最後に、私のビール造り、について自己紹介します。 [HOME]
私が、ビールを自家醸造してみたいと、考えるようになったのは、私が学生のとき、前田 俊彦著”どぶろくをつくろう”読んでからです。私の友人K氏(大学時代の2年先輩)の推薦図書です。K氏の考えの究極は「自分の食べるものは自分で作るべきだ。」です。K氏のいう「作る」とは、野菜なら自分で畑を耕して作る、魚なら自分で捕獲する、ことを意味しています。K氏は自分の飲む酒は自分で造るべきと考え、「どぶろくをつくろう」を読み、私にすすめてくれました。10年くらい前のことです。
「江戸時代、どぶろくは、各家庭で作られていた。その家その家の独自のどぶろくがあり酒造りが、庶民の文化として、日本に根付いていた。明治新政府は、酒税を取るため、自家醸造を禁止した。どぶろくを作ることも、禁止した。当時の日本政府の財源の酒税に占める割合が大きく、財源確保の意味があったと思われる。どぶろくの自家醸造は密造酒となり、当時の政府は摘発を徹底的にした。その結果、税収は確保できたが、わが国の庶民のどぶろくづくりは、根絶やしにされた。ひとつの大きな文化が無くなってしまった。現在、全税収の酒税の占める割合が、かなり減少している(全税収の2〜3%)にもかかわらずいまだに、自家醸造を禁止した酒税法の精神が生き続けている。自家醸造禁止という考えは、日本国憲法の基本的人権の尊重に反する。」K氏は、各家で作られていた”どぶろく”という、日本本来の文化が無くなってしまったことに、無念を感じていたと思われます。私は、ビール党でしたので、ビールをなんとか作れないものか、と思い、少し行動を起こしましたが、結局、材料の入手の仕方がわからず、そのまま断念していました。
1993年夏休暇、子供と一緒に自宅近くの図書館に行ったとき、平手龍太郎著「てずくりビール事始め」という本に偶然出くわしました。
(1)ビールキットにて、手軽に自ビールがつくれること。
(2)自ビールの作り方。
(3)ビールキットの販売店。などが、書いてありました。
さっそく、ビールキットを購入、大きなナベを買い足し、ビールの素”B”LAGERにてその年の秋、初めて仕込みました。酵母を入れて、1週間後ホップのきいた苦甘い麦汁がアルコールを含んだ液体に変化していることを、発見したとき、本当に感動しました。すこし、オーバーかもしれませんが、自然の恵みを感じました。以後、月一回の割合でビールを仕込むようになりました。完全にビール造りに、はまってしまいました。しかし、自ビールを作ると言っても、ビールの素”B”の中にある簡単な説明書をもとに、自己流で仕込んでいました。ハチミツをつっかたり、黒砂糖を使ったり、メロンなどフルーツを使ったり、適当につっくていました。これが、市販のビールより、けっこう美味しかったので、それで自己満足していました。また、雑菌対策さえ、きっちりしていれば、それなりのビールができるので、適当にビールを仕込んでも、今回のビールはこんな味で、それが今回のビールの特徴なんだ、などと、自己満足していました。楽しみで、ビールを作るのだから、それで良いと思たりもしましたが、やはり、もっと、もっと、もっと美味しいビールを作りたい、という欲求が強くなってきました。3年前(96年)、神戸で手作りビールのパーテイがあり、自ビールを何本か持って参加しました。以外と沢山の人が参加していて、驚きました。他の人たちのビールを飲ませていただき、自分の作ったビールと、他の人が作ったビールと飲み比べてみて、どれも同じ様な感じがしました。他の人も、同じキット缶でビールを仕込んでいたのです。当時の私は、ビールキット缶の限界かナーと思いました。(そんなことはありません。モルト濃縮液やDRY MALTとSPECILTY GRAIN、いろいろなホップを使ってオリジナルの美味しいビールを作ることができます。)
ビアクラブオブジャパンよりpale malt 20Kgを購入して97年の春頃より、ALL GRAINで仕込むようになりました。初めてALL GRAINで仕込んだビールはビールキットとはまた違う、趣のある味わいでした。これがall grainのビールの味か!と感動したことを覚えています。おそらくいろいろな雑味を感じたものと思います。以後、ALL GRAINで仕込んでいます。しかし、全くの自己流で、今回作ったビールがどんなスタイルのビールか、全く考えず、適当につくっていました。いまから考えてみますと、毎回ENGLISH STYLE PALE ALEに近いものを作っていたことになります。97年夏より、NIFTYに加入し、NETを中心にビールづくりの勉強をさせてもらっています。97年の秋に名古屋自家醸造研究会に初参加し、自分の作ったビールを、みんなに飲んでもらいました。どんなスタイルのビールですか?という質問に答えることができなくて、恥ずかしい思いをしました。いかに自己流で適当にビールを仕込んでいたか、反省をした次第です。NETを始めたお陰で、自家醸造家のホームページで、ずいぶん勉強させてもらいました。アメリカのCELLAR HOMEBREWからの、ビールの道具、材料の購入も順調にいっています。現在は、スタイルにあったビールを作ろうと心掛けています。スタイルにあったTARGETを決め、RECIPEを考え、材料をそろえ、ビールを作る。そういうビールづくりを楽しんでいます。VICTORY BEER RECIPESという本を参考にして、過去のビールコンテストで優勝したビールのRECIPEをそのまま、まねて作ったり、CELLAR HOMEBREW のカタログのALL GRAINのRECIPE KITを仕込んだりしています。でも、最終目標は私自身のオリジナルの究極のビールを造ることです。
ビールづくりを初めて、早いもので、今年(1998年)で5年が過ぎようとしています。4年間ほど、全く自己流でビールを仕込んでいましたが、NETのおかげで、私のビール造りは、大きく変化してきました。これからも、楽しんでビール造りをしていこうと思います。ビール造りは釣りに似ています。どんな魚でもよいから釣りたいと思えば、簡単につれますが、例えば、チヌ(黒ダイ)を釣りたいと思えば、それなりの仕掛け、技術が必要になります。ビール造りも、同じと思います。とりあえずビールを作ろうと思えば、比較的簡単にできると思います。殺菌対策さえしっかりしていれば、美味しいビールが必ずできます。殺菌対策もそんなにむつかしくありません。私の場合、70%エチルアルコールで殺菌しています。薬局で売っています。
いま思うに、私のビール造りの原点は、ビールの素”B”です。いまではALL GRAINでビールを仕込んでいて、キット缶を使うことは殆どありませんが、ビールの素”B”が無ければ、ALL GRAINでのビール造りもできないだろうと思います。規制のきつい日本に、ビールの素”B”を輸入することに、力を尽くしてくださった方々に感謝します。1998/12/31 橘 克英 (自宅にて)