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和食とワイン  其の四

デザートワインというカテゴリーは、かなり誤解されている。かつての国産甘味果実酒のイメージが本物のデザートワインの評価を下げ、「甘口ワイン=甘いだけ」 という図式を作り出してしまっている様だ。本物のデザートワインは、フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケン・ベーレン・アウスレーゼ、ハンガリーのトカイ ・アスーはいうに及ばず、イタリアのモスカート・ダスティやカリフォルニアのオレンジ・マスカットもとても旨いし、日本の甲州やデラウエアも質の高い生産者が 作った物はかなり旨い。だが、デザートワインと和食を合わせた記憶があまり無く、結果的に少しずれが生じてしまったことをお詫びしたい。


“辛口カレー”と“アスティ・スプマンテ”


カレーライスは和食か?

まあ、いいじゃないですか!インド人もタイ人もパキスタン人もイギリス人も、その他カレーを 食べるどの国の人も日本の市販カレー・ルウを使ったカレーを認めはしないだろうから。

ということで、このタイトルは成立したこととする。

ところで、カレーとアスティ・スプマンテの組み合わせだが、確かソムリエールの野田宏子さん が書いた本で紹介していたように思う。若かりし頃、現在のご主人の部屋で手作りの辛口カレー とアスティ・スプマンテの相性に驚いた・・・とかなんとか・・・ただの、のろけ話だった様にも・・・
 それで試してみたのだが、結論から言うとたいしたことはなかった。もっとも、野田さんの ご主人がどんなカレーを作ったのかはわからないので断言は避けるが、少なくともハウス・ジャワ カレー(おおから)にはたいして合わなかった。
実をいうと私のいう辛口とは、常人の辛口とは少々違うらしく、口から本当に火が出て家が火事に なりかけたヤツもいるし、水を飲んだら水蒸気爆発が起こり窓ガラスが吹っ飛んだという話しを聞 かされたこともある。だが、私は20代の後半頃、LEEの50倍カレーに胡椒をたっぷりかけたもの を「うまい!うまい!」と言いながら食した後、胃痙攣を起こして1時間ほど冷や汗を流し続けて 以来辛すぎる物は控えている。だから、これらの話しは「ウソ」だと確信している。
そして、これを試したのは30代後半だから、カレーは全然辛くはなかったはずだ。4人前に黒胡椒 を大さじ一杯分くらい足した程度の辛くないカレーにマスカット風味の甘口微発砲ワインをあわせて も、甘口どうしだからワインの甘みで口の中のヒリヒリを押さえる必要もないし、ワインは何とな く飲み干してしまっただけだった。
と言う訳で、ナンのレポートにもなっていないことをお詫びして、おしまいとする。


“キャラメルアイス”と“ショイレーベ・アウスレーゼ”


キャラメルと言えば、やはり大阪名物の・・・・

ショイレーベとはあまり聞き慣れない方もおられることだろう。これは、リースリングとシルバーナーというドイツ を代表する2大白ぶどうの交配種で、おもにアウスレーゼ以上のデザートワインに仕立てると実力を発揮するといわ れている。マスカットの香りにパイナップルやリンゴのような微かな香りが彩りを添え実に優雅だ。出来の悪い辛口 ワインに仕立てたときは雑巾の様なニオイがすることがあるが、シュペトレーゼ・クラス以上のノーマル・タイプを 選べばまず大丈夫だ。因みにドイツでは、ノーマル・タイプといえば甘口のことを指す。
甘口ワインは何かと合わせることを考える必要は通常ない。それ自体が充分に旨いし、デザートだから食後にほんの 少量を味わえばいいのだ。でも、ときに口が寂しいときもあって、チョコレートやクッキーなどを一緒に食べて悔し い思いをすることがあるが、ショイレーベ・アウスレーゼとキャラメル・ビスケットはとても相性が良かった。キャラ メルの香ばしさが際だって実に美味しい。
ある時、友人達と行きつけのカフェ・レストランで食事会をしたときのことだ。家に1本だけ残っていたプファルツ のショイレーベを「このカフェ・レストランのキャラメル・アイスに合わせたら旨いだろうな!」と常々思っていた 私は、この計画を実行に移すことにした。

ほろ苦く、チョコレートを思わせる香りのキャラメル・アイスを口に含み、 口の中からアイスが無くならないうちにワインを一口。すると、思ったとおり香ばしい香りが口の中ではじけ、素晴 らしいハーモニーを奏でたのだ。シェフにも試してもらったが、「なんやこれ!鼻の奥の香りの固まりが動かへん!」 と言って、しばらく私たちのテーブルに座り込んでいた。どうやら料理の香りがわからず、作るのに支障がでていた ようだ。
さてさて、キャラメル・アイスは和食か?と言う疑問にお答えしよう!

そんなわけないやろ〜!?

ただ単に、ネタが無くなってきただけのことなのだ・・・・!

By mutsu