はじめに久しぶりの「趣味の工作の部屋」のコンテンツはちょっとした電子工作です。以前の企画のシリアルケーブルやFAXアダプタは、いわゆる「受動素子」しか使わない非常に簡単な工作でしたが、今回は「能動素子」であるオペアンプ(日本語で言うと「演算増幅器」です。)を使いますので、回路的にはちょっとだけ難しくなっていますが、製作の手間としては半田付けをすることに変わりはありません。実際、昨日私自身で組み立ててみたのですが、半日でできましたので、器用な方ならお茶の子サイサイで出来てしまうでしょう。(現物を作るよりも、このHPのコンテンツを作る方が手間が掛かった、という噂もありますが。)ぜひ作ってみてください。そして、いろんな音を録音してみてください! ミキサーとは?読んで字のごとく、「混ぜる」機械または人のことを指します。本格的なものでは24チャンネルとか、48チャンネルとかの楽器やマイクの音をバランス良く「混ぜて」2チャンネルのステレオにまとめる装置などがありますね。簡単なものでは、「カラオケ」の伴奏にマイクに向かって歌った自分の声を「混ぜる」ようなものもそうです。アンプに入っちゃっているから気がつかないかもしれませんが、あれもミキサーですね。 もっと言えば、テレビのアンテナでVHFのアンテナとUHFのアンテナの信号を混ぜる部品なんかもありますね。あれも「混合器」などと称していますが立派なミキサーです。もちろん、お台所でつかうミキサーやコンクリートミキサーなども元を正せば...、きりが無いのでこの辺にしましょう。 今回作るのは、CDやMD、カセットなどの音にマイクの音を混ぜるための簡単なステレオミキサーです。別に混ぜなくてもマイク入力端子の無いラジカセやMDなどにマイクの音を録音するためのマイクアンプとしてもお使いになれます。変わった使い方としては、ビデオカメラで撮影をされるときにマイクの音にヘッドフォンステレオなどの音を混ぜてBGM付き(笑)で録画することもできないことはありません。 |
ありあわせの部品でちゃちゃっと作ったので、こんな回路になりました。

ステレオ用ですが、右も左も回路は同じなのでとりあえず片チャンネル分だけです。概略説明しますと、IC1によってマイク入力の音声信号を通常のライン入力レベルに近い大きさに増幅、VR1、VR2で双方のバランスを調整した後、R5、R9を通して両者をミックスして、IC2のバッファアンプを経由して出力する、というものです。 電池駆動(6〜12V位で適当に電源を与えてください。)としたかったので、本来オペアンプは+−の二電源で使用するべきところですが単電源での設計となっています。両電源とするときは、ICの8番ピンとと回路のグラウンド間に+電源、ICの4番ピンと回路のグラウンド間に−電源を接続、図のR3、R7は実装せず、0Vを中心としてプラスマイナスに信号が振れるようにしますが、今回は、例えばR3、R4で電源電圧:Vccを1/2に分圧してこれをオペアンプの+入力端子に入力することにより、1/2Vccの電位を仮想グラウンドとしてこれを中心に信号が振れるようにしています。 細かい話はこれくらいにして、使用部品は以下のとおりです。
大体の話で、ライン入力はおよそ1Vくらいの振幅なのに対して、マイクはおよそ5mVくらいの振幅と聞いていますので、200倍の差があることになります。そこで、まずIC1の反転増幅回路で、R2/R1=10k/470≒20倍に増幅した後、IC2にてR6/R5=10k/1k≒10倍してレベルをそろえることを狙っています。製作して実際に使用してみて、ちょっと音が小さい/大きいと感じられたら、これらの抵抗の値を変えて調整してみてください。なおこのとき、R3、R4については、これらを並列接続したときの抵抗値が、R1、R2を並列接続したときの抵抗値になるべく近い値になるように選んでください。(R7、R8も同様。) 抵抗のカラーコードここで、抵抗器値の読み方をご紹介します。 通常、色のついた縞が4本書かれていますので、これの色によって値が判ります。4本の縞は、順に 1本目および2本目:抵抗値の有効数字。1kΩのときはそれぞれ 「1」、「0」=10 3本目:10のべき乗の数。1kΩのときは10×10^2なので 「2」 4本目:抵抗の精度。通常5%精度のものは金色。 となります。 まず、縞のどちらが上の位になるかを見分けなければなりませんが、次の10色以外のものが4桁目だと思えば大丈夫です。 したがって、 茶、黒、赤 = 1kΩ 茶、黒、橙 = 10kΩ 赤、赤、赤 = 2.2kΩ 黄、紫、茶 = 470Ω となります。 その他、補足電解コンデンサには極性がありますが回路図中、まっすぐな棒で描いた側が+極です。通常、ケースの−側にマーキングがありますし、新品の部品では+の方が足が長いですので判ると思います。 可変抵抗器は、3本電極がある内、つまみ側から見て左をグラウンド、右を入力(回路図のC3、C7側)中央を出力(矢印で描いた側)につないでください。 ICは下のイラストにあるように、通常1番ピン側の短辺に切り欠きがあります。あるいは、一番ピンの横に丸いくぼみがあります。 |
回路図だけでは、実際のピン配列などわからないと思いますので、以下に実体配線図を示します。
これは回路図のIC1周辺のみの抜粋ですが、IC2周りもこれを手本に作ればできると思います。R9の部分が増えるだけですので。


出来上がりは...私が昨日作ったのは、ユニバーサル基板を使ってこんな感じになりました。録音可能なポータブルMDなどの機器で利用することを考えて、私の場合はステレオミニジャックで信号を受けて、ステレオミニプラグから出力するように製作しました。この辺りについては、皆さんがお手持ちの機材に合わせて適宜RCAピンジャックや標準フォーンジャックなど、適当なコネクタを利用して作って戴けば良いと思います。 まとめめっちゃめちゃ簡単!とか、誰でもできる!とまでは申しませんが、ちょっと半田付けができてほんの少しの根気があればできないことはありません。(実は私は非常に不器用なのです。)問題なのは部品が近くで手に入るかどうか、という点に尽きると思いますが、最近はインターネットでの通信販売などもあるようですので(便利な世の中になりました!)、やる気さえあればできないことは無いと思います。ミキサーがあれば最初にご紹介したようにいろんなことができますし、今回のジョイント企画にて、「音楽の部屋」で紹介しているような楽しいお遊びもできるようになります。もちろん、市販のミキサーを購入されても良いのですが、今回の工作のモノなら部品費に二千円もかかりませんのでよろしかったら是非挑戦してみてください。 ちなみに市販品はこんな感じです。ケースにお金が掛かっている、という感じですね。
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