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2000/10/22 Rainy Day IPA (INDIA PALE ALE)#56 |
2000年度の秋バーション第二作目にIPA(INDIA PALE ALE)を仕込みました。自家醸造歴8年目ですがIPAを仕込むのは今回が初めてです。冷蔵庫がまだ無かった時代にイギリスから遥か彼方インド(当時は大英帝国の植民地)までの長旅に耐えるように開発されたスタイルのビールです。多めのホップと高いアルコールの力によって、熱帯気候での数ヶ月の航海に腐ることなく生き残る事ができるビールです。軽いボディながら力強いこのIPAはホップ愛好者の夢のビールです(Cellar Homebrewのパンフレットより)。
材料 (Cellar Homebrew のIPAのall grain kit (レシピ名:Rainy Day IPA))
- base grains:English Pale Malt 9 lbs.
- base grains:Munich Malt 1/2 lb.
- specialty grains:English Crystal Malt (50-60L) 1/2 lb.
- total grains 10 lbs.(約4.5Kg)
- 2 oz. Chinook hops(α-acid 12.5 %、whole)-90 minutes (bittering)
- 1 oz. English Kent Golding hops(α-acid 6.4 %、whole)-5 minutes (aroma)
- 0.5 oz. English Kent Golding hops(α-acid 6.4 %、whole)-DRY hopping
- Irish moss--少々
- Wyeast--Britsh ale yeast #1098
予備発酵
10/22(日曜日)に仕込みました。1週間前にWyeastの内袋を破り、予備発酵の準備をしました。最近はWyeastはXLサイズのものを使うことが多くなってきましたが、今回仕込むIPAはCellar Homebrewのall grain キットであるためレギューラーサイズのWyeastですので、予備発酵が必要になります。10/19にdry maltを使い予備発酵を開始しました。この予備発酵ですが、最近は1リットルサイズの三角フラスコでしています。dry malt から麦汁を作りますが、三角フラスコのよい点はdry maltと水を三角フラスコに入れて沸騰させることが出来、沸騰後は直接冷水につけて冷却することが出来る点です。三角フラスコの口をアルミホイールで覆っておくと、沸騰後から冷却まで外気に触れることがありませんので、麦汁が細菌に汚染される可能性が少なくなります。冷却も初めは水道水で直接冷却しますが、ある程度冷えたら氷水に浸けておくとすぐに25℃まで冷やすことが出来ます。また三角フラスコを2個用意していれば、同時に予備発酵が2つ作ることが出来ます。予備発酵時の麦汁の比重はCellar Homebrew の解説書を読めば、比重1.020位がベストのようです。しかし、私は予備発酵はいつも約1リットルぐらいの麦汁を使うために予備発酵に比重1.020の麦汁を使うと、仕込んだビールの比重に影響しますので、予備発酵の麦汁の比重は1.040と決めています。しかし、予備発酵が完全に出来るのに3から4日間必要とします。比重1.020の麦汁でしたら一日で予備発酵が完了します。仕込み
total 10 lbs.(約4.5kg)の麦芽を粉砕します。Schmidling Millで粉砕しますが、今回はローラーを調節して少し細かく粉砕しました。といっても一粒の麦芽が4から5かけらになる程度です。前回のpale aleでは、麦芽が2かけらぐらいに粉砕したために、ロータリングの効率が非常に悪かったので、今回は少し細かくしました。キリンビール教室で粉砕した麦芽を見るともっと細かく粉砕しています。粗挽きのコーヒー豆といった感じです。Cellar Homebrew で粉砕麦芽を注文すると麦芽は2から3かけら程度の粉砕です。今までの経験からですが、粉砕の程度と収率とは余り関係が無いようです。mashing
今回はtwo-step infusion mashをしました。56℃の温水9リットルの中に4.5Kgの粉砕麦芽を入れました。マッシングでの水の量はPAPAZIANのHOMEBREWER'S GOLDを参考にしました。protein restでは麦芽100グラムあたり200mlの温水を使い、Saccharification Restでは、沸騰水を4.5リットル加えて麦芽100グラムあたり300mlの水の量になるようにしました。protein rest。56℃の温水9リットルに麦芽4.5Kgを20リットルの寸胴に入れました(mash in)。マッシュ液をゆっくりとしっかりかき回し、均等になった時点でのマッシュ液の温度は52℃でした。後は30分間そっとしました。マッシュ液の温度は51から52℃で、protein rest終了時のマッシュ液の糖度は17.4%でした。
Saccharification Rest。protein rest終了後に沸騰水4.5リットルをゆっくりとマッシュ液をかき回しながら5分間かけて入れていきます。この要領はキリンビール教室で教わったことです。沸騰水を4.5リットル入れた時点でのマッシュ液の温度は62℃でしたので、ガスコンロの火を付けてマッシュ液の温度を65℃にまで上げました。このマッシュ液の温度を50度から65度にするまで10分間かかりました。
これから60分間のSaccharification Restです。マッシュ液はかき回せることなく休めています(Rest)。5分後の糖度は18.6%、15分後の糖度は23.6%で、その後10分おきに糖度を測定しましたがあまり変わりませんでした。60分後の糖度は23.8%でした。糖化の観点からするとSaccharification Restは15分で充分であることが分かります。しかし60分間をSaccharification Restの時間としているレシピが多いです。この60分間という時間の長さに何か重要な意味があるかもしれません。機会がありましたら調べてみることにします。
mash out。Saccharification Rest終了後、ガスコンロの火を付けて10分間でマッシュ液の温度を78度にまで上昇させます。この間、ゆっくりとマッシュ液をかき回しました。78℃で5分間そっとして、マッシュアウトは終了です。念のためにマッシュアウト終了後のマッシュ液の糖度を測定しました。糖度は24.6%でした。Saccharification Rest終了時の糖度が23.8%でしたので、マッシュアウトの行程で糖度は少し上昇しました。
Lautering
mash outが終了しましたらすぐにLauteringに移ります。最近はマッシングは20リットルの寸胴で行い10ガロンのPolarwareのDeluxe Mash KettleでLauteringとSpargingをしています。single-step infusion mashでしたらこのPolarwareのDeluxe Mash Kettleでマッシングも同時に出来ますが、two-step infusion mashですと、False BottomとMash Kettleとの間にdead spaceがあり、微妙な温度コントロールが難しいので、20リットルの寸胴でマッシングを行い、mash out終了後すぐにマッシュ液をPolarwareのDeluxe Mash Kettleを移し替えます。このときに、注意しないといけないことは、PolarwareのDeluxe Mash Kettleに78℃の温水をFalse Bottomまで入れておく必要があります。こうすることにより麦芽の粕がFalse Bottomの編み目を通過してMash Kettleの底に麦芽の粕が溜まるのを防ぐことが出来ます。この裏技はキリンビール教室で教えてもらいました。今回 Lauteringで注意した点は、麦汁が空気と混ざらないように静かに行ったことです。約1mのシリコンチュウブをMash Kettleの蛇口に取り付け30リットルの寸胴に静かに麦汁を移し替え、再び麦汁をMash Kettleのgrain bet の上に静かに戻します。この間、麦汁の温度が低下しないようにMash Kettleを弱火で暖めます。 Lauteringを乱暴にして麦汁と空気とが混ざりあいますと、麦汁の色素成分であるメラノイジンが酸化し、ひいては瓶詰めしたビールの酸化の原因になります。特に麦汁が高温の時にメラノイジンの酸化がよく起こります。後に麦汁をチラーで冷却しますが、冷たくなった麦汁は空気と触れあってもメラノイジンの酸化は起こりません。だらか、pitching後のエアレーションはビールの酸化とは全く関係が無いことになります。
三巡回で麦汁は透明になりました。一番絞りは約8リットル回収することが出来ました。この一番絞りをコップに入れて飲むことを私は一番の楽しみにしています。大変甘い昔懐かしい麦芽のジュウスを思い出すからです。また、ビールを仕込むときにはゆっくりと昼食を取ることが出来ません。この一番絞りの麦汁が昼食代わりになります。コップ一杯の麦汁の一番絞りを飲んだ後、すぐにsparging行程に入ります。
sparging
8リットルの一番絞りを回収して、Mash Kettleのgrain bet の上に僅かに麦汁が残っている状態で、78℃の温水を加えていきます。Mash Kettleの蛇口から出てくる麦汁は初めは濃い色ですが徐々に薄くなってきます。合計26リットルの麦汁を回収しました。麦汁の一部を取りだし、冷却して糖度と比重を測定しました。比重は1.046、糖度は13.6%でした。麦汁を後に19リットルまで煮沸しますので、比重が上昇すると考えられます。今回のIPAでは初期比重を1.056と考えています。Lauteringの時と同じように、麦汁が空気と混ざらないようにシリコンチュウブを使い、静かに30リットルの煮沸釜に入れました。
麦汁の煮込み
spargingが終了しましたら、すぐに麦汁の煮込み行程です。ガスコンロに火を付け最大火力で煮込みます。沸騰するまでだいたい30分間かかります。この時間を利用してmashingで使った寸胴をきれいに洗います。麦芽の粕も大きなバケツに移します。この麦芽の粕は非常に栄養価の高いもので、キリンビール工場では牛の餌にしているようです。我々でしたら、ぬか床に混ぜて漬け物の材料にしてもよいかと思います。麦汁が沸騰しましたら、bitter hops であるchinock を2オンス(約56グラム)をホップバックに入れて麦汁にホップの苦みを付けます。このbitter hops の投入から60分間煮沸します。いつもは自分で苦み値を決めて、それに見合うホップの量を計算しホップを投入していますが、今回はCellar Hmebrewのレシピに従いました。苦み値を計算しました。chinockのα酸値は12.5%で、60分間煮沸します。% Utilazationが30%ぐらいですので、最終の麦汁が19リットルとすると苦み値は111ぐらいになります。それにしても大変高い値です。今回はLeafタイプのホップを使っていますので、実際は少し低くなると思います。
残り20分のところで少々のIrish mossとチラーを投入します。残り10分前に麦汁の一部をコップに取り冷却します。比重と糖度を測定するためです。15℃での比重は1.056でした。麦汁は約21リットルになっています。比重が高ければお湯を足しますが、目標比重であったためこれで良しとしました。
ホットブレイクがたくさん出ますがこれは取り除いても取り除かなくてもどちらでもよいそうです。
残り5分前にアロマホップであるEnglish Kent Golding hops 1オンス(約28グラム)をホップバックに入れてsteepします。火を止めた後も約5分間steepします。
麦汁の冷却
ホップバックを取り出して、チラーに水道水を流して麦汁を冷却します。水道水の温度は20℃でした。麦汁の温度を25℃にまで冷却します。約30分間で麦汁の温度は25になりました。効率よく冷却するために熱湯水で消毒したへらで麦汁をゆっくりとかき回します。麦汁の温度が25℃にまでなりましたら、チラーを取り出して、埃が入るといけませんので煮沸釜に蓋をします。約15分間静置します。コールドブレイクが鍋の底に沈むのを待ちます。この間に、発酵タンクを洗浄消毒します。発酵タンクは使用後きれいに洗って消毒していますが、もう一度麦汁を入れる前に洗浄消毒します。煮沸釜の蛇口に熱湯消毒したシリコンチュウブを取り付け、反対側にはエアレーターを取り付け、発酵タンクに麦汁を入れます。冷却前は21リットルあった麦汁は冷却とともに体積が減ってきます。約20リットルぐらいになります。発酵タンクに約18リットル入れ煮沸釜に残った約1.5リットルのコールドブレイクは破棄しました。
酵母投入
予備発酵していましたWyeast Britsh ale yeast #1098を投入して本日の行程は終了です。その後の経過
10/29に10/22に仕込んだIPAの澱引きをしました。今までの経過を簡単に記します。
- 10/22 初期比重1.056、温度25℃
- 10/23 比重1.038、温度25℃
- 10/24 比重1.018、温度25℃
- 10/25 比重1.016、温度25℃
- 10/27 比重1.014、温度20℃
- 10/29 比重1.014、温度20℃、糖度7.2%
澱引きした若ビールは少し濁りを感じました。若ビールの比重は一定でしたが酵母が若ビールに浮遊しています。若ビール中には発酵可能な糖があることになります。
11/4にドライホッピングをしました。English Kent Golding hopsを14グラムGlass carboy に投入しました。若ビールの上にはうっすらを泡が出来ています。澱引き時に酸素が若ビールに混ざり合い酵母の呼吸が活発になったためかもしれません。徐々に若ビールは透明になってきました。発酵温度は18℃から20℃で経過しています。
11/14にケグ詰めを予定していましたが、HEFE-WEIZENの澱引きのために、出来ませんでした。若ビールが完全に澄みきっています。ドライホップは若ビールの上面に浮いています。時間に余裕があれば、明日5ガロンケグに詰めようと考えています。若ビールは18℃から20℃で経過しています。
11/16に5ガロンのケグにケグ詰めをしました。ドライホップは若ビールの上面に浮いたままでしたが一部底に沈んでいます。若ビールは完全に透明になりました。色合いは赤銅色です。比重は.010でデジタル糖度計による糖度は7.2%でした。プラスチックのラッキングチュウブの一部にヒビが入ってしまいました。プラスチックのラッキングチュウブは使い捨てだと思わないといけないようです。これで、もう10本ぐらいはダメにしてしまいました。forced carbonation します。試飲は今月末と考えています。
ケグ詰め時に一部若ビールを飲みましたが、なかなか期待が持てそうです。しかし、ドライポップの効果が今ひとつと感じました。
2000/12/23に試飲しました。Kent Goldingのドライホップが利いています。ボデイは中位でしょうか。すっきりとした味わいです。後味に渋みと苦みを感じます。私自身、気に入った作品です。評価は◎です。
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