5月1日

 競馬やってて、しょうがねえなあ、と思うときがある。
 アイポッパーである。
 確率、とか、時計、とか、血統、とか、調教、とか、状態、とか、パドック、とか。
 いろいろ、考え合わせて、私なりに科学的に考えて、この馬に生活を託すしかねえ、と思ってしまったのである。最後の100円まで、当然、賭ける。
 でも、心のどかでこう思っている。
 アイポッパーって、「名馬」の風格ゼロだよな。
 こいつはよくても2着だな、と思う。
 元気いっぱいだけどさ。
 じゃあ、スズカマンボってどう?
 もっと風格ないと思わへん?
 私をギャフンといわすんなら、リンカーンとかさ、ビッグゴールドとかさ、でがい名前をつけた馬にしてよ!
 マンボ?
 ラテンにやられた。
 スズカマンボが名馬になるかどうか、候御期待。
 
 つーわけで、貧乏ですわ。
 アイポッパー3着、ってのわかっていながら、馬券にならず、っての、本当に貧乏だと思う。1着アイポッパー、2着スズカマンボ、ビッグゴールドの馬単、私持っていた(ダメ人間の繰言)。
 藤田ぁー!……(馬券バカの心の叫び)。


4月18日


 
ディープインパクト!
 日本の競馬に久々にスーパースターが登場した、ということだろう。
 強い。速い。どうしようもない。
 ベテランの武豊騎手が「走るというより飛んでいる」と言うのだから、常識は破られたのだと思う。
 こうなりゃ、全部勝て。
 ここ最近の最強クラシックホースのように、ダービー勝って脚部不安で引退、ってのだけは勘弁してほしい。

 話題は変わるけど、「反日」ってどう思う?
 私は、言うまでもないが、「反日」である。韓国や中国や香港やベトナムの人たちによって、私は、久々に「反日」精神を考えさせてもらった。 「反日」は、自明である。私の同世代の知性が、新しい歴史教科書を作ったからだ。歴史に対して反省がない、と言われて、日本の新保守主義者はどう反論する? 「反日」は、自明である。エイジアンの感情の総体よりも靖国神社参拝を選択した最高権力者を日本人は圧倒的に支持したからだ。靖国神社の実像をどう描き出したところでアジアの人たちに理解されるはずがない。 「反日」は、自明である。すべての国家を礎とする言論は虚妄だからだ。
 その点、中国人は自らの体制に対する鬱憤を「反日」にぶつけている、 という分析は正しい。正しいが、中国人が真心で「反日」をやっていな い、と誰が言える?
   まあ、要するに国家をめぐる出来事はすべてがアホらしい。国家が個人を守らない、ということはイラク戦争で明らかになったではないか。 当事者である民主主義国家、アメリカ、日本において。それは、他国で も、非民主主義国家でもそう。中国は中国人を守らない。北朝鮮は、当然、自国の人民を守らない。
 つまりは、大体が「バカバカ合戦」なんだけど、それでも「反日」は、 自明だと私は思う。グローバル資本主義といったって、国境が存在しな ければ機能しないシステムである。国境、地域格差、資源の偏在、為替 レートがなく、グローバル資本主義者がみんなドルを使って商いをすれば、誰が巨万の富を築けるだろう。ここ100年で最悪の欺瞞、「ドル支 配」の惨状から逃れるために日本はアジアに足場を固める必要があった。 ユーロを作ったヨーロッパのように。
 自民党の先人たちは、そのために妥協を重ね、苦難を耐えてきたのではないか。そうやって作り上げてきたものがものすごくもろかったということ、それが昨今の「反日」デモが教えてくれたことである。韓国の元軍人が暴れただけで崩れ去った「もろさ」を「我ら日本人」は深く考 えるべきなのだ。
 もう無理だ、ってことなのだ。日本人は、自立せねばならない。株価のために日本人を解雇して中国に工場を移転してもダメだ。巨大な中国 市場はビジネスチャンス? 石投げられるぞ!
 中国には、労働者がものすごい数いて、日本の10分の1の賃金でも 文句なく働く――多分、この日本人の認識も終わった。
  私は、アジアに 燎原の火のごとく広がっている「反日」運動にその認識を終らせる力があると信じている。真のグローバリズムとは、そういうものだ。人間は、 グローバルに知る権利がある。



3月27日


 
長いこと、日記を更新してなくてスマンです。
 唖然としたんでこれを書く気になった。
 映画『フォッグ・オブ・ウォー』をレンタルDVDで観ていた。
 大変、興味深かった。
 20世紀の戦争は数理統計学の専門家が遂行した。当時、日本海軍のエリートも数理統計学者だった。つまり、戦争とは「効率」である。結果、東京では、一晩で10万人が死に、アメリカのロングビーチにたとえられた岡山市(私の郷里)は68・9%も破壊された。神戸は55%。 そして、広島には原爆が落とされた(岡山も原爆投下の有力な候補地だった)。
 ものすごく効率のいい悲惨さだ。
 1995年に阪神淡路大震災があったとこを考えれば、私が生きていることは奇跡に等しい。
 もうひとつは、マクナマラが十万人を殺した第二次大戦後にフォードに就職し、あの重厚長大でにっちもさっちもいかなくなくなった重厚長大な大企業を救うくだりだ。マクナマラはフォルクスワーゲンに対抗すべく小型車を開発し、シートベルトも考案した。つまり、戦争も市場 も「効率」である。マクナラマはストックオプション(あの時代からアメリカにはあんなインチキがあったのか!?)を行使すれば巨万の富を 築けたのに、ケネディ大統領の要請で国防長官になった。
 何の専門家なのか!?
 そしてケネディは暗殺され、泥沼のベトナムである。マクナマラはジ ョンソン大統領から解任され、「アメリカの戦犯」として表舞台を去った。 映画でも、ベトナム戦争の責任についてマクナマラは語らない。 「ああ、おもろい映画やったなあ」とウィスキーをグッと飲んで、エン ドロールで腰が抜けた。
<マクナマラは68年〜81年まで世界銀行の総裁を務め、その後も世界の貧困や健康対策、経済発展に尽力している>
 数理統計学と戦争の天才が、世界銀行を作ったから、世界はこんなに 悲惨なのだ(フリーテキストを読んでほしい)。  

 それよりか、申し遅れたが、告知せにゃならんことがある。
 中田潤の新作スポーツノンフィクション『NO MONEY BAL L』(竹書房)が好評発売中。
 オリックス・バファローズという「商品以前」を顧客に差し出した日 本を代表するカリスマ経営者、宮内義彦さんを徹底検証、徹底批判!
 ソフトバンクが抱える莫大な赤字、孫正義さんの大失敗の歴史、ソフ トバンクがホークスを持ちきれない理由を全面開示!
 ライブドアによるフジテレビの敵対的買収でも明らかになった日本資本主義の変質を徹底解剖! 
 レバレッジドバイアウトも徹底分析、徹底 批判!
 ダイエーの高木社長のどこがいけなかったのか!?
 コクドの堤義明会長がなぜ、罪人なのか!?
 産業再生機構、企業再生ファンド、カーライル・グループ、コロニー・ キャピタル(直訳すれば植民地資本!)といった「単なる権力と札束の 塊」が日本の老舗企業の生産現場より優位に立ったのはなぜなのか!?
 もちろん、新庄、小笠原道大、和田一浩、松坂大輔など、スポーツシ
ーンも活写。
 ファイターズの木元邦之からジョージ・W・ブッシュ大統領まで登場する空前絶後のスポーツノンフィクション。
 ぜひ、書店で手に取ってくださいませ。


11月27日


 今日は思いっきり自慢させてくだされや。
 東京競馬11レース、キャピタルステークスでわし、馬単12752 0円的中!
 100円馬券なんですけどね。3点買い300円と単複400円合わせて700円が13万円になったんだから文句ないだろう。
 メインレースに賭けた金が700円ぽっち。
 あれ? 俺って貧乏?
 キネティクスの田中勝春騎手、しっかり追ってくれてありがとう。この馬、前5走すべて上がり34秒5より速い脚を使っている。オープン 初挑戦でも各下と思ってもらっちゃ困る。
 ユキノサンロイヤルは、ハイペースの函館記念で5着にまで追い込んで来ていた。スローの富士ステークス9着、関屋記念8着、日経賞11 着だが、厳しい流れになればなるほど着順を上げる典型的な「ハイペー ス好走馬」なのである。
 今気がついたのだが、逃げ馬不在のキャピタルステークス、ペースはどうだったんだろう。
 しかしまあ、競馬ってのは、後悔のギャンブルである。100円買っ て当たったら「500円買ってたら」と思う。60万円ですぜ。さらに 2004年秋の場合……。
 3連単1865930円!
 史上2番目の高配当である。
 わかった!
 1着キネティクス固定で2着と3着に「ハイペース好走馬」と外国人騎手を買っていれば1600円が186万円になってウッハウハだった のである。
 でも、その調子で1レース3000円も買っていたら……。
 破産?
 いずれにせよ、私、多分、ギャンブルには向いていない。
 13万円は、当然、生活費である。今夜は、回転しないお寿司を食べ ましょう。



11月4日


 ブッシュ勝利。
 まず、思うのはこれである。
 アメリカ、すごいよね。
 ブッシュを再選させてはならない理由を列挙すれば、世界中の人たち が長いリストを作ってくれるだろう。
 しかし、ブッシュ勝利。
 無力感。もちろんそうだが、私はそれだけではない。
 ごまかさないキリスト教原理主義。
 ごまかさない資本主義。
 ごまかさないグローバリズム。
 ごまかさない利益確保。
 それがあと4年続くのである

 何度も書くが、我々は資本主義の終わりを生きているのである。
 年末、私はプロ野球界の再編問題に関する本を出版する。
 ぜひ、読んでほしい。
 ヒントだけ言えば、ダイエーホークスの消滅はブッシュ家のファミリ ー企業「カーライル」とその金庫に手を突っ込んだ小泉純一郎の物語で ある。
 ブッシュ勝利。
 それでも私は、面白い時代に生きていると思っている。

9月13日


 新庄剛志のいう通りになった、ということだよね。
 超満員の千葉マリンスタジアムでは、2日 連続の白熱した延長戦が展開され、おそらく、 底で戦った選手たちは、現場にいたものすべ てにプロ野球の底力を見せつけた。
 これからは、パ・リーグです。
 2004年からが始まりだったのである。
 球界再編騒動は、パ・リーグの問題なのか。
 赤字の額がすべてなのか。
 誰かが言った。
 野球には復元力がある。
 その通りになったではないか。
 20万人が熱狂する何かがパリーグには今、 ある。今こそある。
 それが、今よりもはるかにひどい時代を70年間もサバイバルしてきたプロ野球の力のなのである。
 バファローズがないのなら野球はもう見ない、と言っている人。気持ちはわかる。気持ちはわかるが、野球の復元力を信じてほしい。 ユニフォームやロゴが消えても「バファローズ的なるもの」は必ずどこかで復元してくる。
 どうしてそうなるのか、を合理的に説明するのは非常に難しい。それがプロ野球だから、 と言う他ない。

9月4日


 本当に、世界はめちゃくちゃになってしまった。
 子供を皆殺しにして、それでも自らの行動を正当化できる人がいると いうことだ。
 チェチェン紛争での死者が何万人、何十万人であろうと、大量虐殺の理由が油田やそれに派生するゼニカネの問題であろうと、この殺人を正 当化できる人の心理は私の想像力を超えている。
 子供たちの冥福を祈る?
 それすらできない。
 
 なのに、NHKの7時のニュースは定刻通り終った。
 銃撃戦は続いているのに、日本では金曜深夜のアホ番組、ポップジャ ム?  さんまのマンマ? 芸能人がただ単にデートする番組?
 世界一身勝手で、海外のニュースに疎くて、自己正当化だけに必死なアメリカのメディア、CNNはずっとブレイキングニュースのままだぞ。 少なくとも、事件以来、ブッシュのアホ面は流さなかったぞ。
 どうにかしている。
 日本のメディアは一番考えなければならない問題を報道しない。
 ケリーが戦争の英雄かどうか、なんてどうでもいい。
 爆弾を腹に巻きつけた女性が7歳の子供を殺しに学校に行く。
 彼女は死ぬ。
 子供を巻き添えにして。
 報道が真実だとしたら、そういうことが起こった。
 プーチンよ、鏡を見たまえ。
 ジョージ・W・ブッシュは、それでも「私のおかげで世界は安全になった」と言うつもりか。


8月24日


 アテネ五輪、長嶋ジャパンが負けた。
 9回裏、中村紀洋は12球団カラーのミサンガを一塁に向け、ヘッドスライディングを敢行したが、間一髪アウトだった。
 野球には常にエクスキューズが用意されている。
 野球の一発勝負では、強いチーム勝つわけではない。
 しかし、球界再編騒動真っ只中のこの夏だけは、金メダルを持ち帰っ てほしかった。
  「プロ野球の公的役割は終った」
 したり顔でそう語るやつらを黙らせてほしかった。

 前の日記で私は「今後、球界は民主主義と市場原理で動くほかない」 と書いたが、ナベツネなきあとも民主主義を無視し続けるプロ野球機構には空いた口がふさがらない。
 なかでも信じがたいのは、この期に及んで「日本プロ野球選手会は労組ではない」などという寝言を言うやつらがいることだ。
  「見解が分かれている。東京都からは認められてはいるが、個人的には認めていない」(ロッテの瀬戸山隆三球団代表)
 ……個人的!?……(腰が抜けた)。
 あんたは東京都より権限があるの!?
 黙ってちゃダメだぞ、石原慎太郎!
  「労組として疑念を持っている」(セ・リーグ豊蔵一会長)
 疑念を持たれているのはあなたです!
 余談になるけど、豊蔵さんの天下り先を列挙してあげますよ。
 1985年、建設事務次官。
 1987年、建設省顧問。
 1987年、住宅・都市整備公団副総裁。
 1988年、阪神高速道路公団理事長。
 1992年、住宅・都市整備公団理事長。
 1995年、東日本建設業保障株式会社取締役社長。
 1996年、帝都高速度交通営団管理委員会委員。現在に至る。
 1996年、(社)建設広報協議会会長。
 1999年、東京都公安委員会委員。 現在に至る。
 2000年、(財)警察協会幹事
 2001年、セントラル野球連盟会長。現在に至る。
 ……何回、退職金を受け取ったの?  
  現在も複数の団体から給料を受け取り、プロ野球に対してなんの働きかけもできないあなたの「労働」こそ「疑念」の塊だと思うのだが、ま、それはさておき。

 12球団代表者会議では「組合ではないのだから違法ストだ」という暴言まで飛び出したという。
 京大法学部卒で元法務省官僚の根来泰周コミッショナーは何をやっているのか。もしかして、「違法スト」という法的解釈を支持するつもりな のか。
 1985年9月、日本プロ野球選手会は東京都地方労働委員会に対して労組としての資格審査を申請し、11月5日に労働組合法上の「労組」 として認定されているのである(労組認定に向け先頭に立って闘ってきたのが中畑清ジャパンヘッドコーチだったこともお忘れなく)。
 2002年には、経営者側の誠実交渉義務違反に対し不当労働行為の救済申し立てをし、2年かけて和解を成立させている。その間に交わされた覚書、協定書には「12球団が使用者団体になり、選手会は労組である」という労働法上の関係が明記されている。
 それでも瀬戸山代表と豊原会長が、「違法スト」として法廷闘争に持ち 込むつもりなら、かかってきなさい。

 労働法上のオトボケ発言もさることながら、もっと許せないのは、古田敦也選手をこう嘆かせたプロ野球機構の態度である。
 古田選手は協議・交渉委員会にこれまで集まった署名の総数や新聞紙 上のアンケートを準備していたが……。
  「それは一部の声だとか、信ぴょう性がないないとか言われたんで出しませんでした」
  ……一部の声だあ(怒)。
  「ファンの声は届けました。もう、届いてないとは言えないでしょう。 (信ぴょう性を疑うのなら)合併賛成の署名を集めてくれればいいのに」 (古田選手)
  「華氏8・23」――それはプロ野球と民主主義が燃える温度。


8月14日


 サッカー五輪代表の敗戦など、バッドニュースが相次ぐ中、久々に明るいニュースが飛び込んできた。
 ナベツネ辞任。
 署名運動をしたり、合併反対のボードを球場で掲げたりしている同志諸君、これはやっぱり、勝ち戦だよ。
 私は山形新幹線の車中に流れるニュース速報で知ったのだが、まず、 こう思った。
 週刊誌が出る前に辞めたのか。 『週刊ポスト』か『週刊現代』がナベツネを窮地に立たせる決定的なスクープを報じる前にナベツネは辞めた、と考えたのだが、実は違った。  マスコミによる事件でないとしたら、これは当然、読売社内におけるクーデターである。
 もちろん、ドラフト自由獲得枠を巡る裏金の横行は由々しき問題である。それが前提なのだが……。
 一場選手本人も認める裏金問題だとしても、金額はたった200万円なのである。
 ナベツネが「俺は知らなかった」と開き直ってスカウト部門の責任者を処分すれでそれで済む問題ではないか。
 それでは済まなかったということは、やはり、「たかが選手が」と言い 放ったナベツネの球団運営、オーナー会議議長としての態度が問題化し たのである。
 ナベツネの暴走を放置していたらどうなるか。
 連合とプロ野球選手会が労働問題として闘争を開始する。
 国会に古田選手とネベツネが呼ばれる。
 そうしたなか、読売新聞は部数減少を余儀なくされる。球界再編問題に読売新聞をイメージアップさせる要素は何一つないのだから、当然、そうなる。
 読売新聞の幹部は、市場原理に基づいてナベツネを追い落としたので ある。
 それは同時に民主主義の勝利である。なぜなら、「独裁者」ナベツネの退場によって、今後の球界は民主主義と市場原理で動かざるを得なくなったからである。
 クーデターによって権力の座に就いた読売の新オーナーがナベツネと同じ主張をすることなど、常識では考えられない。一部マスコミには「ナベツネは院政を敷いて球界を操る」などという報道もあるが、「たかが選手が」と言い放った独裁者が「たかが200万円」で権力の座を捨てる 理由の説明にはなっていない。
 そもそも、ナベツネの独裁的な球界再編の動きを支えているのは何なのか。
  「1リーグにして赤字のパ・リーグ『4球団』にも放送権料を回してやる」
 この一言が言えるのはナベツネただ一人だったからである。要するにゼニカネの力でしかない。ナベツネがゼニカネの力を振りかざして突き進むことが、結果的に読売新聞本体に損失を生み出す。そのゼニ勘定によってクーデターは起きたのである。
 どう考えたって、読売巨人軍の新指導部がナベツネのやり方を踏襲するわけがない。
 よって、球界の今後は選手を含めた当事者によって話し合われることになるのである。
  「みんなで考えていきましょう」という場で、パ・リーグの6人のオー ナーは、どんな主張をしていくのだろう。
 もちろん、問題が解決されたわけではない。パ・リーグ6球団の赤字はもはや、市場原理では「プロ野球は負けた」という現実を我々に突きつけている。ファンもただただ「このチームが好きだ」と言う前に、ヤフーBBスタジアムで行われるオリックス―ロッテ戦を冷静に観戦してほしい。少なくとも私にとって「大好きだったプロ野球」はそこにはな い。
 今回の再編問題は「プロ野球の終わりの始まり」(二宮清純さん)ではなく、「プロ野球は終った」という現実から話し始めるべき事態なのかも しれない。


7月30日


 朝まで生テレビ』を観ていて……。
 いや、これ「生」じゃないよね。
  <労組プロ野球選手会の古田敦也会長が(38=ヤクルト)が29日、 テレビ朝日の討論番組「朝まで生テレビ」(30日深夜2時10分から放映)の収録に臨んだ。>(『日刊スポーツ』7月30日)
 収録!?
 ここもイカサマかよ!?
 それが問題点その1。  
 問題点その2は、討論に近鉄ファンが参加していないことである。
 ハイヒール・モモコを出さんかい!
 近鉄バファローズが生活の一部になっている人の意見を無視して、合併問題を云々するのは片手落ちもいいところだ。
 問題点その3は、ライブドアの堀江貴文社長が、自らの経営基盤をすべて株式のマーケットにゆだねてしまっている点である。
  「我が社は東証から信用をいただいている」とか「ストックオプションで選手の年俸をまかなう」とか、堀江社長の主張は、典型的な90年代のアメリカ型資本主義のイカサマである。三宅久之さんも「寝間着」を問題にするん じゃなくて、ライブドアの実質経済を問題にすべきである。問題にした上で、「買う、と言っているんだから、買ってもらおう」というのが私の主張である。チームが存続するのならそれでいい。門前払いは許されな い。  
  問題点その4は、プロ野球の話題がいつしか構造改革万歳の合唱にな り、果てはカルロス・ゴーン礼賛に雪崩れ込むというアホアホ合戦である。カルロス・ゴーンに球界再編を任せたら……まず、選手会を解体することから始めるに決まってんじゃん!。
 問題点その5は、司会がやたらと話を振る「ナベツネの盟友」三宅久之さんが労組プロ野球選手会が「労組」であることすら、理解せずにこの場所に出てきてしまったことである。
 司会を含め、人に質問をするのなら、最低限の資料は読んでおくよう に!
 ボケとボケの漫才をする白髪の老人二人にオーナー会議を論じる資格など断じてない!
 アホアホ合戦のさなか、古田敦也選手が冷静さを失わなかったのは、 賞賛に値する。
 私、やっぱり、プロ野球選手会を全面的に支持する。
 近鉄とオリックスの調印は、本来なら、今日、行われていたはずなのである。
 中日の選手たちの真摯な行動を「おちゃらけ」と言い放ったオリック ス小泉隆司球団社長は、なぜ、調印を先延ばしせざるを得なかったのか。

 プロ野球ファン諸君、これは絶対に勝ち戦だよ。
 少なくとも私はそう信じている。
 Shinjo選手とともに闘おう。
 これからは、パ・リーグ!なのだから。


7月28日


 許してはならない発言があった。
 オリックス小泉隆司球団社長(63)の選手会批判である。
<選手会のメンバーじゃない(中日)バルデスが座って署名活動をやっていた。お願いするのに座ってですよ。ファンが立っているのに…。本 気でやっているんじゃないでしょ、と。おちゃらけじゃないのかな。それで本当にファンを大事にしているのかな。時間も短いですし、それで 「やっています」と言っても社会的に見て訴える力がないですよ。言っ ていることとやっていることが違う。>(『日刊スポーツ7月28日』より)
 小泉社長に問う。
 近鉄とオリックスの合併強行の発表は、社会的に見て訴える力があるのか。
 選手はどんな思いで炎天下で署名活動をし、ファンはどんな思いで自分の名前を書いているのか。
 おちゃらけ?
 ここまで失礼なことが言えるのは、オリックスの社風と言う他ない。
 球界再編問題は、オーナーのビジネス哲学が問われている問題でもあ ると私は思う。
 ナベツネに関しては、批判は山ほど書き込まれているので、ここでは、 オリックス、宮内義彦CEOとは何者なのか、をちょっとだけ書いてみ たい。  
  宮内オーナーは、90年代のアメリカ型ビジネスモデルの熱烈な信奉者である。合併による株価の上昇こそ、宮内オーナーの「錬金術」なの である。
 それはまあいいのだが、2000年1月に破綻したエンロンと合弁会社を作り、大口電力の小売自由化で大儲けしようとしたことは問題である(エンロンとブッシュの電力自由化に関する犯罪行為についてはフリーテキスト『アメリカによる世界同時多発「民営化」テロ』を読んでほ しい)。
  ブッシュ、小泉、ケン・レイ、宮内の連合軍に日本の電線網が牛 耳られていたら、電気料金は確実に値上がりし、日本の巨万の富がテキ サスとワシントンに流れ込んでいたからである。
 そもそも、宮内オーナーのやり方は、ケン・レイとそっくりだ。
 ケン・レイは、ブッシュ政権誕生と同時にホワイトハウスの執務室に 陣取り、エンロンを規制する担当者を面接した。
 宮内オーナーは、1999年、総合規制改革会議議長に就任。今年に入って規制改革民間開放推進会議議長にも選出されている。小泉首相は 「日本のデザイン」を宮内オーナーに丸投げしている、と言っても過言ではない。
 レイ・宮内ご両人は、つまり、国家権力と一体化し、自分の会社のビジネスに有利なように自らルールを決定し、グローバル資本主義という 賭場に電力取引という新たな博打のテーブルを開設した。
 儲からないわけがないじゃないか!?
 だって、イカサマなんだもの。
 小泉流構造改革は、日本中にシャッター通りと呼ばれるゴーストタウンを生み出したのだが、6つの商店が軒を並べる「パ・リーグ商店街」 も例外ではなかった、と考えればわかりやすい。老舗の近鉄バファロー ズは、新規参入のイカサマ師によって店を掠め取られたのである。地元の老舗を愛する顧客がしっかりとついているにもかかわらず、である。 宮内オーナーは、新しいタイプの経営者と言われているが、古い日本の 象徴である自民党と一体化した。つまり、利益が上がるのなら誰とでもつるむ。今回、犬猿の仲と言われ「昔の資本家」を地で行く「権力者」 ナベツネとつるんでも何の不思議もないのである。
 それが資本主義の掟?
 しかし、だよ。よく考えてみてほしい。
 2004年7月7日、エンロンの元CEO、ケン・レイは起訴され、手錠をかけられたのである。虚偽の決算発表で投資家を欺いた証券詐欺罪など11の罪状で、すべての有罪が確定すればレイ元CEOには最大 175年間の懲役と575万ドル(約6億2000万円)の罰金が科さ れる可能性がある。
 ケン・レイの「共犯者」宮内オーナーに反省なし、ってどういうこと!?
 そういった社風が、今回の「おちゃらけ発言」を生んだのである。
 今回の球界再編問題は、選手、ファンにとっては「イカサマ」そのものなんだけど、そもそも、イカサマで儲ける会社が主導しているのだから、致し方ないのかもしれない。
 労働組合の真摯な活動など、オリックスの偉いさんにとっては「バカ」 でしかないのだろう。
 エンロンの破綻で問われたのは、強欲と横暴とイカサマに満ちた「資 本主義の変質」である。変質した資本主義が、まずばっさりと切り捨てるのが、労働組合と労働者の権利である。球界再編問題が日本人に突きつけているのもまさにそれだ。
 私は「ファンも選手も球界の一員です」という選手会の主張を全面的に支持する。
 古田選手、今週末と言われる近鉄とオリックスの合併調印と同時にス トを決行してください!

7月12日


 さあ、「地獄の二大政党制」の始まりである。
 今回の参院選、私の投票行動は次のようなものであった。
 まず、小泉純一郎阻止。それは変らない。
 で、東京選挙区候補者のホームページを開けてみる。
 そこでユーロ圏を標榜する「アジア経済圏」構想のようなものに触れ ていたのは、元クラリオンガールのれんほうのみ。
 なんかやだなあ(だって「ママフェスト」ですぜ)、と思いつつ、一応 はれんほう支持。次点が、父親が長崎の被爆者だったという共産党候補 (すでに名前は忘れてるが)。
 あとは当落をどう読むか、である。
 もしかして、当落線上の候補に投票することで自公の候補が落選するのなら、無条件で非連立を選ぶ。
 いやあ、結果的にはこれは外れた。
<「青島当選」で東京「自民ゼロ」の危機>(『週刊新潮』7月15日号)
 この見出しには騙された。それにしても、当落予想の量の少なさ、不正確さにはあきれかえる。
 というわけで、選挙区は青島幸男と書く。「都知事」青島について は、新宿のホームレス問題を取材した際、恨み心頭に発していたのだが、もし万が一、自民か公明に勝てるのなら入れる。
 次は、比例代表。
 公報を読んで、最も正しかったのは、ブッチギリでみどりの会議だろう。選挙の前、「反グローバル」という日本語を見たのは生まれて初めてである。
 じゃあ、木枯らし紋次郎に入れりゃいいと思うのだが、そこでまた しても私のケチケチな性癖が顔を出す。
 でも、死に票になるんならヤダ。
 結局、この性癖が「地獄の二大政党制」を生むわけだけど、自民大敗でうまい酒を飲むためだけに「民主」と書く。首相になって初めて 「負け小泉」の顔が拝めるんならそれでよし。
 で、焼酎ロックをガンガン飲みながらテレビの前に根を生やしてい たのだが……。
 自民は負けた。しかし……。
 小泉個人は負けていない。
 小泉いわく。
 連立与党が過半数維持ならそれでよし。
 改革をガンガン進める。
 国民には時間をかけて説明する。
 実績を積めば、賛否両論が起きる。
 フィルターつきの煙草を吸いながら苦虫を噛み潰していた橋本龍太郎の顔を思い出しながら、わし、こう思ったね。
 これは個人の性格の問題なのかも。
 国民の審判が効かない民主国家の最高権力者!?
 新しい。小泉はどこまでいっても新ネタを出すな。
 出でよ、日本のマイケル・ムーア。


7月11日


 やはり、プロ野球は信用していい。
 新庄剛志は凄いよね。
 どう凄いのか、を言葉で表現できないところが凄い。
 今年のオールスターゲームはお祭ではなかった。
 パ・リーグの存在意義が問われていた。
 ガチンコで勝つ。
 おそらく、それが城島捕手の信念だった。
 ところが、だよ。
 いきなりホームランを予告して、祝祭空間を作り出したパ・リーグの選手が一人だけいた。
 これからは、パ・リーグです!
 ナベツネはこの言葉をどう聞くのだろう。
 オーナー会議に集まった白髪の老人たちはどう聞くのか。
 新庄剛志が帰ってきて、パ・リーグは「これから」だったのである。
 これから、変っていく。
 それなのに、なによ、この拙速。無策。横暴。
 たかが選手?  新庄剛志に対してそれが言えるか!?
 選手会のストライキを私は断固支持する。
 選手は最高だし、プロ野球は大丈夫なんだから、あとはあの白髪の老人たちが退場するだけでOKなのである。
 元気ハツラツ?  オフコース! なのである。
 がんばれ、古田敦也!


5月30日

 「地方に夢を!」
 このスローガンが絶望的なものであったことは、馬が走る前からわか っていたはずだ。
 それでも、たかが18頭の馬の競走、18頭がぐるっと回ってくるだけのことは、今年も物語を製造した。
 その物語が完結するはずのないものだったことは、競馬ファンなら誰でも知っていたはずだ。
 ハイセイコーは負けたのだから。
 「地方に夢を!」
  この横断幕に送られて、コスモバルクは1200キロの旅をした。  
  札幌での壮行会では、「天敵」ともいえる社台の吉田照哉氏も駆けつけてた。
  フジテレビ『スーパー競馬』で吉田照哉氏は「心情的にはコスモ バルクに頑張ってほしい」と公言した。吉田氏のいたパドックを歩くコ スモバルクは、他馬を圧倒する気配だった。
 赤坂に本社ビルがある牧場主も歯に衣着せずにこう書いた。
 <……この外厩調教馬が日本ダービーを勝てば「中央の調教師が管理するいい馬がよく走る」という大前提が崩れる。そして平均67万円という高額な毎月の預託料を取る中央の調教師たちのメンツは丸つぶれにも なる。><サンデーサイレンスやキングマンボの超高馬の産駒を400万の道営馬が負かしたら、中央の馬主も調教師も何を見ていたのか。コ スモバルクが投げる波紋と、背負った夢は大きい。頑張れ! コスモバ ルク>(西山茂行『日刊スポーツ』5月29日)
 コスモバルクは、馬産地の最後の希望であり、大不況下でものうのう と生き延びてきた中央の厩舎制度を突き崩す最終兵器だった。
 ハイセイコーが負けたとき、寺山修司は競馬をこう表現している。
  「政治化されない、たかが数頭の馬のレース」
 コスモバルクは、この地上に初めて現れた「政治化される馬」になるはずだった。
 <思えば高い夢の代償だった。たった二分二十七秒で、ここ数ヶ月のあいだ育ててきた虚構がくつがえり、私たちの時代には馬の英雄さえも存 在しなかったことがあきらかにされたのだから。>(『競馬無宿』新書館)
 そして、英雄は堕ちた。
 おそらく、物語が、政治が、コスモバルクと五十嵐騎手を暴走させた。
 物語は、あきらかに「バカついて」いた。
 絶望的なスローガンを背負った「たかが馬」が見せてくれたもうひとつの祖国、日本。
  「地方に夢を!」
 横断幕はどこに仕舞われるのだろう。もう一度、札幌の風になびくこ とはあるのだろうか。

5月5日


 プロ野球ファン。阪神タイガースファン。
 格闘技マニア。プロレスファン。ダメ人間。 酒飲み。ギャンブラー。
 きっと私はそういう何者かだが、今日は映画ファンとして言う。
 マイケル・ムーアの新作『華氏911』が 配給されない事態に陥っているらしい。
 私は映画ファンで、岡本喜八のファンで、 『仁義なき戦い』シリーズを合計200回は観ているが、今、最も待ち望んでいる映画は 『華氏911』である。
 ハリウッドには、もうほんと、腹が立って いる。
 ハリウッドの自称「クール」に対して。 『キル・ビル』観たよ。
 なんで、あのアホ白人が深作のオマージュ のように語ってあのアホ作品を撮るかなあ。
 言っておく。タランティーノと深作は何の 関係もない。 『レザボアドッグス』と『仁義なき戦い』に どんな共通項がある?
 肌触りとして、どん な一致点がある?
 ない!
 なにひとつない!
 池袋北口のレンタルビデオ屋を甘く見ては いけない。
 新宿昭和館を甘く見てはいけない。
 深作作品に白人社会の色など何もない。
 タランティーノが自作の白人アホ映画を深 作に捧げる?
 理解できていない、という以前の問題。
 おそらく、デリカシーがないのである。
 品がない。 『キル・ビル』の予告編で布袋演奏の『仁義なき戦い』のテーマが使われたこと、のれな い映画ばっかり撮っているタランティーノの 世界一のれない映画が深作欣二に捧げられた ことにこそ、私はプラカードを持って抗議したいと思うね。
 深作作品は、パレスチナやアフガンやイラクで血まみれになって抵抗している人たちの ための映画である。
 小林旭はこう言った。
  「広島極道はイモかもしれんが、旅の風下にゃいっぺんも立ったことはないんじゃけん」
 辺境の映画なのだ。
 占領され、支配されたからこそ生まれた芸術のなのである。
 タランティーノ、「9・11」をどう心得 る?
 あんたがきれいなねえちゃんに着せたユニ フォーム(黄色に黒い線)は、パレスチナで 最も多くの人々を動員したブルース・リーのユニフォームではないのか。
  「9・11」は関係ない?
 そう言い切れるのなら、俺ら、非白人社会 のことはほっておいてくれ。白人に日本刀を 持たせるな。日本人に捧げるな。ブルース・ リーは、日本刀に対し素手で向かっていった 英雄ではないのか。ポリシーもなく、品もな く、意味もなく、人々に勇気を与えることもできないのなら、黙ってろ。手を突っ込むな。 冒涜するな。『アルマゲドン』のような映画を撮ってくれたほうが、よっぽど気が楽だよ。 怒る必要がなくて楽。
 『キル・ビル』が二部作になったって?
 知るかいそんなこと。
 そんななか、マイケル・ムーアの新作の配給を止める?
 もしそうなるのなら、ハリウッドは終る。
 やはり、我々はアメリカの崩壊を目撃しているのである。
 映画とロックのないアメリカ。

5月1日


 絵空事。
 アメリカがやろうとしていることは、まさに、ファンタジーである。
 イラク。
 それが問題なのではない。
 イラクの民主化。
 それも問題ではない。
 自己責任。
 それも、多分だが、問題ではない。
 利益を確保できない。
 それこそが問題なのである。
 確保しよう。利益を。日本の企業も。
 確保できれば、バンバンザイ、だよね。
 中東全体、アフガンもサウジもイスラエルもパレスチナも全部、民主化して利益を確保する?
 やろうとしているんだろうなあ、ブッシュは。
 できるわけないじゃん!
 やってみろよ!
  『朝生』を観ていて、あのイラン人の女はなんなんじゃい、と思っている人も多いと思う。
 でもな、世界人口の5人に一人はイスラム教徒である、という意見は聞いてもいい意見である。
 5人に一人は、資本主義は間違っている、と思っているのである。
 5人に一人は、資本主義の明日なき暴走を止めようとしている人たちだ、ということだよね。
 いいの、世界がむちゃくちゃになってもいい。  
 もはや、どこにもごまかしがなく、問題点は明白になったのだから。
 そういう意味では、反グローバリズム派はブッシュに感謝しなくてはならない。ケリーはごまかすだろう。
 死者を想うヒューマニズムは抜きにして言っているのだが。
 アメリカは崩壊する。
 それを見届けようよ。
 ゼニの暴走、その行く末を我々は見ているんだと思う。


4月15日


 よかったなあ。
 3人は無事解放された。
 テレビを観るかぎり元気そうだ。
 引き渡しは、祈りの場で行われた。
 聖職者協会に感謝。
 イスラム教に敬意を表したい。
 我々は何もできなかった。
 私は何もできなかった。
 日本のメディアは、何も伝えられなかった。
 すべては、アルジャジーラの画面の中で起きたことだ。
 日本の軍人は今や単なる「ひきこもり」である。
 警察の特殊部隊は何をやっていたのだろう。
 高度情報化社会は何をやってきたのだろう。
 ひとつだけはっきりしたことは、日本という国家は日本人を守らなかった、ということだ。
 日本人は、同胞から見放され、砂漠で祈る人たちによって救出された。
 砂漠で祈る人たちは、異教徒ではない。日本人にはもう祈る対象などない。共通の祈りの場もない。日本人は同胞の無事を祈らずに「自己責任だ」というファックスを送りつける。
 「テロに屈してはならない」
 この言葉は、ブッシュ、小泉漫才コンビの専売特許ではない。
 実はご両人、そんなことちっとも考えてはいない。
 早いことけりをつけて、自国の企業をイラクに送り込み、利益を確保 したいだけだ。
 「テロに屈してはならない」
 今、この言葉を肝に銘じているのは、3人の日本人を解放した武装グループの方だろう。  
  おそらく、アメリカの国家テロに対し銃を取って立ち上がった「イラク市民」は今、最も勇敢にテロと闘っている。3人を誘拐し、聖職者の 呼びかけに応じて解放したのは、おそらく、武装し抵抗する市民だったと私は思う。誘拐は最低の手段だが、彼らは、むちゃくちゃになった地元、むちゃくちゃになった祖国、むちゃくちゃになった世界を前に、逃げることをやめた人たちだと思う。
 今はひとときの安堵。
 次は、モスクから遠ざかる武装グループの心中を想像してみてほしい。
 今のファルージャと、武装グループが営んでいた普通の生活を想像し てみてほしい。


4月14日


 国家が自分に何をしてくれるのか、を考える。
 日本はいらくの人たちのために人道支援を行っている、と言う。
 だから、自衛隊撤退を条件とするするテロリストの条件は飲めず、死んでもやむなし、と言う。
 もう、あれから9年の月日が流れた。阪神淡路大震災で死んでいった人、経済的基盤を失った人、希望を失った人に対して、日本という国家は何をした?
 はっきり言う。
 1円の金も払っていない。
 じゃあ、銀行に何円払った?
 ガラガラの鉄道の新路線、誰も見向きもしないテーマパークに何円払った?
 日本人はバカじゃない。
 これは世界の常識である。
 日本人は、海外のニュースに目を通し、海外旅行もし、困っている人がいれば、なんとかしたいと考える。
 国民のほぼ全員がパスポートすら持っていないアメリカ人とは違うのだ。
 私らは考える。考える能力がある。
 じゃあなんで、人質になった人の家族が、自衛隊撤退、という当たり前の行動を求めることをやめなければならないのか。なぜ、「感情的なっ た」と謝罪しなければならないのか。
 国益のために自衛隊撤退はできない。
 そういう人に私は言う。
 日本の国益は、絶対に、金輪際、あなたの利益にはならない。
 イラクを救い、神戸を見捨てる国家だぞ。
 なんで考える能力のある人があのアホ(ジョージ・W・ブッシュ)を支える必要がる?
 冷静になれ。
 っていうか、普通に考えろ。
 むちゃくちゃになってしまった世界で普通に考えてほしい。
 我が同胞は、同胞の命を大事にしてきた。大事にしてきたことで「甘い」と非難されてきた。そうしてきたからこそ、イラクに行ったのは「自己責任」だから死ね、なんていうことを言うこと自体、下品である社会が出来上がったのではなかったか。



4月9日


 世界はめちゃくちゃになってしまった。
 イスラエル軍は、ハマスの精神的支柱だった老人を殺す。
 イラク人は、アメリカ人の死体を橋に吊るす。
 アメリカ軍は、モスクに爆弾を落とす。
 ムジャヒディーンを名乗る男たちが、日本人3人を拘束する。3日後 までに自衛隊がイラクから撤退しないと、3人を生きたまま焼いて喰う と言う。
 ドキッとした。
 ある週刊誌の新年会で「イラクに行く」と言う若いライターと乾杯していたからだ。無事を祈って。
  「俺は絶対行かないね。命が惜しいから」
 私はそう言った。彼がなぜ、イラクを目指したのか、結局、よくわか らなかった。よくわからなかったけど、彼の笑顔はおおらかさわやかだ った。典型的なペン無宿の顔。
 拘束されたのは彼ではなかった。
 彼ではなかったから、よかったのか。
 チャンネルをCNNに合わせると、コンドレッサ・ライスが「9・1 1テロは防げたのではないか」と追求され、ニコニコしながら反論を繰り返している。ジョークを飛ばす。
 世界は無秩序に向かっている。
 「私たちはイラクの人たちのために人道復興支援を行っている」
 お題目はもういい。お題目は意味を失う。
 お題目を唱えて出張ってきたやつだからこそ、殺される。
 日本政府は、世界がすでにお題目によって動いていないことをなぜ理解できないのだろう。
 拘束されたのは、反戦、反自衛隊派遣を唱える人たちだった。少なく とも一人は、それを訴えるために死地に赴いたという。彼は高校を出たばかりだった。
 テロリストどもにとっては「作戦がいかに容易でいかに効果が高いか」 ということが最も重要なのである。彼らは軍事予算4000億ドルの「お 題目なきテロリスト」アメリカと闘っているのである。私が金もなく孤立無援のテロリストだったら、アメリカ軍と交戦するよりも、「お題目し かない」自衛隊を揺さぶる。今のイラクで最も簡単に攻略でき効果が最 も高い標的は、日本の自衛隊なのだから。しかも、今回の事件でテロリストは、「自衛隊派遣に反対する日本人を自衛隊撤退の人質にする」とい
う、やるのは簡単、効果は絶大、という戦略をとってきた。
 お題目だけを問うなら、目隠しをされている人も銃を突きつけている人も同じ主張なのである。
 そして、自衛隊派遣反対の人を自衛隊は守らない。
 逆もまた、である。
 自衛隊派遣反対の私の声は、自衛隊員には届かない(これは、フリーテキストに書いた)。
 同質国家、島国根性と呼ばれる我が祖国もここまで分断されてしまっ た。
  「イラクにいる日本人」は、世界一固い連携で助け合い、生き延びて当然だと私は思っていたのだが。
 朝日新聞の対応は許しがたい。
  「わが社が『イラクに行ってくれ』と頼んだわけではない」
 そんなペン無宿によって巨大メディアは存続してきたのである。
 パスは与えたけど、危険なところへ行ってほしくはなかった?
 どの口で言っておるのか?
 イラクにいるNHKの社員はテレビで堂々とこう言った。
  「私たちは地元の警備会社と契約を交わし、万全を期している」
 ゼニがない奴は死んで当然なのか。  
  世界はめちゃくちゃになってしまった。
 我が祖国もめちゃくちゃになってしまった。
 3人は死んでもやむなし、と国家権力が言うのなら、それは、「非国民」 の発生に他ならない。ゼニがなく、情報産業(ジャーナリズムではない) の庇護もなく、国家の方針に歯向かうやつは、死ね、ってことなの?
 日本の権力者はなぜ、自衛隊派遣が、テロリストに「俺を撃て」と言っているだけなのだ、ということを理解しようとしないのか。
  「撤退する理由がない」
 福田官房長官はそう言った。
 もう、この世界には「理由」など必要ではない。「理由」などない。
 理由などなく人が殺し、理由などなく人が死ぬのである。
 民主主義が人を殺し、キリスト教が人を殺し、ユダヤ教が人を殺し、イスラムが人を殺す。
 世界はむちゃくちゃになってしまった。
 期限は70時間。
 我らが同志、ペン無宿の命を救うために、私は何ができるだろう。


2月1日


 テレビで『世界で一つだけの花』を歌う自衛隊員を観ていて(同日のNHKスペシャル)、ほんと、悲しくなった。
 この歌は、レコード業界の保守本流から生まれ、国営放送の最大の番組、紅白歌合戦のトリを飾り、渋谷を練り歩く反戦デモで大合唱され、 イラクに派遣されるかもしれぬ自衛隊員もハンデを抱える子供たちの前で歌う。みんな、この歌を選ぶ。
 この歌はなぜか、すべてを横断しているように見える。
 だとしたら今、「私と自衛隊員」を隔てている壁はなんなのだろう。
 たとえば、「米軍最高司令官ブッシュの最大の敵」マイケル・ムーア(映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』の監督)は、何百通ものイラク駐留兵士からの手紙を受け取っているという。
 マイケル・ムーアはこう書いている。
  <でも、もちろん、支持発言なんてする必要はなかった。なぜなら、あなたのような人は以前からずっと「兵士たち」を支持していたからだ。 兵士たちとは誰か? 貧しい労働者階級の人たちだ。彼らはそうする以 外に仕事も、大学教育を受けるチャンスも、得られないからだ。>(マ イケル・ムーア 日本語公式ウェブサイトより)
 私が初めて組んだロックバンドのドラマーは自衛隊員になった(70年代に田舎の公立の中学に通った人ならそんな同級生の顔を思い浮かべてもらえると思う)。 彼の生家はお好み焼き屋で大資本の進出によりゴー ストタウンになった商店街にあった。彼は高校を出で北海道に飛び、戦車に乗りスキー板を履き、私が知っている悪ガキ時代の彼には到底耐え られないであろう苦しい訓練に耐え、南下して来る見えない敵と闘った (今は別の仕事をしているんだが)。
 自衛隊員だった友達を私は断固支持する。
  <兵士たちを支持していないのは、ミスター・ブッシュと、彼の汚らわ しいほど裕福な仲間たちだ――彼らの息子や娘が戦闘服を着ることなど 絶対にないからだ。>
 これは、言語障害に陥った小泉様にも、小首をかしげて1億人を小バ カにしている石破様にも(今朝のフジテレビ『報道2001』の出演者、 スタッフ全員にも)、そのまま当てはまる。
  <兵士たちは、必要とあらばぼくたちのために命を捨てる。それはなんという、途方もない大きな贈り物だろう――ぼくやあなたが死なずにすむのなら、自分は死んでもいいというのだ! ぼくやあなたが自由を享受できるのなら、自分は血を流してもいいというのだ。>
 マイケル・ムーアは、兵士たちを支援するための方法を具体的に提示 して文章を結んでいる。
 私も何かできないか。
 ブラウン管の中で自衛隊員はこう言った。
  「撃たれるのはいやだ。撃つのもいやだ」
 これほどまでに簡潔で力強い反戦スローガンがあるか。
 しかも、彼らは米兵には想像もつかない困難な状況に置かれている。
 死ぬのがいやだから銃を撃つと、ほぼ裁判。国家権力によって裁かれる。国家権力を守るために、見えない敵におびえ、精神の闇と闘い、ぎ りぎりのところで自分の命を守ろうとしたら、国家権力によって牢獄にぶち込まれる。
 牢獄か死か――NHKスペシャルが描いていたのは、その剣が峰に立たされた人間だった。
 それでも自衛隊員はイラクに行くと言うのだ!
 日本の国益のために!
 自らを死地に追いやったグローバル資本主義のために!
 世界平和のために!
 ウィークディの真昼間にパチスロ屋で一喜一憂し、勝つとランパブでエロ話をしている私のために!
 そんな人を支持しないで誰を支持する!?
 私は、インターネットの検索エンジンに「イラク 自衛隊 支援」と 打ち込んでみた。
 イの一番に現れたのが、北海道旭川市のウェブサイト。
<イラク派遣自衛隊員留守家族支援チーム>
 よし、なけなしの金だが募金だ。
 おろ、募金の受付はどこ?
 いろいろ見て、私ができることといえば……。
<イラクに派遣されている自衛隊員の方にメッセージをお送りしたい方 はこちらでお願いします。>
 できることはこれだけ?
<※イラク派遣に関する賛否の意見や誹謗中傷などはお届けいたしません。>
 市役所が検閲するわけね。
  「賛否の意見」って、派遣賛成もダメなのか。これじゃあただ「がんば れ」としか書けないぞ。
 じゃあ、反戦系のサイトは?
 たとえば「自衛隊と市民をつなぐ人権ホットライン」なんてウェブサイトが確かに存在しているのだが、まるでラインがつながってない。いうまでもないが、ホットな議論なんてない。反戦派が自説を主張し、マスコミや他の市民団体が集めた自衛隊員とその家族の声を引用している だけである。  
  バカの壁なんて問題じゃない。島国根性、同一民族国家、均一社会に おいて「平らに成る時代」に築かれたこの「壁」をどうしたもんか。  議論の焦点は「死」に他ならないのに。
 マイケル・ムーアの映画を観ると、アメリカ合衆国には巨大な壁があり、はっきりと二つの共同体に分かれていることがよくわかる。
 しかし、その属国に築かれた壁はもっと高く強固なのかもしれない(だって、ニューヨークではゲイとキリスト教原理主義者が、白昼堂々、怒 鳴り合いをすることができる)。
 なんなんだよ、この壁は。  不可視でぶよぶよと軟らかく、しかし、誰一人通過させない壁。


12月25日


 メリークリスマス。
 地元の池袋本町を歩いていたら、自転車に乗った4人組の天使の格好をした女の子からそう声をかけられた。
 何者?
 本当に、ホーリーナイトだったらよかったんだけどな。
 戦争のない夜だったら。
 今、どうしたら、自衛隊にいる同胞がイラクに行かなくていいようになるか、考えている。
 小泉も石破も理論が破綻してるよね。
 日本国憲法の精神?
 唯一の同盟国?
 国益?
 国際協調?
 人が死ぬ理由にはなってない。なるわけがない。
 そんなことはみんなわかっている。しかし、具体的に自衛隊派遣を阻止する方法がない。
「平和の党」の党首が、たった3時間足らずの滞在で「サマワは比較的安全」なんつってもさ、そういうことを言っていること自体、「テロリス トはサマワに全員集合」って号令かけているようなもんじゃん。私がテ ロリストなら、サマワで一旗挙げようと思うよ。だって、国連まで攻撃 されてんだよ。簡単に攻撃できて効果の大きいところに行くよ。どうせ 死ぬのなら「先制攻撃できない軍人」のところへ突っ込んで死ぬよ。自衛隊に先制攻撃されて自分が死んだら大問題になるんだから。日本の自衛隊に対する自爆テロほど効果的なものはないよ。
「俺を撃てよ」
 ライフルを構えたテロリストにそう言われたら、自衛官はどうする?
 私だったら、どうする? 「俺は自爆する。日本人全員を道連れにする。それがいやだったら、俺を撃て」
 撃ったら、そいつの乗っている車には爆弾も何にもなかった。
 タダでできるグローバル資本主義への抵抗だよね。
 タダで効果は抜群だよ。
 私がテロリストで死ぬ覚悟なら、そうするよ。一文無しで計画なしで もできるんだから。
 戦闘区域とか、非戦闘区域とか、そういう問題じゃない。我が祖国は、テロリストに対し、そういう機会を与えに、わざわざ、イラクまで、出張っていくのである。
 我が国戦後民主主義者のここまでの蛮行、愚行がかつてあっただろう か。
 なんとか、自衛隊派遣を阻止する方法はないか、メールを下さい。集 い、対話し、考えていこう。

 

11月10日

 前にも書いたような気がするが、選挙に行くと、年を取った気分になるのはなぜだろう。
 政権選択選挙?
 わしもそういう投票行動を取ったよ。
 我が東京10区(池袋近辺)の当落予想は、自民と民主まったくの一線、という報道だった。
 実際、午後11時過ぎまで開票速報はまったくの同数。そういう状況ならば、石原慎太郎とつるんでいる小林こうきを落とせ。そう思った。
そう思った私がバカだった。
 そういう投票行動が地獄の二大政党制を生むのである。アメリカのように。
 反省。本当に深く反省。
 民主党、勝ってたようで勝ってない。
 東京では自民、現状維持じゃん。
 年を取った。
 いずれにせよ、これからは自民と民主に対する闘いをするしかない。
 テレビ番組で、各党の党首に「これからの日本を競争社会にするのか、それとも、福祉社会にするのか」と問われて、菅直人、はっきりと「競 争社会」と答えていたもんなあ。
 どっちも地獄。
 そもそも、次のようなあほな循環がなくならない限り、我が祖国には未来はない。
 株価が上がる。景気回復の期待が高まる。円高になる。利益確定の売りで株価が下がる。
 インチキじゃん!
 為替レート操作のインチキを突く政党は日本には一つもない。
 自民、民主以外の政党がそろって沈むのは当然だよ。
 シャッター通りとなった地方都市を救う政党は一つもなかった。
 民がやれることは民へ?
 国民の3分の1は死ねってこと?  
 アメリカの二大政党制も最悪だけど、はっきりした違いはあるよ。
 共和党は小さな政府を作る。個人の行動に文句はつけない。
 民主党は大きな政府を作る。個人の行動に制限を設ける。
 我が祖国に出現した二大政党は、ともに小さな政府を作るのである。 国民の3分の1は死ねってことなのだ。
 絶望はすぐそこだ。
 最近、カミサンがアルゼンチンから帰ってきたのだが、アメリカの言いなりのグローバル化、小泉流の構造改革で、アルゼンチンはどうなっ た?
 国民の大半は一日1ドル以下で暮らしている。
 その現実もすぐそこだ。
 130円暮らし、である。
 多分だけど、我が祖国は、一日280円、牛丼一杯の生活ぐらいは保障してくれるだろう。対ドル為替レートの違いとして。
 多分、それぐらいだ。
 なんで、ヨーロッパ型の資本主義を標榜する政党が日本にはないのだろう。
 マジ、私は政治運動を始めたいと思っている。

「資本主義は間違っている講座」を読んで私の主張に賛同してくれる人、 メールを下さい。


9月13日

  働いていない。ほとんど、金になることはやっていないのだが、やらなければならないことが、なんでだか、いっぱいある。一日に重なる。
 まずは阪神タイガース。
 早く決めてよ。
 早く決めないから、デーゲーム、ヤクルト戦待ち、なんてことになるんだよ。
 優勝決定、かも。
 ひとつ。午後3時からドラゴンズ―タイガース戦を見ること。
 次に競馬。
 クソつまらなかった、というより、馬自体集まらなかったローカルが終って、競馬が中山に帰ってくる。
 ふたつ。中山競馬場で取材をすること。これ、仕事である。
 さらに、カンクンで行われているWTOの会議である。
 アンチ・グローバル派としては、これについてもなんか行動しなくては……。
 で、芝公園で行われた「グローバル・ピース・マーチ」ってやつに行ってみたのであった。
 同志って日本に何人いるの?
 それだけが知りたかった。
 100人ぐらいですか。
 いきなり、音楽専門学校労組バンドによるスマップの『世界でひとつだけの花』を聞かされたのにはまいったけど。次の曲が『さとうきび畑』、そんでその次が『インターナショナル』ってんだからすごいね。
 この集会が午後1時半スタートで阪神戦が3時。私、集会の基調報告(たった5分だよ、皆の衆。激烈な演説を期待する私、やっぱ、古い人間なんでしょうか)を聞いただけで帰らなくてはならなかったんだけど、「イラクの涙の根っこには市場がある」という主張、断固支持である。あとは、インパクトのある運動が出来るかどうか、だと思う。
 WTO、決裂でしょ。
 がんばれ、ブラジル。


8月25日


  世界陸上、どうなってんの?
 つまり、こういうこと?
 世界最高のスピードキングをマイクロソフトが退場させる、ってこと?
 それとも、優秀な(?)マッキントッシュ?
 アホな。
 やめたほうがいい。
 20世紀の原則なんて、こんなようなものなのである。
 科学的?
 民主的?
 20キロの負荷、ってどういう根拠?
 本当にそれが正しいのなら、ドラモントンをフィールドから排除しろよ。走れなくしろよ。それができないのなら、オリンピックだって終わりだよ。
 スポーツのルールが科学によって葬り去られたのだから。
 サラマンチ!?
 なにをやっておるのか。
 みんなマイクロソフトが大嫌いなのに、どうしてこんな理不尽なルールを導入するかな。
 マイクロソフトに対しては、その欠陥がサイバーテロリストによって毎日のように明らかにされているさなかじゃないか。
 アホ!!
 コンピュータが地上最速の男を決める闘いに水をさした、ってことを、少なくとも私は忘れない。
 つまりは、近代は間違っていた、近代は終ったってことだよ、皆の衆。
 違う根拠を持とう。
 少なくとも、一番速く100メートルを移動する男について、根拠を持とう。
 科学でも、民主主義でも、オリンピック精神でも、なく。


4月14日

 桜花賞、武豊と超良血馬の単勝馬券で大勝負。
 柄にもない事をするもんじゃない。出遅れ3着は悪い予感の通りだっ たし。
 選挙に行って、非自民の人に投票するたびに年を取った気分になるの はなぜだろう。少なくとも今、「平和ボケのおばさん」を自称する人に投 票するマヌケがいるか。ボケている、と自分で言うか。あのおばはん、 戦争反対を叫んでいる人はボケている、と言っているに等しい。民主党 は言語障害だとしか思えない。
 で、「軍国じいさん」だけど、当選会見での「パチンコをやってるやつ はみんな騙されている」みたいな発言には驚いた。もっと有意義な遊び がある、とはこれいかに。
 私、パチンコのない国には住みたくないんだけど。
 テラ5分といえば、随分、勝つ可能性があると思うかもしれないけど、例えばテラ5分、2分の1の確率で勝負が短時間で決まる博打が楽しい か。見と確率と勝ち逃げしか、術はないじゃん。私の経験から言えば、長くやるほど死屍累々である。小規模な闇賭博場でも一晩にテラ箱に数 百万円が溜まるだけなのである。
 読みと立ち回りで長く遊べるグリンピース(パチスロ専門店)の方が よっぽど民主的じゃないか。少なくとも朝から行列を作れるダメ人間の 味方である。JRAに牙をむきテラ2割で大井競馬をやる、と石原が言 えば、もちろん断固支持だけど。
 博打者にとっては、技術介入性あるいは知力介入性しかないわけよ。
 石原さん、今、求められているのは、欧米式のカジノじゃなくて、競 馬の控除率を欧米並みにすることなのである。そうすれば、サラブレッ ド生産者も救われる。カジノを作るのなら、大井競馬とセットで考える べきである。財政再建のためだけのカジノなんてそもそも自由競争に反 している。2割5分のテラを取っても地方自治体主催の競馬場が次々に潰れている現状なのだから。
 石原は「カジノは雇用創出になる」と言うのだが、ならば、失業者、 ホームレスを教育なしでルーレットやカードゲームのディーラーとして 雇えばいい。
 そうなりゃ通うよ。そうなりゃ東京都は博打で財政破綻である。


4月12日


 なんで1面が松井!?
  『日刊スポーツ』は、祖国につばを吐いたとしか思えない。
 あの試合を2番目にできるのなら、阪神、巨人の選手が何をやっても無駄である。
 去年の松井はこう言っていた。
  「ホームランを2本打ってもダメなのか。何をやったら、メジャーから スポーツ紙の一面を奪え返せるのか」
 ポートが清原をセンターフライに打ち取った時、私は池袋のバーに飲 みに行く準備をしていた。その後、ジャンパーを着たまま、タバコを吸いっぱなしである。アルコールじゃなくて、ニコチン漬け。
 心に穴が開いたような、しかし、いい試合だった。
 許す。奇跡を起こしたのが、長年、ベンチに塩漬けになっていた後藤なのだから許す。仁志に打たれたら起き上がれなかったけどな。
 断言する。
 しかし、2003年、阪神タイガースは優勝する。
 凄まじいシーズンが始まった。


4月7日


 もう、耐えられない。というのが本音でしょ。
 合同軍、何人殺したの?
 市民の死者だけカウントするのは実際的じゃない。
 アメリカ兵だって、イラク兵だって、おそらく、大多数が生まれて初めて人間に向かって銃を構えたのである。
 イラク兵3000人死亡って、その記事の中に、その人それぞれが、 その家族が、生きてきた日常を想像する、想像するしかない現実を今、 人類は突き付けられている。
 だって、8月15日になったら、日本人は、向田邦子原作のドラマを観ないか。死んでいったのは市民だけか。ヒロインが愛したのは自爆攻撃をした我が同胞なではないのか。それに泣いたのではないのか。
 殺しまくりである。
 問題になるのは、市民、特に子供の死者だけである。
 イラク兵、怖いだろうな、という想像力は少なくとも日本のメディア では伝えられていない。
 市民という概念そのものが、第二次大戦後の西側社会にだけある概念ではないのか。
 私は市民です。私は戦争に反対です。だって、市民が殺されるから。
 正しいよ!
 悲しくなるほど正しいよね。
 私は市民です。私は独裁者に反対です。だって、市民が殺されるから。
 これも正しいよ!
 本当ならば。
 サダム・フセインは、自らの権力強化のために反対派を処刑した。
 多分、そうなのだろう。
 しかし、それは多分でしかない。現在のアメリカは、明らかに大量破壊兵器を使ってイラク兵に対しジェノサイドを行っている。
 ネオコンの旗は民主主義と資本主義である。
 そうではない旗があって何が悪いのか。
 このご時世に、フジテレビの早朝番組で、マネックス証券の松本大がこんなことを言っていた。
「銀行の不良債権処理に国民一人あたま10万円出せ。出さなくてもゼロ金利だから同じような損をする。竹中先生は正しい」
 私も早朝のテレビにしか出たことしかないけど、誰も見てないからといってこんな爆発物を放置しておいていいのかよ。
 松本大は、私にこう言ったのである。 「財テクなんてものはない。しかし、ほとんどの日本人は、せっかくの マネーを絶対に増えないところに置いている。常識では考えられない」
 ……マネックス証券のミニ株で10万円儲けたやつ、メールくれ!
 10万円儲けて、金融システムのために竹中に返すやつ、メールくれ!
 私はアメリカ的システムの自壊を待つ。


4月4日

 やっぱ、解放軍になってねえじゃん!
 ナジャフ(だっけ?)で、アメリカの海兵隊が民衆(子供含む)によって押し返されている映像を見て、イラクの人たちが静かに暮らし生きる権利を考えた。サダム・フセインの犯罪について考えた。
 イラクが暮らしにくい国なかどうかは、イラクの大量破壊兵器の保有と同様に簡単に解答が出せる問題なのだろうか。
 映像として私が知っているのは、サダム・フセインが自らの権力を確立するために、粛清を行ってきたということだけだ。公開処刑の映像も 繰り返し流されているが、その映像にどんな意味があるのか、どういう人がどういう理由で処刑されたのかはよくわからない。
 私の知っている理由はそれだけなのに、アメリカとイギリスは何人の 人の命を奪ったのだろうか。兵士であろうと市民であろうと。  軍人の前でしかものを言わないアホ・ブッシュに数千人の暮らしが左 右されていいのだろうか。サダム・フセインは、包囲され、隠れ家から 出ることのできない哀れな境遇なのかもしれないが、ブッシュだって、すでに軍の施設、つまりは暴力にだけにたよるしかない哀れな独裁者な のではないか。
 あと、ネオ・コンについても言いたいけど、日本の私と同世代の文化人たちも多くがネオ・コンを名乗った時期があった。金と知名度が欲し いためにただ売れてるだけの絵も満足に描けないアホな漫画かと結託したりして。
 正直に白状すれば、私も新保守主義者という立場が快適なのかな、と 思った時期はあった。宝島社までそんな風潮になってしまったのだから。
 若気の至りだよ。当然のことながら。
 私は勝ち目のない闘いだけをやるよ。戦争反対、人を殺すな、という まっとうな意見については、支持するが積極的には参画しない。
 ただ見るだけ。ただ見るだけの私を批判してくれたまえ。
 立て直したい。ネオ・コンに走った我らが世代の論調をもう一度、なぜそうなったのか、なぜそれが快適だったのか考えたい。ネオ・コンのために家族を殺された人について考えたい。
 アンチ・グローバル、アンチ市場社会、アナーキズムの可能性についてもう一度考えたい。。