デジカメの友にClik!ディスク

はじめに

皆様、お久しぶりでございます。夏休みなどがあって遊びほうけていたせいで、ひと月近くホームページの更新をさぼってしまいました。楽しみにされていた皆さん(もしいらっしゃったら)申し訳ありませんでした。
さて、このJ's Garageですが、ふと振りかえってみれば、赤外線、ポータサウンド、8ミリビデオ、DAT、dcc等など、なんだか絶滅種/絶滅危惧種の博物館のようになっていますね。そこで、今回は開き直って新手の絶滅危惧種を紹介してみたいと思います。(なんて言ったらメーカに怒られてしまいますね。)


アイオメガのClik!

今回紹介するのはこちら。Zipディスクなどで有名なアイオメガ社のClik!です。Zipディスクは日本国内ではMOなどに押されていまひとつポピュラーではありませんが、米国などではかなり普及していまして、昨今のようにCD-Rが一般的になる以前は、アメリカの会社とデータのやりとりをする際はMOよりもZipの方が喜ばれたものです。(かくいう私もひとつ持っています。)
Zipは当初100MB容量でスタートしましたが、途中でフォーマットを拡張して250MB対応のディスク/ドライブも登場しました。これと同時期に出てきたのがClik!ディスクです。ちなみによく”Click"と書かれる方がみえますが、小文字の”c”は入らず、代わりにおしりに”!”がつきます。ご注意を。

メディアの表側&MDとの比較

メディアの裏側。右上の扇状の部分がシャッターになっています。

付属のケース

こんな感じで開きます。

Clik!ディスクは直径2インチ弱のディスクにZipと同様な方式で磁気記録するもので、その容量は40MBです。企画意図としては、デジタルカメラやPDAなどで利用する補助記憶媒体ということでしょうか。ディスクは実売\1,200から\1,400円程度で入手可能ですので、発表当時としては、同容量のフラッシュメモリカードにくらべて1/8から1/5のお値段だったことになります。したがってそれなりに利用のメリットはあったと思われます。まあ、現在では1/3から1/2程度にまで差が縮まってしまっていますのでよほど多量にディスクを使わない限りドライブの値段分の減価償却が利きませんが。


Clik! Drive for Digital Cameras

国内での販売はありませんでしたが、実際に海外ではAGFAのe-Photoシリーズのデジタルカメラで、clik!ドライブ内蔵タイプのものが販売されていたようです。より汎用的に、ユーザが今もっているデジタルカメラで補助記憶装置として使えるように、という企画で出されたのがこちらの製品です。

これはデジタルカメラ用のClik!ドライブのパッケージです。パッケージの内容は
1.ドライブ本体
2.フラッシュメモリ・リーダ
3.充電バッテリ
4.クレードル
5.接続ケーブル
6.ACアダプタ
7.キャリングケース
8.Clik!ディスク
9.ドライバCD
といった構成になっています。一応オールインワンパックで特に何も買い足す必要はありません。

どの様な使い方をする商品かといいますと、すでに皆さんお察しかと思いますが、デジタルカメラと組み合わせて

  • 外出先ではフラッシュメモリ・リーダとドッキングして撮影済みのコンパクトフラッシュカードやスマートメディアから画像データを吸い上げてClik!ディスクにコピーすることで、フラッシュメモリを再度カメラに挿しコピー済みの画像を消去して撮影を続行可能とし、
  • 帰宅後は、パソコンに繋いだクレードルの上にドライブ本体を載せることでリムーバブルドライブとして認識させ、画像データをハードディスクやCD-Rにコピーすることができる。

というものになります。

本体から充電バッテリ、フラッシュメモリ・リーダを取り外したところ。

Clik!ディスクスロット部

コンパクトフラッシュスロット

スマートメディアスロット

具体的な使い方としては、

1.ドライブにClik!ディスクを入れ

2.カードスロットにCFカードまたはスマートメディアを挿入

3.ボタンを押す

とこの3ステップだけです。

すると、フラッシュメモリカードの内容が全部Clik!ディスクにコピーされる、という寸法。あとは、帰宅後にパソコンのパラレルポートに接続したクレードルの上にポンと乗せればパソコンからはリムーバブルドライブとして見えますので、エクスプローラ等でハードディスク等にコピーするだけでOKです。

なお、フラッシュカードからClik!にコピーの際、データ自体の容量が40MB以下の場合は、Clik!が満杯になるまで何度でもコピーできます。一回のコピーの度に、Clik!にディレクトリ(フォルダ)が作られてその下に内容がコピーされますので、たとえファイル名が重複しても上書きコピーしてしまう心配はありません。

また、ドライブに装備されている液晶ディスプレイに、ディスクの何パーセントを使ったかが判るような表示がありますので、あとどれくらい書きこめるかの目安も付けられるようになっています。

反対に、フラッシュメモリカード内のデータ容量が40MBを超えてしまう場合は要注意です。残念ながら分割コピーなどという気が利いた機能はありませんので、40MBを超えない範囲でまめにコピーしておくか、不要なファイルを消して40MB以内にしてからコピーするよりありません。したがって、実質は32MBとか40MBといったメモリカードを使いまわす必要があります。

注意点が出たついでに欠点(というか残念な点)をいくつか紹介してみましょうか。

<その1>

フラッシュメモリカードのスロットはコンパクトフラッシュ用とスマートメディア用の2つがありますが、どちらか排他利用になり、フラッシュカード間の相互コピーはできません。また、Clik!からフラッシュカードへのデータの書き戻しも残念ながらできません。

<その2>

あと、Clik!ディスクをドライブ単体で消去することは出来ません(あまりその必要は無いとは思いますが)。データをPCのハードディスク等に転送後はPCの操作でClik!上のデータは消去するか再フォーマットしておかないといけません。パソコンのハードディスクにコピーし終わって、安心してClik!ディスクの中のデータをそのままにしておくと、いざフラッシュメモリカードのデータをClik!にコピーしようとした時にディスクが一杯ということで再利用ができなくなってしまいますのでご注意を。

<その3>

フラッシュメモリ・リーダで読めないメディアがある点。発売時期の関係か、スマートメディアは32MB超の容量のものは非対応のようです。コンパクトフラッシュについては、中身がサンディスクやレクサーメディア製のカードは大丈夫なのですが、日立などその他のメーカのものはちょっと怪しいようです。具体的には、同じメルコ(BUFFALO)ブランドの32MBのコンパクトフラッシュでも型番がRCF-Cというタイプは大丈夫なのに、RCF-Lというタイプは認識しない、というちょっと面白くない互換性問題を経験しました。

<その4>

あとひとつだけ大きな欠点としては、アクセス速度がかなり遅い点。32MBのCFカードのデータを40MBのClik!に全部コピーするのに体感で一分かそれ以上かかっていますので、フラッシュメモリカードは最低でも2枚用意して、片方で撮影をしている間に撮影済みのカード内のデータをClik!ディスクにコピーをしておくのが賢い使い方だと思います。

と、欠点ばかり並べてしまいましたが、その分難しいことは考えずにシンプルな操作でコピーが出来るわけですので、まぁ、合理的と言えるでしょう。

反対に良い点も挙げてみましょう。

<その1>

まずは冒頭にも述べたように、まだ今のところは容量あたりのメディアの単価がフラッシュメモリカードよりは安い点。

<その2>

次に、意外と充電バッテリーの持ちが良い点。未だに、外出先でバッテリー切れを経験しておりません。実地テストでメディア6,7枚分くらいのコピー作業した限りではまだまだ余裕で動きます。

<その3>

付属のキャリングケースがなかなか使いやすいです。ご覧のように、合成皮革製ですが、中に金属を仕込んだ「ベロ」が付いていまして、これをベルトに引っ掛けるだけで腰につけて置けます。結構激しく動いてもおっこちることはありませんでした。いちいちベルトを外してベルト通しに通さなくても良いので重宝しています。これは、ポータブルMDプレーやなんかも見習ってほしいと思いました。Clik!ドライブ自体ちょっとしたデジタルカメラ本体位の大きさがあるので、ドライブ単体ではかさばるため、特に最近流行りの超コンパクトデジタルカメラをお使いの方にはあまりお勧めできないのですが、このケースのお陰であまり気にせずに腰に付けて持ち歩けます。(もっとも本当に落とした時に気づかない恐れもありますが。)

付属のキャリングケース。

上にClik!、下にフラッシュカード用のフタがついていて、裏側にはベルトにかける「ベロ」がついています。

私が最初に購入したClik!ドライブがこれで、購入の狙いもまさにアイオメガの意図通り。ちょっとしたイベントなどで、普段使っているフラッシュカードでは不足する程度のコマ数を撮影するが、かといってノートPCを持ち歩くほどでもない、というようなシチュエーションで利用しようという目的で購入しました。(一番の動機は「安売り(\9,800)されていたから」ということでしたけどね。)

このパッケージはどうやら海外向け仕様を並行輸入した商品っぽくて、マニュアルも英語のみでした。で、この仕様はクレードルをパラレルポート経由でパソコンと接続するタイプですが、国内向けに正規で販売している仕様などではクレードルの代わりにPCカードインタフェースユニットに接続して、パラレルI/Fの無いノートPCにも繋がるようなパッケージもあるようです。

まぁ、最近のデジタルカメラはIBMのマイクロドライブが使えるタイプのものが少なくないので、こんな面倒なことをせずとも直接マイクロドライブをデジタルカメラ本体に差し込めば良いわけですから、世の中便利になったものです。とはいえマイクロドライブが使えないカメラも多いわけですし、使えてもバッテリー消費が激しくて実用に堪えないものもあります。そういう場合の選択肢としてはまだまだClik!も捨てたものではありません。


Clik! PC Card Drive

先ほど、「私が最初に購入した」と書きましたが、実は他にもClik!ドライブはあります。結構「おっ!」と思ってしまうのがこれでしょう。

こちらはアイオメガ製でPCカードタイプのドライブです。なんと5mm厚のTypeII PCカードの中にClik!ドライブを仕込んでしまっています。まぁ、昨今ではマイクロドライブだとか5GB容量のPCカード型ハードディスクなどもある訳ですので特に不思議では無いのですが、着脱式のディスクがこれまた着脱式のPCカードの中に入るというのを実際に見るとやはりある種の感動を覚えてしまいます。

流石に、発熱が厳しいようで、説明書を見ると「PCカードスロットにドライブを入れた状態でClik!ディスクを入れたまま放置しないでください。」というような趣旨の注意書きがあるのがご愛嬌です。

一般にATAフラッシュメモリPCカードの場合は、ノートPCのPCカードスロットにカードを挿入するときはそのまま差し込めば良いのですが、使い終わってカードを抜くときには予めOSに対して抜くことを知らせてやらないといけない、具体的にはWindowsでは例えばタスクバー上のPCカードアイコンをクリックし、「XXXカードの使用を中止する」というメニューをクリックして、「このカードは安全に取り外すことができます」という表示が出るまで待たないといけないという面倒な制約があります。これに対して、このClik!カードドライブの場合は、カードドライブ本体をPCから抜く場合は上記の通りの手続きを踏む必要がありますが、カードドライブからディスク自体を抜くときは特に手続き不要で抜き差しできますので便利です。もちろん、ディスクにアクセスしているときはだめですけど。

あと、付属品としてこ洒落たハードケースがついてきます。


Clik! USB Drive

もうひとつ紹介したいのがこちらです。

こちらはNEC製の外付けタイプのドライブですが、最初に紹介したものと大きさ的には同じくらいです。何が違うかと申しますとアイオメガのものがPCとパラレル接続していたのに対して、こちらはUSB接続という点です。

あとは、Macintoshでの利用を意識したのでしょうか、本体が少しだけスケルトンの素材で出来ています。また、アイオメガのものが結構大きなACアダプタを使用していたのに対して、こちらはUSBのバスパワーで動作しますので、結構気楽に持ちだせます。本体とUSBケーブル、そしてディスクをカバンに放り込んでそのまま会社のデスクトップPCに繋ぐこともOK。NECもそういう使い方を想定したのか、キャリングケースが付属しています。このケースには、本体とUSBケーブル、Clik!ディスクのポケットに加えてご丁寧にドライバがインストールできるように、CD-ROMを入れるポケットまで付いています。

私も最初はPCへのデータ読み込みはパラレル接続タイプのクレードルを利用していたのですが、どうにもケーブルがうじゃうじゃしてうっとうしいので、このUSBタイプに乗り換えてしまいました。したがってアイオメガのドライブはデジタルカメラの画像データの一時バックアップ専用になっています。まぁ、こちらのUSBタイプに付いても、あるお店の閉店セールで\9800位で安かった、というのが購入動機です。


以上、ご紹介してまいりましたが、はっきり言ってマイナーな商品です。メディアもまったく買えないわけではありませんが、置いてあるお店は限られていますので、どなたにもお勧めするものではありません。これが、あと3年早く、例えばソニーのマビカなどに搭載されていたら状況はかなり違っていたと思うのですが、やはり40MBという中途半端な容量がデジタルカメラの超メガピクセルの大画素化の波に乗り遅れてしまった、という感じですね。もし、更なる技術革新で、同じ大きさでZipディスクと同等の100MB程度が記憶できて、更にメディアが低価格になれば、ひょっとしたら巻き返しも夢では無いかもしれませんが、現状のままではユーザの私から見ても普及は苦しいと思います。

とはいうものの、現状のままでも、メディアについては壊れるまで使ってもとりあえず7,8枚あれば私の用途には充分ですので、使い方によってはとても便利なツールであることには変わりありません。これからも大切に使って、年に数回の大量撮影の機会には活躍してもらおうと思います。


大事なお知らせ

あ、最後になりましたが、紹介してまいりましたClik!ディスク、現在は「改名」して「PocketZip」と呼ばれています。やはり知名度の高い「Zip」にあやかって安心して買ってもらおうという魂胆なのでしょうか。いちおうアイオメガのてこ入れなのでしょうかね?

ということで、今回はここまで。次回をお楽しみに。

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