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このようにビールを造っています(Malt Extract編) (その1) |
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はじめに
CELLAR HOMEBREWからALEXANDER社のPALE MALT SYRUP、ENGLISH CRYSTAL MALT、Wyeast BRITISH ALE YEAST(#1335)とイギリス産のKENT GOLDING HOPが5月22日に届きました。これらの材料を使って、CLASSIC ENGLISH PALE ALEを仕込むことにしました。手順はキット缶編とほとんど同じですが、SteepingというSpecialty Grainを約30分間、温水の中に浸けるという行程が加わります。ホップ入りキット缶でのビール造りと大きく異なる点は、スタイルにあったビールをつくため、自分でホップの種類、量、煮込み時間を計算しないといけません。また、Specilty Grainの種類、量により出来上がりのビールの色が異なってきます。ホップやSpecilty Grainを使い分けることにより自分自身のオリジナルのビールが出来ます。
その1、その2と分けて書きました。
今回、TERRY FOSTER著、「PALE ALE」という解説書のP110に記載されているMALT EXTRACTによるSTANDARD PALE ALE を仕込みました。CLASSIC ENGLISH PALE ALEは上面発酵酵母特有のフルーツの香りが漂い、イギリス原産のホップの苦み、香りが十分に利いた淡色から銅色のビールです。
(左図)TERRY FOSTER著、「PALE ALE」です。
(1)材料
・ALEXANDER PALE MALT EXTRACT 6 lbs (2.7Kg)
・MUNTON FISION DRY PALE MALT 0.5 LBS (227g)
・ENGLISH CRYSTAL MALT(60 Lovibond) 2oz.(57g)
・KENT GOLDING HOP (alpha-acid 6.4%) HBU 8.8
・Wyeast BRITISH ALE (#1335)
PALE MALT EXTRACTです。後に、大鍋に入れるときに、スムーズに入るように温水につけ暖めておきます。
60 Lovibond のENGLISH CRYSTAL MALTです。MILLで粉砕しました。
DRY PALE MALT です。今回、使用する分をはかります。
KENT GOLDING HOP (alpha-acid 6.4%)です。イギリス産のLEAFタイプのホップです。
(2)仕込みのスケジュール
6月5日、材料もすべて揃いました。いよいよ仕込むことにします。今回仕込む、CLASSIC ENGLISH PALE ALEのTargetをまとめます。
Target
Originary Gravity;1.048
IBU;32.8
Color;〜10IBUが32.8のビールを仕込みます。KENT GOLDING HOPの煮込み時間を45分間とします。KENT GOLDING HOPのalpha-acidは6.4%ですのでIBU=(Weight(ounces) of hop ×% alpha acid of hop ×% Utilazation)/(Volume(gallon)×1.34)より計算すると35.6グラムになります。IBUはビールの苦みを表す一つの方法です。IBUの定義、IBUの計算についてはビール用語集に詳しく書いています。参考にしてください。
沸騰の終了時に香りを付けるためのホップ(Aroma hop)として同じKENT GOLDING HOP14グラム使用しますが、これはビールの苦み(Bitterness)にはあまり影響しません。
Total boil timeを90分とします。
比重、Colorについては、順を追って書くことにします。
(3)準備
今回の仕込みに使う道具は、7.5ガロン(約29リットル)の大鍋(KETTLE)、ワートチラー、Steepingに使う目の細かいMUSLIN BAGです。
予備発酵をします。仕込む1週間前に、Wyeastのinside pakageを破り、Wyeastの袋の中で発酵を開始します。予備発酵については、このようにビールを造っています(all grain編)にも書いていますので、参考にしてください。Wyeastの袋の中で発酵が始まると袋はだんだんと膨れてきます。3cmぐらいに膨らみましたら、さらに、沢山の酵母を造るため、予備発酵をします。
(予備発酵についてのコメント;今回の予備発酵での麦汁の比重を1.040としましたが、早く予備発酵を完了したいときには、麦汁の比重を1.020ぐらいにします。麦汁の比重を1.020ぐらいで予備発酵を作ると1日から2日で完了します。)
予備発酵の行程です。
1リットルの三角フラスコの中に、DRY MALTを約110グラムと水を入れ、合計1リットルになるようにします(比重が約1.040の麦汁が出来ます)。ゆっくり煮沸し、火を止め、氷水の中に浸け、冷却します。三角フラスコを直接煮沸しているので、殺菌対策にもなります。冷却した麦汁の中に、Wyeastの袋を開け、酵母を麦汁の中に入れて、口にサランラップをして暗いところに置いておきます。明日には盛んに発酵しているのが分かります。このようにして、沢山の酵母を培養します。これを予備発酵といいます。沢山の酵母を培養することにより、一次発酵時、雑菌汚染を防ぐことが出来ます。(左図)三角フラスコの中の麦汁にWyeastの酵母を入れて行くところです(Pitching)。(右図)酵母を投入して3日目後の様子です。底には沢山の酵母がたまり、麦汁は盛んに泡が立っています。
(4)Steeping
(上図左)Muslin Bagに60 Lovibondのクリスタルモルトを入れました。
60LovibondのEnglish Crystal Malt 57グラムを目の細かいBagに入れ、約1リットルの温水の中に30分間入れます。温水の温度は67度前後です。この過程をSteepingといいます。30分間浸けることにより、Crystal Maltよりいろいろな成分が温水の中に溶け出します。モルトの香り、風味、等が溶け出し、出来上がりのビールに風味、香りを付けてくれます。最も大きな目的は、ビールの色を調節することです。
(上図右)67度の温水1Lにクリスタルモルトを浸けています(Steeping)。
クリスタルモルトはどのようにして造られるのでしょうか。TERRY FOSTER著、「PALE ALE」P38-39を読んでみます。「60 Lovibondのクリスタルモルトはグリーンモルトを摂氏71度ぐらいで、湿気が蒸発しないように換気をしないで暖める(蒸す)。この状況下、グリーンモルト内のデンプンは糖に変化している。そして、摂氏116度にまで温度を上げることにより、カラメル化する。このように造られた、麦芽を見ると、白っぽく少し粉っぽいpale maltと比べて、その色は茶色であり、キラキラしている。」クリスタルモルトがきらきらしているのは、糖が乾燥したためです。乾燥する温度でクリスタルモルトの色が変化します。高い温度で乾燥させるとより濃い茶色になります。クリスタルモルトの色の濃さをLovibondで表します。20、40、60、80、90Lovibondと5種類のクリスタルモルトがあり、数字が大きくなると色も濃い茶色になります。今回は60 Lovibondのクリスタルモルトを使用しました。色の濃いビールを造りたいときはたかいLovibondのクリスタルモルトを多く使います。(詳しくは、「醸造の理論」で述べる予定です。)
(左図)Steeping終了時の麦汁を少しコップに入れてみました。焦げ茶色をしています。味見をしました。麦芽の風味と少し焦げたようなやや酸っぱい苦みと甘みが混ざった味がしました。
(5)麦汁
(その2に続きます)
7.5ガロン(約29リットル)の大鍋に約19リットルの水を入れ、沸騰させます。沸騰しましたら、いったん火を止めて、Steepingした麦汁を大鍋の中に入れました。クリスタルモルトの入っているBagを絞ってはいけません。タンニン等の雑味成分が鍋に入ってしまいます。Bagはそっと取り出し、自然に麦汁がきれるのを待ちます。(左図)クリスタルモルトの麦汁を入れるだけで鍋の温水はうすい茶色になりました。
続いて、6 lbs.(約2.7Kg)のALEXANDER社製のPALE MALT EXTRACTを入れます。PALE MALT EXTRACTはスムーズに入るように暖めていました。続いて、DRY MALT(227g)をいれます。入れを終わりましたら、完全に溶けるまでよくかき回します。
完全に溶けましたら、麦汁の温度と比重を測定します。麦汁は約22リットルあります。麦汁の温度は摂氏60度で1.028でした。摂氏15度で1.0446です。再沸騰で麦汁は約19リットルまで減少します。目標比重は1.048ですので、蒸発すると比重が上がりますのでこれで良しとしました。もし比重が小さいときは、DRY MALTを追加し比重を調節します。
PALE MALT EXTRACT とDRY MALTが完全に溶けました。比重を確認しました。再び火を付けて沸騰させます。たくさんの灰汁がでますので頻回に取ります。total boiling timeは90分です。
比較的激しく沸騰させます。DMS等のオフフレーバーとなる物質が飛んでいきます。またタンパク質が凝固沈殿します。麦汁が蒸発しますので、少なくなった分、水を足します。
KENT GOLDING HOP(alpha-acid 6.4%)の袋を開けるとホップの香りが部屋中に立ちこめます。ビールに苦みを付けるため、ホップを入れる準備をします。35.6グラムのKENT GOLDING HOPをhop bagの中に入れます。
麦汁が再沸騰して45分が経過しました。hop bagに入れたKENT GOLDING HOPを麦汁に入れました。これからさらに、45分間HOPを煮込みます。45分間煮込むことによりホップの香り成分は無くなり、苦み成分のみ残ります。ビールの苦みはIBUで表します。麦汁の比重が仮に摂氏15度で1.040としますと、45分間煮込んだ時の% Utilazationは27となります。IBU=(Weight(ounces) of hop ×% alpha acid of hop ×% Utilazation)/(Volume(gallon)×1.34)で計算されます。よって、今回仕込むビールのIBUは約((35.6/28)×6.4×27)/(5×1.34)=32.79となりほぼtargetに近い値です。キリンのラガービールのIBUがだいたい28と言われています。キリンのラガービールに比べ、やや苦いビールになると思われます。
残り20分前に、Irish Moss(海藻)を約茶さじ4分の1麦汁に入れます。タンパク質や他のいろいろな成分を強固沈殿させるためです。出来上がりのビールがより澄んだ物になります。
同時に、Immersion typeのWort Chillarを投入します。キット缶編、all grain編と同じです。20分間沸騰している麦汁の中に入れていきます。
火を止める約1分前に香りを付けるためのホップ(aroma hop)として、同じKENT GOLIDING HOP 14グラムをhop bagに入れて、麦汁の中に投入します。45分経過しましたら、火を止め始めに入れた苦みを付けるために入れたホップを取り出します(左図)。火を止めた後もaroma hopは約5分間そのまま麦汁の中に浸けていきます。ホップの香りが麦汁に染みわたるようにします。5分間経ちましたら、aroma hopの入った、hop bagも取り出します。aroma hopはほとんど苦みには影響しません。今回、Leafタイプのホップを使いました。ホップは他にPelletタイプがあります。LeafタイプのホップはPelletタイプに比べ、香りが強く出ます。
Chillarの銅管の中に水道水を流し、麦汁を急速冷却します。今回6月5に仕込みました。水道水の温度は約24度でした。冬でしたら、10分位で麦汁は25度に冷却されますが、今回麦汁を26度に冷却するのに、約40分かかりました。これ以上暑くなると、ビールを仕込むのは無理なようです。今回で1999年度前半戦は終了とします。
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