ハンドルについての考察

 ハンドルについて考えてみましょう。

*グリップの握り方
 スタンディングフォームの時、ハンドルには身体の重心位置に応じた荷重が掛かっているべきで、即ち基本的には上から押している事になります。加えてレバー操作を行う事を考慮すると必然的にこの握り方になります。


 左の写真は解り易くする為に手を半透明にしてみました。

 昔スティーブ・マーチンのビデオで「ヒジを上げるとハンドルをガッチリ固定出来る」という解説をしていましたが、荒れた路面ですと逆に身体ごと振られてしまって逆効果です。ヒジは「ゆとりが有る」程度の開きとし、ステアリングはフリーにするべきです。
 必然的にシッティングでハンドルへの荷重も抜いた方が走り易いですが、スタンディングで荷重を掛けつつもステアリングをフリーにしていられると走りの幅が広がります。


 こういう握りを推奨する所も有りますが、どうしたってレバーの操作が難しくなりますし、脇が開き過ぎてハンドルを押さえてしまいます。


 また、典型的なダメパターンとされるこの握り。でも大型二輪免許を取る時はこの握りになります。(レバーには指4本掛けになりますが)
 ガッチリ握っている様ですが、脇が閉じるので逆にハンドルに力が入りません。よって「ハンドルが振られる」と思った時には一時的にこの握りにすると力が抜けるので、これで本来の動きを取り戻したりしてます。

*ハンドル位置の調整
 何を何処に合わせれば良いのでしょう?
 グリップの握りを前述の形にすると、荷重を掛けるのも指が掛かるのも小指側になりますから、バーエンドの位置が重要という事になります。
 それを何処に位置させるかと言うと・・・

*前後位置
 「身体が遅れない様に」「中心に乗る」と言っている訳ですから、後ろになればなる程具合が悪いのは明白。
 ではとにかく前にすれば良いか?と言うとそうでも無い。一度そう思ってハンドル位置をどんどん前に出して行ったところ、フロントローでの着地時に体重が載せられない様になり、結局ステップのみで乗る形・・・つまり随分後ろ乗り・・・という状態になってしまいました。
 つまりベストは「フロントローでも体重が載せられる範囲で出来るだけ前」という事になると思われます。

*上下位置
 低い方はあまり選べないのが実情ですが、あまり高くない方が良いでしょう。
 高いと前後方向に押したり引いたりの力はかけ易いのですが、ハンドルが胸に当たったり、不意にアッパーカットを食らう事になります。

 あと困るのが、ハンドルが高いとフォームも高くなってしまう事。身体の重心が車体上の重心を置くべき場所から外れてしまう様ではダメです。

 ただ、大柄な人で、通常のハンドル位置ではフォームを維持するのが辛い場合にスペーサーで高くするのはアリだと思いますが、非常手段でしょうね。
 裏を返せば低いフォームを維持するトレーニングをするには低いままが良いってことにもなります。人並みの体格ならノーマル位置で頑張りましょう。

 一時期マクグラスなんかがスペーサーでハンドル位置を上げていましたが、今となっては目的不明。フロントロー時に手が届く様にする為かな?。と想像していますが。

*標準位置
 最終的には個人に合わせて調整するとしても、ハンドルの標準位置とはどこになるのでしょう?。

 基本はこの位置。

 グリップ部分が水平になる位置としています。横から見て水平なものは正面から見ても水平になります。

 何故かと言うと、ハンドルには上から荷重を掛ける訳ですから、押す面は力を掛ける方向に対して垂直である事が理想だからです。起伏のある場所で腕立て伏せはやり難いですよね?。

 ハンドル位置を調整した結果、グリップ部分が水平になるのが理想のハンドル形状という事になります。

*ハンドルの寸法
 バーエンドの位置が重要な訳ですが、多くのバイクはハンドルの前後位置を調整出来ません。前後位置を調整する為には、ハンドルの曲げ形状を変える・・・実質的には曲げ形状の異なるハンドルバーに変える事でそれを行います。

 しかし、ハンドルのカタログを見ても一般的にこの寸法は表示されていませんし(一部のメーカーを除く)、店頭でハンドルバーだけ持ってみても良し悪しが解る物ではありません。

 という訳でダートフリークのカタログに載っている寸法から、取り付け位置〜バーエンドの寸法を導く式を作ってみました。関数はエクセルかなんかで計算出来ると思います。

*ハンドルの絞り
 バーエンドの位置を希望の位置にする為の曲げ形状となっていますので、絞りはその結果でしかない場合がほとんどです。理想を言えばグリップを握った時に手首・ヒジが自然な形になれば良いでしょうか?。店頭でハンドルバーを振り回してみても、解るのはコレだけですからナンセンスですね。

*レバーのセッティング
 あまり極端に上や下へセットする事は有りません。だいたい水平ですね。

前に説明したレバーの握り方なら、身体が前に行っても手首の位置は変わりませんからこの位置で充分。

上げ過ぎでは手首か指が折れますし、下げ過ぎなのはハンドルのステアリング方向への動きを押さえてしまっている証拠。

 ちなみにこちらはエバーツ車

*テーパーバー
 おまけです。テーパーバーも最近種類が増えて物欲をそそりますよね。でも何が良いのか?ってカタログでは解りません。
 だいたい能書きは「強度UP」か「しなる事による疲労軽減」という所が相場ですが・・・。KTMはテーパーバーが純正なので感想をば。

 ハンドルバーが曲がって交換した事は有りませんから、「強度UP」は効果有りと言って良いのかな?。でもハンドルバーの強度より、もうハンドルバーが曲がる様な転倒はしていなかったり、ハンドルクランプの捩れで逃げている効果もありますからねぇ。
 「疲労軽減」は眉唾。だいたい「しなり」自体実感する事は有りません。

 普通のバーパッドは使えなくなっちゃいますし、エンデューロの時に腕時計とか付けるのが難しくなっちゃいます。結論として「わざわざ換える事は無いかな」って感じ。

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