姿なき通信者 の巻

今回は赤外線特集第二弾です。お題はIrTran−P

アイアールトランプと読むのかアイアールトランピーなのか、私も今いち知識がないのですが、InfraRed TRANsfer Pictureの略語であろうことは想像に難く有りません。


要するに、赤外線信号を利用して画像データを機器間で伝送するための手順を取り決めた規格(企画)の呼称です。1997年に、NTT、オカヤシステムウェア、カシオ、シャープ、ソニーの五社によって取り決められましたが、IrDAのように団体の名称を兼ねているということは無いと思います。


それ以前にもソニーサイバーショットコダックのDC200シリーズなど、IrDA準拠の赤外線ポートを備えたデジタルカメラは存在していましたが、IrDAインタフェースの提供する伝送路を利用する点は共通でも、それぞれ独自の通信手順で機器間の通信を行っていたので、他社製品との通信や自社製品でも異なるモデルとの間の通信が実現していませんでした。これを解消して他社製品や自社製異モデル間でも通信可能なように、共通の取り決めが行われました。これが、IrTran-Pです。


DTM(DeskTop Music)の世界の例えでいえば、IrDAMIDIIrTran-PGMに相当すると思うと良いかも知れません。

その結果、以下のような製品でIrTran-Pが採用されています。5社の他に日本ビクターも企画に賛同して対応製品がいくつか発売されています。最近ではキヤノンからもモバイルインクジェットプリンタが出ています。

[デジタルスチルカメラ] カシオ QV-770, QV-7000SX
シャープ VE-LC2
ソニー DSC-F3, DSC-MD1
ビクター GC-S1
[デジタルビデオカメラ] ビクター GR-DVX7
[プリンタ] カシオ DP-8800SX, FZ-500P
シャープ VP-EC2
ビクター GV-DT1, GV-DT3, GV-HT1
キヤノン BJ-M40, BJ-M70
[ファックス] シャープ 彩・遊・記 (型番判りません!)
[PDA] カシオ カシオペアシリーズ, FZ-700S
シャープ ザウルスシリーズ、コミュニケーションパル
[ハンドヘルドPC] カシオ FIVA
シャープ テリオス
ビクター インターリンク

また、パソコン用アプリケーションとしては、オカヤシステムウェアからIrTran-P monitorというシェアウェアが、新潟キヤノテックからはWindowsCE用ソフトとしてEasy Viewerが発表されています。

このように、意外と多数の対応製品が世の中に出回っているのですが、現状では今一つ一般に認知されているとは言いがたいです。理由としては、


1.
35万画素機のデジカメが主力だった'97当時に比べて超メガピクセルのモデルが主流となり、扱うデータサイズが大きくなってきた。

2.
Microsoft社のWindowsに提供されるMSIRがWindows95当時は最大115kbpsのIrDA1.0しかサポートしておらず、「赤外線通信は遅くて使い物にならない。」という誤ったイメージをユーザに植え付けてしまった。(実はIrDA1.1では最大4Mbpsまで対応している。)

3.
なんといっても世の中の主流であるデスクトップパソコンの大半には赤外線ポートが搭載されていない。

4.
電機メーカ主導で制定されたIrTran-Pに対してカメラメーカの賛同が得られず、オリンパスフジといったメジャーどころのデジカメメーカから対応製品が発売されていない。

5.
Windows98ではUSBにスポットライトがあたり、多くのデジカメがこれを採用した。

6.
現在ではBluetoothが注目されている。

などの点が挙げられると思います。
かようにデジカメの世界では赤外線は虐げられ不当な扱いを受けているのです。

私が一番悔しいと思うのは2.番に挙げた点で、いい能力をせっかく持っているのに、
最大の通信相手であるパソコン側のOSが対応していないがためにその能力が発揮
できないまま廃れてしまおうとしていることです。

もっとも、わずかな光明としては、


などの事柄もあります。今から秋が楽しみです。

今回のところはこれ位でいったん終了します。次回はIrTran-P通信の実例を挙げて、ほらこんなに便利だよ、ということを疑似体験していただこうと思っています。

それでは次回をお楽しみに!

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