デジタルビデオカメラでタイマー録画(構想編)

はじめに

いやー、前回の更新からずいぶん間があいてしまって申し訳有りません。あまり開いたのでFTPのやり方を忘れてしまいました。

いちおう言い訳をさせていただきますと、昨年末にHDD+DVDビデオレコーダーを買ってからというもの、ほとんど毎日それでケーブルTVで放映されている「スタートレック」シリーズの番組を録画してはチャプタ-打ちなどの編集をしてDVD-Rに書き込む、という作業に追われて、何だかビデオを中心に生活が回っているような状態になってしまって、とてもホームページを更新できるようなコンテンツ作りが出来ない状況だったからです。いろんな編集が手軽に出来ると、ついつい「きちんとしないと気が済まない」ようになってしまい、そうなったら最後、いくら手間をかけてもかけ足り無いのですよね。その一方で部屋の中は散らかる一方なのですが...。

今回のコンテンツは久しぶりの電子工作、プラスちょっとしたプログラミングも入っています。ゴールデンウィークの連休から3週間かけた大作(?)ですので心してご覧ください。(笑)


きっかけ

いきなり自己否定するようですが、DVDレコーダーって便利ですけど決して画質のほうは言うほど高画質ではありません。所詮時間軸圧縮をかけた画像なので、細かい文字の部分にはモスキートノイズが、動きの激しい部分にはブロックノイズがといった具合に特有のノイズが出て気になりだすと気になってしかたがありません。

そう言った点でやはり民生ビデオ機器で現時点で最強なのはDVテープを使ったテープレコーダだと思います。自分の場合は(以前にも紹介いたしましたように)、DVではなくこのDV準拠のデジタルビデオ信号を8mmテープに記録する「デジタル8」方式のカメラやウォークマンを使用していますが、やはり手持ちのビデオ機器のなかでこれらで録画した画像がもっとも高画質だと思います。
オーディオメディアに例えれば、DVDがMDだとすればDVはCDに相当する、と言えば話がはやいでしょうか。音楽のライブ番組などを録画する際にはつい、このデジタル8に録画したくなります。

こういう非常にマニアック(苦笑)な例についてはおいとくとして、一般的なニーズも考えてみましょう。
例えば

  • お気に入りのアーティストやミュージシャンが出演する60分枠の音楽番組を録画して、お目当てのアーティストの出ている時間帯だけコピーしてコレクションしたい
  • 野球中継の有る日にお目当ての番組の開始時間が遅れるかもしれない、でもコレクションテープに前の番組の後半部分など録画したくない

と思われる人は決して少なくないと思います。このような場合には、いったん別のテープに不要部分も含めて丸ごと録画してからコレクションテープにダビングせざるを得ません。ところが、VHS->VHSのコピーの場合、画質が著しく劣化するのでこれはできるかぎり避けたいはずです。

こんなときは、どうしたら良いでしょうか? JunZからの提案は、お手持ちのDVカメラを「デジタルビデオ」として利用して留守録画する、という方法です。DV方式ビデオは非常に高画質でよほどマニアな方でもない限りオンエア画と見分けが付かないほどです。
したがって、これをマスターテープとしてDV->VHSにコピーすれば、だれもそのテープを観てダビングした画像だとは気が付かないはずです。

問題点

ただ、DVカメラを使ってTV録画することの難点は、以前にも書きましたように、カメラにはチューナーも入っていなければタイマー録画もできないところです。(なぜか時計機能はあるんですけどね。)したがって、留守中や深夜に放送される番組を録画しようとすると、PCから制御できる学習リモコン等でコントロールしなければいけない始末。これは使い勝手がわるいです。だいたいビデオの予約をするのにパソコンを立ち上げて時間まで電源を入れておかなければならない、っていうのはどうも気持ち悪いです。また、赤外線リモコンの信頼性もいまいちで、西日が差し込んできたため動作しなかったとか、家人やペットがリモコンの位置をうっかり動かしてしまって赤外線が届かなかったとか、失敗の可能性が高いです。

そこで、「何かもっと手軽でかつ確実な留守録画方法は無いものか?」と思ったのがそもそものはじまりです。


ビデオカメラの制御方法(Output)

まず、デジタルビデオカメラを外部から制御して録画開始/終了させる方法を考えてみましょう。思いつく方法としては、

(1) 赤外線リモコンの利用
(2) リモート端子(LANC端子等)の利用
3) DV端子(i-Link端子、IEEE1394端子)の利用


などがあります。

それぞれの長所、短所を比較しますと次のようになると思います。


(1)の場合
長所:汎用性に優れる(多くのメーカーのカメラに対応できる)
短所:動作の信頼性が劣る

(2)の場合
長所:動作の信頼性は高い
短所:対応カメラが限定され汎用性に劣る

(3)の場合
長所:動作の信頼性、汎用性もともに高い
短所:コストがかかる。制御プロトコルの調査、プログラム開発が困難。

この中でどれを選ぶかとなると、

まず(3)が一番優れているのは確かですが、いかんせんやろうとしていることに対して大袈裟すぎるしアマチュアが趣味でやるにはハードルが高すぎますのでこれは却下。

となると(1)、(2)のどちらか?ということになってきます。

まぁ、(2)の場合はソニー製のカメラとキヤノン製の一部のカメラのみの対応になり、パナソニック、日本ビクター、シャープ等のカメラをお使いの方にとっては面白くない話になってしまいます。

したがって、Webで発表するには(1)の方が本来向いているのかとは思いますが、かといって(1)の方法を取るとなると、

a) 自分が持ってもいないビクターやシャープのカメラのリモコン信号の解析をどうやるのか?という点

b) a)をクリアするには市販の汎用リモコンを買ってきてそれを改造する、という手もありますが、それではいまひとつ工作として面白くない、という点

c) 動作に対する信頼性の問題が解決されない、という点

などから、ここはわがままに(2)のLANC端子を利用する方法をとることにしました。パナソニック、日本ビクター、シャープのユーザのみなさん、ごめんなさい。


録画開始信号の取得方法(Input)

カメラを制御する手段はLANCを利用することになりました。では、次はどういう手がかりをきっかけとしてカメラの録画開始/停止を行うかについて考えます。これについてもいろいろ方法はありますが、私が思いついたのは以下の方法です。

(1) 電子的なON/OFFタイマーを利用する
(2) ビデオやチューナーのサービスコンセント(ビデオの電源に連動するタイプ)を利用する
(3) 市販のACをON/OFFするタイマーを利用する
(4) 映像信号入力の有無を利用する

実は当初はこの(1)の方法をとるつもりでいました。そのため、一部電子工作ファンの間では有名な秋月通商のPICを利用したタイマーのキットも買ってきて作りました。ですが、つくった後に気づきました。
・このタイマーは6チャンネルの信号をそれぞれON/OFF時刻の指定をして制御できるけれど一日1回分しか設定できない
・毎日同時刻でのON/OFF設定はできるが、曜日/日付を指定しての予約ができない
これでは使いものになりませんので却下です。

秋月のタイマー

(2)(3)については基本的に同じアイデアです。AC電源のON/OFFに連動してリレーやフォトカプラ等を動作させて、それによってトリガーを得る方法。ただ、最近のビデオの低価格にともないサービスコンセントは省略化されている傾向がありますので、サービスコンセントがビデオについていない場合は別途タイマーを買わなければなりません。(安くても5,6千円はするでしょうか)ということでこのアイデアはちょっと面白くない。だいたい自分の手で工作する部分にAC100Vの電源はできればあまり扱いたくない、という気持ちも有ります。ショートしたり感電したりしたら大変です。

と、いうことで消去法で(4)の方法になります。これは最近のビデオなどで良くやっている方法です。外部入力端子に繋いだBS/CSデジタルチューナーがチューナー内蔵のタイマーによって電源が入ることでビデオの入力端子に映像信号が入ってくるとビデオの方でこれを検出して自動的に録画を開始、映像信号が途切れたら録画を終了する、というやりかたです。この機能を利用すると、チューナーとビデオの2箇所でタイマーの設定をしなくても良く、チューナー側だけでタイマー設定を行えば良いわけです。
技術的には、市販の同期分離ICを利用してビデオ信号から複合同期信号を取りだし、これをトリガーとしてリトリガブルな単安定マルチバイブレータを動作させればOKです。単安定マルチのパルスの時間を、ビデオの同期信号の周期より充分長い時間になるように定数設定をすれば良いです。

(注1) 同期信号

ご存知かと思いますが、ビデオの映像信号は、日本の場合一枚あたり525本の走査線からなる画像が一秒あたり30コマ伝送されています。(正確には間引きした半完成の画像が一秒あたり60コマ)これをTV画面の上でぶれないように表示させるために、信号の中には毎秒60回の垂直同期信号と、毎秒15,750回の水平同期信号が埋め込まれています。TVモニターは、これらの同期信号に合わせて一本一本の走査線や一枚一枚の画像をきちんと揃った位置に表示することができます。
同期分離ICとは、この同期信号を画像信号から抽出する役割をもつICチップで、ナショナルセミコンダクター社のLM1881という部品が有名です。

(注2) 単安定マルチバイブレータ

これは、入力端子に与えられた信号の変化に応じて一定時間の長さのパルス信号を発生する回路です。例えて言うならば、夜間に何か動くものをセンサが検知すると一定時間だけランプが光るセンサーライトなどを思い浮かべてください。この「一定時間」を回路的に作り出しているのが単安定マルチバイブレータです。今回の工作では汎用ロジックICの74HC123を利用しました。一定時間の長さは、理論的には1/15,750 秒以上あれば充分ですが、まぁ、TVの受信電波状況の一時的な変化やノイズなどで誤動作されてもいやなので、今回は極端に長い時間に設定しました。(約1秒)


今回のまとめ

とりあえず第一回のまとめとしましては、

  • タイマー設定した据え置きビデオなりBS/CSチューナなりの動作にしたがってビデオカメラの録画をスタートさせる。
  • ビデオやチューナの動作状況を調べる方法には有効な映像信号が出力されているかどうかで判断する。
  • ビデオカメラの動作制御は(ソニー系カメラを想定して)LANC端子を利用して行う。


ということにしたいと思います。絵に描いてみればこんな感じです。

では、今回のところはこれくらいにして、次回はハードウェア編をお届けしますのでお楽しみに!

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