このようにビールを造っています(All Grain編)。(その1)

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はじめに

1998年9月ビールを仕込むには、少々暑かったですが、アメリカシアトルにあるCellar Homebrewから取り寄せたBritish Ple Ale(all grainのキット)を仕込みました。Malt Extractで仕込む場合と比べ、マッシングという麦芽(デンプン)を甘い糖に変える行程が加わります。今回は、マッシングの温度を2回変えるtwo-step infusion mashという方法で仕込みました。その模様も含め記録してみました。どうぞ、どんなもなか、見学してください。
その1、その2その3と分けて書きました。

 (1)Cellar Homebrew社のキットBritish Pale Ale"DOCKSIDER PALE ALE"(all grain)の中身です。 

        

(材料)
 Base Malt; 7.5lbs. English Pale Malt,3.0L
 Specialty Grain;0.5lb. English Crystal,50-60L
          ;0.5lb. German Light Crystal,20L
 Boiling Hops ;1 oz. English Fuggle Hops(α-acid4.9%)
 Finishing Hops;0.5 oz. Kent Golding Hops(α-acid5.6%)
 Dry Hops; 1 oz. English Fuggle Hops
      ;0.5 oz. Kent Golding Hops
 Wyeast; Thames Valley Ale Yeast

       

      

 (2)スターター(予備発酵)を造ります。

 始めに酵母を十分量培養します。液体イースト(wyeastワイイースト)は2重構造になっています。inside packageには酵母のみが、そして外には培養液が入っていています。まず、仕込む1週間ぐらい前に、Wyeastのinside package を手で叩いてパンチアウト(破る)します。発酵が始まり、酵母の増殖が始まります。2、3日のうちに、Wyeastのpackageは酵母の産製した炭酸ガスで膨らんできます。

膨らんだWyeastです。

 次にスターターを造ります。約10%の糖液の中にWyeastのyeastを入れて、さらに発酵をさせ、十分な量の酵母を造ります。私の場合、大ビンのビールびんでスターターを造っています。 以前、スターターを造らず、膨らんだWyeastの酵母液を、直接麦汁に入れて仕込んで いましたが、本格的に発酵するまで2、3日かかりました。これでは、酵母が発酵し出すまでに雑菌(乳酸菌など)が繁殖する可能性が高く、雑菌対策の意味からもスターターを造ることが必要と思われます。今回、約500mlの予備発酵を造りました。

 (3)Grainを粉砕(crush)します。

 いよいよ、ビールを仕込みます。だいたい6時間から7時間かかります。まず、麦芽(grain)を粉砕します。だいたい、一粒の麦芽が2、3かけらに割れるくらいの粗挽きになるようにMillを設定します。

       Corona社製のplate-typeのMillです。

 この時麦芽を細かく挽きすぎると、麦汁を冷却する際に沈澱物(コールドブレイク)の量が多くなり、仕上がったビールが白濁する原因となります、また、スパーシングにか なりの時間がかかったりします。

 (4)糖化液造り(Mashingマッシング)

a)温水の入った糖化槽(マッシュタン)に粉砕した麦芽を移して、よく撹拌して一定温度で一定時間かけて糖化液(Mash)を造ります(Mashingマッシング)。麦芽に含まれる酵素の働きでデンプンが分解され、甘い糖化液になります。

糖化槽にクラッシュした麦芽を入れているところです。娘に手伝わせるなんて、やらせぽいですネ。

b)ここで、糖化槽に入れる温水の量ですが、麦芽100gに対して水250mlから350ml入れます。今回、麦芽100gに対して水約350mlとしました。麦芽8.5lbs.(3855g)ですから、糖化槽(5ガロン(18.9L)ステンレス鍋)のなかに温水13.5L入れました。麦芽100gに対して水約350mlを入れましたが、この割合で糖化を行うとミディアムボディのビールができると言われています。また、麦芽100gに対して水約250mlの割合で糖化を行うとライトボディのビールとなり、麦芽100gに対して水約150mlの割合で糖化を行うとフルボディのビールができます。今回はミディアムボディのビールを目指していましたので、麦芽100gに対して水約350mlの濃度のマッシングをしました。また今回、糖化液の PHを調節するため、Gypsum(石膏)を茶さじ1杯分入れました。

糖化槽の中の粥状のMash

  

c)今回のMashingは、途中で1回温度を変えるtwo-step infusion mashとしました。
(1)protein rest;Mashの温度を55℃で約30分間、一定の温度で保ちました。
    この行程により、麦芽の中のタンパク質が、主に分解されます。
(2)Saccharification Rest;protein rest 終了後、Mashの温度を62℃から67℃にします。この行程により、麦芽の中の炭水化物が、主に分解されます。

   糖化温度を低めに設定(62度前後);マルトースなど発酵する糖が多くなり、アルコール度数が高めのドライなビールとなります。
   糖化温度を高めに設定(67度前後);デキストリンなど発酵しない糖が多くなりボデイの強いビールとなります。

   今回、65℃の温度にて90分間、糖化を行いました。ミディアムボディのビールとなると、期待しています。

温度計でMashの温度を確認しながら、時々撹拌します。

もし、Mashの温度が低くなっていましたらガスをつけて、撹拌しながら温度を上げます。マッシュ液の温度は出来る限り一定に保つようにします。Mashingも終わりに近づきました。Mashのうわづみ液は茶色となり、なめてみるとたいへん甘くなっています。デンプンが酵素の働きで加水分解され糖に変化したためです(糖化)。このマッシュ液は、昔懐かしい麦芽飴の味がします。

他のMashingの方法として、温度を最後まで一定に保って糖化するsingle-step infusion mashがあります。どちらを選択するかは、Base Grainの種類に依ります。

Cellarのカタログによると、U.S.2-ROW PALE MALTやU.S.6-ROW MALTはHigh enzymeであり、(two-)step infusion mashを勧めています。一方、ENGLISH PALE MALTなどは、low enzymeでsingle-step infusion mashを勧めています。
今回の仕込みでは、Base GrainとしてEnglish Pale Maltを使いましたので、single-step infusion mashにすべきでした。

 d)Mash out

最後に、糖化液の温度を77度にして5分間放置します。この行程をMash outと言います。これで、酵素が不活性化されます。


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