「患者様の詩」

患者様は神様 信じていなくても
ベッドの上じゃ何かに祈りを捧げます
患者様はこれまで信じた神よりも
目の前の白衣の人に掌合わせます
患者様は一人では何にもできない
あなたにすがって生きるしかないのです

患者様よ あなたは特別なひとです
だって何万もの中から選ばれたのだから
患者様は昨日まで見知らぬ人たちと
今日から家族のように
ひとつの屋根の下
患者様は一人ではどこへも行けない
部屋の窓さえ開け放てはしないのです

患者様の喜び どこにあるのでしょう
進まない時間がもどかしいだけです
患者様は普通に生きたいだけです
ただそれだけのことなのに
いとおしいのです
患者様はあなたに何か伝えたい
本当に大切なものが何なのか

患者様は今夜も静かに目を閉じて
過ぎ行く今日一日を抱きしめ眠ります

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