マンションの種類と構造?
集合住宅には動物飼育に関して3種類あります。
「ペット(コンセプト)マンション」「普通のマンション」「ペット禁止マンション」です。それぞれに価値があります。
流行の「ペット共生マンション」ですが、これは、設備のある「ペットマンション」とまでいかなくとも、幾つかのペット用の共用設備が設けられていたり、飼い主を管理・サポートするソフトメニューを持っているものなどあります。
たとえ、「ペット共生マンション」と言われるものでも、 生き物と暮らす人も、生き物が苦手な人も一緒に住んでいます。
(この「ペット共生マンション」は、新たな問題を作ってしまったようです。この件は、目次の「ペット共生マンション?」で)
さて、ここで考えたいのは「普通のマンション」です。曖昧な原始規約を持っているものはこれに類します。
(「マンションを購入するときの注意」に少し説明しています。)
私達は、自由に趣味を持つ事や、生き物を家族に迎える権利を、法で保証されています。これは、相手(人だけでなく生き物も含めて)を思いやるマナーがあってこそ認められるのです。
しかし、人によってマナーの認識がまちまちです。密集する住宅地では特に、マナーを共通化するルールを定めることが大変重要になるのだと考えます。
ルールには国の法律では「動物の愛護及び管理に関する法律」「狂犬病予防法」、基準として「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」等があります。
各都道府県も「ペット条例」と一般に呼ばれる、動物の飼育に関する条例を制定しています。(その他の「動物の法律集」を見てみる)
ペットの小さなコミュニティであるマンションも、その個性に見合ったルールを「管理規約」として持っていますが、動物飼育についても「飼育規則」として定める事が必要です。
東京都は、平成2年の国勢調査で集合住宅等に居住する世帯が64.2%となり、今後も増加が予想されるため、「集合住宅における動物飼養モデル規程」を平成6年に作成しました。
貴方のマンションは、ペットに関する規約や規則がきちんと整備されていますか?
億ションと言われる高級マンションなら話は別ですが(アッパークラスではペット問題なんて滅多に起こらないそうです。飼育はあたりまえだから) ごく普通のマンションなら考えてみましょう。
曖昧なままだったり黙認のままだったりすると、トラブルが起きた時に、事務的対処ができなくて困った事にもなりがちです。
日本は細かな取り決めがなくても、穏やかに事を納められるほど、動物との共生に対する認識は高くないのです。
「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」は最近の社会状況によって、平成14年3月に答申された新しい物です。その経緯は、「中央環境審議会動物愛護部会の答申について」を参考にして下さい。
平成3年に、世間の動物と暮らす者を愕然とさせた、悪名高き「横浜ペット裁判」がありました。
この判決文に、設備を構造自体整備する必要があるように書かれました。
その為、飼育には設備が必要であると主張する飼育反対者がいるのは事実です。しかし、これに対して多くの有識者が異議を唱えています。
最近また、ペットの飼育が「共同の利益に反する」かどうか等の、最高裁での最初の判断が下されました。
飼育を禁止し、飼育者が損害賠償を払う事になりました。
しかし、これは飼育規約違反の飼育者に対して下された判決で、条件が異なる飼育者全てに当てはめる事はできません。
この判決を盾に脅された飼い主さんがいるようですが、条件が違えばこれにあたらないのです。
ペット対応の設備(例えば空調設備や防音設備)があるマンションでなければ飼育可ではない、と優良な飼い主にも一律に押しつけるのは、なんとも理不尽で配慮に欠けるものと思われます。
このような改善の風潮もあって、ペット対応の設備の有無にかかわらず、飼育可能な新築マンションが増え始めました。しかし、中身の伴わないものは最近のペットブームと同じく、間違った認識のために不幸な動物を増やしたり、違う問題を併発する恐れがあります。
共通のルールを作り、動物の習性を理解し、お互いにマナーを守る。そうすれば、ペット用に住宅の構造自体を特別に設備する必要はないでしょう。
上記の最高裁判例は「犬の飼育禁止請求事件 解説」に詳しく書かれています。この一部に「横浜ペット裁判」も解説されています。
集合住宅での管理組合とは、飼育問題にどうやって対応すべきなのかを、1995年に横浜で開催された第4回「日本マンション学会」で、管理組合理事長のご経験のある横浜市獣医師会・前理事の井本史夫先生が学会報告をお書きになっています。
「集合住宅における動物飼育について -管理者の考え方について-」です。
井本先生は、ご自身のマンションは郊外のなんの変哲もないマンションだけれど、マンションの3大トラブルに遭遇していないとおっしゃっています。
それは、問題が持ち上がった時、お互いの価値観を認め、話し合って解決するというコミュニティをつくってこられたからです。
こうしたことで、動物が堅苦しいルールや締め付けなく共生していても、資産価値が低くなるどころか、近隣の同レベルのマンションより高い価値を維持しています。
(先生は数多くのマンションの相談にのられていらしゃいます。)
先生のご協力で記事を転載させていただきましたので、管理組合でどの様に対処すべきか考えられている方は、基本姿勢として参考になさって下さい。(ペット問題だけの事ではありません)