系を歌う時です。 音程を優先すると、どうしても腹式呼吸ができず、いつものように喉を絞めてしまいます。 裏返ってヘロヘロなメロディーになっても構わないので、とにかく“腹のパワーで歌う”方法を体験してください。 普通に声を出せば普通に歌える中音域も、声のノリ,ハリ,安定感などが抜群に飛躍します。 逆に言うと、普通に歌えるラクな歌こそ、意識して腹式歌唱を採り入れるべきなのです。

●顎のチカラを腹に使え。
 高音系を歌う時、腹式が充分でなかったら、顎にチカラが入り、 喉を絞めながらキィキィと高い『音』を出してしまいます。 そうすると、喉への負担が一気に増大して、 とてもじゃないけど1曲をフルに歌いきることができません。 たとえ高音が出たとしても、それは『音』でしかなく、『歌声』ではない、と言っても過言じゃないと思います。 (以前の筆者が完全にこのパターンでした。今でも高い音を続けて出すと喉を絞めてしまって最後まで持ちませんが。)

 高音を歌う時、顎にチカラが入ります。 「腹式で歌っているのになぁ」と思っているにも関わらず、です。 それは腹へのチカラのかけかたが足りないのです。 ググッと腹筋や脇腹、背筋など、腰周りの筋肉を使えば使うほど、 あらフシギ、顎や喉など、頭部がすごくラクになるのがわかるでしょうか?  喉がつらくなるのは全て下っ腹のせいだと常に意識し、 腹筋パワーを増大させる → 顎がフリーになる、という連動感を体で感じてください。 これが体感できると、高音系の歌唱意識がかなり変化するはずです。

 また、胸のあたりでの「鳴り」が体験できてくると思います。 筆者も、まだ時々ではありますが、胸で「鳴っている」という感覚がやっと掴めるようになりました。 これを実感できながら歌うと気持ちのよいものです。 この「鳴り」を高音域でも実現できるように努力しているところです。

●シャウトで『つっかえ』を取るのだ。
 シャウトに関しては、得意な人,できない人,キマる人,似合わない人,様々だと思いますが、 筆者の場合、シャウト系もレパートリーに入っているので、調子の良い時はよく叫んでます。 その“叫び”も、以前は単に「ギャー」という声を出しているだけでした。

 実は筆者の場合、いまだに「腹の底から声を出す」という事がちゃんとできていないように思います。 声を裏返してシャウトするのは簡単ですが、地声のまま、それも高音で、腹からシャウトする、 という方法を思考錯誤している最中です。 それでも、裏声シャウトをする時、今までは単に喉をビビらせてギャーギャーとうるさい音を出していたのですが、 ここでも腹にグッとチカラを入れて胸のあたりで「Wow!」というような感覚でシャウトすると、喉への負担が激減するようです。

 腹からシャウトできるかどうかは置いておいて、筆者の場合、 1週間以上歌わないで、たまにドライブしながら歌ってみると、 どうも“喉が硬い”感覚から始まります。 特に高音系を歌う時、どうも喉の奥のほうに『つっかえ』があるような、開放されないような感じがします。 しかし、ひとたびシャウトしてみると、スイッチがONになるように、喉が開放され、そこからは気分的にもラクになるのです。 そして筆者は、いきなり高音系やシャウトをするのではなく、 まずは自分の音域に最適な歌を、腹式発声を心がけながら徐々に歌声のボリュームを上げてならしておき、 その延長でシャウト気味(ちょうど音楽を録音する時に録音レベルを上げすぎて音が割れていく、あの感覚)に歌うと、 気持ちよく体がボーカルモードにスイッチON、という事を体感しています。

 皆さんにこれが当てはまるかどうかは分からないのですが、 「今ひとつ調子が出ないなぁ」という時は、とにかく思いっきり叫んでみてはいかがでしょうか。 叫び系を多く採り入れておくと、最初は喉の“ヘタリ”が早くなりますが、そのぶん、長い目で見てば、 耐久力が上がると思います。そして、筆者は、腹式シャウトを習得すべく、更に叫び系を多く採り入れていくのでした。

 継続はチカラなり。大器晩成。じっくりと。
 腹式呼吸ができるようになったから、と言って、それだけで歌がうまくなるようなら、苦労は要りません。 経験を重ね、カラダで覚えていくのです。 腹式歌唱の恩恵は、筆者の場合、トレーニングを始めて2ヶ月程度で効果が現れ始めましたが、 納得のいく歌唱ができているかと言えば、かれこれ7年以上が経過していますが、まだまだです。 (もちろんその途中には歌唱に対する意欲が薄れて努力しない期間もありました。まさに遠回りの非効率的な悪い例ですね。)

 筆者はスポーツで鍛えた事がありませんが、歌唱はスポーツの上達法に似ていると思います。 スポーツでは、階段を上るように、いくら練習しても同じ高さで足踏みをしているように上達しない、しかし、 ある時、次の段に踏み込める時がやってきて、「あ、これだ」とステップアップするものだと聞いた事があります。 というよりも、どんな事でも同じなのでしょう。 焦らず確実に自分のモノにしていく努力が大切なのです。 まぁ大袈裟な事を言って見ても、筆者は「しょせんは趣味のひとつ」と割りきっている部分が多いですけどね。 しかし、やはり“持続”させる事の重要性には強く気付かされました。

 そして、歌いかたのコツがわかってきたら、歌い、録音をし、それを聴き、問題点を見つけ、考え、鍛える。 この繰り返しなのです。筆者の場合、挑戦と思考錯誤の連続です。

 「歌うからには上手くなりたい」。これを支える礎のひとつが、『カラダ』だという認識が必要だと思います。


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